Fate/Grand order 人理の火、火継の薪   作:haruhime

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うごごごごごごごご

うまく書けない、戦闘シーンがががががががが

更新遅くなってすいません。


炎上汚染都市 ー冬木ー 人理の礎、展開

火に焙られた曇天の下、女怪が魔女と騎士、魔術師二人を追い込んでいた。

 

「ほらほらほら、次はマスターに突き立ちますよ?」

 

「くぅ!?」

 

マシュが盾を構えたところに、投擲された杭剣が突き立つ。

 

重量物が衝突したような音がした。

 

何とか耐えているが、明らかに体勢を崩している。

 

「我ら罪科の担い手、常世に非ざる混沌の火は我が手の内に《混沌の大火球》」

 

一瞬動きが鈍ったところを狙い、クラーナが右手の呪術の火を活性化させ、巨大な深紅の火球を投げつける。

 

俺から見れば火箭のようにしか見えない速度のそれを、ライダーはたやすく躱した。

 

「よくもかわすものだ、眼帯の下にどんな目を隠しているのやら。っと!」

 

飛来した杭剣を炎の魔剣で弾き飛ばし、もう一つの杭剣で直接狙ってきたライダーを迎撃する。

 

「押し込まれていますよ?」

 

「チィッ!劣化しても妖物か、怪力め!」

 

ぎりぎりと音を立ててつばぜり合いをしている二人。

 

しかし、元は只人でキャスターのクラーナと、怪異としての怪力を持つライダーの筋力値は明らかな差がある。

 

ライダーが開いている手を翻して、弾かれた杭剣をその手に戻そうとする。

 

「させません!」

 

横合いから突っ込んできたマシュの盾がライダーを弾き飛ばす。

 

「助かった。」

 

「まだです、来ます。」

 

ライダーはダメージを感じさせない動きで着地した。

 

「すまんが、すぐに使える呪術は打ち止めだ。接近戦しかできん、」

 

実際にはライダー自身が盾を蹴り飛ばしていたために、ダメージはおそらくない。

 

すでに幾度となく繰り返したやり取りだ。

 

ここまで、こちらの二人は致命的な一撃こそ受けていないものの、細かい傷をいくつも受けている。

 

なによりクラーナの呪術が切れた。火力が明らかに足りない。

 

「ふ、あちらはさっそく一人やられましたか。あまり遊んでいる暇はなさそうですね。」

 

後ろで火継の薪が暗殺者ではなく僧形の槍兵と戦っていた。

 

たぶん火継の薪のはずだ、黒い巨大斧槍を振り回し、全身真っ黒の騎士甲冑に着替えているが。

 

そもそも僧形とはいったい。日本の英霊はこの冬木では呼べないのではなかったのか。

 

再び接近してきたライダーは三回ほどマシュに攻撃を加え、側撃を入れようとしたクラーナを投擲で牽制し、大きく後ろに跳躍した。

 

15m程だろうか、それなり以上の距離がある。

 

「宝具による蹂躙で片を付けます。」

 

「逃げられると思うな。」

 

その美しいであろう相貌を、怪物のそれに歪めたライダーは杭剣で自らの首を切り裂き大量の血ををまき散らす。

 

その血は意志あるもののようにうごめき、巨大な魔方陣を形成する。

 

「さぁ、来なさい私の愛し仔。」

 

魔法陣の発光が強まる。魔力が暴風となり、視界を閉ざす。

 

風が収まると、現れたのは真白き有翼馬、魔力光を纏ったペガサスだった。

 

ライダーが騎乗すると、有翼馬はすさまじい勢いで空を駆け上がっていく。

 

『騎乗突撃が来る!』

 

「マシュ!任せる!」

 

「ハイ、何としても、守って見せます!」

 

マシュが俺たちの前に立つ。

 

その巨大な盾を構え、身の内に消えた英霊に誓っているのだろう。

 

「すぅ、はぁ、行きます!」

 

「貴女ならできるはずよ、私たちを守りなさい!……宝具の使用を許可します!」

 

所長による命令に加え、俺の手に宿る令呪に意思を載せて発動する。

 

「マシュ!その身に宿る宝具を開放しろ!」

 

「了解!私に貴方の力を貸してください!仮想宝具疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)!!!!!!!!!!!!」

 

令呪から供給された大量の魔力がマシュに取り込まれ、その盾から膨大な魔力が放出される。

 

放出された魔力は、青い巨大な盾を形成した。

 

視認できるほどに濃縮された高濃度魔力の障壁。

 

騎英の(ベルレ)

 

円卓という固いモノの概念を取り込んだそれは、通常の魔力攻撃では破壊できない!

 

手綱ァァァッ!!!!!!(フォーン)

 

流星のごとく、夕闇を切り裂き堕ち来るライダー。

 

その速度は音速を優に超えている。

 

幻想種による蹂躙突撃は、神代の力を以てしなければ防ぐことも難しい。

 

だが、この魔力盾にはその常識は通用しない。

 

使用者の心の強度に応じて、その強度を跳ね上げる盾。

 

ならば、マシュの盾が砕けるはずもない!

 

「くうぅぅぅうぅううううう!!!!!!」

 

「これを抑えますか!?」

 

正面切っての衝突。

 

ペガサスの突撃はマシュを押し流す。

 

しかし、マシュは倒れなかった。

 

その盾にひびは入れども、決して砕けない。

 

ついには、その突撃のエネルギーを食いつくされる。

 

莫大な魔力光を放っていたペガサスは、その力を明らかに失っていた。

 

「飛びなさい!?」

 

「逃がすものか!」

 

危機を感じ取ったのだろう、ライダーが空への逃走を支持する。

 

しかし、それは間に合わなかった。

 

「「ガンド!!!!!!」」

 

俺と所長、二人同時にチャージにチャージを重ねた最大威力のガンドを食らわせる。

 

ほんの数秒、ライダーは視線を動かすこともできないだろう。

 

「全く、詠唱を貯めるのにも時間がかかる。」

 

マシュの盾の陰から飛び出す影、右手の火が燃え上がる。

 

「我が眼前の大敵を飲め!《混沌の嵐》」

 

理をも飲み込む深紅の火、混沌の炎がライダーの周囲を覆いつくす。

 

「あぁあぁあぁぁあっぁ!!!!!!」

 

ライダーの叫び声。

 

「これは大罪を犯した者の魂の形。」

 

クラーナの持つ魔剣が燃え上がる。

 

「火の理を犯すことの罪深さを知れ!」

 

彼女の身から火の粉が吹き上がる。それに合わせ魔剣の火も強くなった。

 

「我が家族の罪の証、咎人よ火を恐れよ!」

 

刀身長をはるかに超える深紅の刃が伸びる。

 

ーーー《非業剣・始まりの呪火(Quelaag's Fury Sword.)

 

真名解放と同時に、轟音をあげてその色が真白に代わる。

 

刃は横一文字に振り切られた。

 

混沌の火の壁を切り伏せ、その奥にいた者たちに刃は至る。

 

ペガサスはその首から上を焼き切られ、ライダーは胴から下を焼き尽くされる。

 

「やはり、怪物は人に討たれる定め。」

 

全身を燻らせ、青白い粒子に還りながら、ライダーはつぶやく。

 

「しかし、今のあなたたちでは、あの王には、堕ちた聖剣には勝てない!」

 

ペガサスが消え去り、

 

「ここで死んだほうがましだと思うでしょう。」

 

彼女の体は霧に、

 

「それでも打ち勝たねばなりません。」

 

彼女の首は地に落ち、焼け落ちた眼帯の奥、

 

「生きなさい、人の子よ。」

 

その黄金の瞳がわずかに笑みを浮かべ、全てが霧に還った。

 

青白い霧が、俺やマシュ、クラーグや所長に吸い込まれる。

 

「な、なによこれ。」

 

ついさっきまで一流魔術師としての威厳があったのに、すっかりいつものビビリマリーさんに。

 

「後で説明してやる、今はそれどころではないだろ。」

 

背後に目を向ければ、火継の薪とランサーの決闘が続いていた。

 

「あの場に割り込もうと思うなよ、邪魔になる。」

 

わかっている。

 

流れるような連撃の応酬。

 

火継の薪が胴を薙ぎ払えばランサーが石突を地面に突き立てて防ぎ。

 

ランサーが返す一撃で石突を突き込めば、はじかれた勢いで体を回していた火継の薪も石突で跳ね上げる。

 

ランサーが身を回し、かちあげられた勢いをそのままにしたから切り上げ、火継の薪も持ち手を切り替え、切り下す。

 

こんなやり取りが超高速で行われる戦場に誰がつけこめるものか。

 

「我が武では到底通じませんな。」

 

【汝の武は良く練られている。】

 

「そういっていただけるとは、望外ですな!」

 

さらに速度が上がる。

 

【だが、この私には届かぬ。】

 

―――《大斧槍・魔狩の槍騎芸(Black Knight Graves )

 

吹き上がる火の粉。

 

明らかに速度を増した回転切り。

 

ランサーの大薙刀を大きく弾く。

 

その速度を載せた同じ向き、同じ位置への回転切り。

 

速度を増し、一歩踏み込みながら放たれた一撃は薙刀を弾かれた衝撃で一歩下がっていたランサーを捉える。

 

「グウゥッ!?」

 

腹を裂かれ、さらに一歩後退するランサー。

 

そこを、二度の回転と全身の動き、そして石突を握りこみ最大の遠心力をかけられた、総金属製の大斧槍による大重量の振り下ろしが襲う。

 

巨大なデーモンを一撃で葬るために編み出された、偉大なる神王の先兵の一撃が、どうして人の英霊に防げるだろうか。

 

意地で間に合わせた槍の柄を切られ、

 

「……お見事、無念なり。」

 

その身を両断されたランサーは青白い光に還り、火継の薪に吸収された。


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