言峰士郎の聖杯戦争   作:麻婆アーメン

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真伝 アルトリア伝説

ぐぅ、と腹の虫めが鳴いた。

思えばかなりの時間何も食っていない。

しかし自分の中に魔力は滞りなく流れているために、恐らく奴は健在なのだろう。

それさえ分かれば、別段動く必要も無い。

協会の地下からくすねてきた数本目のワインを開け、グラスに注ぎながら雑誌に目を落とす。

……このマシンも悪くない。

そんなことを思っていると、カチャリ、という音の後、どこか見覚えのある面影の人物が部屋に入ってきた。

 

「邪魔をするよ、英雄王」

 

「小僧貴様……老けたか?」

 

少し酔いが回っているせいか、視界が覚束無い。

言った後に目を擦り凝視すると、どうやら小僧ではないらしい。

 

「…失礼したと思っていたのだが、失礼されていたとはな。次から君に対する挨拶は考え直した方が良いかもしれないな」

 

雑誌の端から目をのぞかせて聞き捨てならない台詞を履かれたエミヤはため息をつく。

 

「…なんだ貴様の方か贋作者(フェイカー)つまらん。疾く失せよ」

 

「フン、あの小僧も私も同じものであることは知っていよう。どうしてそこまで差が出るのか疑問だな。もしや貴様…少年趣味(ショタコン)か?」

 

「……。観察眼さえ三流と来たか。なるほど救いようもない。だが王のせめてもの慈悲よ。無知な貴様に我自ら教授してやろう。無垢なる子供こそは何者にも耐え難い宝よ。あれらの夢こそ未来の縮図。それを嗤う者は生きる資格すら持たぬ。」

 

グラスを煽り、ワインを飲み干す。

至高、とまでは行かないが、これからの楽しみのことを思えば不味くは感じなかった。

 

「ほう…これは驚いた。切嗣とセイバーからは冷酷無比と聞いていたのだがな。認識を改めるよう私から言っておこう」

 

「構わん。有象無象の雑種から見た像など捨て置け。それにその批評も間違いではない。我は今単に機嫌が良いだけだからな。それよりも貴様、よもや談笑をしに王の元へ拝謁したわけではあるまい。要件を申すが良い。」

 

「なるほど。いやはや失敬。私としたことが役目(ロール)まで時間が無いというのにおしゃべりに悦が入る余りに本来の仕事を忘れていたよ。」

 

「ククク、それはつまり、暗殺者(アサシン)如きの真似事を我の眼前で披露しようという訳か?せいぜい無様に踊って見せろよ雑種」

 

舐められたものだ。と赤い瞳は語り、ソファにもたれかかったまま黄金の波紋をいくつも広げ、臨戦態勢に入る。

 

「暗殺者…その呼び名は忘れてもらおう。今の私は」

 

それを見て聞いて、彼は再度決意した。

これは、負けられぬ戦いにほかならない。

そう呟いて右手に魔力を集める。

魔力が収縮し、そこに現れたのは。

 

執事(バトラー)だ!」

 

彼お気に入りのクマさんエプロンだった。

教会一行に味が薄いだの不味いだの言われ続けた雪辱!

この黄金の王の舌を唸らせ見事晴らして見せよう!

かつての最大の敵を、今度は仲間へと引き入れるために。

正義の味方は相棒(包丁)を握った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

君臨するに相応しい王とは何だ。

───部下を傷つける間でもなく万事を成し遂げる力を持つ者。

 

真なる王とは何だ。

───情に流されることなく小を切り捨て大をとることの出来る者。

 

では問おう。

貴様の求める理想の王とは何だ。

───それは…

 

 

「ここ…は」

 

気付けば呆然と、活気溢れる人混みの中を歩いていた。

むせ返るような土と人の匂いに、紛れもなくここはあの地なのだと確信する。

活気溢れる人々の様々な表情。王座に座して指示を出し、外に出れば戦の繰り返しだったあの頃にはもうとうに忘れていたもの。

見やると、自分の格好はいつもの青いドレスではなく一階の騎士らしい格好だった。

 

「サー・アルトリア!サー・アルトリア!」

 

驚きの余りビクン、と体がはねる。

この地にその名を知っているものなど居ないはず。いや、いてはならないのだ。

反射的に振り返り、腰に下げていた刃を抜いて威圧の声を上げた。

 

「っ!何奴!」

 

「ひぃっ!?あ、ああアルトリア様!?」

 

「あなたは…!」

 

突然刃を突きつけられ、ドスンと尻餅をついた相手はよく見知った相手だった。

背丈は私よりも低く、腰まで垂らした綺麗な銀色の髪にクリクリとした赤い目の特徴的な彼女の名は。

 

「い、イリヤスフィール…!?」

 

「うぅ…ぐすっ…急になんなんですかぁ…」

 

大きめの鎧を身にまとい、帯刀した彼女はどうやら少しばかりあちらのイリヤスフィールよりも泣き虫らしかった。

 

「それに私はイリヤスフィールなどという名前ではありません!お忘れですかサー・アルトリア!私の名はサー・イリヤ!円卓の騎士たる貴方の右腕!イリヤです!」

 

「は、はい、申し訳ないイリヤスフィール」

 

「だーかーら!いつものようにイリヤとお呼びください!サー・アルトリア!」

 

つい先程まで瞳を潤ませていた可憐な姿はどこへやら、今度は彼女の母親を幻視する程の勝気ぶりを見せる彼女。

そう言えば今なにか彼女は物凄いことを口にしたような…

アルトリア…サー・アルト…

 

「円卓の騎士!?私が!?」

 

「ひゃっ!?び、ビックリするので急に大声出さないでくださいよぉ、アルトリア様〜」

 

「どういうことですかイリヤスフィール!私が円卓の騎士というのは!」

 

「あぁもう分かりました!遠征の疲れのせいかご記憶が混乱されているようなので一から説明します!しますから肩をがくんがくんするのをやめてぇ〜!」

 

「はっ、すみませんイリ…イリヤスフィール!?イリヤスフィールーー!!」

 

人混みの中、はへぇ…と意味不明な辞世の句を残し旅立とうとしている彼女を連れ戻そうと、私は再度彼女の肩を抱いて揺らすのでした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……なるほど。ありがとうサー・イリヤ。少し私は動揺していたようだ」

 

「いえ、勿体無いお言葉です。私は貴方の右腕なのですからこの程度はなんでもありません。」

 

そう言って微笑むイリヤ。

どうやらこの世界では私は王ではなく、円卓の騎士が1人…サー・アルトリアとして存在しているらしい。

この景色に惑わされて忘れていたが、この世界は言峰士郎()の固有結界なのでした…。

それにしてもこの世界を展開する前のあの表情。……何故でしょう。良い笑顔だったと思うのですが妙にイライラするのは気のせいでしょうか。

具体的には剣の鍛錬の時私が弱音を言う度煽られた時のよう……いけませんアルトリア、気分に任せて聖剣(エクスカリバー)を抜くなど許されない。今の私は今円卓の騎士が1人。幻とは言え一王に仕える身なのです。

ならば私情を挟むことは許されない。

 

『王は、人の心が分からない』

 

…!

そこまで考え、耳の奥であの声が轟いた。

第四次聖杯戦争の折、剣を交えた湖の騎士(バーサーカー)の今際の言葉。

聖杯を掴むことが彼への贖罪にもなる。

そう信じ剣を振るって来たが、今となってはもうその願いも叶わない。

 

「…リア?アルトリア!」

 

「っ!す、すみませんイリヤ。私はまた…」

 

「大丈夫ですか?どこか痛むようなら私が怪我の手当を…」

 

「え?」

 

そう尋ねられて初めて涙を流していることに気づいた。

どうしてでしょうか。

私は王になってから1度も涙したことなどなかったと言うのに。

どうして今になって。

そんな私を見たがら柄にもなくアタフタと慌てる彼女の姿を見て思わず笑みが零れる。

そうでした。こういう時はこうするのでしたね。

 

「いえ、心配いりませんイリヤスフィール。貴方を守り切るまで私は傷一つ負うことはないでしょう」

 

「アルトリア様…!はいっ!」

 

頭を撫でると、頬を赤く染めて顔を綻ばせるイリヤスフィール。

本当に母親によく似たものです。

面影もそうですが、こうして他人の一挙一動に驚くほどコロコロと表情を変えていく。

彼女を見習えば私も少しは彼に報いることが出来るのでしょうか。

 

「はっ…!すみませんアルトリア様!私としたことが要件を伝えることを忘れていました!」

 

「要件?何かあったのですか?」

 

「円卓会議が始まります!急いで集合せよとのことです!」

 

「何故それを早く言わなかったのですか!ええい!行きますよイリヤスフィール!」

 

「へ?ひゃぁあああぁあ!」

 

円卓の騎士は全員が揃って初めて意味をなすのです。誰か1人が遅刻し士気を下げるなどあってはなりません。

故に。と、主であり、部下でもある目の前の彼女を抱き上げ、未だ見ぬ我が王と友の元へと急ぐのでした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

円卓の周りには、鎧と兜を着込んだ13人の騎士と、それぞれの後ろに立つそれらの側近。

私の生前から、円卓会議の際にはこうして集まり、名前を呼ばれた後に兜を外すのでしたね。本当に懐かしいです。

 

「集まったか。では円卓に集う我の騎士共の名を読み上げよ!アルトリアよ!」

 

「はい、王よ。」

 

名を読み上げるのは確かアグラヴェインの役目だったはず…つまり私は副官の位置に座しているのでしょうか。

それよりもなんだか少し癪に触る声な気もしますが、王のご命令とあらば仕方ありません。

そう割り切って私の目前に置かれていた紙を軽く目を通します。

おや、誤字でしょうか。いけませんね、誇りある騎士の名を間違えるなど言語道断です。

そんなことを考えた一瞬の間を置いて、咳払いをしてから読み上げます。

 

「コホン、サー・ランスロット」

 

しかし、沈黙。

それどころか、周りの円卓の騎士達のその兜の下からは怒りにも似た目線を感じます。

何事でしょうかと首を傾げていると、後ろに立っていたイリヤが小声でちゃんとその通り読んでください、と伝えてきたので、一応その紙通りに読み上げてみましょうか。

 

「サー・サクランスロット」

 

「はい」

 

「!?!?」

 

返事をし、兜を脱ぐ黒い鎧の騎士。

その兜の下から現れたのはなんと──

 

「桜!?!な、なななにをしているのですか!?」

 

「……失礼ながらサー・アルトリア。人の名前を一度ならず二度までも間違えることは無礼に当たるかと。今後は気をつけていただきたい」

 

「は、はい…申し訳ありません。サー・サクランスロット」

 

驚きました。声も容姿も桜その人なのに話し方や雰囲気は当時のランスロットそのままです。ギネヴィアもこれを見たら吹き出すことでしょう。

驚きが一周まわって冷静になった頭が情報を処理していく。

カチャリ、という鎧が擦れる音にハッとし今度は間違えないようにと私情を押し殺して紙面のままを読み上げる。

───吹き出すのを堪えるのだけは大変でしたが。

 

「サー・ガヴェ…リン」

 

「はい。私はここに。」

 

白い兜の下から現れたのは、よく知る少女。

お情程度に髪を下ろしてはいますが、鎧に着られている感は全くごまかせていません。

なんというか巧妙にねじ込んできましたね。

確かにガヴェインの用意周到さとどこか抜けている部分は彼女にもともと備わっていたものでしょうが、容姿はともかくあれは間違えなくガヴェインそのものだ。

 

「サー・カレス」

 

「はい。」

 

鎧の下から現れたのはやはりというか、白髪の少女。

……というか、彼女に至っては聖骸布を首から掛けている以外いつも通りの服装で、先程までは私服の上に兜をを被っていた状態でした。

むぅ…確かにガレスは円卓のアイドル的存在でしたし…間違ってはいないのでしょうか。

 

「サー・ソーイチッロ」

 

「…」

 

あぁ…もう返事もしてくれないんですね。

完全にキャスターのマスターその人です。

こんなのに謀反起こされたら確かに防げる気がしません。

 

「サー・メディヴィエール」

 

「きゃ〜!セイバー可愛いわぁ!」

 

……無視しましょう。

 

「サー・キリスタン」

 

「呼んだかい?」

 

えぇ…確かに彼の今までの話を聞いた後だと哀しみの子って感じはしますが…

いや、2人とも飛び道具を使うので適役なのでしょうか。

 

「サー・アルトリア…は私ですね。」

 

やはりアグラヴェインの位置なのですね。もうアしかあってないですがまあ変なもじりを入れられるよりはマシでしょう。

 

「サー・ウェイバット」

 

「うむ」

 

黒い長髪の男性。

…誰でしたっけ?

なんだか見覚えがある気がしますが。

……いえ、きっと気のせいでしょう。次です。

 

「サー・バーゼヴァル」

 

「はい」

 

赤い短髪の、凛とした印象の女性。

あぁ…士郎の師匠なるお方ですね。

彼女は時代が時代であれば騎士にもなり得たでしょう。

 

「サー・ケリィ」

 

「呼んだかい?」

 

いや貴方ケイじゃなくてキリスタンですよね!?何ちゃっかり席移動して返事しちゃってるんですか!

円卓の騎士成り立ってないじゃないですか!

 

「サー・キヘレイ」

 

「あぁ」

 

ガへレスのつもりですか!?ホントに酷いですね!もうほとんど無理やりじゃないですか!

というかこの人はどうして兜を外さないのでしょうか。

…まあ別に構わないでしょう。無理に外させると拗れると直感が告げています。正直これ以上のいざこざは私としても避けたいところです。

 

「サー・ダルクデス」

 

「はい!」

 

そう言って手を挙げ返事をする旗を携えた金髪碧眼の少女。

パロミデス…ですね、多分。もう名前そのものが自己紹介みたいになってるではありませんか…

 

「い…以上。王よ、円卓の騎士。総員ここに。」

 

脳内ツッコミによって普段の戦闘の、軽く見積もって5倍ほどの精神的ダメージを負いながらもなんとか職務を全うし、その旨を王へと伝えます。

 

「うむ、ご苦労。その美声はこの我も聞くに値する天物である。褒めてつかわそう」

 

「はっ!ありがたき幸せ。皆の者、頭を垂れよ。王の御前である!」

 

「「「はっ!」」」

 

かつて私の側近を務めていたアグラヴェインの真似をし、務めて凛々しい声で言い放ちます。あぁ…なんだか色々と間違ってはいますがとても懐かしい気がします。

私は帰ってきたのですね。キャメロット…私の故郷に。

 

「頭を上げよ。席につけ、我の騎士共よ」

 

王の号令によって円卓の騎士達は一斉に席につく。

そうして扉の向こうの王の入場を待つのです。あぁ、これが仕える者の心情ですか。

感謝します士郎。私は今生前得ることの出来なかった経験をしている…!

しかし、そんな感謝など一瞬で吹き飛んだ。

 

「ご苦労。今日集まってもらったのは他でもない。ある議題のためである」

 

「英雄…王…!」

 

ギリ…という音が耳に響く。

どうやら知らぬ間に奥歯を噛み締めていたらしい。

金色の髪に赤い王冠を無造作に被せ、赤い瞳で不敵に笑う。

かつて私の王道を否とした、決して相容れぬ王。

幻だと分かっていながらも、その姿に対する憎しみからか、会議の内容など一部たりとも頭に入ってくることは無かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「サー・アルトリア。少しよろしいですか」

 

王宮の庭園で一人佇む私に話しかけてきたのは、ガヴェイン…いえ、今は確か…。

 

「えぇ、構いませんよサー・ガヴェリン。如何しましたか?」

 

「いえ、今日のあなたの様子がおかしかったものですから少しお節介をと。不要でしたか?」

 

あって数日とはいえ、普段の彼女からは余りにかけ離れた丁寧な喋り方に思わず頬が緩みそうになる。

生前、アグラヴェイン、ガへリス、ガレス、そしてガヴェインの4人はかつて私が打ち倒したオークニーのロッド王、まさにその息子達でした。

剣の腕もさることながら、その得の高さ、礼儀正しさに好意を持ち…いえ、少なからずロッド王への贖罪の気持ちもあったのでしょう。

私は彼らを円卓の騎士に招き入れました。

彼は実によく尽くしてくれた。

キャメロットを襲った緑の騎士を打ち破り、私のためにその自由さえも差し出し、異形の女との結婚をも躊躇わなかった。

そう、結局の所私は彼に尽くされてばかりで何も返せていないのです。

王として座し、命じ、殺すこと。

それが聖剣を抜いた私に唯一残された生き方。そんな私への忠誠心から彼は…

 

「アルトリア、聞いているのですか?遠征で疲れているのは分かりますが話を聞いていただけないのは兄として少し悲しく思いますよ」

 

「…!申し訳ありません、サー・ガヴェリン。ですが私は大丈夫です。それよりもどうして模擬用の鎧と剣をを持っているのですか?」

 

「あぁ、気晴らしになればと…いえ、まあ半分は私の我儘だと思って頂いて構いません。久しぶりにどうです?」

 

「願ってもない。太陽の騎士よ、相手になろう」

 

「ふふ、貴方ならそういうと思っていました。さあ、これをどうぞ」

 

差し出された防具を身にまとい、剣を握って調子を確かめる。

不思議と手に馴染んだ。これなら…

王として座についていた時は、円卓の騎士同士が打ち合うのを見るだけだったので、彼と試合をするのはこれが初めてだった。

しかしこれは死ぬ間際に何度も何度も焦がれてきたものに相違なかった。

私を信じ、尽くす騎士達と剣で語らってみたい。そんな思いを、抱かなかったと誰が断じられようか。

そんな私の様子を察してか、それとも気付かぬうちに覇気のようなものを発していたのか。

目前の彼女()は微笑んでいた。

私の心が見せた幻影か否か。その姿は光に包まれ、生前の彼の姿へと変化した。

金色の髪に蒼い瞳。

清廉潔白な忠騎士の姿が、紛れもなくそこにはあった。

 

「いきますよ、ガヴェイン!」

 

「えぇ、来なさい!存分に胸を貸しましょう!」

 

聖者の数字。それがガヴェインを太陽の騎士足らしめている力の一つ。太陽の出ている時間帯において、太陽の加護を受けるガヴェインは無敵と言っても相違ない。

元々高い能力が単純に3倍になるのだから、それとまともに打ち合うなど普通は不可能だろう。

もしこれが死合いならば、彼と真正面から戦うことなどしなかった。

けれど、今は手合わせだ。

彼が見せてくれた束の間の幻影、泡方の夢。

感謝し、存分に楽しませてもらおう。

 

剣を構え、下からの薙ぎ払いを軸にして攻める。

アルトリアは女性であり、更にその成長も聖剣の影響で止まっているため、高さでアドバンテージを取れることはまずない。

だが、それを有利に働かせる戦い方などいくらでも存在する。

 

「はァァ!」

 

「っ!」

 

鍛錬用の剣が、ムチのようにしなって剣を打つ。

攻め続ければいつか隙ができるはず…そこを突けば───

しかし、そんな考えは甘い物だとすぐに悟ることとなる。

 

「ハッ!」

 

「ぅ…ッ!」

 

低姿勢から剣を振るった直後を、私の更に下から──?!

鍛錬用の防具と剣とは言え、当たればかなりの痛みになるし、傷も負う。

試合がこれほどの痛みを負うと知らなかった私は膝をつき、剣を杖にする。

 

「迷って、おられるのですね。アルトリア」

 

「……ッ」

 

剣の腕だけならず、心の内まで見透かされる。

一流同士にもなれば、剣の撃ち合いで互いの心さえ読むことができる。

そしてアルトリアもガヴェインも、間違えなく剣を扱う者においては頂点を争い得る才と技量もを持つ。

故に、察された。

 

「立ちなさいアルトリア。そんな剣では…なにも守れはしない─ッ!」

 

「……くっ!」

 

膝を付く私にも、容赦なく打ち込んでくるガヴェイン。生前には見られなかった、剥き出しにした心。それを今、私は垣間見ている。

それを転がることで躱して、すぐに今度はこちらから胴を狙って打ち込む。

しかしその剣も、容易く受け止められる。

 

「聞きなさいアルトリア。貴方の在り方は騎士としては最低だ。無私の剣など、血を這いずる虫にも劣る」

 

「何を…ッ!」

 

鍔迫り合いの悶着状態になったまま、力を一切緩めることなく彼は私に問いかけました。

 

「生き残りたい、その執着が今の貴方には欠けている。アルトリア、時として命を捨てる覚悟を決めることは重要でしょう。ですが命があって初めて王の力と成れるのです」

 

「…ッ、しかし私には…」

 

確かに、その通りかも知れません。

なにせ私は自分を消すためにこの剣を振るっている。ですが死の淵で、あのカムランの丘に辿り着いておきながら今更生きたい、などと。

私にはそんな資格はない…

 

「ですが」

 

「ッ、なにを…!」

 

不意にガヴェインが力を抜き、身を翻したことで、私は前方に倒れ込んだ。

抗議の声をあげようとしたところを、彼の一言が遮った。

 

「貴方が王ならば、私にとって仕えることは至上の喜びだったことでしょう。」

 

嘘では、ない。

そう直感が告げた。

目の前の男は、きっと生前も本気で私に仕えることを幸せだったと思っていたのだろう。

 

「どう…して…」

 

「王とは救う民を選ぶ者の名です。少なからず殺すことになるでしょう。ですが、他ならぬ貴方自身が自らを捨てる覚悟を民に見せていれば。貴方を信じて散った騎士達も喜びこそすれ、恨む道理などあるはずがない……まあ、貴方は王ではないので関係ありませんがね」

 

目を見開き、聞き入っていた。

そう…か。

私が自分を消すということは、私を信じて散った騎士達のその誇りさえも───

 

「ふふ、そう、ですね。ガヴェイン!もう1度お願いします!」

 

「迷いは…振り切れましたか。いいでしょう、来なさい!アルトリア!」

 

迷いの失せた蒼い瞳は既に、目の前にいる太陽の騎士の、遥か向こうを見据えていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……ッ、ふふ…5度当てましたよ、ガヴェイン。」

 

「はは…見事、です…貴方は優に30は打たれているはずなのですがね」

 

甥と叔母の試合は、いつの間にか大量のギャラリー(観戦者)を巻き込み、キャメロット史上、かつて無いほど白熱していた。

もちろん2人はその事に気付いてすらおらず、ただ相手と自分と剣のみに全意識を向けている。

 

「円卓の騎士ガヴェイン!太陽の騎士の名を以て、次の一撃にて貴方を沈めましょう!」

 

「望むところだガヴェイン。円卓の騎士アルトリア!月と精霊の加護を受けたこの身を以て全霊で迎え撃とう!」

 

二人の口上に、観客達はさらなるヒートアップを迎える。

野次を飛ばす者、どちらが勝つか賭けをする者、商売に来たはずが見入ってしまう者。

その誰もが息を飲み、その行方を見守る。

 

「この剣は太陽の映し見───

 

「束ねるは星の息吹───

 

もちろんその手に持つのは鍛錬用の剣であり、決して聖剣などではない。

だがその一連の言葉は最早二人にとって全力を出すための引き金(トリガー)であり、気合を入れる意味合いさえも込められていた。

故に、謳う。

互いが信じる、最強の真名を───

 

転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)!」

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)!」

 

踏み込みは同時。

当然今は昼であるため、能力はガヴェインが数段上回る。

しかしアルトリアも今は風王結界によって所作をカバーしている。故に互角。

勝負は───蓋を開けるまでわからない。

 

交差する二閃。

 

響く防具を叩いた剣の音。

 

誰もが目を見開いた。

 

「…っ、流石ですねガヴェイン」

 

つぅ…と頬から血を流すアルトリアは、剣を杖にして再び膝をつき、賛辞を送った。

 

「……叶いませんね。女性の顔を切るなど…私には出来ないのを分かっているでしょうに」

 

そう、アルトリアはあえてガヴェインの剣の軌道に自らの顔を晒した。

ガヴェインはその人の良さから、思わず剣の軌道を変えた。故に、それはアルトリアの頬を掠めるに留まってしまった。

その隙を彼女は逃さなかった。

それは1時間前の彼女なら決して有り得なかった戦術。けれどそれを非難できるものなどいない。

それはただ盟友の清廉潔白な騎士を、そしてその誇りを信じたに他ならないのだから。

 

「えぇ。勝って、生き残るために。」

 

「はは、全く……」

 

そして。

ばたり。音を立てて草の上に仰向けに倒れたのは太陽の騎士、ガヴェインだった。

直後、歓声。

試合に集中していたアルトリアが驚いて目をぱちくりさせる姿を見て、ガヴェインも横腹を抑えつつもくつくつと力なく笑う。

円卓の騎士二人によるゲリラ試合は、大いにキャメロットを湧かせ、翌日には号外として街中に配られるほどだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから数時間。

多くの人に讃えられ、嬉しくなってしまったアルトリアは、多く勇気ある騎士達の挑戦を受け、その全てと打ち合った。

──だって生前は危ないからって誰も付き合ってくれなかったのです。仕方ないではないですか、とは彼女本人の弁。

古今東西の英雄達も舌を巻く、誉れある騎士達との試合を終え、汗を流したアルトリアは───

 

「アルトリア、自分が何をしたのか分かっているのでしょうね」

 

「す、すみません…サクランスロット…」

 

絶賛叱られ中だった。

 

「し、しかし!何もこんな枚数の始末書…!あんまりではないですか!ベディ…メディヴィエール!貴方からもなんとか言ってください!」

 

「……自業自得でしょう、たまにハメを外すのは悪くありませんが方法を考えてください」

 

確実に仲間になりそうな人を選んだというのに何故──!

と疑問に思って初めて気がついた。

なんかこの人脳天の当たりが腫れてますね?何かあったのでしょうか。

 

「あの…失礼ながらメディヴィエール、頭はどうされ──「ともかく!早くそれを書き終えてしまいなさい!いいですね!いきますよメディヴィエール!」……」

 

そう言ってメディヴィエールをサクランスロットが引っ張って出ていってしまいました。

……?何だったのでしょう。サクランスロットが急に焦り出したようにも見えましたが。

まあ確かにこれは早く終わらせるに越したことはありませんね。

そう思い、机に向かうこと数時間。

いつの間にかうつらうつらとしていたようで、かくん、と自分の首が動いたことで意識が自然と覚醒する。

 

「ん……あ…イリヤ…」

 

見ると、自分の肩には毛布が掛けられており、机の上には酷く懐かしく感じるマッシュポテトと、かっこよかったです。イリヤより。始末書お互い頑張りましょう。ガヴェインより。と書かれた2枚の紙の切れ端が乗っかっていた。

辺りを見渡すと、部屋の隅で壁に身を預けたまますぅすぅと寝息を立てている彼女を見つけ、彼女が掛けてくれたであろう毛布を掛けてあげると、満足そうに微笑む。

 

「いただきますね、イリヤ、ガヴェイン。」

 

相変わらず味のない、ただじゃがいもをすり潰しただけの簡素なものだったが、食べ進めるにつれて不思議と塩見は増していった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ……あと少しですね。頑張りますよ!私!」

 

パシン、と自分の頬を叩いて気合を入れる

と、残り数枚となった始末書に向き合う。

ヒリヒリとした痛みが頬を伝う。

……ちょっと強くしすぎたかもしれませんね。

筆を取ろうとしたその瞬間。

城全体が揺らぐほどの爆発。

それに伴う爆音と熱に、思わず顔が歪む。

 

「っ、何事ですか──!」

 

「あ、アルトリア様!あれを!」

 

「───あれは」

 

はね起きたイリヤが先に窓の外に何かを見つけ、指さしたその先を、少し遅れて私も見ました。

それは地獄。

キャメロットにはおよそ相応しくない、炎と血の色。

血に塗れ倒れた黒い鎧の騎士(サクランスロット)を、金色の髪を爆風にたなびかせながら機嫌良さげに見下ろしていたそれは───

 

「英雄王──ッ!」

 

気付けば、窓を割って飛び出していた。

ここは2階。風王結界を利用し、着地を難なく決めると、勢いよく切りかかる。

こちらに背を向けているにも関わらず、その男は私の全力の聖剣(エクスカリバー)を軽々と受け止め、弾き返した。

 

「貴様も叛逆するのだな、アルトリア。残念だ。ならば死ね」

 

「──ッ!」

 

黄金に煌めく波紋の中から王の手の中に現れたそれによる一撃で、聖剣で受けたはずのアルトリアは軽く3mほど吹き飛ばされる。

 

最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)…だと!」

 

「何も驚くことなどあるまい。我はシーサー王。ブリテンの王故、当然この権能も持ち合わせている。」

 

「何故…ならば何故ランスロットを!」

 

「…?貴様だろう、ランスロットが王妃との不貞を犯していると進言したのは」

 

ハッと気付く。私が今与えられているのはアグラヴェインの役割。

そしてこれはアーサー王伝説になぞらえた幻。ならば知らぬ間にそういうことになっていたのだろう。

 

「だからといって…盟友を殺していい理由になど…!」

 

「何を言っている。裏切り者には粛清を。情に流されず小を捨て、大を救う。それが理想の王では無かったか?アーサー王(・・・・・)

 

「……ッ、貴様!」

 

間違いない。此奴は本来の私を知っている。

その上で、試している。

 

「部下を傷つけず、己が力で全てを成し得る者。ふはははは!まこと皮肉な話よな、かつて貴様が否定した我こそ、貴様の求めた理想の王像だったというわけだ!」

 

「……っ」

 

違う、とは言いきれない。

もし私が1人で敵を穿ち、戦果を治めていたのならば、それは確かに理想だ。

もし私が情に流されず、彼のようにランスロットを撃っていれば、円卓は割れずに済んだのかもしれない。

だけど。

 

──これが本当に私が望んだ王の姿なのか

 

「違うでしょう、アルトリア。」

 

「…貴様」

 

「ガヴェイン!」

 

思考の渚、私に向かっていた槍を弾いたのは太陽の加護を受けた騎士の聖剣だった。

その背は、確かに生前と遜色ない、太陽の騎士そのものだ。

その向こうにいる黄金の王は、なおも不機嫌そうに槍を振るう。

精霊の加護を受けた光の槍。

貴方だけでも逃げて───そう言おうとした時には既に、目の前の彼は別の姿へと成っていた。

 

「貴方は既に答えを見つけているはずだ。ならば何を迷う必要があるのです、王よ」

 

身の丈程もある盾を地面に突き刺し、聖槍の絶対の一撃を見事防いで見せた。

片目を髪で隠し、円卓の騎士でも随一の心の強さを示した騎士。

 

「ギャラ…ハッド…」

 

「そうですね。息……彼の言う通りだ。」

 

瞬きの合間に、その姿はまたも別のものへと変わっていた。

黒き鎧に身を包み、湖の騎士として、円卓一の剣の腕を持つ騎士。

 

「ランスロット……」

 

「確かに貴方に罰して欲しかったのは事実だ。だが我々は持てる忠義を尽くし、既に散った身。今更未練などありえません。そして貴方がひた隠しにしてきた誰よりも優しい心は、私達円卓の最大の誇りにして楔。それでもなおブリテンが滅びたのならば、それは滅びるべきものだった。」

 

聖剣でもって切りかかる湖の騎士を、英雄王は軽くいなし、蹴りを入れて吹き飛ばす。

 

「黙れ!雑誌どもが!貴様らまとめて反逆者と見なし、あの世へ送ってくれる!」

 

「──させない」

 

考えるよりも先に、声が出た。

足は前に進み、指は剣を握る。

その目に宿すは王の気品。

聖剣はその志に答え、星の奇跡を呼び起こす。

殺し続けてきた心は最早脆い硝子。されど。

硝子は熱すれば、より美しく紡ぎ直される。

 

「ブリテンの王はこのアーサーペンドラゴンただ一人!貴様の悪事、断じて許さん!」

 

剣を構え、力を込め、踏み込む。

走れアルトリア!唸れ嵐のように!

彼の暴君()を、今こそ伐つ時───!

 

───パチン。

そんな小さな音が、こだました。

 

「はい、カット!皆お疲れ様ー!」

 

「ようやく終わりかい?いやぁさすがに骨が折れたなぁ。」

 

「お疲れ様、切嗣ー!はい!飲み物だよ!」

 

「ありがとうイリヤ。イリヤこそ大丈夫かい?今回はなかなかに大仕事だったけど──

 

……?

あれっ、何でしょうこれ。

夢の覚め方にしては酷く鮮明というか

……そもそも私立って寝てたのでしょうか。

そんな私の前に立っていた彼が私をこの世界へ連れ戻した拍手をした張本人だと気付くのにさほど時間は掛からなかった。

 

「英雄王は…貴方だったのですね…」

 

「あぁ。ちなみに円卓の騎士はここにいる皆の演技。ただし君と撃ち合ったガヴェインと、さっきのランスロット、ギャラハッドは」

 

「私さ。済まないなセイバー。騙すような真似をしてしまった。」

 

見ると、先程吹き飛ばされたランスロットのいた当たりに、紅い外套の男が膝をついていた。

 

「い、いえ…あの…」

 

えっと…じゃあ先程までの戦いは全部見られて…?

締め方……もう少しなんとかならなかったのですか士郎……

なんだか先程までのかっこよさ気な口上何かも諸々含めて急に恥ずかしく……

 

「貴様の悪事、断じて許さん〜」

 

「───!!!かっ、カレン!!」

 

恥ずかしさのあまり真っ赤になる私を、からかうカレン。

そんな私達を見かねて、カレンと私の間に割って入ると、彼はコップを渡してくれました。

 

「ほら、まあこれ飲んで機嫌治してくれ。悪いな、流石にお前とやり合うだけの力はまだ俺にはなくてさ」

 

「いえ…感謝しています、士郎。あなたのお陰で私は」

 

「感謝なら皆にしてくれ。エミヤは憑依経験使って死にかけながらお前の相手をしたし、切嗣は固有時制御で固有結界全体の時間の制御をやってくれた。魔力全体の供給はイリヤと凛、メディアはそれに加えて魔術で俺達の見かけを変えることと───」

 

……?

不意に逸らされた彼の視線をおって見て、ギョッとする。

そこに居たのは、ワラワラと拍手する大量の牙龍兵達だった。

 

……。まさか

 

「あぁ、ガヴェインとの試合で周りにいたギャラリーと、お前に勝負申し込んで滅多打ちにされてたのアイツらだから。感謝しとくんだな」

 

そう言ってニヤリと嗤う彼。

けれどその全てを知って、逆に気になった。

 

「どうして…私なんかのためにここまで…」

 

「まあ、お前を想ってる家族は円卓の騎士だけじゃないってことじゃないか?」

 

ハッとして振り向くと、こちらを向いて優しく微笑む3人が居た。

 

「さて、どうだ自称正義の味方の御二方。初の本業を終えた感想は」

 

なおもわざとらしくニヤニヤする言峰士郎の問い掛けに対し、彼は優しく、満足気に答えた。

 

「悪く、ないね。英霊というものはどうも気に入らなかったが───あの笑顔のおかげで彼女はただの少女だとわかったよ。」

 

「切嗣……」

 

「済まなかったね、セイバー。これまでのことは謝る」

 

「い、いえ!私の方こそ……もっと力になれていれば…」

 

「じゃあ、これから頼りにしているよ。どうか僕の娘と息子を守る力になってほしい」

 

「切嗣───!はい…はい!お任せ下さい!切嗣!」

 

10年越し…いやこちらからすれば一瞬だったのだが、それでも長い年月が報われたように思われ、顔が自然と綻んだ。

思えば、王である私が自分のことで笑顔になれたのはついぞ無かった。

今この家族、というものも悪くないと感じている自分を確かに感じています。

 

「セイバー」

 

月を背に、立ち上がったアサシンはわざと余裕ぶった声で私に話しかけてきた。

どうやら脇腹を抑えているようですが…

……あっ。

 

「アサシン…その、すみませんでした。脇腹は大丈夫ですか…?」

 

「あぁ、いいんだ。それよりも。答えは、見つかったか?」

 

「えぇ、確かに此処に。」

 

自らの胸に拳を当て、力強く頷いた。

それはとても、月が綺麗な夜だった。

 

 




セイバー「そう言えば苦労をかけましたね…なにかお礼を…」

士郎「んー、別に気にしなくていいぞ。俺もそこそこ楽しかったし」

セイバー「そうは言わず…何か言ってください、士郎」

士郎「わかったよ。じゃあこれ飲んでくれるか、俺が作ったワイン(愉悦麻婆の味を射影済み)なんだけど」

セイバー「毒味ですね!了解しました!この騎士王の名にかけて、正確な判断を下してみせましょう!」

士郎「それいーっき!いーっき!」

セイバー「ゴクッゴクッ───!?!?な、にゃんでひゅかこれ!?か、からっ!?」

士郎「(やっぱり弄るといい顔するなぁこの娘)」

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早めに書き終えていたので連続投稿しておきます。
ガヴェリンが字面だけの一発ネタだったとか言ったらいけない

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