ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 特別編   作:ヴァルナル

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コラボストーリー六話目、たいへんお待たせしました!





異形なる天使 Ⅵ

鋼弥達がこの家に泊まった翌朝。

 

朝起きた俺はアリスと共にジャージに着替えて地下のトレーニングルームへ。

 

美羽達他のメンバーは後から来るだろう。

さっき、美羽が寝惚け眼で「あとで行く~」って言ってたしな。

 

悪魔に転生して朝が余計に苦手になったものの、修行があるからと、何とかして起きている。

たまに寝癖をつけたまま来るが………まぁ、そこが可愛かったりする。

 

ふと横を見るとアリスがご機嫌な様子で鼻唄を歌っていた。

 

「えらく機嫌がいいけど、どうした?」

 

「フッ………よくぞ聞いてくれたわね」

 

俺がそう問うとアリスはニヤリと笑みを浮かべる。

 

………?

どこか自信に満ちた表情なんだが………。

 

何があったんだろう?

 

俺が首を傾げていると、アリスはジャージの上着、そのファスナーを下へと下ろしていく。

そこから現れるのは黄色いTシャツだ。

 

………はて?

 

これがどうしたと言うのだろう?

新しいTシャツでも買ったか?

 

アリスの足元から上へと改めて視線を移動させていく。

 

そして………俺は目を見開いた。

 

こ、これは………そ、そんな………!

 

俺は声を震わせる。

 

「お、おい………お、おまえ、まさか!」

 

俺がそこまで言うとアリスは最高のスマイルを浮かべてこう言った。

 

「そう! また大きくなったのよ、胸が! 今朝、ブラを着けようとしたらキツくなってたのよ!」

 

「おおっ! マジでか!? やったな!」

 

「ええ、やったわ! これで、私も次のステージに行ける!」

 

感涙を長す俺とアリス!

互いの手を取り、二人で小躍りしながら祝福した!

 

遂にアリスが次のステージへ!

 

こんなに嬉しいことはない!

朝からめでたいぜ!

 

うんうん、最近のアリスのおっぱいは成長が著しいなぁ!

 

アリスは俺の手を取り、自身の胸に当てる。

そして、頬を染めながら、

 

「こ、これで………あんたの理想の体型に少しは近づけた………かな?」

 

グハッ!

 

なんて可愛い顔で可愛いことを言ってくれるんだ、アリスさんんんんんん!

 

朝から元気になっちゃうじゃないか!

こっちまでデレデレしちゃうじゃないか!

 

 

すると―――――

 

 

「あわわわわ………お二人とも、こんか朝から………しかも、こんな場所でなんて………!」

 

慌てる第三者の声。

 

声のした方向を見てみると………黒髪の女性、彗花(すいか)さんが立っていて、これでもかというくらい顔を赤く染めていた。

もう耳まで真っ赤だ。

 

流石に俺達も慌てて、互いの手を離す!

 

「い、いや、違うんだ!」

 

「こ、ここここれは眷属間でのす、す、スキンシップってやつよ!」

 

「ええっ!? た、確か、この世界のイッセーさんは上級悪魔になってて、『王』で………アリスさんはその『女王』になってましたよね? こ、こんなスキンシップを取っていただなんて、お、驚きです! ハッ………もしかして、美羽さんやレイヴェルさんとも!? はわわわわ………」

 

「うぉい!? 彗花さん、一度落ち着こう! ちょっと思考がオーバーロードしてるから!」

 

想像していることが間違ってるとは言わないけど、ここでそんな想像しないで!

こっちが恥ずかしくなるから!

 

もう俺もアリスも顔真っ赤だよ!

 

とりあえず落ち着こう!

落ち着いて!

落ち着いてください、お願いします!

 

すると、アリスが大きく咳払いして、彗花さんに問う。

 

「と、ところで、彗花さんはどうしてここに? 私達はトレーニングルームで修行するつもりなんだけど………」

 

アリスの問いに彗花さんは「そうでした」と手を叩く。

 

「私も朝の鍛練に努めるつもりでして、昨日、リアスさんに聞いたところ、好きに使ってくれていいと言われたので、地下の修行場をお借りしようと思いまして」

 

あー、そういや、寝る前にそんなことリアスに聞いてたな。

 

つーか、リアスに聞くって………完全に家主がリアスになっているような………。

いや、まぁ、正しいと言えばそうだけど。

だって、改築したのグレモリー家だし。

俺も半分そう思ってるし。

 

しかし、彗花さんも修行か。

 

となると………。

 

トレーニングルームの前に着いた俺はそのまま扉を開ける。

 

すると――――――

 

「はぁっ!」

 

「そりゃ!」

 

鋼弥達が既に修行に取り組んでいた。

 

全員、このトレーニングルームをいっぱいに使って、魔法やら組手やらで各々のメニューに打ち込んでいる。

 

「こいつら、起きるの早いなぁ」

 

俺がそう漏らすと彗花さんは苦笑を浮かべる。

 

「いつもはもう少し遅いんですけど、イッセーさん達も使うからと、少し早めに起きたんです。昼からは四大天使の捜索がありますし」

 

「そんな気を使わなくてもよかったのに」

 

俺は彗花さんの頭をポンポンと撫でると部屋の中へと進んでいく。

 

真っ直ぐ進んだ先、部屋の中央でやりあってるのは鋼弥とタオくんだ。

お互いに素手で組手をしていて、鋼弥は拳を繰り出し、タオくんはそれを掌で流すように捌いている。

二人とも武術の腕は中々のものだ。

 

鋼弥の拳を受け止めたところで、タオくんが俺に気づく。

 

「あ、イッセーさん。おはようございます」

 

「おはよう。少ししか見てないけど、二人ともやるな。師匠とかいたのか?」

 

「ええ、いましたよ」

 

「シンディという名の師匠がいてな。闘気を自在に操る『真覇流』という武術を教わっていた」

 

ニッコリと爽やかな微笑みで答えるタオくんに続き、鋼弥がそう続く。

 

闘気を操る武術か………。

それは興味深いな。

 

「ちなみに鋼弥は拳法以外にも『業魔化身(デモニアックチューナー)』っていう契約した悪魔の姿になって、その力を使うこともできるのよ」

 

いつの間にかそばに来ていた珠樹さんが教えてくれた。

 

「契約した悪魔の力が使えるって………チートじゃね?」

 

「でしょー」

 

「いや、契約するには相手に認めてもらわなければいけないから、結構大変なんだぞ?」

 

俺と珠樹さんの意見に鋼弥が少し反論するけど………契約結べたらチートだよね。

能力的に幅が広いとか、そういう次元を越えてるよね。

 

そんなことを思っていると今度は鋼弥の方から俺に聞いてくる。

 

「ところで、昨日、イッセーが纏っていた鎧だが………あれは本当に赤龍帝の鎧なのか? 確かにオーラは赤龍帝のそれだったが………」

 

あー、それな。

そのあたりもこの世界とそっちの世界との『違い』ってやつなのかね?

 

「そっちの俺はどんな感じなんだ?」

 

「こちらのイッセーは通常の鎧に加え、悪魔の駒の特性を反映させたトリアイナという形態。そして、覇龍を昇華させた真紅の赤龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)という形態になれる。この形態になると攻守、スピードが劇的に上がるんだ」

 

―――――っ!

 

覇龍を昇華させたのか!

あんな危険な力を独自の力に変えるなんて、向こうの俺もやるもんだな!

 

よーし、そういうことなら、俺も見せちゃおうか!

 

「俺の鎧は覇龍じゃない。あれは禁手を更に進化させたものだ」

 

「禁手を進化?」

 

首を傾げる鋼弥。

 

まぁ、見てもらうのが早いよな。

 

俺は禁手となって、まずは通常の鎧を身に纏う。

 

「こいつが通常の鎧。多分、これは同じなんじゃないかな?」

 

「ああ、普段からよく見ているよ」

 

「そっか。そんでもって、こいつが………」

 

俺は気を高めて、赤いオーラを膨らませる。

 

周囲にスパークが飛び交い、鎧を次の次元へと進化させた。

籠手、肩、脚にブースターが増設されていく。

 

「禁手第二階層(ツヴァイセ・ファーゼ)天武(ゼノン)。格闘能力を大幅に強化した形態であり、俺だけのオリジナル形態だ」

 

天武の鎧を纏った俺を見て、鋼弥達は言葉を失っていた。

多分、禁手を進化させるという現象に驚いているんだろうな。

アザゼル先生も初めて見たときは信じられないって表情だったし。

 

ドルキーが目元をひくつかせながら言う。

 

「おいおい………。この波動、魔王と同レベルじゃねえか。イッセー一人で十分すぎるだろ、これ」

 

「そうでもないぞ? 俺だって滅茶苦茶苦戦してるし……。手も足も出なくて一度殺されたし」

 

「何と戦ってたんだよ!?」

 

「ロスウォードって答えても分からないだろ?」

 

「分からん! 誰だよ、それ!?」

 

いやー………知らない方が良いと思うよ?

あいつ、マジでチートだったから。

多分、鋼弥達でもビビるレベルじゃないかな?

 

あいつ、上位クラスの神でも余裕で屠れるからね。

 

解説が終わったところで、俺は鎧を解く。

 

「まぁ、こんな感じだ。他にもあるけど、それはまた今度だ。でさ、いきなりで悪いんだけど、俺と軽く手合わせしてくれないか? 鋼弥の力に興味があってさ」

 

俺がそうお願いしてみると、鋼弥は笑みを浮かべる。

 

「実は俺も提案しようと思っていたところなんだ。こちらのイッセーも面白い力を身に付けているようだからね」

 

ここで言う面白い力というのは天武や天撃といった禁手の進化形態じゃなくて錬環勁気功のことなんだろうな。

 

向こうの俺はそういう力を身に付けてないって聞いたし。

 

俺と鋼弥は少し距離を置いて向かい合うと構える。

 

………鋼弥も拳法を使うというが、果たしてどのぐらいのレベルなのか。

 

タオくんが微笑みながら言う。

 

「今日は彼らの捜索に行くんですから、ほどほどにしてくださいね?」

 

「「わかってるよ」」

 

そう答えた俺達は体術だけの軽い模擬戦を始めるのだった。

 

 

 

 

軽い手合わせを終えた俺と鋼弥は汗を流し、リビングへ。

 

「やはり、本格的な武術を修めているだけあって、こちらのイッセーは動きか洗練されているな」

 

鋼弥がタオルを首から下げながらそう言ってくる。

 

俺は湯上がりで湿った髪を掻き分けながら、答える。

 

「鋼弥こそ。あそこまで体術使えたら十分すぎるほど強いって」

 

「いや、今のままで満足してたらダメだ。俺よりも強い相手はいくらでもいるからね。愛する者を守るためにはまだまだ強くならないといけない。おまえもそうだろう?」

 

「まぁね」

 

俺達は頷き合うと冷蔵庫から牛乳を取り出す。

 

この冷蔵庫はリアスが備え付けてくれた牛乳専用の冷蔵庫だ。

ノーマル、コーヒー、フルーツと各種揃えられている。

 

鋼弥は冷蔵庫の中身を見て感心したように言った。

 

「随分揃ってるな」

 

「これか? これはリアスが設置してくれたんだよ。湯上がりには牛乳だってね」

 

「こっちのリアスも日本好きか」

 

どうやら、向こうのリアスも日本好きらしい。

 

案外、平行世界と言っても各人の性格は変わらないのかも。

 

今日の俺はフルーツ牛乳を選択。

甘いものが欲しかったので。

 

ちなみに鋼弥はノーマルを選択した。

 

ソファに腰かけ、牛乳をくいっと飲み干す俺達。

 

「とりあえず、朝飯食ったら捜索だな」

 

「ああ。早々に見つけ出して、対処しなければいけない。奴らのことだ。一般の人間にも手を出しかねない」

 

出来れば今日中に見つけ出したいところだが………町に駐留している冥界、天界のスタッフから特にこれといった報告はあがっていない。

 

奴らはどこに隠れやがった………?

 

この町を出た………?

 

そうなると捜索が面倒になるが………。

 

「奴らはまだこの町にいるはずだ」

 

俺が考えが分かったかのように鋼弥が言った。

 

鋼弥は空になった牛乳のビンをテーブルに置いてから続ける。

 

「こちらの探索網に引っ掛からないのはおそらく――――」

 

鋼弥がそこまで言いかけた時だった。

 

「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

女性の悲鳴が兵藤家を揺らした!

 

今の声は―――――

 

「珠樹か………? 何があったんだ?」

 

鋼弥は席を立つと、リビングから出て悲鳴の聞こえた場所へ向かおうとする。

 

嫌な予感がした俺は鋼弥に続いてリビングを出る。

 

階段を降り、珠樹さんの気配がする地下へ。

 

 

すると―――――

 

 

「よいではないか♪ よいではないか♪」

 

「全然よくないぃぃぃぃ! あっ、ちょ、どこ触って………あんっ………ダ、ダメぇぇぇぇぇ!」

 

バスタオル一枚姿の珠樹さんとその珠樹さんのおっぱいを揉みしだく同じくバスタオル一枚姿のイグニス。

 

二人とも廊下の真ん中で揉みくちゃになっていた。

いや………イグニスが廊下で珠樹さんを襲っていると言った方が正しいか。

 

俺は珠樹さんのあられもない姿に鼻血を出し、鋼弥は見ないように明後日の方向を向いている。

 

バスタオルの間から見えるピンク色の先端!

イグニスが揉む度にむにゅうっと変形する柔らかな肌!

更に珠樹さんから漏れる声!

 

こ、これは朝からエロい………!

 

明らかに一方的だけど、女の子同士ってのもエロいよね!

 

それに当たり前だけど、珠樹さんのこんな姿を見るのは初めてだ!

ありがたく脳内保存といきましょうか!

 

イグニスがテンション高めに言う。

 

「うーん、珠樹ちゃんも中々のおっぱいね! 揉み心地も良い、感度も抜群。これは………これはイケる!」

 

「イケてなくていいわよ! 誰か助けてぇぇぇぇ!」

 

珠樹さんの心からの叫びが再び兵藤家を揺らした。

 

 




今回はイッセーと鋼弥達の交流ということで、ほのぼの(?)な話でした。

次回より動き出します!(予定!)

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