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皆さんには憧れたヒーローがいますか?
そんなこんなで始まった次期国王決定選挙であるが、現状ではやはりというかなんというか長女である葵姉さんがぶっちぎっている。
俺にも投票権があるなら確実に葵姉さんに入れるのではないだろうか。年齢達してないから権利はまだないけどな。
というかこれってただの人気投票じゃね?と考えてはいても口には出さない。だって、ねぇ?人気投票なら俺に票が入ることはないから俺が王様になる可能性もないしね。
人気投票じゃなくても入らないだろうが…。あれ?なんか目から汗が…。
どこぞのアイドルのセンターを決めるようなじゃんけんじゃないだけマシだろう。そんな国あったら迷わず脱出するわ。
昼休みをお昼を食べようと誘ってくる茜から逃げ、人が来ないであろう校舎裏に1人で(ここ大事)弁当を食べていた。
友達?そんなのいねぇよ。茜は妹だし、鮎ヶ瀬は話すとはいえ妹の友達だろ?よって、僕は友達がいない。略してはがない。さらにかっこよくいうとFriend/zeroである。Q.E.D。こんな悲しい証明したくなかったわ…。
あと、テニスしてる女子がいた。遠目で見えただけでしたが可愛かった(小並感)。
「楽しい時間ってあっという間よね…」
時は流れ、現在放課後である。え?授業?書くことなんて別にないわな。
なんか茜が机に突っ伏している。学校が終わるのをこんなに嘆くのってこいつくらいだよなぁ…。
俺は早々に帰りたいがためにさっさと帰りの準備をしている。栞のために舞いもどろう!待っていろよ!栞、輝!今から帰るぞー!
内心でテンションを上げてるとにわかに教室の外が騒がしくなってきているのを感じた。…なんだ?有名人でもいた?
俺のシックスセンスまたの名をアホ毛センサーがすごい嫌な予感をもたらしている。パターン青!来ます!
ガラッ
「茜〜八くーん、迎えに来たよぉ」
「あ、お姉ちゃん」
本当に有名人だったよ…。
教室に入って来た人を見て俺は108つある特技の1つ「ステルスヒッキー」を使用し、気配を消しながら教室からの脱出を試みる!気分はダンボールで隠れる○ネークさんだ。
…クク。葵姉さんは有名人な上に人気だからな。こんな一年のフロアに来たら取り囲まれるに決まっている。そのうちに離脱だ!
「あれ?茜、八くんは?」
「えーと、あれ?さっきまでそこにいたんだけどなぁ?おーい!八幡?」
気付かれた時には葵姉さんが入って来た扉とは逆の方の扉に来ていた。よって、このまま逃走だ!ふははは!あばよ!とっつぁーん!
我ながらテンションがおかし過ぎるな…。
というか、あんたらと帰ったら人の視線で死ぬまであるわ。
脱兎のごとく一目散に駆けだした俺は、昇降口までくればもう安心だろうと速度を緩める。俺を捕まえようなど100年早いわぁ!
まさか、この言葉がフラグだったとは、すぐそこまで来ている絶望を俺は知る由もなかった…。
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皆さんこんにちは。櫻田家の八幡といいます。現在は学校も終わり、姉の葵と妹の茜と共に帰り道を歩いています。右に茜、左に葵姉さんによって腕を組まれながら。
すれ違う人とか、周りの人の目線が生暖かい。何故だ、なぜこうなった…?
「それは、八幡が逃げるからでしょー?」
「いや、あれは逃げたわけじゃ…なんでもないです」
なんで心が読まれてるんですか!
妹からの圧力に負ける奴ー。私です。あと、姉さんが嬉しそうにしている。何故だ。
さて、教室から脱出を成功した俺がこうして確保された宇宙人ばりに連行されているのかというと、昇降口で俺は捕まった。
靴を履き替え、よし行くかと出入り口の方を向くと腕を組んだ修羅(茜)がいつのまにかいたのだ。よし、引き返そうと後ろを向くと苦笑いした女神(葵)が。つんだぞ…これ…。
そうして、学校から今に至るまでこうして連行されているのだ…。ちょっと?俺の精神的ライフはもうゼロよ!
ちなみに、なぜ茜が先回りできていたか聞くと
「え?教室の窓から直接飛んで来たんだよ〜」
と、おっしゃった。チートや!チーターや!
俺がこの2人からどうやって逃げようか思案しているうちに大通りへとやって来た。というか、この2人力強すぎない?全然外れないんですけど…。
ここらで、俺の努力(逃げるための)を振り返ってみよう。
part1
『あ、学校の机に忘れ物したからとってくるわ。先帰ってて!』
『八幡の机に忘れ物がないかは私が確かめたけどなかったよ?』
『あっそう…』
兄妹とはいえ持ち物把握されてるのは怖いわ…
part2
『あー!そうだ!アレがアレであれだから約束が入ってたんだったわ〜忘れてたわー。というわけで行ってくる』
『『友達がいないのに予定があるわけない』』
『家族が声を揃えていうことか⁉︎泣くぞ!』
『というか、アレだけで行けると思ったの?』
俺の必殺技part2『用があるかのように振る舞う』失敗。
part3
『ちょっとトイレ行ってくるわ』
『あ、うん。待ってるね』
〜〜〜
どこかのトイレ
『さて、と。……窓から逃げるか』
『父さんもやってた手だしな。行けるだろ』
窓から出る。
よし、誰もいな『八くん?』
おおっーとぉ?なんか聞こえちゃいけない声が聞こえたような気がするなー?
『こんなところで奇遇ですね!…葵お姉様』
『そうだね。ところでトイレの出口はこっちじゃないよ?』
『すいっませんでしたーーーー!』
ずっと笑顔だったのに恐怖を感じたよ…。
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こうして、最終的に両腕を抱えられて連行という形をとることになったそうな…。俺、考え読まれすぎじゃね?父さん!窓から逃げれないじゃん!
と、我が父に内心で愚痴っていると前方が何か騒がしい。なんかイベントでもやってんのか?プリティでキュアキュアなの?そういえば、今のプリキュ◯ってN◯Kでマイ◯ちゃんやってた子が声優やってるんだってね。時代を感じた。
「ど、どけ!!」
考え事をしながらその集団に近づくと焦ったような声で帽子にマスク、サングラスをしたおっさんが集団を抜けこっちに走って来た。
しかもご丁寧に全身黒い服とか怪しさMAXだな!正直、全く関わりたくないな。
その男が俺たちの横を通り過ぎた後に先ほどの集団の中から1人の女性の声が聞こえた。
「捕まえて!ひったくりよ!」
あ、やっぱり?しかし、俺には先ほどのおっさんを捕まえることが出来るような能力は……使いようによっては出来たわ。
「正義は必ず……」
しかし、そこは適材適所。すでに俺の隣では茜がクラウチングスタートの準備が終わっている。さあ、お前の罪を数えろ!
「勝ーーーーつ!!」
ズドンッ!!
アスファルトを削って、異常なまでの速さで茜はひったくり犯を追いかけて行った。はえー。俺はどうしようかなー。帰ろうか?
と、考えてると左腕が引かれる。
「茜が無事か確かめなきゃ!」
「ええー…茜なら大丈夫だろ。むしろ、ひったくり犯が怪我しないかが不安なまである」
「いいから」
と、茜が追って行った方へ走り出す。葵姉さんは心配性だなー。ま、逆らえませんよね〜。
茜を追いかけ、道を曲がったところで茜がライ○ーキックをかまそうとしてる場面に遭遇する。あれってパンツ見えるんじゃね?
妹が恥をかくのは兄としても許すべき事柄ではないために俺は能力を使う。
『茜、そのままだとパンツ見えるぞ』
「八幡⁉︎えっ!うそ!」
ババっと茜はとっさにスカートを抑える。俺の助言のおかげで妹は痴女にならずに済んだようだ。ふぅ…いい仕事したぜ…!
俺がやり遂げた顔をしていると隣にいる葵姉さんが茜の方を見てあっという声を上げる。なんだなんだと視線を向けるとひったくり犯の顔面に茜のニーが突き刺さっていた。oh…。
あかねのとびひざげり!
きゅうしょにあたった!
ひったくりはんはたおれた!
ひったくり犯はその場で伸びている。そりゃそうなるわな。というか、今のは流石にエグい攻撃だわ。
葵姉さんが俺の腕を離し、茜の元へと駆けていった。
いや、ほら、アレですよ?テレパシー使わなかったらあのままだったら妹のパンツが全国放送されちゃうし、それを防いだ俺は感謝される側ですよ?それに、奇跡のタイミングで後ろを振り返った犯人も悪いし、今時の女子高生の膝に触れられたから良かったと思うんです。不可抗力です。すいません。
警察やらが事件の匂いを嗅ぎ付けてやってくる。嘘、通報されて来ただけだろう。人も増えてるし、目立ちたくないし、インタビューなんて巻き込まれたくもないから俺はここらでドロンしよう!そうしよう!
そうして俺は2人を置いて帰宅した——。
しおりー!てるー!遊ぼうぜー。
結果として帰宅した般若達から説教を受けました。なんだよ…俺がなにしたってんだよ!俺は…王族の次男だぞぉう!俺は悪くねぇ!嘘ですごめんなさい振り上げた手を下ろしてください置いて行ってすみませんでした!
この家の人はみなテレパシーが使えるのか?
という疑問が残った時間でした…。
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『こんばんは。櫻田ファミリーニュースの時間です』
『なんと本日、茜様がひったくり犯を捕まえました!下校途中にたまたま出会っただけですのに、茜様の勇気には驚嘆するばかりです』
「あー!茜ちゃん映ってる!いいなー」
基本的に夕方のニュースの時間でこの家のことは放送されている。どうやら今日の件はバッチリカメラに捉えられていたようだ。
というか、インタビューなのに茜が制服のブレザーを頭から被ってるせいでこいつが捕まったんじゃね?感が溢れている。となりに姉さんがいなければ完全にそれだな。ジャミラだよな。
「全然よくないよ!八幡に言われなかったらここからさらに下着が映っちゃうところだったんだよ!」
「え?八くん…茜ちゃんの下着見たの?興味あるなら私の見る?」
光が痴女みたいなことを言いながら、着ていたスカートの裾をちょっと上げていく。おいおい…
「おいこら、見えるかもってだけだ。見たわけじゃないぞ。それに妹の下着とか見ても何も思わんし、みようとも思わん。興味持ったらいろんな意味で終わりだろうが」
全く!けしからんぞ!お兄ちゃんそんな子に育てた覚えはありませんよ!
なんでか、茜と光は残念そうな顔をしている。いや、本当になんで?
ただ、チラッと見てしまったのは許してほしい。足が綺麗だなーとかおもってませんから!
チラリズムには耐えられない。これが男の性か!
「ちなみに何色だった?」
「白だな。ちょっと狙いすぎなところがあるがまあ、それはそれで」
「は・ち・ま・ん?」
…………………………あ、やべ。鬼神(茜)の前で口滑らせた。
「おおっと、これから栞と輝を愛でる時間だ。ここで失礼させてもらうよ」
櫻田八幡はクールに去るぜ。
「待ちなさーーい!!変態!栞と輝の下着も見る気⁉︎」
「言いがかりだ!」
壮絶な鬼ごっこ(捕まったら死)の幕が上がる…!
「……あれ?茜ちゃんパンツ結局写ってるじゃん」
身体中ボロボロになって帰ってきた俺に光はそう告げたのだった…。(茜の尊厳を)守れなかった…!
というか、逃げきれるわけないじゃないですかやだー。
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「あ、八兄〜。妹の下着に興味あるって本当?」
リアル鬼ごっこの翌日、部屋にいた俺に岬が聞いてきた。
「え?兄さん?」
「いや、あの岬さん?それどっから聞いたの?あと、そんな趣味はないから。あと、遙、ドン引きしないで」
俺の部屋には本が大量にあるために、遙も時々読みに来るのだ。ちなみに、部屋割りは葵姉さん、奏姉さんが1人部屋。遙と岬、修と輝の2人部屋。俺、光、茜の3人部屋である。あ、ちゃんと仕切りは付いているのでハプニングは殆どない。
「そっかー。それはそれでつまらない…。遙はー?」
「ない」
「興味あったら異常でしょうよ」
「葵姉とか奏姉のは?」
あの2人かー。どんなの着てるか気になるかと言われたらそれは気になる。だってねえ?誘惑出来そうなやつとか着てたら相手を探し出して殺…じゃないお話しして処理しなきゃいけないしね。手を出す奴には裁きが下るだろう。妹に対しても同じな。
「……………ねぇよ」
「すごい迷ったね…。あ、茜姉のは?」
「ハッ」
「鼻で笑った…⁉︎」
「いや、だってあいつの下着とかぶっちゃけ見慣れてるからな。特に興味もないな。あと、子供っぽい」
「「あ…」」
どうしたのだろう。思いいたるところがあったのかな?なんか汗かいてきてない?そんなに今日暑いか?
「洗濯の当番とかになった時は光とか岬の方がまだ大人っぽいの履いてるよなーとは思った。遙はどう思う?」
「い、いや、ノーコメントで…」
「?なにを気にしてるんだ?お前がムッツリなのは知ってるぞ?」
「え!…遙」
「いや待って、岬。体抱えてさがらないで。誤解だから。違うから」
「必死になるところが怪しい…」
「兄さんはそうやって僕を陥れようとしないで!」
「んで、なんの話だっけ?茜が子供っぽいだっけ?」
ぽんっ。
「ん?誰だ?しお…り…か?」
肩をたたかれたのでうしろを向く。あ…死んだな。だって、阿修羅の後ろにfateの武蔵ちゃんの宝具発動時にいるお方がいらっしゃるもの。
「いつから聞いてた…?」
「『妹の下着に興味あるって本当?』」
あっ…(察し)。これ最初から詰んでたやつだわ。言い訳も出来ないわ。アッハッハァ…。
「八兄の顔が死んでる…⁉︎(大丈夫かな…?私、大変なことしちゃった?)」
「ダメだ!岬!僕らにはなにも出来ない…!(巻き込まれてたまるか…!)」
かっこの中は俺が能力使った。遙め…!ムッツリの噂を広めてやる!生きて帰れたら!そうだ!これを茜にも使おう。突破口が開けるかも!
さて、どうだ?
「…………………(……………………)」
そこには圧倒的無が存在した。
なん…だと…⁉︎なにも考えていない⁉︎心を無にするほど怒り狂っているというのか…!極致に至ったな茜。
俺の冒険はここまでのようだ。
いい夢みろよ!
俺の意識は暗くなっていった…。
「私の下着に興味あるのかしら…?」
悪ノリが過ぎたかも…
私が好きなヒーローは仮面のライダーさんのハーフボイルドな人です。