1ヶ月に一回の投稿になっているのは、申し訳ないですが、まだしばらくはこんな感じになるかもです。
今回は多少不快に思う方もいらっしゃるかもしれません。と前もって一応言っておきます。
アンチのタグとかって入れるべきなんですかね?
では、どうぞー
「兄上!僕には試練が必要なんです!」
とある日の昼下がり。家事のくじ引きを行い、茜が今日も買い物を引き、嘆いていた。くじ運ないよね。ここまで、買い物を引き続けるとはもう運命的といっても過言ではないかもしれない。
修が茜にツインテの位置を普段より上にするという条件のもと、茜の買い物と修の洗濯を交換した後、輝が声をあげた。
前にも説明はしたかもしれないが、この家事のくじは年少組には適応されない。それぞれを手伝ってくれてはいるが、任せることはまだ危なかったりするので1人ではさせないのだ。
そんなうちのルールだが輝がやりたいと声をあげているようだ。それに対して、修が厳格な雰囲気を出して向き合う。
「なぜ、そんなにやりたいんだ?」
「僕には…僕には強くなるための試練が必要なんです!栞や母上を守るために!」
「…よかろう!ならば輝、お前にこの仕事を任せようではないか!葵姉さんには言うなよ?」
「兄上…!」
「だが、これは重要な任務だ。しっかりやり遂げられるな?」
「はい!」
まさかの修があっさりと承諾した。あ、輝が喜び過ぎてテーブルの脚にハニーボーンしてしゃがみこんだ。あれって手がビリっとくるから嫌なんだよな。
「くっ…!鎮まれ!僕の右腕ぇ…!」
先ほどの会話からもう察している人もいるかもしれないが櫻田家が四男輝は一足早く厨二病を発症している。まあ、子供がやってるからまだ微笑ましいんだけどね。
ただ、と俺の心にダイレクトアタックが決まっているから辛い…。いや、中学生のときにやってたわけじゃないよ?これが…特殊能力…!なんて事やってないったらやってない。ましてや、奏に見られてたなんて事は断じてない。
まだ子供だし、ヒーローとかには憧れる時期なのだろう。それに対して、栞はあまりそう言ったことには興味がないのか分からないが、子供の頃やっていたようなヒーローごっことかプリキュアごっこをやるところは見たことない。そういう服着たら可愛いだろうに…。
「わたしも、行く…」
「栞も行きたいのか?まったく、しょうがないなぁ!」
輝の後ろにいた栞が袖を引っ張り意思表示をしていた。輝は『栞は甘えん坊だなぁ』なんて思ってるけど『…心配』って思われてるぞー。能力を使かわなくてもなんとなくわかるわ。末妹がめっちゃしっかりしてることがよく分かったわ…。
「それじゃあ、行ってきます!」
「…行ってきます」
二人は買い物へと出かけて行ったのだった…。あれ?そういや…
「茜が修と結んだ契約、無駄になってね?」
「しまったーー!!!」
結論、茜のツインテの位置が三ヶ月間高くなっただけであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数分後
茜がテーブルで頭を抱えていた。おおかた、自分が行くはずの仕事を下の弟、妹に任せてしまった罪悪感でもあるのだろう。
やれやれ…。信じて待つということが出来ないのかね。
「あんた…茜見てやれやれみたいな空気出してるけど、さっきからずっとソワソワしてるわよ」
「ば、ばばば馬鹿言うんじゃないよぉ!」
余計なことを言うんじゃないよ!奏さんヨォ!心配するのは兄として当然の義務であり、それが可愛い輝と栞ならなおさらダロォ!まさか、心配なんてしてないと⁉︎なんて、冷血なんだこの女!
「ちょっと?人をなんだと思ってるのかしら?あんたとは私に関して話し合わなきゃいけないことがありそうね?」
「ずみばぜん」
頬を引っ張るのやめてくださいお姉様!
「別に心配してないなんて言ってないじゃない。あの2人は内で最も年齢低いし、輝にかぎっては不安しかないわよ」
それは同意である。輝はおっちょこちょいと言うかなんと言うか…。抜けてるところがあるからなぁ。それが心配で栞が付いて行ったんだろうけど。うーん、様子を見に行きたいとはいえ、このまま行ってバレてしまったら信じてなかったみたいな感じがして嫌だしなー。
『信じてくれてなかったの?』なんて2人に言われたらその場で舌を噛みちぎるまである。
くっ、どうすれば…!
「光!変身よ!!」
突然、茜がぶっ壊れたみたいだ。
「…………………え?なに突然……ごっこ遊び……?ちょっと付き合えない……」
「違う!!引くなっ!!!そっちの2人も引かないでっ!!」
誰でも唐突に「変身だっ!」なんて言われたらドン引きするわな…。この場にいる俺、奏、光の全員が茜の発言にドン引きした。そんなこと言って許されるのは最近では色がかなり増えているヒーローや仮面のバイク乗り、プリティでキュアキュアな存在くらいだろう。
「光の能力で姿を変えて遠くから見守ろうとしたの!」
「追っかけるなら最初から自分でいけばいいのに…」
ど正論である。
「今更言ってもしょうがないでしょ!いいから早く!!」
「は〜い」
これで頼みごとを聞いてくれる光はいい妹だと思う。いや、まあうちの子はいい子しかいないんですけどね?
「あ、そうだ八くんたちもやる?」
こっち見て聞いてきた。うーむ。たしかに光の能力を使えばさっきの条件はクリア出来るからな…。よし、やろう。
「んじゃ、頼むわ」
「かなちゃんはどうする?」
「私は…やめとくわ。家で待ってる人もいないとね」
ツンデレか?ツンデレなのか?
「今すごいイラっときたんだけど何か知らない?」
全力で目を逸らしておこう。
「それで?何歳ぐらいにするの?」
一応、光の能力は人に使う際は年齢も設定できるらしい。
「うーん、25、7歳で!」
「おまかせするわ」
「はーい」
光が俺と茜に手をかざす。すると、俺たち2人の体は光出した。みるみるうちに視点が変わっていく。なかなかない体験だよな、これ。そもそも、能力がある時点で普通はあり得ないが。
なんか目線がだんだん低くなってきたんだけど…。茜は27歳っていってなかったっけ?同時に使うんだし、俺もそのくらいになると思ってたんだけど?
体の変化が終わり、目を開けると…体が縮んでいた!見た目は子供!頭脳は大人!その名も…!
「27歳って言ったじゃない!」
「7歳っていいましたー!」
俺の隣のチビ、まあ茜だが。と光が言い争っていた。確かに25って言ってから7歳っていったけどね?日本語の難しいところだな。
さて、7歳の茜だがまんま高校生の茜が小さくなったと言う感じだ。悲しいことにある一点はこのころから大して育ってないということがわかる。泣ける。
俺の容姿はどうなってんのかね。鏡とかないからわからん。キョロキョロと姿見がないか探すもリビングにそんなもんなかったわ。ただ、挙動が怪しい人は発見できた。奏である。
「どーした?かなで?」
「…か……」
「か?」
カニバリズム?
「可愛い…!」
「ぐえっ」
奏のとっしん!
八幡は回避を試みる!
しかし、失敗した!
八幡は目の前が真っ暗になった!
ついでに息も出来なくなってきている!
俺の目の前は真っ暗であるが、顔に感じるこの感触は…!桃源郷はここですか。奏の匂いのせいか頭がクラクラしてきたな…。あ、待って、本当に息できてない。だが、我が生涯に一片の悔いなし…!いい人生だったさ…。
「かなちゃん!八くん息できてないよ⁉︎」
「え?嘘?ちょっと!大丈夫?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さてさて、一瞬意識を失ったもののなんとか息を吹き返し現在は輝と栞をストーキ…尾行中だ。ちなみに、光は16,7歳ぐらいになっている。距離としては、照たちから少し離れて茜、光でさらにそこから離れたところに俺がいる。
だって、あの2人五月蝿いからバレそうなんだよ。
ここで、俺の能力についてもう少し詳しく説明しようと思う。テレパシーを送受信できるのは半径1キロほどというのは知っているだろう(詳しくは3話を見てね!)
テレパシーは半径1キロ以内にいる特定の人物へと繋がなくてはいけない。そのため、送受信する場合には相手の居場所をある程度特定出来るのだ。それを使えば、迷子だとか今回の件のように居場所を知れる。相手に感覚的にはアンテナを設置するみたいな感じだな。そうすることで、姿を見ずとも尾行は出来るということなのだ。
送受信に関しては俺が制御しておけば、流れることはないのでプライバシーの問題もないというメリットもあるよ。居場所は分かっちゃうけど。ただ、x軸とy軸が分かるもののz軸いわゆる高さは分からないのだ。だから、ショピングモールで迷子になられると少し大変。
え?今回も別に姿変えなくても能力使えばよかったじゃんって?バーロー、俺も輝たちを追いかける時に能力使って思ったよ!
閑話休題
2人は現在、順調に進んでいる。犬に絡まれ吠えられていたようにも見えたが、栞が能力を行使したのだろう。すぐに静かになり、その隙を輝がダッシュで抜けていった。
茜と光だが、20mほど離れた電柱に身を隠しているもののぶっちゃけ丸見えである。体の一部が飛び出ており、隠せてはいないのだ。あ、一部っていっても茜の将来が不安に感じるところじゃないよ?体の半分が飛び出てるんだよ?これ一部じゃなくね?輝と栞の2人が後ろを振り向いたら即バレするレベル。
あ、向いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ちょっと!八くん!ひどいよー!見捨てるなんて!」
「そうだよ!ごまかすのたいへんだったんだから!」
「それおれのせいじゃないしな…」
なぜ、俺が責められているのかというと…。
先程まで、茜と光は輝に発見され不審者扱いを受けながら頑張って言い訳をしてた。栞からはガン見されてたから多分バレてるんだろ〜な。俺はそんな様子を見ながら4人から離れた電柱の後ろでのんびり見てたというわけだ。光がこっちすげーチラチラ見てたけど、俺の能力を使えば切り抜けられたかもしれないが、あえて無視してみたのだった。
…傍目から見たら面白かったしな。
ちなみに、御使い組(誤字にあらず)はスーパーの前でなにやら慌てている。どうやら、輝が持っていたはずのメモが見当たらないようである。確か胸ポケット入れてなかったっけ?と、どうやら気づいたようで2人は仲良くスーパーへと入っていったみたいだ。
しばらく待機である。
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目当ての品物を買うことが出来た輝くんと栞ちゃんはこの調子で家に帰ることが出来るかな?
「…なんでは○めてのおつかい風なの?」
地の文にツッコミを入れるのはおやめください。まあ、この先に危険なところとかないしな大丈夫だろ(フラグ)。
コンクリート塀の陰からそっと輝たちがいるであろう方へ覗き込むと…。
「あれ…?なんかあの犬今にも襲いそうじゃない?」
「まずいよ!はちまん、どうしよう⁉︎」
腹を空かせたのであろう犬が輝と栞の行く道を塞いでいた。しかも、首輪がついてやがる。今にも襲い掛かりそうな雰囲気だ。さすがにまずいな…!というか、この中で1番この状況に対応できるの茜だろーが!
「くっ、まにあうか…!」
駆け出そうとした瞬間——
ダゴォォォン!!
とあたりに音が響きわたり、地面が揺れた。音の原因を探ると、輝の周囲の地面が半径1メートルほどであるが陥没していた。どうやら、輝が能力の肉体強化〈リミットオーバー〉を使ったて足で地面を踏み抜いたみたいだ。
「おい、お前…。弱いものを攻撃するなんて卑怯なやつだな」
能力の威力にビビっている犬に輝が声をかける。普段の輝からは考えられないくらいの低い声が出ていた。
「僕は、母上や兄上から生き物にこの能力を使わないという約束をしてる…。それに、悪が出てきたら正々堂々と戦うことも約束してる。だけどな、お前が栞を傷つけようとするなら、僕は契約を破るぞ…!」
駆け出そうとした足を止める。…どうやらしっかりしてるのは末妹だけではなかったようだ。末弟もしっかり成長している。家族思いのいい子に成長してくれているみたいだ。
犬は輝の威圧に恐れをなし、走って逃げていった。その後2人は仲良く帰路へと着いたのだった…。
「ふう、2人ともぶじでよかった…」
「後始末、しないとね」
「まったく、ちゃんとしつけてあげないとダメだよね!」
「え、茜ちゃんそっち?道路はいいの?あれ?あの犬、戻って来たよ」
道路もしなくてはならないが、それ以上に優先すべきことがある。あの犬が輝がいなくなったのを確認して戻って来たのだ。そして、どうやら次のターゲットは俺らのようだ。こちらを威嚇しながら、走ってくる。
だが、俺としてはこの犬とその飼い主にブチ切れているので全く怖くない。
「あかね、そのいぬをほかくしてうかせろ!」
「え、う、うん!」
茜に犬を捕まえさせる。
この犬、しっかりと首輪もしており、住所も書いてあるようだ。さて、電話しようか。
ー10分後ー
とりあえず、茜の能力でこの犬には悪い…いや、別に悪くねぇな。おすわり(強制)をさせて、俺が鎖を握っている。
「やー、すみません。うちのワンちゃんを見つけてくれたようで」
やって来たのは中年ぐらいの恰幅のいいおばちゃんだ。服も裕福そうなものを着ている。
「あら、可愛らしい!あなた達が捕まえてくれたのね!嬉しいわ!」
キモチノワルイ笑顔でこちらに話しかけてくる。その貼り付けた顔で話しかけてくるな。吐き気がする。
「じゃあ、うちの子は連れて帰るわね。今度、お礼させてちょうだい?」
手を出してくるがお前らには帰ってもらうわけにはいかない。
「まってください。まだ、くるひとがいるので」
今まで、3人の中で年上に見える光に話しかけていたが、俺が声を上げると意識がこちらに向く。茜と光には極力話さないように前もって話していた。
「?誰かしら?ああ、あなた達の親御さんかしら?」
こちらの沈黙を是ととったのかにわかに機嫌が良くなる。あんま使いたくないけど、能力でも使うか。
『ふーん。この子達、結構身なりは良さそうじゃない?いいとこの子なのかしら。言葉遣いも洗練されているし、この子の家はきっと金持ちなんだわ!嗚呼、なんて幸運なのかしら!』
マジで吐き気してきた。この女、頭の中お花畑かよ。でも、ほとんど当たりすぎて逆に怖いな。お金はないけども。
「親御さんは何時頃来るのかしら?」
『私のサクセスストーリーが始まるわ!』
始まんねーよ。むしろ、これから始まるのはお前の断罪だ。
どうやら、お目当ての人が来てくれたようだ。その人たちは車から降り、こちらへと声をかけてくる。
「通報してくれたのは君かな?」
「はい」
脳内お花畑おばさん、略してのばさんの顔がどういうことだという感じに歪む。
「あの、君、どういうこと?来るのは親御さんじゃなかったの⁉︎」
既に、余裕を持った裕福そうなおばさんという仮面は崩れ始めている。さあ、始めよう。
「そもそも、おやがくるなんてひとこともいってないよ?」
「はあ?このガッ…」
どうしたんですかねー?続き言わないんですかねー?このガッ?ガッチ○マンですか?
「それで、通報の内容はそこの犬が人に襲いかかったということなんだけど。あなたが飼い主?」
「そうですけど、うちのノワールちゃんがそんなことするはずがありません!そこの子供の嘘でしょう⁉︎第一、証拠もないじゃない!」
おーおー、ヒステリックな声を上げ始めてまあ。だが、忘れてはいけない。他の国にはなくて、この国にあるものの存在を。
「じゃあ、あのかんしカメラでみてみたら、こっちがいってることがただしいってわかるよな?」
そう。監視カメラである。この国は、櫻田兄妹を日夜守るために監視カメラが作動している。しかも、高性能なやつだ。輝と栞が襲われたわけだし、遅かれ早かれ動くだろうけどな。
警察の人たちは映像の照会をしてくれている。
のばさんは凄い憎らしそうにこちらを見ている。まだまだ終わらんよ。栞と輝を襲った罪はこんなものでは終わらない。
『茜、その犬の様子はどうだ?落ち着いてきたか?』
犬を撫でてるふりをして絶賛拘束中の茜とついでに手持ち無沙汰な光に能力を繋げる。
『えっ!あ、八幡の能力か。うーん、多分能力解除したら元気よく暴れると思うけど…』
『八くん…。あのおばさんこっちの見る目が怖いよ…』
『茜はそのまま抑えつけといてくれ。光は後でなんか買ってやるから我慢してくれ』
『本当に?楽しみにしてるね♪』
『あれ?わたs』
ふー。これ使うと疲れるなー。
さて、と。そろそろ終わったかな。照会に行った警察官が戻ってくる。
「署に確認したところこの少年が言っていたことは本当でした。それと、あなたの犬と似た犬による怪我などの被害届が出ているので、飼い主であるあなたに署にご同行して欲しいのですが」
「嘘よ!うちの子がそんなことするわけないじゃない!デタラメ言うのもいい加減にしなさいよ!」
「そう言う話は署で聞くんで。あなたの犬から何人か被害も出てるので飼い主であるあなたに慰謝料などのほうもだしていただくことになりますし、犬の方は保健所に預けさせていただきます」
「ふざけないでよ!なんで私が慰謝料なんて払わなければいけないの!」
ついにはわめき散らし初めてしまった。こういう大人にはなっちゃダメだぞ!お兄さんとの約束だ!
白けた目で見ていたところ、のばさんと目が合ってしまった。うわ…目が血走ってるし、髪はボサボサになってるし、怖。正直、ザマァとしか思ってないですけどね。人とかカメラに映らんように鼻で笑っておくか。フッ。
とかやったら、女がこちらに突っ込んできた。一緒に倒れ込み、こちらの首を絞めてはじめた。
「あんたのせいよ!あんたがいなければ私は!」
「ガッハ…」
「やめろ!その手を離しなさい!」
「はちまん⁉︎」
「八くん!」
ヤバ…いしきが…な…く
ドンっと音がして肺に空気が入ることで意識が覚醒する。危なかった…。しかし、なぜ助かったんだ?女が消えてった方を見る。女は自らの飼い犬にのしかかられていた。茜が手を離した瞬間に能力から解放されて目の前にいた人に突っ込んだのだろう。
こうして、女は逮捕され、犬は保健所へと連れていかれた…。正直、やりすぎた感はあるが、輝と栞を襲った罰とその責任と考えれば妥当だろう。まさか、他にも襲われている人がいたのは知らなかったが。
その後、以前小さくなった茜が番組で放送されたこともあり、一般の方々が集まって茜が顔バレし揉みくちゃになっていた。俺?軽く治療してたからその場にはいなかったが?
と、そんなアクシデントもあり、ようやく家の前に着いた。茜は揉みくちゃにされたこともあり、疲れ切っている。あ、そうそう輝が踏み抜いた道路は国の人がやってきてあっという間に直して行った。早業すぎた。どうなってんの?この国の科学力。
「本当に大丈夫?無理はしないでね。八くん」
「ほんとにしんぱいしたんだから!」
「わりーな。おれもまさかあそこまでしてくるとはおもわなかったんだ」
嘘である。煽ったからな。ぶっちゃけ、手を出してくるとは思ってた。
「そんなことより、はやくいえにはいろうぜ。もうきょうはつかれたんだが」
「それもそうだね」
「ただいまー…」
家に帰還である。お使いを完遂した輝と栞は声がしたからか、玄関までやってきた。
「あっ!!お前たちはさっきの!!!」
面倒ごとの予感がした。
「あ、そうか。からだがまだ…」
「また悪いことしにきたのか⁉︎それに人数も増えてる!」
あー、数に入れられてしまった…。
「ち、違うの!あやしいものじゃないの…!」
「どうようしている!すごく怪しいぞ!栞は危ないから下がってて!」
「茜だよ!あなたのお姉ちゃんだよ!」
側から見ると、小さい幼女があなたの姉なんだよとか言ってるなかなかシュールな映像が出来上がっている。
「何言ってるんだ!バカなのか!!姉上はそんなに小さくない!」
同感です。
その後、いい加減に疲れた俺が能力を使うまでこのやり取りは続いたのであった。
かくして、輝と栞の初めてのお使いは成功で幕を閉じた。
おまけ
「あの、あおいねえさん?」
「ん?なに、八くん?」
「なぜ、おれをかかえられて、ひざのうえにのせているのでひょうか」
「え?私が抱えたかったからだけど…?」
「いや、そんなふしぎそうなかおしないでもらえませんかね?おれはこうこうせいなんだから、こんなことされるのははずかしいんだが…」
「…いやだった、かな?」
「いやべつにいやというわけではなくてただ単純にはずかしいといいますかせなかのふくらみがきになりますといいますかなんといいますか」
「奏には、抱きつかせたのに?」
「あれはあっちがかってにしてきたんだが…」
「じゃあ、私も勝手にするね♪」
「あ、はい…」
「なあ、光。葵姉さんはどうしたんだ?」
「うーん。八くんのあの姿にやられちゃったみたい?」
「そうか。八幡の目が死んでるな」
「かれこれ一時間くらいあれだもんねー」
そんな話してるより助けてほしい。
ついには「一緒に寝ようか?」と言われた。その瞬間、俺は自分の部屋へと駆け出した…。
もう二度とこの姿にはならない!
ちょっと残念とか思ってないし!