どうも、はじめましての方ははじめまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。リアルがだいぶ落ち着いてきたので、気分転換で書きました。
作者は栞が好きです。(ロリコンではない)
これはとある王族の日常を描いた物語である——。
俺の朝は早い…というわけでもない。むしろ早起きしても二度寝するまである。ああ、布団さん。私と結婚して下さい…。貴女と離れるのは私にはあまりに辛いのです。貴女のいない生活なんて羽根がなくなった鳥のよう!
と、俺と布団による披露宴が脳内で行われているこの部屋にドタドタと誰か近づいてくる気配がした。ドタドタと音出してる時点で気配もクソもなかったわ。
「八くーん!朝だよー!」
扉よ壊れろと言わんばかりの勢いで入って来たのは妹である光だろう。だが、俺は起きる気は毛頭ない!徹底的に寝たフリして逃げ切ってやるぜ。こいつはアホだからな。
「八くーん。起きないと怒られちゃうよ?おーい!」
ユサユサと揺らしてくるも俺は狸寝入りを続行した。そんなことでは俺と布団さんの仲は引き離せないぜ。
「むぅぅ。起きないんだったらこっちにも考えがあるからね」
揺するのをやめて離れる気配がした。お、諦めて他の奴でも助っ人に呼びに行く気か?その時点で我が軍の勝利よ!ふははは!
「えいっ!」
「グハァ!」
ぐはっ!腹になんか思いっきり落ちて来た!と思ったがこれ、光か。油断しているところにフライングボディプレスを撃ち込んでくるとはなかなかやるじゃないか。結構痛いです。
「起きた〜?起きないとまたやるよ?」
「起きたよ!これ以上やられるとお兄ちゃんの内臓壊れちゃうからやめてね?」
「おはよう!八くん!ほとんど皆んな準備出来てるよ?あとは八くんだけだよ」
「おう、そうか。起こしに来てくれてありがとうな、光。ただ、もうちょい優しく起こして」
「それは八くんが寝たフリ続けるからだよ…」
はあ、起きるか。ベッドから出た俺は、高校の制服に着替え、一階に降りる。ちなみに、光は俺が着替え始める前には部屋からもう出ていってたよ?
「…はよ〜」
「もう、八くん!起きるの遅いわよ?皆んな待ってたんだから。ほら、早く座って。みんなで食べましょう?」
俺に注意をしつつも優しく迎え入れてくれているこの人はこの家の長女である櫻田葵。高校3年。成績優秀、品行方正、美少女の三拍子掛け合わせた超人である。将来は美人になると予測している。というか現時点ですでに美少女である。八幡的にポイント高い。
「わかるぞ!春先は眠いよな!二度寝したくなる気持ちはよく分かる!」
この素晴らしい二度寝生活に祝福を!贈ってくれているのは長男であり、高校2年の櫻田修。背が高い。え?他に?特にないな。サッカーが好きだっていうことくらいだろうか。
「修ちゃんは甘やかさないで。ほら、早くしなさい。あなた待ちなんだから」
修と同じ黒い髪を肩くらいまで伸ばしているデカイ(どことは言わない)人は、修の双子の妹である櫻田奏。猫かぶりがスゴイ。なにがスゴイって誰だお前っていうレベルに昇華している。あと、ブラコンであり、シスコンな。結構重度の。それを表面に出そうとしないからはたから見たらツンデレである。やーい!ツンデレ〜!
「…なによ」
「いえ、別に」
「ほら、早く食べようよ!学校に行く時間になっちゃうよ?毎日毎日おきるの遅いんだから…」
赤い髪をツインテにしてるのは、俺の双子の妹ということになっている三女の櫻田茜だ。こちらは重度の人見知りである。隠密行動してんのか、というツッコミが出るくらいには。追加の情報として、すれんだーである。悲しいほどにね。はっ!殺気!
「八くんたら私が起こしにいったのに寝たフリしてたんだよ?だから、強行手段で起こして見ました!」
俺をフライングボディプレスで起こしてくれやがった金髪は五女の櫻田光。アホの片鱗が割と感じられる。だが、そこがかわいいので目に入れても痛くない(断言)
「八兄さんがそのまま改善するとは思えないけどね…」
「だよね…」
先に喋ったのは三男の櫻田遥。インテリ系である。その次は、四女の櫻田岬。遥とは対照的で岬は運動が得意である。ちなみに、この2人も双子の兄妹である。この家の双子率高くない?双子でも男女別々が生まれる確率とか低かったと思うんだけど。この家の兄弟の髪の色多彩すぎません?このふたりは、遥が紫に近く、岬はピンクだ。だれだ、ピンクは淫乱とか言ったやつちょっとこっち来い。俺の妹に喧嘩売ってるのなら買うよ?
「兄上!早起きしないと大きくなれませんよ!」
オレンジっぽい色の元気がいい子どもは、四男の櫻田輝。男の中では最年少であり、小学生なのだがすでに厨二病が発症している兆候がある。そして輝よ、俺はこの家族から見ると、背は大きいほうだ。つまり、すでに大きいから早起きする必要はないね?Q.E.D。
「お兄様…ごはん食べよ?」
最後に天使だ。ああいや、失敬。心のそこからの言葉が漏れ出てしまったようだ。今俺を小さい体ながらも上目遣いで見てきているのがこの家での最年少であり、我が天使である栞である。天使と会うことで心の疲れも体の痛みも安らぐようだ。やはり、可愛いは正義。つまり、栞はかわいいので正義なのだ」
「お兄様…?嬉しいけどちょっと恥ずかしい…」
やだ、赤面して頰に手を当ててるのとか超かわいい。心がぴょん○ょんするんじゃ〜。はい。心の声が漏れまくってましたね。八幡、反省。あと、そこの女性陣こっち睨むのやめなさい。顔怖いよ?今なら視線で人を(ピー)しそうなレベルで。
「…なんだよ?」
「「「べっつに〜〜?」」」
ええ〜。なんかあるじゃん。言いたいことあるだろ!なら言えよ!でも、悪口だったらお兄ちゃんこれから学校行って屋上から紐なしバンジーすることになっちゃうから言わなくていいや。
「ほら!みんな揃ったんだから食べましょう?」
「そうだぞ。母さんが作った料理が冷めるだろう」
こちらが我らが家族の頂点である母、櫻田五月(本当に9人も産んでるのか?ってぐらいには綺麗な人だ)と大黒柱である櫻田総一郎である。我らが兄弟たちを産み育ててきた頭が一生上がらない人たちである。下世話な話だが夜の生活大変頑張りましたね。ほんとに下世話だわ。そして、現在の父にはツッコミどころが存在している。
「それはいいんだけど…」
『なんで王冠被ってるの?』
「ははは、昨日王宮に置いてくるの忘れてきちゃったんだよ」
「父上!王様みたいです!」
全員の疑問が一致した奇跡の瞬間だった。そう。父親の頭の上に王冠がのってたら誰だって気になる。あと、輝よ。一応うちの父親はこの国の王様だぞ?
あ、言い忘れてたがうちの家は王族なのだ。びっくり。なにがビックリって父さんは王様のはずなのにオーラとかないのが一番驚くわ。葵姉さんの方が雰囲気があると思う。
そして、この国の王家である櫻田家には生まれた時からなにかしらの特殊能力が存在している。なぜか、王家の者にしか発現しないのだ。一応、俺も持ってはいる。まあ、能力云々については後々に話すことになるだろう。
「ほら、皆んな。そろそろ行かないと遅刻しちゃうわよ〜」
「うわっ!もうそんな時間?今日は生徒会がある日じゃない!」
「俺もそろそろ行くか〜」
「頑張ってください!姉上!兄上!」
「いってらっしゃい…」
俺も学校に行かなくてはならないので重い腰をあげて行く支度をする。やだなー行きたくないなー。輝か栞変わってくれないかな〜。あ、ダメだわ。輝や栞に近づくやつを排除しなきゃいけなくなるからな。え?シスコン&ブラコン?違うよ?愛してるだけだよ。
「ほら、八〜!準備終わったなら行こう〜!」
「ああ、今から行く!」
——こうして、櫻田家の日常ははじまる。
いかがでしたでしょうか?
作者に続ける気があるかどうかはぶっちゃけわかりません。
が、感想など頂いたら書くかもしれませんよ?(チラッ)
もう1つの方もやりますよ?そのうちですが…