どーも。未だに給水塔から動けない一色いろはです☆
はぁ…。てゆーか委員長さまはこんなとこにいていーんですかね?
葉山先輩達のライブが最後だったと思うんだけどなぁ…。
エンディングセレモニーはいーんですかね?
貴女のせいでわたしも動けなかったんですからねっ!!
責任取って下さいね?はい、取ってくれませんよね。
ねぇーさがみーん!体育館行ってよー!
さっきから念とばしてるのにちっとも気付かねぇ…。
そんなんだからオープニングセレモニーのあいさつもまともにできないんですよ?
わかってます?あれはひどかったなぁ。
まぁ、わたしができるかって言われたら微妙ですけど。
まぁそれ以前に、絶対に実行委員長なんてやらないから問題ありません。
むしろ実行委員にすらならないまでありますねー。
あ、この言い方はまだ出てきてないひとのやつですね!
ごめんなさい!!
なんて頭の中でふざけてたら屋上の扉が開いて誰か入ってきました。
ん?入ってきた?それとも屋上だからでてきた?うーん…。
はいっ、どっちでもいーですね。
「エンディングセレモニーが始まるから戻れ。」
「別にうちがやらなくてもいーんじゃないの?」
やってきたのは男の人みたいです。
ちなみに委員長さまはわたしから見えますが、男の人は見えません。
見えるくらい動くと多分バレます。
まぁでも、やっぱり委員長を探しにきたみたいです。
サボッてた?のかなぁ…。
そこでわたしのスマホが震えました。やめてーバレるー。
どーやら葉山先輩も委員長を探してるみたいです。
屋上にいますよーって教えると、わたしが体育館にいないことも葉山先輩に知られちゃうので、階段登ってるとこ見たので屋上じゃないですかー?とメールしときました。
わたし有能!
そんな事してる間も委員長と先輩(タメ語だから多分先輩)は色々話してます。
お二人の会話を聞いてると、エンディングセレモニーの開始を遅らせるために三浦先輩やあの雪ノ下雪乃先輩まで動いて、時間を稼いでるみたい。
これ早く戻らないと委員長は後々マズイんじゃ…。
まぁ別に知り合いでもないし、あんまり関係ないですね。
「じゃぁ雪ノ下さんがやればいいじゃん。あの人何でもできるし。」
「あ?そう言う問題じゃねぇだろ。お前の持ってる集計結果の発表とかいろいろあんだよ。」
この2人仲悪いじゃん。てゆーか、あ?って。ちょっと怖い人ですかね?仲悪くて怖い人になんで委員長探させてんの?
女の子はそんなのに着いていきませんよー。
そこから集計結果だけ持ってけよ!みたいな事を委員長が言って、先輩は黙っちゃいましたね。
どーすんの?てゆーか委員長やる気も動く気も全くないじゃないですかー!やだー!
ホントなんでいんの?
「ここにいたのか……。捜したよ」
葉山先輩キターーーーーーー!!!!!
わたしが委員長を心の中でdisってる間に葉山先輩が突入してきました。
最初から葉山先輩が来てくれればわたしも説得するの手伝ったのになぁ…。
で・も、わたし役に立ちましたよね?後から褒めてくださいねっ♪
うーん。やっぱり葉山先輩のこと好きなのかなぁ?
そんな事考えてる間に葉山先輩も説得してますけど、あれはダメですね…。
デモデモダッテの構って慰めて葉山君!に馬鹿な委員長は突入しております。
これわたしも出ていって、葉山先輩に迷惑かけてないでさっさと行けや!くらい言ったほうがいーですかね?
あー、葉山先輩が優しいのは分かりますけど、それじゃ絶対動きませんよ?
むしろあと1時間くらい葉山先輩に慰めてもらおーとか考えてそう。
「うち、最低……。」
あー、でました。そんな事ないよって言って欲しいだけ。
そして、葉山先輩の性格的におそらくそれしか言えない。
ほーんとめんどくs
「本当に最低だな。」
えぇぇーーーーーーーー!!!!?
嘘でしょ?それ言っちゃうの?葉山先輩に怒られますよ?
折角誰よりも早く委員長を捜しあてて説得までしたのに怒られちゃいますよ?名も知らぬ先輩!
でもまだまだ先輩のターン!
「相模。お前は結局ちやほやされたいだけなんだ。かまってほしくてそういうことやってんだろ?今だって、『そんなことないよ』って言ってほしいだけなんだろうが。そんな奴、委員長として扱われなくて当たり前だ。本当に最低だ。」
「なに、言って……」
「みんな多分気付いてるぞ。お前の事なんかまるで理解してない俺がわかるくらいだ。」
「あんたなんかと、一緒にしないでよ…。」
「同じだよ。最底辺の世界の住人だ。」
今だに顔も見えないけど、この先輩はなんてゆーかヤバい。
きっと葉山先輩も動けてない。他の人も。
今日の昼に考えた事が少しずつ頭に浮かんでくる。
チヤホヤされたくて猫を被るわたし。
今わたしの事なんて関係ないのは分かってるし、この先輩もわざとこんな事言ってるんだろうけど、どーしても自分も言われてるような気分になる。
そんな事を考える間もこの先輩は、坦々とそれが事実だと言わんばかりに言葉を紡ぐ。少し怖い。
どーするつもりなんだろう。
てゆーか葉山先輩はとめないのかな……
「わかってるんじゃないのか、自分がその程度の」
「比企谷、少し黙れよ」
先輩の言葉が途中で切られ、何かがぶつかるような音と、今まで聞いた事のない葉山先輩の声が聞こえた。
少し身を乗り出して見てみると、葉山先輩が話してたっぽい先輩を壁に押し付けていた。
葉山先輩のそんな姿を見たのも初めてのことだった。
その後、何故か屋上でサボッてた委員長が葉山先輩に、こんな奴ほっとこう的な事を言って出ていった。
うん、まぁね、確かにひどい暴言で聞いてるこっちも嫌になったけど、貴女がそれを言います?
自分はなに1つ悪くないって感じなんですね、委員長さまは。
そして、葉山先輩と一緒にきた女の先輩方も口々にヒキガヤ?先輩の文句を言いながら屋上から出ていきました。
「…どうして、そんなやり方しかできないんだ。」
最後に葉山先輩が小さな声で告げて屋上を後に。
どーゆうこと?
ギリギリ聞き取れたくらいだけど、言い方的にはこれが初めてじゃない?
でも、ヒキガヤ先輩だってあそこであんな事を言えば、葉山先輩に止められるのは分かってたはずだ。
そんなやり方?全て計算のうえ?でもなんで?
あんな委員長がいなくたってエンディングセレモニーくらいどーにでもなるんじゃないの?わかんない。
わたしは給水塔を降りる。
先輩はまだこっちに気付いてない。
あの先輩に話を聞いても、何も答えてくれないかもしれない。
後から、葉山先輩に聞くべきかもしれない。
でも、何故かこの先輩に聞いてみたい。
ようやく、顔を見る事ができた。
濁った…ううん、失礼かもだけど死んだ魚みたいな眼で、表情もどこか苦しそうな、辛そうな。
1回深呼吸しよう。
もしかしたらわたしも酷い事言われるのかな。
がんばれ!いろは!
「あ、あのー、ひ、ヒキガヤ先輩?」
「うおぉ、だ、誰?え?いつからいたの?」
「あ、すいません。フフっ急に話しかけて。えーと、一応先輩が屋上に来る前から給水塔のとこにいてですね。フフっあ、わたし一色いろはっていいまーす。よろしくです♪」
声を掛けたらすっごいビックリしてた笑
あー、最後いつもの感じで名前言っちゃった。
驚いた顔してたけど、最後にうわぁって顔する先輩。
猫被ってるのに気付いてる?
でも、見た感じ、めっちゃチョロそうだし、別にバレても問題なさそーだし、いっか♪
でも、それも一瞬ですぐに少し険しい顔になった。
「で?なんか用か?俺が来る前ってことは、ずっと見てたんだろ?なに、相模の後輩?それとも葉山?どっちにしてもお前に文句言われる筋合いもないから。」
「いや、あの、文句とかじゃなくて。なんであんな事言ったんですか?あと、葉山先輩が言ったそんなやり方ってどーいうことですか?」
「お前には関係ないだろ。つかお前はエンディングセレモニーでなくていいわけ?」
「確かに関係ないですけど、実際委員長がいなくてもエンディングセレモニーくらいどーにかなったんじゃないですか?あと、お前お前って、わたしさっき名前言いましたよねぇー?」
「それこそ文実でもないお前に関係ないだろ。色々あんだよ。それに、どーせ関わらないし、名前覚えても意味ないだろ。じゃ。」
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよー。こーんな可愛い後輩とお近づきになれるかもですよー?」
箸にも棒にもかからないってこんな感じ?
全く相手にされないし、本気でわたしに興味なさそう。
つい先輩のシャツを掴んでしまった。
まだ何も聞けてない!
「あざとい、んでうざい。つか離せ。あとお前みたいなの可愛いとは言わん。俺文実だから体育館いかないとまずいんだよ。ほら離せ。」
「むーー「あざとい」あざとくないですぅ。とりあえずわかりました。でわ体育館に向かいながら話しましょう。せーんぱい?」
ふふふ。人のことあざといとかうざいとか言っておいて簡単に逃げれるつもりなんですかねー?この先輩は。
「あー、多分やめたほうがいいぞ?すぐに俺の悪評とか噂とか広まるだろうし。一緒に歩かないほうがいい。それに俺もお前と一緒に歩きたくない。お前目立ちそうだし。」
「んー、でも生徒はほとんど体育館にいるはずですし、大丈夫だと思いますよー?もし誰かいても知らない人のフリしますし。わたしも先輩みたいな眼が腐った人と、ひとけのない特別棟を2人で歩いてるとことか見られたら何言われるかわかりませんし。」
「はぁ…。だったら最初から別々に行きゃいーだろ。それに知らない人のフリじゃなくて、俺はお前なんかしらん。だからその仮定に意味なんてない。」
「頑固ですねー。ほら行きましょう。行かないんですか?はっ、もしかしてそうやってわたしが手繋いで連れて行くの待ってます?そーいうのほんと気持ち悪いんで無理です。ごめんなさい。」
「あざとい。長い。うざい。なんで俺が振られたみたいになってんだよ。意味わからん。」
「ちょっ、ひどくないですか?でも先輩根暗であんまり喋らなそーなのにけっこう喋るんですね?」
なんだかんだ会話はしてくれるけど、さっきの事についてはなんにも教えてくれません。あ、勝手に行かないでよ。
しょうがないのでとりあえずわたしも後ろを付いていきます。
少し驚いたのは、この人とはすごく喋りやすい。
あざといとか言いながらもちゃんと聞いてるし、先輩も変に取り繕うような感じもない。
クラスの男子なんて話してて下心しか感じないもんなー。
気持ち悪い。
「んで?一色って言ったか?結局お前なにがしたいの?」
「……え?せんぱい、名前ちゃんと聞いてんですねー。ふふっ。実はわたしに興味深々だったりしますー?あ、それとほんとに屋上でのこと知りたいだけですよー。んーもしかして葉山先輩と元々打ち合わせとかしてました?」
「とりあえずめんどいから前半は無視な。あと打ち合わせなんかするヒマあるわけねーだろ。打ち合わせしなくても葉山隼人なら動くだろ。あの場面で何もしないならそれはもう葉山じゃない。」
「へー。じゃ先輩は最初から葉山先輩が動くのを計算に入れて、あの暴言を吐いたんですね。じゃぁどこからが計算なんですか?」
「それお前が知ってどーすんだよ。答えなきゃダメか?」
「んーできれば知りたいです。知ってどーするって言われたら、知りたいとしか言えませんけど。強いて言えば、せんぱいのこと知りたいってのじゃダメですかー?」
「あーはいはいあざとい。さっきも言ったろ。今後関わらないから知る必要もない。」
「今のはわりかし本音ですぅー。それに関わらないかどうかはわからないでしょ?未来のことなんてだーれもわかりませんし。」
「大丈夫だ。お前みたいな女子とは関わらないって決めてるから、問題ない。むしろ、関わりそうになっても逃げる。」
「むーーおーねーがーいーしーまーすー。」
「おい離せ。あざとい。あと近い。右腕を揺らすな。はぁー…。わかった。分かったから離せ。離してくださいお願いします。」
「はぁ…。もう体育館着くから簡単にな。最初から、相模からすれば、俺なんてお呼びじゃない。じゃぁ誰だったらってなると、それこそ葉山だろ。だが、おそらく葉山だけではデモデモダッテで動かない。あいつは相模に厳しい言葉なんてはけない。だったら、ベストなのは俺みたいな噛ませと葉山みたいヒーローが一緒にいるのが1番だろ。時間もなかったし、それは葉山も分かってたはずだ。だから、葉山が俺の次にきて、相模が愚図りだした時点であの方法でしか相模は動かせない。これでいーか?今日は喋りすぎて疲れた。」
「もう体育館着いちゃいますね。最後に1つだけ。先輩さっき屋上で先輩の悪評とか噂が広まるって言ってましたけど、そこまで分かっててなんでそんな事を?あ、あとなんでそこまでして委員長を戻すことにこだわったんですか?」
「お前それ2つじゃねーか。まぁその答えは2つとも同じだ。仕事だからだ。もっと言えばあそこでそれができたのは俺だけだから。まぁ葉山がいねーと成り立たねーけど。」
「うーん、分からないけどわかりました。あ、ちょうどエンディングセレモニー始まりますね。ではまたでーす。あ、せんぱい!仕事だからっていうなら言っときますね。せんぱい、文実のお仕事最後までお疲れ様でした。」
「あざといんだよ。まぁ、なんだサンキュ。まだ終わってねーけど。」
敬礼してる私に最後にまたあざといって言いやがりました。
先輩って実はホモなんですかね?キモいです、先輩。
でも、最後にサンキュって言ったときの顔はちょっと優しい顔してました。
屋上で初めて見た顔よりはだいぶよかったです。
もし、先輩が言ったように悪評や噂が広まれば、火曜日からの先輩はどうなるんだろう。
エンディングセレモニーで挨拶してる委員長を見たけど、先輩と葉山先輩がいなければ、そこにはもしかしたら別の人が立っていたかもしれない。
そう考えると、委員長はむしろお礼を言うべきなんですけどね。
きっと分かってないんだろうなぁ。
先輩はまだ文実として、後片付けなんかするのかな。
もしかしたらすでにそこで文句を言われたりするかもしれない。
でも、優しい葉山先輩ならきっと助けてあげるんだろうな。
できれば、そうなってほしい。
先輩はきっと今まで私が会ったことのない人種だ。
なんだかんだ私を心配したような言葉もあった。
本当は優しい人なのかな?
まだ全然知らないし、先輩の考えが分かったわけでもない。
でも、一緒の校舎にほぼ毎日いるんだから、また会えるはず。
きっとまた嫌そうにするんだろうなぁー。
ふふっ♪もしかしたらいい出会いなのかも。
次会えるの楽しみにしてますねー、せんぱい。
ありがとうございました。