ダイの大冒険異伝-火水の法則-   作:越路遼介

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魔人大戦-弐-

 ミナカトールの成功を確認したフローラは全軍に命令を下した。

「撃てえ―――――――ッッ!」

 カール軍の鉄砲隊と大砲隊が一斉に銃弾を発砲した。モンスターたちは次々と倒れていく。

 アバンの立てた作戦は功を奏した。

 

 アバンの考えたカール軍の作戦はこうだった。まずミナカトールを唱え、敵兵の戦闘力を半減させる。ミナカトールはドワーフやエルフと云ったモンスターではないものには効果はないが、モンスターには十分に対応できる。最初に突入してくるのはヒムとラーハルト率いるモンスター兵であることは分かっていたからだ。そして攻撃力と共に守備力も半減したモンスター兵たちに、鉄砲と大砲、弓矢、呪文で攻撃する。

 また陣形も強固に備えた。帝国軍の陣形は矢印をかたどった剛槍の陣であり、カール軍はその陣形に有利となる迎撃陣形、重盾の陣である。逆三角形の形をしており、厚みのある布陣である。

 そして前衛にフローラの指示で前より弓矢隊、鉄砲隊、魔法隊と順に並ばせ三列の横隊をしき、突撃してくる帝国軍勢を一列ごとに交代で飛び道具を放つ三段攻撃を執った。また二十門に及ぶ大砲も横一列にズラリと配備したのである。

 カール陣の前に広範囲に掘りも用意し、丸太で防柵も作った。カール軍の方がタウラス平原に早く到着したゆえに執れた攻撃力にも富んだ完璧な守備陣形である。

 

 転じて、ポップの帝国軍側は確たる作戦は立てなかった。各部隊長の采配に任せるといったものであった。ポップは突撃を指示したあと陣幕の中で待機をせず、陣の前線でドラゴンに乗りながら戦場を見つめていた。彼なら魔法で戦場全体を見通せる。

「こざかしい…」

 しかし、特に焦りはない。

「このままではむざむざ敵の矢弾に当たりに行くようなものですが…」

 不安を持った帝国本隊の副将であるエルフの女戦士クリスがポップに言った。

「そうだな。せっかく苦労して作ったのに悪いが消してしまうか…」

「申し上げます」

 ポップがミナカトールを消滅させるための技を放つ動作に入ったとき、サリーヌの使者、悪魔神官サイヴァがポップの前に到着した。

「サイヴァか。どうした」

「はっ、第三陣サリーヌ隊は魔道士軍団ゆえ、ミナカトールの前では無力。第四陣のエイミ隊と陣列を交替し、我らは魔法陣の外まで下がり待機したいかと」

「いいだろう。エイミ隊と交替し、魔法陣の外で待機し魔法力の回復を図れ。余がミナカトールを消滅させたのち、味方の死傷者に回復と蘇生呪文を唱えながら前進せよ」

「御意」

 サイヴァはポップに一礼をし、サリーヌの元に引き返して行った。

「さてと…」

 

 ポップは再びミナカトールを消滅させるため、技の動作に入った。が、その時!

「ん…?」

 アバン、マトリフ、ブロキーナがポップの眼前に突如姿を現した。アバンが一度会った者の前になら、その者の前に瞬時に移動できるリリルーラを使ったのである。これがミナカトールに伴う作戦の最後の詰めであった。

 カール軍がこの戦いに勝つためには、できるだけ短時間で帝国軍に大ダメージを負わせ、かつ戦場で総帥であるポップを討つ事であった。短時間で勝たなければならないのは、兵糧の問題と兵の戦闘力の差である。いかにフローラとは云え、四万以上に及ぶ兵の胃の腑を長期にわたり満足させるほどの兵糧は調達できなかった。残量は7日分しかなかったのである。

 そのためミナカトールで敵の出鼻をくじき、短期決戦を図ったのだ。そして何より兵のチカラは大人と子供である。帝国軍はモンスターを筆頭に戦闘力は人間よりはるかに富んだ種族たち。いかにミナカトールでチカラは半減しても、まだ人間より格段に強いのは明白である。まともに当たれば勝ち目は無い。

 戦いが長引けば長引くほど、犠牲は拡大する。アバンはミナカトールと三段攻撃による強固な陣形を作り、兵たちに討って出ることは許さなかった。そして自分自身はマトリフ、ブロキーナを連れて敵陣に突入したのである。

 この3人はかつてハドラーと最終決戦をすべくハドラーの全軍の前に立ちはだかった勇士たちだ。しかし皮肉なことに今は相手がハドラーではなかった。

 

「ポップ、覚悟しなさい…」

 アバンは剣を抜いた。

「俺が引導を渡してやる…」

 マトリフは右手に魔力を集中した。ブロキーナは無言であったが闘気を高めている。

「ふん…そろそろ来るころだと思っていた…」

「なに?」

「さきほど、アンタと開戦前に話したとき、風に乗せてルラムーン草の粉を俺に付着させていたのは知っている。知っていて、わざとそのままにしておいたんだよ」

 ポップは、三人が乗り込んできたことに対しての驚きは無い。だが、周りのポップの部下たちは浮き足立った。帝国軍本隊の副将クリスが兵に一喝する。

「何をしている!我が隊に三人で乗り込むとは我らを軽視している証拠だ!討ち取れ!」

 エルフ、マーメイドの兵士たちが一斉に3人に襲い掛かる。

「よい、お前たちのかなう相手ではない。下がっているがいい」

 クリスも兵たちはその言葉で攻撃を止めた。クリスは兵たちを下がらせポップと3人が心置きなく戦えるように場所を作った。

「ふん、よく飼いならしてあるじゃねえか…」

 マトリフは皮肉をこめた。マトリフが思っていた通り、帝国軍本隊の9割は女であった。

「アンタと違い、女にモテるものでね」

「…けっ」

 マトリフは唾を吐いた。師弟の再会とは思えない場面である。

「しかし、我々3人に1人で立ち向かう気かね。見くびられたものだ」

 ブロキーナがやっと口を開いた。ポップは嘲笑を浮かべる。

「心配はいりませんよ。アンタたちがたとえ百や二百いても敵じゃない」

「ならばポップくんに教えてしんぜよう。自分がこの世で一番強いと思った時が滅びの第一歩だと云うことを」

 ポップは3人を挑発するように構えをとらなかったが、ブロキーナの言葉を聞き終えたその直後、

「ならばそれをお教えいただこう!」

 彼は左手を高々と上げた。そしてその手は怪しい光を放つ!

 

「カラミティウオール!」

 

 3人に津波のごとく邪の波動が襲い掛かる。

「クッ、これはバーンの!?」

 カラミティウオールから身を守るべく、3人が防御体制に入ったその時、ポップが彼らの背後へ瞬時に回りこんだ。そして深呼吸を一つ。ポップの目が金色に光る!悪魔のような息吹が大気を震わせた!

 

 ゴオオオオオッッ!

 

「な、なんだとぉッッ!?」

「こ、これは『輝く息』!?」

「マトリフ、空だ!」

 『かがやく息』をポップは3人めがけて吐き出した。マトリフはブロキーナの腕を掴み、トベルーラで空中に逃げ、アバンも同じく空へと引いた。カラミティウオールと『輝く息』は互いに衝突し消滅した。

 そして3人が逃げた空にポップはバギクロスを唱えた。怒涛の攻撃である。真空の刃が3人に襲い、マトリフはブロキーナをつかんでいた腕を負傷した。思わず手を離してしまい、ブロキーナが落下する。

「ちっ、しまったッ!」

 ブロキーナは慌てず闘気を応用して無事に着地をしようとした。しかしその落下点にはポップが待っていた。ポップが飛び膝蹴りをブロキーナの腹部に炸裂させる。稲妻のようなポップの飛び膝蹴りはさすがのブロキーナも完全に防げず、あばら骨が数本折られてしまった。ブロキーナはそのまま倒れ、ポップは一瞥もくれず空に飛ぶ2人に再び『輝く息』を吐き、マトリフにそれは直撃した。

「ぐああっっ!」

 トベルーラを持続するゆとりも無くなり落下した。そのマトリフにポップは容赦なく鉄拳を何発も浴びせる。そんな攻撃の中にもポップの顔は全くの無表情であった。やがてアバンも着地しポップに頭上に電撃を落とす!

「ギガデイン!」

 ポップは直撃を避けるため、マトリフへの間合いから離れた。いや、離れてやったと云う方が正しいのかもしれない。ポップの身にまとっている防具はメタルキングのもの。電撃の威力さえほぼ防いでしまう。単発のギガデインでは多少の伝道熱しか通さないだろう。

 

 マトリフは沈んだ。マトリフの顔面は殴打され腫れていた。痛々しいほどに。アバンの顔に一層の怒りが湧きあがる。

「ポップ…あなたは…」

「何ですか?手加減でもしてほしいのですか?」

(クスクス…)(ハハハ…)(フフフ…)周りでこの戦いを見ているエルフとマーメイドの兵士たちから嘲笑の声が聞こえる。

「昔のよしみで俺が手心を加えるとでも思っていたのですか?だとしたら大笑いですね」

「ベホマズン!」

 アバンはポップの嫌味には答えずマトリフ、ブロキーナに回復呪文を唱えた。ブロキーナ、マトリフのダメージがすべて無くなり体力も回復した。しかし彼らの士気は低下していた。

 彼らも何の策も無しに乗り込んできたわけではない。総帥ポップとポップ隊の全兵士を相手とする場合、そしてポップが1人で受けて立つ場合と想定も立てて、敵陣に乗り込んできた。

 ポップの今の性格から云って後者となる可能性が高く、3人はそれぞれ役割も決めていた。まずマトリフが後方より呪文で牽制しつつ、アバンとブロキーナの攻撃力と防御力を上げる。そしてポップにはその逆の呪文を放つ。ブロキーナが得意の接近戦体術で翻弄し隙あらば閃華烈光拳や猛虎破砕拳を叩き込み、後方でアバンが闘気を高め、最後に必殺のギガブレイクを撃つ。こういう作戦であった。

 しかし、結果はどうか。ポップには全く隙もなければ、攻撃力は言語に絶していた。今、体力が回復しても結果は先ほどと同様であるのは明白である。これはポップが大魔の洞窟を踏破したことを知らないがゆえに生じた誤算である。もし破邪の洞窟を踏破しただけなら、作戦通りになっていたのかもしれない。

 

「やむをえん…ここは引くしかないでしょう」

 アバンが2人に撤退を示唆する。2人はうなずいた。

「逃がしませんよ…。アンタたちはここで死ぬのだから」

 ポップが3人に歩む。

「アバン殿、マトリフ殿、引きなされ。私が何とか食いとめる」

「老師!」

 ブロキーナは武神流の構えを取り、闘気を高める。そのブロキーナを口元ゆがめて見つめるポップ

「ひざがしらむずむず病とやらで死ぬ方を待った方が良いのでは?」

「そんな病気は知らぬ。儂は健康だ。若い者が儂より先に死んでいってしまうほどに!」

 

◆  ◆  ◆

 

 時を同じころ、ヒム率いる第一陣がカール軍の左翼方の陣にほころびを生じさせた。義勇兵たちの陣である。四万の大軍も過半数は寄せ集め。起こるべくして起きたほつれである。そこからヒム隊がなだれ込んだ。

 もはや、防柵も火を吐くモンスターたちに焼き払われてしまい、堀も跳躍力に富んだドラゴンに乗る帝国軍には何の効果も無かった。さしものミナカトールもモンスターのそういった能力を全て削除することはできなかったのだ。

 そしてラーハルト隊も右翼から突入していった。そして後方よりエイミ隊が徐々に迫る。彼女の隊にはミナカトールの影響はほとんど無い。まだ秩序を持ってポップ軍と戦っているものの、カール軍にやや混乱が起きていた。この状態はアバンもフローラも想定していたが、それが訪れるのはあまりに早かった。

 

 留守部隊の防御指揮官代理を任されたノヴァが当面の敵、ヒムの軍勢に突入していく。ミナカトールの効力か、モンスター軍団とカール軍の兵士たちと戦闘力はほぼ互角であった。しかしヒムの力は半減したとはいえ、その攻撃力は絶大である。次々と彼の前には屍の山ができていた。彼はもうドラゴンより降りて戦っており全身に返り血を浴びている。ノヴァが全軍に一喝する。

「浮き足立つな!もうすぐアバン様がお戻りになる!5人一組となり、陣列を組んで敵に当たれ!」

 ノヴァは超魔双竜剣を自在に振り劣勢になりつつあるカール軍の中、獅子奮迅の戦い振りを見せていた。

「魔将ヒムは俺が片付ける。他のものは先ほど申し渡したように、5人一組でモンスターに当たるのだ!まだカールは負けておらぬぞ!人類の存亡、お前たちの働きにかかっているものと心得よ!」

「オオッッ!!」

 ノヴァの一喝で一斉に士気が上がった。そしてノヴァは馬上よりヒムを睨み、吼えた。

「ヒム!」

「…久しぶりだな。小僧…」

「俺の父、バウスンを殺したのは貴様だそうだな」

「それがどうかしたか?一応は正々堂々の一騎打ち勝負だった。俺を仇と言うのなら未練だぞ」

 ノヴァはヒムを睨みつける。父バウスンの亡骸はヒムのオーラナックルで原型を留めておらず、無残な死に様だった。時に反発はしたが、ノヴァは父バウスンを師のロン同様に心から尊敬し、愛していた。ヒムの手前勝手な理屈で仇としての見方を払拭できようはずもない。怒りによりノヴァの闘気がどんどん上がる。

「まあ仇と言うのなら、それもいい。どのみち俺と戦場で会った以上、貴様に待つのは死のみだ」

 馬上のノヴァを挑発するかのように、ヒムはノヴァ隊の兵士が命令どおりに5人一組でモンスターに当たる様子を見て嘲笑した。

「おまえ、人間の必死になっている姿がそんなに面白いか」

「ああ、面白いね。無駄なことを懸命にやる姿は笑えるぜ。特に貴様がな。前に上には上がいると教えてやったのに、わざわざ殺されにくるとはよ」

「その言葉。そっくり返してやるぜ。人形野郎!」

 ノヴァは双竜剣のうち一本を抜き、馬上より飛び上がりヒムに斬りかかった!

「調子こいてんじゃねえぞ!このガキャアッッ!」

 ヒムは渾身の力を込めたオーラナックルをノヴァに撃った。ノヴァは刀身でそれを受け止めた。

 すごい衝撃だった。剣がオリハルコンでなければ剣は砕けていただろう。

(ヒムは俺をなめている。倒すなら油断している今しかない)

 刀身で押さえているとはいえ、ヒムのパワーは凄まじく、ノヴァは押されている。ノヴァは弾き返すのを止め受け流した。ヒムは続け左の正拳突きを撃ってきた。ノヴァはヒムの拳を受け流すと同時にもう一方の剣を抜き、ヒムの右わき腹を横なぎに斬った!

「ぐあッッ!」

 ヒムの体に一閃が入った。普通の剣ならば切り裂けないヒムの体だが、ノヴァの持つ剣はオリハルコンで作られた剣なのだ。

「貴様を侮っていたようだな…」

 ヒムは戦いの興奮から冷静さを取り戻し、ノヴァに向かい構えた。

(いける…!この剣ならヒムを斬れるぞ…)

 ノヴァは剣を交差させ双剣の構えを取りつつ、その目はヒムの正拳に集中した。オーラナックルを撃たれたら終わりである。父バウスンと同じ技で討たれるわけにはいかない。そしてヒムが一足飛びでノヴァとの間合いを詰めた。両手左右の拳と蹴りが稲妻のごとくノヴァを襲う!その打撃さえ必殺のオーラナックルを出すまでの牽制に過ぎない。ノヴァは超魔双竜剣を使いこなし、必死に防戦した。ロン・ベルクの死後、ノヴァは双竜剣を自分のものとするため、それこそ血の小便が出るほど修行をした。ポップへの復讐の念がノヴァを強くしていったのだ。

 そしてヒムの右の正拳が怪しく光を帯びてきた。

「くらえ!オーラナックル!」

「今だ!」

 ノヴァは右の足裏をオーラナックル打撃ポイントに向けた。この策のため、彼は師のロンより教わった技法ではがねの板をメタル級にまで鍛え上げ、それを靴底に仕込んでおいたのだ。そしてヒムのオーラナックルが炸裂、ノヴァは足の底でそれを受けた。

 まるで木の葉のように吹っ飛んだ。ヒムには苦し紛れにとった技に見られ、再び一足飛びでノヴァとの間合いを詰めた。着地と同時にヒムの拳がノヴァを襲ってくる!だが吹っ飛ばされるのも、着地と同時にヒムが襲ってくることもノヴァの計算の中であった。ノヴァは空中で片方の剣を手放し、そして着地と同時に一閃!

「グアアッッ!」

 ヒムは決して遅くはなかったが、拳と剣では間合いが違う。ヒムの拳がノヴァの顔面に当たるより早く、双竜剣がヒムを斬ったのだ。ダメージも大きい。それほどヒムの突進が凄かったと云うことである。

 ノヴァはそれを狙っていた。皮肉なことにヒムはヒュンケルの得意技で深手を負ったのだ。

(今をおいてヒムを倒す機会は無い!ぐずぐずしているとベホマをかけられちまう。蘇生もできないようにするにはあれしかない!)

 

 ノヴァは先ほど手放した双竜剣の対を拾い、双剣を師のロンと同じ構えを取って闘気を上げた。

(見よう見真似だが…やるしかない!俺も剣士だ。一度見た技を自分のものにできずしてどうする!)

 ヒムは傷を押さえ、息も絶え絶えながらノヴァに対した。

(…く…なんでこのガキがヒュンケルの技を…)

「ヒム、お前は人間を侮りすぎた。忘れたか。お前が倒したいと願ったヒュンケルも…人間なのだぞ…」

 ヒムはその言葉には答えず、ただノヴァの瞳を見つめて少し微笑んだ。そしてノヴァの闘気がグングンと上がり始めた!

「これぞ我が師、ロン・ベルクの最大の技!」

 双剣が交差し、さしてその中心からすさまじいまでの闘気が光を放つ!

「星皇十字剣!!」

 光の十字がヒムに襲い掛かった!

「ウオオオオオオオオオッッ!!」

 ヒムの五体は切り刻まれ、そして爆発した。死の間際、ノヴァの耳に確かに聞こえた言葉があった。

「…ヒュンケル…」

 

 ノヴァの両腕は何の損傷もなかった。彼は師同様、両腕の骨が砕けるのも覚悟して技を放ったが、超魔双竜剣がその技を受け止めることができたのか、もしくは師のロン・ベルクの御霊がノヴァの腕を守ったのか。そしてノヴァは剣を掲げ、勝どきを上げた!

「魔将ヒム、討ち取ったああ――――――ッッ!!」

 ノヴァの勝どきで全軍の士気が上がった。本営で指揮を執っていたフローラはその報告を聞いて思わず『さすがは北の勇者。見事な戦いぶりね』と最高の賛辞を述べた。


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