この時期から最終回考えとけば後々楽だもんね
零と百合の二人は時空間を超え、[魔法少女リリカルなのは]の世界へ降り立った。
「ここか…」
「なんと言うか、何処と無く懐かしい感じがするわね」
二人がそう思うのも無理はないだろう。
人々はスマートフォンなどではなく、折り畳める携帯を使っている。
子供達も外で駆け回り、自転車で二人を追い越して行く子供もいた。
「さてと、こんなことしてる場合じゃないな」
「さっさとあの人達見つけないと、ね」
「しかしどうしたもんか…時間的に見ればもうなのはさんはあの場所にいるんだろ?」
「時空間、ね。まだ歴史改変には少し余裕があるし、アクションを起こされる前に行って防ぐのも良いけど、下手に敵に見つかったりしたらまずいし、改変前だから意味無いのよね」
「んー、そっかあ。じゃあ少し時間潰すか」
そう言って二人は歩き出した。
「とりあえず降りた地点も見て置かないと。ここは…」
零はメモ帳とペンを取り出し、辺りの建物をぐるっと見渡した。
「…よし、翠屋前、と」
零は目の前の喫茶店の名前と地点をメモし、メモ帳をしまった。
「じゃあ、そこで時間潰すか」
そう言って二人は翠屋の方を向いた。
一方、デンライナーも同じ時間に翠屋の後ろへ到着した。
「お待たせ致しました。二千四年十二月十日です」
「お疲れさんです、オーナー」
オーナーの声でデンライナーは停車し、ガイとモモタロス達は降車した。
「で、ここが異変の起きた場所なのか?ガイ」
「はい。ここが元凶かどうかは行ってみないと俺も分かりませんが」
「なんだ、はっきりしないね」
青いイマジン、ウラタロスがやれやれと言うような素振りをして見せた。
「まあまあ良いだろカメ公。さっさと探そうぜ」
そう言ってイマジン達は動きやすい様に人間の姿へ変わった。
「ねーねー!ちょっとお茶して行こーよー!」
「俺もちょっと喉が乾いたな」
「しょうがないですね、センパイ」
そう言って一同は店を回り込んで歩き、入口の方へ向かった。
すると、二人の人間を見つけた。
一同は一目でこの時代の人間じゃないことを見抜いた。
それにモモタロスとガイが向かって行き、二人の肩を掴んだ。
「おい、てめぇら!」
「…この時代の人間じゃないな?」
「ん?」
「え?」
零と百合は肩を掴まれ、後ろを振り向いた。
「あっ!ガイさん!」
「え!?な、何のこと!?」
零は見覚えのある顔を見て驚いた。
百合はいきなりの事で動揺した。
「ん?その顔…レイか!久しぶりだなぁ!元気にしてたか?」
「ええ!ガイさんも元気そうで何よりです!」
そう言って二人は握手を交わした。
「あれ?もしかしてガイお前、こいつらと知り合いか?」
ガイの近くにいた人が二人を指さして言った。
「はい、モモタロスさん。この二人は俺の知り合いの零と百合です」
ガイは二人をモモタロスに紹介した。
そして、百合もガイの事に気付き、慌てて挨拶をした。
ガイも百合に挨拶を返した。
「ところで、モモタロスって…」
二人はモモタロスと呼ばれた人の方を見た。
「ん?俺の事知ってんのか?」
モモタロスは二人の方を見た。
百合は目をキラキラ輝かせていた。
「俺、参上!の人?」
「おう!そうだ!」
モモタロスは自慢げに頷いた。
「やっぱりだ!零!生モモタロスよ!生モモタロス!」
百合は嬉しさのあまり零の肩を掴みながらぶんぶん揺らした。
「分かった、分かったから離しててててて」
あまりの揺れの激しさに零の言葉も思わず連続になってしまう。
「俺のファンなら悪い気はしねぇなぁ。おい!カメ公!クマ公!リョウタ!」
モモタロスの言葉で他の三人も来た。
「うおおおー!ウラタロス!キンタロス!リュウタロス!」
百合は大好きな四人が揃い、思わず叫んだ。
「僕達の事分かるの?嬉しいねえ」
「俺らも有名やなあ」
「ファンって本当にいるんだね〜!」
百合はイマジン達四人と握手を交わした。
「百合、盛り上がってるとこ悪いけどさ…」
「モモタロスさん、そろそろ時間です」
「おっと、そうだったそうだった。でも、本当にどうやって探すんだ?」
「それなら私に任せて。空間を行き来するのは得意だから」
そう言って百合は時空間へ繋がる穴を開いた。
「お前こんなこと出来んのか!?」
「凄いなぁ、初めて鯛を見た時くらいびっくりしたよ」
「なんでもええけどはよ行こか。お茶はまたその後や」
「ええ〜、しょーがない、さっさと終わらそー!モモタロス!」
「おうよ!」
そう言って一同は穴の中へ入った。
「ターゲット、発見」
ウラタロスは早速なのは達を発見した。
髪型や写真から見る限り本人である事は間違いないだろう。
「とりあえず今は様子を見ながら追いかけましょう」
「おうよ」
ガイの言葉に一同は頷き、気付かれないようにこっそり追いかけた。
クロノと呼ばれる少年の忠告を聞きながら穴に落ちないように気をつけた。
「ったく危なっかしいぜ」
「センパイが気を付けてれば問題ないですよ」
「そうやで、モモの字」
「うるせえ!俺がそう簡単に落ちるかってんだ!」
「でもそこ穴だよ?」
リュウタロスはモモタロスの足元を指さしながら言った。
「ん?あっ!だああああ!」
モモタロスは落ちる寸前で掴まり、それを一同は引き上げた。
「だから言ったやんけ」
「わ、悪かったぜ」
そして、一同は広場に着いた。
「こっからは俺に掴まって移動しましょう。オーブカリバー!」
ガイはオーブカリバーを掲げて浮かび上がり、一同はガイに掴まってゆっくりと上昇を始めた。
「やっぱり重いですね…」
「そうだな。よっ」
「ちょっとは軽くなれば良いのにねえ」
モモタロスやウラタロス達は追ってくるロボット達を片手であしらいながら喋っていた。
「おー、綺麗な花火やなぁ」
「あれくらいやってみたいねー」
キンタロスとリュウタロスはフェイトとなのはが出した魔法が巨大ロボットに直撃して爆発し、その爆発を眺めていた。
そして、一同はプレシアがいると思わしき広場に辿り着いた。
一同はしばらくの間、なのは達の決着を見守っていた。
「貴女が、私の母さんだから…!」
フェイトの言葉に、モモタロスやキンタロスは男泣きをしていた。
「泣けるで」
すると、次の瞬間、時空間の崩壊が始まった。
「そろそろだ!てめえら!準備はいいな!」
「おう!」
「任せて!」
「任せて下さい!」
予測した通り、敵の幹部らしき男がゼノ細胞を飛ばした。
男は零達に気付いたが、敵と見なさなかったのかすぐに消えた。
「あっ!待て!」
「今はこっちが先よ!」
「………!」
零は渋々プレシアの方を向いた。
ゼノ細胞はプレシアに埋め込まれた。
その次の瞬間、プレシアの目は赤く光り、アリシアが入ったカプセルを取り込み、身体から触手を伸ばしてフェイト達を捕らえるべく触手を伸ばした。
「うっ!?」
「きゃっ!」
なのはとフェイトはその触手に掴まり、プレシアは別の世界へと穴を開いてその中へ入っていった。
虚数空間に入り、二人は魔法を使えないまま一緒に別の世界へ飛ばされてしまった。
「ちっ!ダメだったか!ガイとえーっと、緑!!お前は戻って俺達を追うように言え!」
「は、はい!」
「分かったわ!」
「えーっと…長青!俺達はアイツを追うぞ!」
「長青!?は、はい!」
モモタロス達イマジンと零はプレシアを追い、穴へ飛び込んだ。
百合は境界の穴を開けてショートカットをし、デンライナーへ乗った。
「オーナー!俺はモモタロスさん達を探知します!百合はその場所へ誘導しますから!」
「は、はい!」
オーナーは急かされるままにデンライナーを走らせ、ガイはモモタロス達を探し、百合はモモタロスの居場所が分かるのを待った。
「……あった!第八十世界線地球!時間は同じだ!」
「はい!」
百合はデンライナーが入れる大きさのゲートを作り、デンライナーはそのゲートを潜ってその世界へと飛んだ。
今回はここまでです。
頑張れイマジン!頑張れオーブ!
ではまた次回!