時空を駆ける二人の神   作:シャイニングピッグEX

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久しぶりでいっ!
テストも終わったしまたのびのびと投稿できるぞう!


出来すぎた物語(前編)

「うわああああああ!」

 

 カードとなったリュウタロスは男の作った異次元空間の中を彷徨っていた。

 

 すると、リュウタロスのカードの横に赤いカード、青いカード、そして黄色いカードの三枚が現れた。

 

 「おい!小僧か!?」

 

 「リュウタ!大丈夫?」

 

 「すまんなぁリュウタ」

 

 三つの声はとても聞き覚えがあった。

 

 宿主の良太郎よりも聞き、耳にタコが何個も出来るほど聞き、とても安心する声が聞こえた。

 

 「モモタロス!カメちゃん!クマちゃん!」

 

 赤いカードはモモタロス、青いカードはウラタロス、黄色のカードはキンタロスが変化していたものだった。

 

 三人のカードには[MOMOTAROS-IMAGIN IMAGIN]や[URATAROS-IMAGIN IMAGIN]のように名前が書いてあった。

 

 リュウタロスも例外ではない。

 

 「三人とも無事だったの!?」

 

 リュウタロスははやる気持ちで三人に聞いた。

 

 「無事、っちゃあ無事だけどよ…」

 

 「無事ではないよね」

 

 「身体はピンピンしとるがな」

 

 キンタロスがそう言った後、カードから何かを叩くような音がした。

 

 恐らく、キンタロスが四股を踏んだのだろう。

 

 「ま、キンちゃんの言う通り、僕達はカードにされたって訳だけど、普通に動けるから、カードに入れられた、って言うのが正しいね」

 

 「あ、ホントだ。動ける」

 

 リュウタロスはカードの中で手や腕を動かしてみた。

 

 確かに動いている感覚はある。

 

 視覚や聴覚などの五感のどれかが無くなったと言う訳でもなさそうだ。

 

 とは言え、現状がどうにかなると言う訳でもない。

 

 「そうだ、皆、ナオミちゃんやオーナー達はどうしたの?」

 

 リュウタロスは三人に聞いた。

 

 「お呼びしましたか〜?」

 

 「呼ばれたので来ましたよ〜」

 

 「うおっ!びっくりした!急に来んなよオッサン!」

 

 モモタロスとウラタロスのカードの間からオーナーとナオミのカードが飛んできた。

 

 二人のカードにも[NAOMI HUMAN]と[DENRINNR-OWNER HUMAN]と書かれていた。

 

 カードに入れられた人の名前の後に種族名が来るらしい。

 

 二人はカードの中でモモタロス達に手を振った。

 

 「まあまあ、そう言わんといてや」

 

 「私達も無事だから、安心して、リュウタロス」

 

 「現状カードだけどね」

 

 はやてやなのは、フェイトも カードとなって飛んできた。

 

 「なあ…一つ聞いても良いか?」

 

 すると、後ろの方からディアーチェの声が聞こえた。

 

 「どうしたん?ディアーチェ」

 

 「……どうして我だけセーラー服なのだ!しかも少し小さい!」

 

 ディアーチェのカードはユーリやレヴィと一緒に飛んできた。

 

 「あっ、しかもよく見たらレアリティ高い」

 

 ディアーチェのカードの左上には「SR」の文字が入っていた。

 

 「それになんか全体的に光ってるね」

 

 「うー、私もSRになりたかった…」

 

 「バカじゃないの?」

 

 「あの二人はさておき、これで全員揃ったんか?」

 

 「おいおい、俺を忘れないでくれよ」

 

 「あっごめんガイさん…ガイさん!?」

 

 飛んできたカードにはウルトラマンオーブのオーブオリジンが描かれていた。

 

 「あっ!これUR!ディアーチェよりレアリティ高い!」

 

 スバルが後ろからカードのレアリティを確認した。

 

 「くっ、負けた!」

 

 「いや何がですか」

 

 シュテルは冷静なツッコミを入れた。

 

 「それで、今どこに向かってるんだ?」

 

 「………さあ?」

 

 モモタロス以外の全員が首を傾げた。

 

 「結構シャレにならねえじゃねえかおい!」

 

 

 

 「ああああああああああ!」

 

 零と百合の二人が入ったカードはリュウタロス達とは別の場所に転送され、高速で落下していた。

 

 「んげっ」

 

 「あうっ」

 

 二人が入ったカードは地面に激突した衝撃で二人を吐き出し、二人はカードから脱出した。

 

 「あ痛たた…」

 

 零は腰を擦りながら言った。

 

 「ここは…?」

 

 二人の周りは真っ暗で、入ってくる光は上の方にある鉄格子のような窓から見える月の光しかなかった。

 

 「何よ…ここ…」

 

 「まるで牢獄だな…」

 

 零は大きくジャンプして鉄格子に捕まり、そこから見える景色を見た。

 

 「…!!百合!外見て、外!」

 

 零はそう言いながら鉄格子から手を離し、着地した。

 

 「外?」

 

 百合も大きくジャンプして零と同じように景色を見た。

 

 「……ぬわんじゃこりゃあ!?宇宙!?」

 

 二人が閉じ込められていたのは宇宙のどこかにある施設だった。

 

 「百合、どっか知ってる惑星ある?」

 

 「そうね…あ!向こうの方に土星が見えるわ!」

 

 「土星か…よし!とりあえず太陽系に絞れた!」

 

 「地球からそう遠くなさそうで良かったわね」

 

 「めちゃくちゃ遠い辺境の星とかじゃなくて良かった」

 

 零は安堵のため息を吐いた。

 

 「さて、こっからどうする?」

 

 「どうするったって…ここから出るしかないでしょ。なのはさん達とはぐれちゃったし、ここが何なのかも確かめないと」

 

 「そうだな。百合、境界は出せる?」

 

 「ちょい待って…」

 

 百合は境界を出そうとした。

 

 「……?」

 

 しかし、何度やっても境界は出現せず、やむなく諦めた。

 

 「ダメ、出ない」

 

 「しょうがねえな…変わってみ」

 

 零は百合を横に退くように言い、身体を丸めて高速回転を始めた。

 

 辺りには風が吹き荒れ、百合も思わず腕で顔を覆った。

 

 「ハァッ!」

 

 零は高速回転で壁に突撃した。

 

 壁は粉々に砕かれ、ガラガラと音を立てて壁が崩れ落ちた。

 

 「よし、さっさと行こう」

 

 「うん」

 

 百合は頷き、二人はその空間から脱出し、駆け出した。 

 

 

 二人が封印されていたカード、そのカードには[No.0 X-C]と[No.100 X-C]と書かれていた。 

 

 




今回はここまでです。

次回もお楽しみに!

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