いやあモチベーションってのは大切だね!
っし、じゃあやるか!
「どうなってるんだ…ウルトラマンが誰もいないなんて…それにオーブとも連絡が取れないなんて」
一人のウルトラ戦士は廃墟同然となったM78星雲・ウルトラの星をさまよっていた。
そのウルトラ戦士は高く伸びた塔の前で足を止め、上空を見上げた。
「プラズマスパークタワーからも光が無い…クソッ、本当に一体どうなってんだ…」
すると、彼の頭の中に声が響いた。
(…聞こえますか、ゼロ)
(こいつ…直接脳内に…!なんてやってる場合じゃねえ、誰だ?)
(え!?本当にゼロ様!?スゲー!本当に出来たー!)
声の主はゼロと念話が出来てとてもはしゃいでいるようだ。
(おい、早く話に戻ってくれ)
(おっと、失礼致しました。私は…そうですね、今は歴史を守る者達の仲間の一人だと思ってくれれば良いです)
(歴史を守る者?どう言う事だ?)
(実は、地球の悪の組織、ショッカーと全ての宇宙の悪の宇宙人達が手を組み、クロニクルショッカーとして色々な世界の歴史を変えてしまったのです。ですが、幸い貴方はそのウルティメイトブレスレットのお陰で歴史改変の波からは逃れられた様です)
ゼロは声に言われて腕のブレスレットを見た。
「……」
(お願いしますゼロさん!全ての世界の歴史を直すのに協力してください!)
(そうだな…時空を守る為にも、やるしかねえな!)
(ありがとうございますゼロさん!)
すると、ゼロの前に紫色の穴が現れた。
(この中に飛び込めば、彼らの元へ行けます。そこへ急いで世界を守ってください!)
「よし!いっちょやってやるぜ!シャッ!」
そう言ってゼロはその穴の中へ飛び込んだ。
(お願いします…ウルトラマンゼロ)
「ああ〜痛え…」
「くぅ〜…あいだっ!」
「お、おおごめんな。大丈夫か?」
「零君も大丈夫?痛いところない?」
「腰…」
「だよねぇ」
なのはは苦笑いしながら言った。
モモタロスと零は寝台の上でうつ伏せに寝かされ、それぞれはやてとなのはにマッサージをして貰っていた。
「おや、まだ治っておらんかったのか」
ディアーチェが部屋の中に入って二人の様子を見た。
「ディアーチェ、どうしたん?」
「なに、我が直々に治してやろうと思ってな」
「出来るの?」
「これ位、我にかかれば簡単な事よ」
そう言ってディアーチェははやてと場所を変わり、零の横に立った。
「ふむ……」
ディアーチェは零の腰部分を撫でた。
「ここが痛いのだな?」
「はい…そうです」
「よし…そおい!」
ディアーチェは零の腰に思いきり手刀を叩きつけた。
「ひょおおおおおお!?!?!?」
その瞬間零の全身に雷が直撃する様な痛みが走り、零は悲鳴をあげながら身体を痙攣させ、海老のように反らせながら地面で悶えて転がっていた。
「あ、ああ…」
「なにしとんねんディアーチェ…」
二人は唖然としながらディアーチェの方を見た。
「良いから見ておれ。さて、次はモモの字とやらだったな?」
「なんでクマ公の呼び方なんだよ!で、まさか俺にもやるの…?」
モモタロスは移動するディアーチェを見ながら言った。
「当たり前であろう。ふん!」
「ぎゃああああああああ!」
モモタロスにも同様の痛みが走り、その痛さのあまりモモタロスは気絶をしてしまった。
「む、些かやりすぎたか。まあ、時間が経てばどうにかなる。小一時間ほど待っておれ」
そう言ってディアーチェは部屋を出た。
「ディアーチェは結局何しに来たん…?」
「さあ…」
すると、零の身体は段々落ち着いていき、零はそのまま眠ってしまった。
「とりあえず、寝てるしベッドに寝かせとく?」
「それもそうやね」
「よいしょっ!」
はやてとなのはは零の身体を持ち上げ、寝台に寝かせた。
「じゃあ、起きるまで待ってようか」
「うん。ナオミちゃんのコーヒーが飲みたいなぁ」
そう言いながら二人は二人がいる部屋を出た。
「どうだった?」
客室にいたフェイトが二人に聞いた。
「うん、今は二人共ぐっすり眠ってる」
「あんな荒治療が効くとは…」
「え?あれ効いたのか?」
ディアーチェが驚いた様な顔をして二人の方を見た。
「やった本人が驚いてどうすんねん」
「アレただの若返り魔法だぞ?」
ディアーチェの言葉を聞いて、一同は凍りついた。
「え?我は何かしてしまったか?」
ディアーチェは周りを見回しながら言った。
「セ、センパイはともかく…」
「零君は…」
「子供になってるってこと…?」
それを聞いて百合は一目散に零のいる部屋に駆け込んだ。
「あっ百合ちゃん」
「今すっごい嬉しそうな顔して走ってったなぁ…大丈夫かな?」
百合は急いで零がいる寝台に近付いた。
「ん…」
そこには、九歳の姿の零が寝台で寝ていた。
「れーいー!」
百合はかけていた眼鏡を投げ捨てて寝台に飛び込み、零の身体に抱きついた。
「ゆ、百合?何か少し大きい様な…」
「別にそんな事はどうでも良いわ!さあ!さあ!お姉さんに身を任せて!」
「あっ…う、そ、そこは…はっ…」
「良い声出すじゃない、ええ?」
「やめんか!」
はやては紙で作ったハリセンで百合の頭を強く叩いた。
「あいったぁ!」
百合は零から手を離し頭をおさえて寝台の上で悶えていた。
「ったくもー、こんな昼間から…」
「だって…」
「だってやあらへんやろ…」
はやてはため息を吐いて右手でおでこをおさえた。
「ま、どうせ時間が経てば治るやろうしな…ん?」
はやては外に大きな穴が現れたのに気付いた。
「…?どうしたんですか?はやてさん」
百合は立ち上がって窓の外を見た。
「よっと、へへっ」
その穴から一人の巨人が出てきた。
「あっ!ウルトラマン!」
ユーリのその声を聞いてガイはむせ返った。
「ウルトラマンさん!?すみません、オーナー、少し停車させて下さい」
オーナーはガイに言われるままデンライナーを止め、ガイ、は巨人の元に駆け寄った。
「ゼロさんでしたか!」
ガイは巨人に声をかけた。
「おう、オーブじゃねえか。探したぜ」
ゼロと呼ばれた巨人はガイを発見して軽く挨拶をした。
「一体どうしたんですか?ゼロさんがこちらに来るなんて。まさか───」
「ああ。お前の察し通りだ。こっちの宇宙も既にやられてた」
「そんな…」
「それで、お前達の力を借りに来たって訳だ」
「事情は分かりました。恐らくその宇宙の時間の中でどこかの歴史が変わったはずですから、その時間に行って歴史を元に戻せばウルトラの星も復活するはずです」
「分かった。すまねえな、オーブ」
「いえ、以前助けて貰った礼を返したいだけですよ」
「そうか、へへっ」
「さあ、乗って下さい」
「おう」
そう言ってゼロは身体を小さくし、デンライナーの中に乗り込んだ。
それに続いてガイもデンライナーに乗った。
「…という訳で、ウルトラマンゼロさんです」
ガイはウルトラマンゼロを皆に紹介した。
「俺はウルトラマンゼロ。セブンの息子だ。少しの間世話になるぜ」
そう言ってゼロは二本指を額から跳ねさせて挨拶をした。
「また宜しくね、ゼロ」
百合がゼロに近寄った。
「おう、百合か。また宜しくな」
ゼロも頷いて言った。
そして、モモタロス達やなのは達もゼロに簡単な自己紹介をした。
「それじゃ改めて宜しくな!」
そう言ってゼロは親指を立てた。
「おうよ!」
「うむ!」
モモタロスやディアーチェも同じように親指を立てた。
そして、デンライナーはゼロが来た穴の中へ入っていった。
今回はここまで!
次回はまた明日!