時空を駆ける二人の神   作:シャイニングピッグEX

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仮面ライダーばっかもアレなのでウルトラマンで書きます。

今年はウルトラセブン50周年!

またそちらも書きたいですね。

それでは本編へ参りましょう。


拝啓 光の国から

なのははデンライナーの中で唐突な事を言い出した。

 

「初代…」

 

「ウルトラマンさんに…」

 

「会ってみたい、やと?」

 

「うん!」

 

フェイト、ガイ、キンタロスの質問になのはは強く頷いて答えた。

 

「確かウルトラマンって言ったらアイツだよな?腕を十字に組んでスペなんとか光線を撃つんだよな?」

 

モモタロスは腕を十字に組みながら聞いた。

 

「スペシウム光線だよ、モモタロス〜」

 

「そう!それだよそれ!」

 

リュウタロスも腕を十字に組んでモモタロスと並んでスペシウム光線のポーズを取った。

 

「しかし、また何でウルトラマンに?今日は何か特別な事でも?」

 

ウラタロスがなのはの方を向いて聞いた。

 

「今日の七月十日はウルトラマンが初めてテレビに出てきた日なんだよ」

 

「そう言えば家でもヴィヴィオに見せてたね。あのビデオはどっから借りて来たの?」

 

「前に局にヴィヴィオを連れて来た時に、託児室にウルトラマンのビデオが一本だけあったの。それをどうやらヴィヴィオが見た様で、少しの間だけ見てたんだけど、それを思い出しちゃって」

 

「オーナー、何処か良い時間ありませんか?」

 

ガイはオーナーの方を見て言った。

 

「ふ〜む、そうですねぇ…おやぁ?」

 

「どうした?なんかあったか?」

 

ガイとモモタロスの二人がオーナーの手帳を覗き込んだ。

 

「どうやら同じ七月十日に人知れずウルトラマンが闘っていた様ですね。恐らくそこなら会えると思いますが…行ってみますか?」

 

「はい!」

 

なのははオーナーの問に即答した。

 

「では参りましょう。二千九年七月十日へと参ります」

 

デンライナーの先頭車両に「2009 0710」と表示され、空に穴を開けてデンライナーはその時間へと向かった。

 

 

 

その時間では、早速初代ウルトラマンと一匹の怪獣が闘っていた。

 

「ピポポポポポポ…」

 

「へアッ!」

 

ウルトラマンは黒い怪獣の頭にチョップを入れた。

 

しかし効いていないらしく、すぐに手で払われてしまった。

 

「あれは…」

 

「ゼットン!?」

 

零達はデンライナーから降りて戦いの行方を見守っていた。

 

街の建物は倒壊された箇所が多く、所々から煙が上がり、その周りから救急車や救急隊員、逃げて来た一般人がウルトラマンの戦いを見守っていた。

 

「ゼェットン!」

 

「ヘアアッ!」

 

ウルトラマンはゼットンの火球をリバウンド光線で防いだ。

 

しかし威力が高いのか、足元から煙をあげながら少し後ずさっ。

 

そして、バリアを解除し、ウルトラマンはゼットンの胸に強い横蹴りをくらわせ、ゼットンの顔に拳を入れた。

 

「シャッ」

 

ウルトラマンは間合いを取って構えを取った。

 

「ヘアァッ!」

 

そして、ウルトラマンは腕を十字に組み、手から出す青白い光線、スペシウム光線を放った。

 

「まずい!」

 

「え?」

 

ガイは思わず叫んだ。

 

ゼットンはスペシウム光線に動じること無く、光線を吸収し、ウルトラマンの方に跳ね返した。

 

光線はウルトラマンの足元や後ろのビルに直撃し、足元で爆発が起きてビルは瓦礫の山に変わり果てた。

 

「ダァァァァッ!」

 

ウルトラマンは爆発の衝撃で後ろに倒れ込んだ。

 

ゼットンはテレポーテーションを使い、その場から消えてしまった。

 

ウルトラマンはゆっくりと立ち上がり、人々の様々な視線を浴びながら空の向こうへと飛び立って行った。

 

その視線は決して温かい視線とは言えなかった。

 

 

 

その日、なのは達は救助活動を手伝った後、デンライナーに戻った。

 

この間に零と百合の怪獣と自己紹介は済ませた。

 

 

 

「まさかあのウルトラマンが負けるなんて…」

 

「…」

 

フェイトは落ち込むなのはの背中をさすっていた。

 

「調子が悪かったのかぁ?」

 

「いえ、そうではありません」

 

「どう言う事?」

 

「あのゼットンと言う怪獣はウルトラマンを倒した最強の怪獣の一角なんです」

 

「ウルトラマンを倒した…って事はめちゃくちゃ強えって事じゃねーか!」

 

「そうなんです…俺も一度…」

 

ガイは拳を強く握り締めた。

 

その過去に何があったのかは誰も聞けなかった。

 

「…とにかく、明日もゼットンは現れるかもしれないし、今日は寝ましょう!そして全力で迎え撃ちましょ!」

 

「そ、そうよ!ゼットンは人間の手で倒したんだし、私達でも出来ることがあるかもしれないわ!」

 

「ん?ちょっと待て百合坊。ゼットンは人間が倒したのか?」

 

モモタロスはガイの方から百合の方に向きを変えて言った。

 

「え?ええ。無重力爆弾って言って、怪獣を空中に浮かせた後、一気に爆発させる武器なの」

 

「なるほど…じゃあ勝てる可能性はあるんだね?」

 

ウラタロスも百合のほうを見て言った。

 

「ええ、勝てる筈よ」

 

「よーし、てめえら!絶対に俺達が!───」

 

「待って、モモタロス、イマジンの皆」

 

なのはがモモタロスの言葉を遮った。

 

「え?な、なんで?ボクたちたたかっちゃダメなの?」

 

リュウタロスはなのはの顔を見て言った。

 

「皆の気持ちは嬉しいけど、これはウルトラマンの戦いなの。それに、ウルトラマンが勝てなきゃ意味がないの。お願い、分かって」

 

「…」

 

「なのは…」

 

「なのはちゃん…」

 

イマジン達は互いに顔を見合わせた。

 

「…ま、まあ、今回は俺達は休憩って事で…な?」

 

「そ、そうやな、モモの字」

 

「それもそうだね」

 

「わーい!おやすみだー!」

 

「ありがとね、皆」

 

なのはは笑顔でモモタロス達の方を見て礼を言った。

 

「でも、もしアイツらが来たらどうするんだ?」

 

ガイはなのはの方を見て言った。

 

「そうなれば私達が行こうよ。前はモモタロス達に任せっぱなしだったし」

 

「そうだね」

 

「私もいつでも行けるで」

 

「よし、俺も行こう。前は闘って無かったしな」

 

「ありがとう、ガイさん」

 

「よし、決まりや!各自ゆっくり寝て体力を蓄える事!以上や!」

 

「おー!」

 

はやての指令と共にデンライナーの中は消灯され、全員眠りについた。

 

 

 

 

次の日。

 

同じ街でゼットンが再度出現した。

 

その報告を受け、なのは達は街に出て人々を避難させた。

 

すると、ウルトラマンが現れ、ゼットンを掴んで人々から離れさせた。

 

「シャアッ!」

 

「ウルトラマン!」

 

なのははウルトラマンの方を見て叫んだ。

 

ウルトラマンは横目でなのはの方を見て、ゆっくり強く頷いた。

 

そして、ゼットンの方を向いて構えを取った。

 

ゼットンも起き上がり、ウルトラマンの方に向けて火球を放った。

 

ウルトラマンは手から八つ裂き光輪を飛ばして火球と相殺させた。

 

「ヘェッ」

 

ウルトラマンはゼットンの方に走って軽く飛び上がりゼットンの頭に強くチョップを叩き込み、アッパーカットを入れて後ろに倒し、ゼットンの足を掴んでジャイアントスイングでゼットンを投げ飛ばした。

 

ゼットンは空中でテレポーテーションをし、ウルトラマンの後ろに回り込んで大きく吹っ飛ばした。

 

「ヴェァァッ!」

 

「!!ウルトラマン!」

 

「!!」

 

「頑張って!」

 

ウルトラマンは力を振り絞り、ゆっくりと立ち上がってゼットンの方を向いて構えを取った。

 

そして、ウルトラマンはゼットンに攻撃をするも手首を掴まれ、片手で首根っこを掴まれ、ギリギリと絞められた後地面に叩きつけられた。

 

「ゼェェットォン…ピポポポポポポ…」

 

「ヘェッ…!」

 

ウルトラマンは諦めず、ゼットンの方を向いて立ち上がった。

 

カラータイマーは点滅し始め、構えを取るのが精一杯だった。

 

ゼットンは容赦なくウルトラマンに打撃を加え、最後にはウルトラマンを蹴り飛ばした。

 

そして、ゼットンはウルトラマンに止めを刺すため、火球のエネルギーを貯め始めた。

 

ウルトラマンはもう立ち上がる事も出来ず、ゼットンの火球が放たれるのを待つしかない。

 

「ゼェットォン!」

 

ゼットンは口から一兆度の火球をウルトラマンに向けて放った。

 

ウルトラマンは慌てて顔を腕で覆った。

 

その次の瞬間だった。

 

「オゥルスァッ!」

 

辺りに斬撃音が鳴り響いた。

 

「…………?」

 

ウルトラマンは恐る恐る前を向いた。

 

そこには、後ろ姿がよく似たウルトラマンが、巨大な剣を構えて立っていた。

 

「え…!?」

 

「嘘やろ…!?」

 

ウルトラマンの前に立っていたのは、ウルトラマンオーブだった。

 

「先輩、立ってください。まだ終わりじゃありません!」

 

そう言ってオーブはウルトラマンに光エネルギーを与え、ウルトラマンのエネルギーを回復させ、手を差し伸べて立ち上がらせた。

 

「君は…」

 

「俺は未来から来たウルトラマン、ウルトラマンオーブです」

 

「君もウルトラマンか…なら…」

 

「はい!一緒に戦いましょう!」

 

「…ああ!」

 

そう言ってオーブとウルトラマンは構えを取った。

 

「シュアッ!」

 

「シャアッ!」

オーブとウルトラマンは同時に駆け出し、ゼットンの両腕を掴んで人々が居ない方に投げ飛ばした。

 

そして、ゼットンが立ち上がった所をオーブは飛び蹴りを入れ、ウルトラマンはその倒れたゼットンの足を掴んでジャイアントスイングをして投げ飛ばし、地面に叩きつけた。

 

「おおー!良いぞ、やったれ!」

 

「ん?この声は…」

 

なのは達はふと自分達の後ろを向いた。

 

「頑張れー!ウルトラマーン!」

 

「行けー!ウルトラマーン!」

 

後ろを見ると、沢山の人々がウルトラマンの事を応援していた。

 

「昨日あんなに辛かったのに…」

 

「どや、フェイト、地球人も中々ええもんやろ?皆こうやってウルトラマンと絆を紡いでんねん。私はウルトラマンの事はよう知らんけど、ウルトラマンとの確かな絆が無ければこんな事は起きひんやろうなって私は思う。これが地球人のウルトラマンに対する気持ちの表れやと思うねん」

 

「うん…!」

 

オーブとウルトラマンは声援を受け、ゼットンを圧倒していた。

 

「シャアッ!」

 

ウルトラマンは八つ裂き光輪をゼットンに放った。

 

ゼットンはゼットンバリアでウルトラマンの八つ裂き光輪を防ごうとした。

 

「オーブグランドカリバー!」

 

ガイはオーブカリバーの土のエレメントを光らせ、オーブカリバーを地面に突き刺して衝撃波をゼットンに向けて放った。

 

ゼットンバリアは破壊され、八つ裂き光輪がゼットンにヒットし、ゼットンに大ダメージを与えた。

 

「今です!」

 

ウルトラマンは頷き、大地を強く踏んで腕にエネルギーを貯め、腕を十字に組んでスペシウム光線をゼットンに向けて放った。

 

スペシウム光線はゼットンに直撃し、ゼットンは火花を散らしながら後ろに倒れ、断末魔と共に大きな爆発を起こした。

 

そして、その瞬間人々から歓声があがり、オーブとウルトラマンは人々の方を向いて強く頷いた。

 

「…地球人の皆、これからも他者を支える事を忘れないで欲しい。皆一人一人は弱いが協力すれば強い怪獣をも倒せる強い力になる。そうして私達は地球人達と絆を築いてきた。これからも皆が怪獣に襲われそうになった時はまたウルトラヒーローが助けに来る。だから、その時はまた応援して欲しい」

 

そう言ってウルトラマンとウルトラマンオーブは力強く飛び上がった。

 

「シュワッチ!」

 

「シュウワッチ!」

 

二人のウルトラヒーローは皆の声援を受けながら空の彼方へ飛び立って行った。

 

 

 

「まさかガイさんがウルトラマンだったなんてなぁ〜」

 

「本当にびっくりしたよ!まさかウルトラマンがこんな身近にいたなんて!」

 

「もっとウルトラマンの事教えてーや!」

 

なのはとはやてはガイに食い入る様に問い詰めていた。

 

「そう言えばお二人はガイさんの事はあまりご存知ではありませんでしたねぇ」

 

「ま、今回知れたんだし良かったんじゃねえか?」

 

「でもこれだけ問い詰められるとは当人も思ってなかっただろうしね」

 

「確かに、それは分からんかったやろうなぁ」

 

そう言ってイマジン達は大笑いした。

 

「ウルトラマン…か」

 

「どうしたの?零」

 

百合は零の顔を覗き込んだ。

 

「ん?あ、いや、他のウルトラマンの皆どうしてるかなって」

 

「きっと皆元気にやってるわよ」

 

「そうだな」

 

デンライナーは次の世界へと汽笛を上げて走り出していた。

 

 

 

 

 




今回はここまでです!

ウルトラマンの日だからウルトラマンをメインにして書きました!

それではまた次回!

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