Muv-Luv LL -二つの錆びた白銀-   作:ほんだ

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恵賜の懸念 01/11/07

 XM3用のデータ取りのため、ということでシミュレータは基地副司令の特権的命令で常時確保されているが、明日には207Bの訓練用戦術機が搬入されるということもあり、休日となっていた。

 とはいえ休みだからとすることがあるわけでもなく、武としてはシミュレータでのデータ取りをするつもりだった。

 

 予定が狂ったのは、朝食の直後にターニャとウォーケンに呼び出されたことだ。

 

 

 

(破壊されてない柊町か……)

 同時に呼び出されていた冥夜共々、行先も知らされずにウォーケンが運転する高機動車で街に連れ出されたが、車窓から見える柊町は武の知る街並みとは少し違っていた。

 その風景を目にして、休暇だというのにシミュレータに籠ろうと考えていたのは、街に降りていくのが怖かったからだ、と今更ながらに気が付く。身体はこの世界の白銀武だが、記憶が繋がっていないのだ。もし知人にでも会ってしまえば、どう言い繕うべきかさえ、いまだに考え付いていない。

 

(親父たちがこの街には居ないってだけでもまだマシか)

 詳しいことは聞いていないが、武の両親は少し前から東南アジアの方に出張しているらしい。現地での工場運営に携わっているらしいが、よくよく考えれば武はこの世界の両親が何の仕事をしているかさえ知っていない。そのうちちゃんと調べておかねばボロが出ると思いながらも、XM3の開発を言い訳に避けてきてしまった。

 

 

 

「ああ、そうだ。白銀訓練兵に、御剣訓練兵。今後、私のことはターシャ・ティクレティウス臨時少尉として扱え」

「了解いたしました、ティクレティウス臨時少尉殿」

 

 武が街並みを目にして物思いに耽っていると、ターニャが当たり前のように偽装身分を告げてきた。

 即答する冥夜と違い、武は思わずウォーケンの方を確認してしまう。先日、話は聞いていたものの、まさか冥夜に対してそう名乗るとは考えていなかった。それに先程からどう見てもターニャはウォーケンの部下のようには振る舞っていない。

 

「あくまで対外的なもの、としてはそうなったのだ。受け入れたまえ白銀訓練兵」

「了解しました」

「お蔭で私はデグレチャフ事務次官補の副官のままに、次期局長が決まるまでは局長代行にして、ティクレティウス臨時少尉の上官となってしまったよ」

 運転しながらもウォーケンが苦笑紛れに状況を説明してくれる。こちらはこちらで大変そうだ。

 

「局長代行、ですか……」

 ウォーケンの諦めたかのような顔に、お疲れ様ですと声をかけてしまいそうになるが、自重する。

 偽装の為の形式だけとはいえ、ターニャの上官として振る舞えと言われる気苦労は推し量れない。武としてもターシャにはとっとと昇進してもらわなければ、階級を追い抜いてしまいかねない。

 

 

 

「艤装と言えば……御剣少尉。簡単で良い、髪を結いあげ、こちらのメガネを着けておけ」

「了解です、少尉殿」

 

 思い出したかのようにターニャは冥夜へと指示を出すが、用意していたところを見るに最初からの予定通りのようだ。たしかに国連軍制服とはいえ、素顔の冥夜を市中に連れ出すことを、真那がよく受け入れたものだと武は思う。少し距離を開けて着いてくる別の高機動車をミラー越しに確認しながら、受け入れたのではなくターニャが強行しただけかと、考え直しもする。

 

「メガネ程度だけでと不満かね、白銀少尉?」

「はい、いいえ、少佐殿。これだけでも十分以上に印象が変わっているかと愚考いたします」

 

 不審気な様子をウォーケンに悟られたようでそう問われたが、髪をまとめ上げて伊達メガネをかけただけでも冥夜の印象は変わっている。ルームミラーで自身の顔を見た冥夜自身が、その違いに驚いているようにも見えた。

 

「人は自分たちが思っているほどに、明確に他人の容姿を記憶していない。服装や髪形が変わるだけで、認識できなくなることは多い」

「了解。心しておきます」

 

 ウォーケンが世間話のように言葉を続けたが、武の立ち位置が冥夜の護衛も含むと認識されているのだろう。警護役として注意しておくようにと、そう教えられたようにも思えた。

 

 

 

 

 

 

 その程度の会話だけの車内だったが、基地を出て数分で目的地らしい店舗に着く。EX世界線の記憶であれば大型スーパーがあったあたりと思われるが、ここでは少し大きな酒屋といった感じだ。

 基地のある街だが、軍人が目に付くというほどでもなく、かといって国連軍の制服が避けられているという雰囲気ではない。高機動車を駐車場に止めても街行く人々の視線に晒されるということもなく、普通の買い物客のように扱われている。

 

 手慣れた様子のターニャとウォーケンに続き、物珍しげな冥夜の姿を人目から隠すようにしながら、武たちも店内へ入る。

 

「それで、ここで何を買い求めるのでしょうか、少尉?」

「ん? 言ってなかったか? 整備班への心付けなのだが、少しばかり量が多くなりそうなのでな」

 簡単に状況を説明しただけで、さて何をどれだけ買うべきか、とターニャは物色に戻る。

 

「少尉、普通にビールで良いのでは?」

「国連軍とはいえ、ここは日本だぞ? 日本酒の方が良いのではないかね、どうなのだ白銀?」

 

 俺はそれほど飲みませんがと断りを入れた上で、武は別の物を勧める。

 半島からの撤退が始まり、物資が不足しつつあるとはいえ、いまだ日本は後方国家だ。嗜好品などの種類は減りつつあるものの、武が以前経験してきたよりもまだはるかに余裕が見られる。もちろんEX世界線の平和だったころの日本の横浜とは比較もできないが、それでも贈呈品の種類は選ぶ程度にはある。

 なにもビールや日本酒などのアルコールに限定しなくてもいいのだ。

 

「整備とはいえ女性兵士も多いことですから、酒だけよりはなにか甘物などの詰め合わせ、と。あとお茶はPXのがそれなりに美味いから、ジュースか栄養ドリンク……とかじゃないですか」

 整備の皆にと言いながら、選ばれていくのが酒だけなのが気になっていた武は、それ以外の物を提示していく。

 

「言われてみれば確かに。さすがは元恋愛原子核殿だ」

「……は。ありがとうごさいます」

 褒められているわけでもなかろうが、武としてはそう答えるしかない。

 

(あ、そうか。米軍だと違うのか)

 ターニャにしてもウォーケンにしても、整備の者たちがなぜか男所帯だと考えていた節がある。

 二人ともが日本の事情に詳しいせいで忘れがちだが、空と陸の違いはあれ出身はどちらも合衆国軍だ。最大の後方国家である合衆国ならば、いまだに軍は男所帯の可能性もある。

 

「あの、もしかしてですが、やはり米軍はまだ男性兵士の方が多いのでしょうか?」

「そうだな。台湾はともかく、オーストラリアなどもまだ男の方が多いはずだ」

 後方国家という括りでは今のところ日本もそうなのだが、それでも女子の徴兵年齢は引き下げられている。そういう面では同じ時限常任理事国と言えどオーストラリアのほうが地理的要因からの余裕はあるようだ。

 

 

 

「さて甘物となるとチョコレートか……ははっ」

「チョコレートに何か問題でも?」

「いやなに。チョコレート好きの副官のことを思い出しただけだ。突発的な出動命令を受けてもチョコバーの補充だけは欠かさない奴がいたのだよ」

 あれは一つの特技だったな、と屈託なく笑っている。

 ターニャとは付き合いの短い武だったが、初めて見たような普通の笑いに、少しばかり驚かされる。

 

「……私のことではないぞ、訓練兵」

「失礼いたしました、少佐殿」

 話の流れでウォーケンのことかと、冥夜共々に思わずその顔を見てしまったが、気まずげな表情を見ると違うらしい。

 

「ああ、気にするな。もう昔のことだ。つまらぬことは覚えているものだな」

 

 

 

 そんな話をしている最中にも、ドカドカと武の押すカートには酒や甘物が積み上げられていく。

 缶ビール一本ずつと限定しても、整備班全員に行き渡る数となると結構な量だ。基地からすぐ近くの距離だというのに高機動車を用意した理由がよく判る。

 

(しかも帝国陸軍からの出向組と、斯衛からもだろ。どれだけの規模なんだよ。整備だけで二個中隊規模か?)

 207に本来配備される予定の吹雪の整備はA-01付きの整備中隊が担当する。これはもともと国連に不知火を配備する際に、日本人整備士以外の不知火への接触を避けるという取り決めがあり、207の整備は機体に関わらずその範疇に含まれているからだ。

 

 加えて、冥夜の為に武御雷が送られてくることは確定事項だ。それに合わせ真那たち第19独立警護小隊の機体も、今までは整備の際には東京に戻していたらしいが、今後は白陵の方で扱うという。半個中隊規模の武御雷の整備、それも新規のOSを搭載した物をとなると、大隊付の整備中隊を丸ごと配属させることになる可能性もある。

 

 

 

「貴様ら二人は、個別に機付長へ渡すものを何か選んでおけよ。それこそ酒でいいかもしれんが……」

 年齢や性別くらいは調べておくべきだったが、とターニャにしては歯切れが悪く、口を濁す。

 

「部下の情報把握は優秀な指揮官への第一歩、というところだ、訓練兵。が、今回の場合は、やってくるのが別の組織からだからな。あまり事前に調べておくというのも、それはそれで風聞が悪い」

 ウォーケンは合衆国陸軍の人間のはずだが、何気に日本の独自事情に詳しい。斯衛と陸軍との表に出にくい対立などにも、心を配っている節がある。

 そして今回武と冥夜が相手をしなければならないのは、斯衛から特別に出向してくる武御雷専属の整備班だ。下手にその内部を探ろうとするのは、無駄な緊張を作り出しかねない。

 

「金は気にするな。私が一括して出しておく。心配するな経費としては切らんよ」

 そうとまで言ってくれるのだが武としては正直に受け入れるのも難しい。

 

「事務次官補。申し訳ありませんが、正直なところ訓練兵の立場で、機付長に心付けを渡すのは時期尚早なのではありませんか?」

「ふむ、白銀訓練兵の言葉ももっともですな。私も何かと差し入れるのは任官してからのことでした」

 ウォーケンが自身の経験を踏まえたうえで、武に同意してくれる。

 金の問題ではなく、訓練兵という立場で送るのが、問題があるのではないかと思ってしまうのだ。また値段にしても、新任少尉の給金から絞り出せる小遣い程度の物なら可愛らしいが、事務次官補の財布から出せる物など、送っていいのかどうかすら判断が付きかねる。

 

「む……訓練兵が教官に心付けを差し出すようで、不正を感じさせる、というところか?」

「整備班全体に向けてということでしたら直接的な賄賂とは見なされないかとは思いますが、要らぬ中傷の種となるとは愚考いたします」

 神宮寺軍曹が整備班に向けて何かを送る、というのであれば特に問題はないとは思う。ただこれが千鶴や慧だとなにかと問題にしたがる層が居ないとも言えない。

 

「だから貴様ら二人だけだと言っておろう」

 武とウォーケンの言葉を、斯衛の整備班にのみという意味合いだとターニャが切り捨てる。国連軍内部の話ではなく、国連軍から帝国斯衛軍へのちょっとした気配り程度に留めろ、ということらしい。

 

 

 

 

 

 

「少尉殿、質問をよろしいでしょうか?」

 それまで黙って付いてきていた冥夜だが、さすがに疑問が積み上がってきたようで、断りを入れる。

 上官二人、いや武も含めれば冥夜からすれば全員が上官という状況だが、話題が自身に関するものになってきたこともあり聞き手に徹することもできなくなったようだ。

 

「許可する。何かね、御剣訓練兵?」

「は。我々訓練兵が使用するのは撃震ではないのでしょうか? 整備の方々にそれほど大きな負担がかかるとは想定できません」

 シミュレータでは吹雪を使っているが、実機教練に移れば撃震になるものだと冥夜は考えていたようだ。たしかに通常の在日国連軍であればそれが正しい。

 

「ああ……普通であれば訓練に使うような機体は余裕がある国ならF-4、ほとんどの前線国家では歩くだけで精一杯な壊れる直前のF-5だな。少佐もF-5ではなかったかね?」

「そうですな。私の時はそれなりに程度の良いF-5が回ってきました。当時の陸軍では任官後はF-15か16に乗ることが決まっていたような物でしたからF-4では少しばかり重すぎる、という判断だったのでしょうな」

 

 帝国は採用していないがF-5は、訓練機として開発中であったT-38に最低限の武装と装甲を施した軽量戦術機だ。第一世代機ではあるものの、装甲ではなく回避運動での生存性を高めるといった第二世代機への基礎を築いた機体でもある。特にF-16はF-5の直系ともいえ、訓練にはF-5が使われることが多い。

 

 

 

「それでだな、御剣訓練兵。先の質問の答えだが、間違いなく貴様らに付く整備班には非常な負担がかかる。なぜか判るか?」

「それは我らが訓練兵として未熟だからでしょうか?」

 負担がかかると言われて冥夜が想像できるのは、訓練兵だから機材を壊しやすい、というくらいだ。それだけであれば特別扱いの理由になならないとは判りつつも、他の理由に思い至らない。

 

「そういう問題ではない。207B訓練分隊に配備される戦術機は少なくとも三機種、下手をすると五機種になる」

 

 ターニャの答えに、経験として知っている武はともかく、冥夜はさすがに驚きで固まる。中隊規模までは単一の機種で運用するのが一般的な編成だ。余程特殊な場合でもなければ、多くても二機種である。それが訓練分隊なのに五機種と言われれば、驚きもする。

 

「これは貴様らがというわけではなく、この白陵基地は優遇されていてな。訓練兵にも吹雪が回ってくるはずだ」

「国連軍でありながら吹雪、ですか? ……いえ、失礼いたしました」

 やはり冥夜は実機は撃震が来るものと思い込んでいたようだ。疑問を声にしかけるが、押し黙る。必要になれば伝えられる、と割り切ったのであろう。

 

(あ~一周目の俺ってマジで何も考えてなかったんだよな、ホントどこまでバカなんだよ)

 冥夜の態度を見て、武は以前の自分の間抜けさを思い出さされ自虐に陥りそうになる。

 

 当時も座学では教わっていたはずなのだ。在日国連軍には第三世代機は配備されていない。それが「一般的」な認識だ。実際、一部部隊に配備されている89式陽炎を除き、在日国連軍の主力戦術機は今なお77式撃震である。

 当然、一般の国連軍衛士訓練校であれば、その実機演習に使われるのは撃震のはずだ。

 

 実戦運用されている第三世代機が無いのに、訓練を第三世代機の吹雪で行うこと自体、どれほど「特別」で「異例」なことなのか。それにまったく気が付かなかった。

 

 

 

「しかし、確かにそうであれば、整備の皆には何らかの心付けは必要でありましょう」

 どれほど無茶な要求がなされていたのかと洞察するように冥夜が眼を閉じる。

 

 衛士が複数の機種に乗ることがないように、整備もまた基本的には対象とする機種は一機種である。

 基本的には中隊規模で使用される機種は統一されており、整備中隊もそれに合わせている。複数の機種を少数ずつ整備運用するなど、極々一部の特殊作戦群か、それこそ開発部隊でもなければ有りえない事態だ。

 合衆国の空母や強襲艦であれば一つの整備班が複数機種を担当することもあろうが、訓練校に配属される整備部隊にそんなことが要求されるはずもない。

 

 当然、今告げられたように小隊未満の訓練部隊に三機種の配備など、そのような無理な体制は現場への重労働となって跳ね返ってくる。

 

 

 

「あれ? 三機種は判りますが、五機種?」

「ふむ、白銀訓練兵。先日私が言ったことを覚えているかね?」

 ふと漏らした武の言葉に、ウォーケンが答えてくれる。

 

「先日というと……ああ、複座型のお話でしょうか、少佐殿」

「そうだ。複座の吹雪があればよいのだが、無ければどうにかせねばならぬ。で、だな。香月副司令が言うには接収したままのF-14AN3なら残っているということらしい」

 

「なるほど、そうなると機種は増えますね」

「あとはF-15、いや陽炎だったか。あちらにも搭載するので、出来ればそれもという話だ」

 

 陸軍機であれば第一世代のF-4とF-5、第二世代のF-15とF-16の各種系列機が西側の標準である。ここに海軍機のF-18が加わるが、F-18はオーストラリアなどこの機体を主力として配備している国も多い。

 

 XM3を政治的な取引に使う「商品」として考えるのであれば、確かに対応する機種は今から増やしておくことは有効だろう。

 日本国内、というよりはこの白陵基地ですべてセッティングすることなどはさすがに無理があるが、第一世代と第二世代の代表たるF-4とF-15向けにXM3を調整できていれば、他機種への移行も比較的スムーズに行えるはずだ。

 

「F-5とF-16であれば二機ずつほどならすぐに取り寄せられる。F-18も初期型であればどうとでもなる、とは副司令には伝えてはいる」

 さすがにそれらすべてをこの基地で運用するというのは無理だろう、と武にも判る。衛士としては様々な戦術機に触れるということ自体に興味はあるものの、それだけの機種を日々乗り換えて調整していくともなれば、たとえ戦術機適正の高い武といえども身体に無理が出そうだ。

 

「安心しろ白銀。一応話をしただけだ。そのあたりはプロミネンス派への手土産だな。あちらの方がテスト運用されている機種は多いし、それに売り込み先が自分でテストできる環境は必要だろう」

 

 

 

 

 

 

「ということらしい、御剣。心付けが欲しいのはむしろ俺らの方じゃね?」

「衛士として数多くの機体に触れる機会を与えられたのだ。喜びこそすれ、何を躊躇う?」

 冗談めかして武は言うが、答える冥夜も心なしか楽しそうだ。

 

「ですが……やはり、御剣の件と担当となる機付長の関係を考えますと、下手になにかを贈るというのは……」

「だからだ。白銀、貴様が代表して、ということにしておけ。軍内部であればそれで通す。御剣、白銀両名は、それ以外ではそこのウォーケン少佐を見習え」

 

「はっ」

 冥夜と武、声を揃えて了承するものの、何を見習えばいいのかが判らない。

 

「正直、御剣訓練兵には比べるべくもないが、私も軍にいるほうが楽なのだよ」

「少佐は、私人となると上院議員のご子息、だからな。それもホワイトハウスに近しい立場の、だ」

 その疑問が顔に出ていたようで、苦笑しながらもウォーケンが説明し、ターニャが補足する。時と場合によっては、大統領の息子となった可能性もあるらしい。

 

「この国で言えば宮中序列、か? それらや民間での立場と軍の階級とを区別できないバカどもが多いことは受け入れておきたまえ。その上で足をすくわれぬように注意を払え。まあ貴様らであれば国連軍兵士であることだけを外部に示すというのが、簡単だ」

 笑いを抑え、ウォーケンが二人に簡単な注意を与える。

 下手に立場を切り替えるのではなく、国連軍という組織に庇護されておけと助言までしてくれる。

 

「ただ……御剣訓練兵にとっては、周囲からの圧力で難しいかもしれんが、な」

 

 ターニャが嗤って続けた言葉は、まさに予言のように武の耳には響いた。

 

 

 

 

 

 

 




ほのぼのデートというにはアレですが、一応お買い物……の付き添い? A-01に配属されてしまえば、機付長などは居るはずなのでしょうが、原作でも名前出てこないので具体的には出さない予定。

でで、夏コミ終ってぼちぼちと通常モードなのですが、ストック尽き果てそうです……

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