Muv-Luv LL -二つの錆びた白銀-   作:ほんだ

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試金の査閲 01/10/30

 27日から、武を除く207B分隊は総合戦闘技術評価演習のために瀬戸内海の孤島へ向かった。演習への参加が免除されている武は、その間にXM3の仕上げを命じられていた。

 

 訓練兵としての教練に束縛されることが無くなったため、最低限の筋トレ以外は一日の大半をXM3関連のデータ取りに使う。結果としてこの数日、武はシミュレータルームに籠るような日々を過ごしていた。

 

 手本となるような動作をいくつかデータとして集積させた後は、ただひたすらにありえないような事例を繰り返すことで、バグの確認をし続けていた。OSの挙動としては正しく問題が無くとも場合によっては例外的にキャンセルの受付を拒否しなければ、機体を壊しかねない挙動もあるのだ。

 たとえば長刀を抜刀し振り切った後であれば構え直しなどの挙動をキャンセルして次の斬撃に繋ぐことは、キャンセル機能の使い方として想定されいることで問題はない。だが抜刀直後にその動作をキャンセル可能にしてしまえば、抜いた直後に宙に放り出す形となり、当然のように長刀が機体肩部に落ちてくる。

 先行入力の場合も、実行できない行動がストックされてしまわないように、実行不可能な行動などが入力された場合はエラーを返すように調整していく。

 

 武だけでなく霞たち開発陣の努力もあってか、207Bが演習合格の結果と共に白陵基地に戻ってきたときには、XM3は一応の完成を見ていた。

 

 

 

 

 

 

「……ねえまりも、戦術機ってちょっと走ったり跳ねたりしながらてっぽー撃つ機械、だったわね?」

「え、ええ……そうね、普通は、そういうものよ」

 

 夕呼の問いに、まりもが口調さえ保てずに同意してしまう。

 それほどまでに、管制室のモニタに浮かぶ映像に、室内の誰しもが戸惑っていた。

 

 対人戦に慣れた衛士であれば、背後を取られたとしても副腕に装備した突撃砲で、後方への威嚇射撃などは可能だ。緩降下での直線回避に見せかけて、わざと背後に敵を誘導する、というマニューバも確かにある。

 ククリナイフと称される極端な軌道変化も、開発衛士のトップクラスであればやって見せるだろう。

 

「なんかあいつら、寝そべりながらぐるぐる飛び回ってるんだけど?」

 だがそんな複雑な挙動は、戦場における一瞬の曲技だ。いかに鍛えた衛士であれ、集中力の限界という物がある。

 

 モニタの中に映る二機の機体は、地面に対して平行に横になったような状態で側面射撃からの急速上昇反転、倒立状態からの副腕まで使用した周辺制圧射撃、果てはビル側面を足場として隘路を跳び抜けていく。

 

 

 

 事の始まりは、XM3のα版とそれを動かせるCPUが出来たから、一度制御ユニットを交換したシミュレータで試してみる、ということだった。だが、そこにアルフレッド・ウォーケン少佐を連れてターニャが視察に来たことで、話が少しおかしくなる。

 

 なにやらこの数日、ターニャは自前のスタッフが集まってきたということで、与えられた執務室に引き籠るように仕事に励んでいた。が、XM3が一応の完成を見たということで、視察の一環としてシミュレータ室に顔を出した。

 

 ウォーケンがターニャの副官として紹介されたときから武の挙動不審が始まり、その様子を愉しんだ夕呼がどうせなら対戦形式で挙動を見てみよう、と提案したのだ。

 もちろん武の挙動不審の理由はターニャにも夕呼にも判っている。武が経験した先のAL世界線では、ウォーケン少佐はクーデター鎮圧に米軍対日派遣部隊指揮官として参戦、そこでクーデター首謀者の沙霧尚哉大尉に堕されている。アメリカ陸軍の、それもラプターが与えられるほどの衛士である。この場に、それもターニャの副官として現れることなど、武が予想できるはずもなかった。

 

 

 

「まったく……ちょっとした冗談のつもりだったんだけどね」

 武にまりも、ウォーケンと集まっていた者の半数は衛士だ。普通なら武とまりもとが試すことになりそうだったが、JASRAの視察も含めればウォーケンと武でもおかしくはない。

 ただ、遊び心を出した夕呼の一言が状況を変えた。『せっかくですからデグレチャフ事務次官補、お試しになられますか?』と。

 

 あくまで社交辞令じみた言葉のはずだった。

 まさかターニャが二つ返事で引き受けるとは、夕呼も考えていなかったのだ。

 

「フィードバックが無いとはいえ、投影映像だけでも酔いそう。あの事務次官補、なんであんなに飛び回れるのよ」

 本来のシミュレータなら反映される加減速などのフィードバックを切っているのもターニャの意向ではなく、その体形に合う強化装備がすぐには用意できなかったからだ。

 

 XM3の特性、として説明されていた三次元機動。そもそもの白銀武のEX世界線における「ロボットゲーム」の挙動を再現したい、というのがその開発動機だとは聞いていた。

 ターニャが武同様に幾度かのループに巻き込まれているという話も聞いた。この世界では、将官として作戦指揮の実績を積んでいることも知っている。

 だが戦術機の衛士としての訓練を受けているとは聞いていない。

 

 

 

『どうした白銀っ、蛆虫の如く地面を這い回るのが貴様の性癖かねっ!?』

 そして今、新OSα版の挙動確認のためにと、光線級の存在しない市街地戦が設定されたが、その状況が武の敵となっている。

 武以上に「空」への忌避感が無いターニャは開幕から一気に高度を取り、急旋回の為か時折ビル屋上に脚を付ける以外、常に空中に浮かんでいる。

 

「ウォーケン少佐、事務次官補は、なにか特殊な訓練でもお受けになっておられたのですか?」

「……いえ、香月博士。自分は寡聞にして存じません」

 

 今までの戦術機であればまずありえない挙動、ハードを変更していないにも関わらず間違いなく向上している機動性など、本来であればXM3という新OSへの称賛が溢れるはずであった。

 

 確かに最初は皆、XM3を実装した戦術機の動きを、賛辞したのだ。

 だがシミュレータでの模擬戦が続くにしたがって、その驚きは武とターニャの繰り出す常識外の挙動へと変わり、ターニャが武を圧倒しはじめると言葉が途切れてしまった。

 

 やはりターニャはどこかおかしい、とは誰も口に出せない。

 たとえ傍若無人と見られることの多い夕呼であっても、そこまでは口にはしない。

 現在は立場的には不明確なものになっているとはいえ、ターニャはこの場での最上級者である。上官を侮蔑するような言葉を出すことはできず、管制室内は異様な静けさに包まれることとなっていた。

 

 

 

『あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー』

 そんな管制室とは真逆に、ターニャ自身は無暗に機嫌がいいようで、先ほどから適当な歌を口ずさみながら的確に武の死角を突いている。しかもセンサー範囲と背部の可動兵装担架の可動域の確保の為か、先程から常に頭を下にした倒立状態での対地攻撃だ。

 フィードバックが無いから実現できるともいえるそんな姿勢のまま、さらに歌いながらであってもその射線は一切のブレがない。XM3の効果ともいえるが、左右の突撃砲のリロードのタイミングをズラし、弾幕を途切れさせることもない。

 

『っくっそぅっ!!』

 武の方からは、意味のある言葉はもう出なくなっている。

 開幕早々に頭を押さえられ、市街地のビル群に隠れたは良いが、それ以降上空への回避をほぼ確実に阻害されている。タイミングを計りつつ反撃の為に銃口のみをビルの陰から出しても、それさえも読まれているのか36mmが降り注ぐ。

 

 無理に空に上がろうとすれば、ジャンプ先には120mmキャニスターを的確に「置かれ」て、先程から地面を這うようにしか逃げられない。

 

 

 

『おーるあーあずよあしんきんおーばー』

 それでも武は無目的に逃げ回っていたのではない。このままでは競り負けると感じてからは、誘い込める隘路を選んでいるのだ。先程から対地高度警告が鳴りっぱなしで、脚を付けるのはビル壁面だけ。上方からの射撃を避けるために、二車線と無い狭い道のみを選んで文字通りに飛び跳ねる。

 ターニャであれば、陽動だと判っていても乗ってくるだろう、という「ゲームプレイヤー」としての予測だ。

 

『ははっ、これでとったぁぁっ!!』

 わずかな直線、最適の射撃位置にターニャが入った瞬間に、武は勝利を確信してしまった。

 ビル側面を足場に、武の吹雪が僅かに上方、ほぼ水平に飛び跳ねる。跳躍ユニットと脚部のバネを合わせかつ重力に逆らわないことでの、瞬間的な加速だ。突き出した長刀の切っ先は間違いなくターニャ機の胸部に届く、はずだった。

 

『まったく、QBによるQTくらいは、欲しいものだ、なっ』

 言葉が終わりきる前に、ターニャの吹雪は腰部に接続されている跳躍ユニット、それを左ユニットは前方に右ユニットは後方に向けて、一気に噴射する。

 

 体幹を中心にして、一気に反転。

 突き出された長刀の切っ先を躱すと同時に、速度の乗った踵が武の機体にめり込んでいく。

 

 

 

 直後に鳴り響くのは、双方の撃墜アラーム。

 

『ぅえっ、え?』

『む?』

「……白銀機、頭部および胸部コクピットブロック大破、撃墜。デグレチャフ機、右脚部大破、腰部中破。着陸時に左脚部も中破。状況終了です」

 

 シミュレータ内の二人は状況を理解できていない。そしてあまりの事態に、管制担当のピアティフの反応も遅れた。結果的にはターニャの勝ちではあるものの、褒められた状況ではない。

 

 そもそもが戦術機は格闘ができないほどではないが、機体フレームの強度はそれほどでもない。

 跳躍ユニットを使用してまで加速をつけた側転からの踵落としなど、素人でも判る自殺行為だ。下手をすれば腰部関節をねじ切り、自壊しかねない。

 

「ねぇウォーケン少佐、もしかしてデグレチャフ事務次官補って、バカなの?」

「……香月副司令。たとえ事実であったとしても、上官への侮辱はできれば避けていただきたい」

「あの少佐殿? 少佐殿ご自身の発言こそが問題であるかと……」

 

 

 

「OSのバグ出しですので、武装は可能でしたら様々な物をお試しください」

 観戦していた三人がどう言ったものかと感想未満の言葉を漏らしている横で、霞とピアティフが淡々と二戦目の準備を始めている。

 眼前に仕事がある分、ターニャや武の異常挙動にも呆れるだけではなく、耐えれるのだろう。

 

『ふむ。銃剣を装備した物はないのかね? 距離を詰めるたびに長刀を振りかざすのはいささか煩雑すぎる』

「お待ちください……大陸派遣軍の方では現地改修であれば87式突撃砲に65式近接戦用短刀を装着していた例もありますが、申し訳ありません。このシミュレータにはデータが実装されていないようです」

 

「ピアティフ中尉、XAMWS-24だったかな、 試作新概念突撃砲のデータは?」

 銃剣付き突撃砲と聞き、知っている物があったようでウォーケンがそう口を挿む。

 

「XAMWS-24ですか? ああ……YF-23の。それは、さすがに合衆国以外にはデータがありませんね」

「む、当然と言えば当然、か」

 いくらYF-22に合衆国次期主力機の座を譲ったといえど、YF-23も機密の塊と言っていい機体だ。それに合わせて試作された突撃砲のデータが合衆国外に存在しないのも、当然と言える。

 ソビエトも帝国ほどではないが比較的近接密集戦指向なので探せばありそうだが、そちらも現地改修が主体で在日国連軍のシミュレータにはデータとしては入っていないようだ。

 

 

 

「……データ、できました」

「ん?」

 ピアティフとウォーケンとが、各種装備のデータを参照していると、横からすっとデータメディアが差し出される。

 

「65式近接戦用短刀を87式突撃砲に装着した物と、87式支援突撃砲に装着した物、のデータです」

 そう言うのは、ぴこぴことウサミミを揺らす霞だ。無表情ではあるものの、耳の動きからすれば、どこか誇らしげである。無ければ作ればよい、というのはエンジニアの性なのかもしれない。

 

『はは、社特務少尉のお手柄だな。ありがたくそのデータを使わせてもらうとしよう。銃剣付きの支援突撃砲があるならそれを右腕に、背面は突撃砲だな』

『じゃあ俺も試させてもらうよ、社。こっちは銃剣付き突撃砲を4門で』

 

 ピアティフとウォーケンとは、どうするべきかと夕呼の許可を仰ごうとするが、シミュレータ内の二人はすでに使うつもりだ。夕呼にしても霞が「完成した」と言うのなら、それを疑うことはまずない。データの導入をあっさりと許可する。

 

 

 

『あとは……以前にも提言したのだがね? 突撃砲に付けるスリングや、マガジンクリップなどはいまだに無いのかね? 鞘とは言わんが刀の取り回しも不便だな……』

 ターニャとしてはせっかくの人型だというのに、歩兵が使っていて便利な物をなぜに戦術機は採用しないのか、と言う。何よりも長刀を取り出したら可動兵装担架に戻せない、というのはかなり不満のようだ。

 

『そういう意味でしたら、支援突撃砲にもバイポッドは欲しいですね。何気に揺れますから。あ~でも重くなりすぎるし、ハイヴじゃ使い道が無いか……』

「白銀訓練兵。バイポッドならユーロで使われている中隊支援砲用の物があるはずだ。後で資料を読むと良い」

 武の呟きをウォーケンが拾う。

 

『あ、ありがとうございます少佐殿。でも中隊支援砲か……あのサイズまで行かないと意味が無いかもしれませんね』

「私も実際に運用したことが無いから、何とも言えんな。このシミュレータにもデータが無いのが残念だ」

 あれば今すぐ試してみるのだがと言いうが、やはり帝国外の装備に関してはデータが少ない。アメリカが帝国に向けてライセンスを提供しているものくらいだ。ソビエト製やユーロの物はアメリカの元になった装備を仮に名前を変えただけのデータしか入っていない。

 

『あとは白銀、あれかね? ボムか? ハンドグレネードか?』

『ですねぇ……しゃがみボムできるなら、もうちょっと動きも変わるか……いやこの銃剣あれば裏切りできるんじゃないスか?』

 

 無い物強請りになり始め、武もターニャも半ばゲーム的に考えてしまい言いたい放題だ。が、マガジンクリップなど実現できるかも知れない装備の改良に関しては、まりもとウォーケンが取捨選択しながらも、メモを残していた。

 

 

 

 

 

 

「で、白銀。ご感想は?」

「XM1、XM2とバージョン上げていったからかもしれませんが、α版だという話を正直信じられませんね。やはり細かなバグはあるのかもしれませんが、触った感じだともう完成しているように思えました」

 

 三度ほど装備を変えながらの対戦だったが、武は結局のところ負け越した。だがいつも以上に複雑な軌道を描きながらも、OSには異常を感じられなかった。

 ちなみに武が勝てたのは一回、ターニャが銃剣で武機の頭部を切り落としたことで勝利したと思い込んだ瞬間の、背面からの一斉近接射撃でだけだ。なおその次の回では、92式多目的自律誘導弾システムに無誘導の多弾頭式ロケットを詰め込んだものを至近距離で全弾掃射され、一瞬で消し飛ばされた。

 

「勝ちきれなかったのは少々残念だがね。人間と違って首を斬れば死ぬわけではないということを忘れていたよ」

 ターニャが敗北した二戦目は、霞が臨時で組み上げた銃剣付の支援突撃砲などを使用しての戦いだった。緩上昇からの急速反転、パワーダイヴ中の交差する一瞬で武は頭部ユニットを斬り落とされた。が、各種センサが死んだ直後、その状態で背面へ向けての全門斉射に巻き込めたのは、ほとんど偶然ともいえる。

 あのタイミングでターニャが勝利を誤認しておらず、わずかでも進行方向を変えていれば墜されたのは武だったはずだ。

 

 

 

「そういえば次官補、先ほどの対戦中に言っておられた、QBやQTとは何でしょうか?」

「ん? ああ……白銀はチャロン派だったな」

 ターニャが言っていた略称を、何かの挙動を言い表していたのか、と尋ねる。

 

「チャロン?」

「いや、そうか、貴様のところではヴァーチャではなくバル?なんだったか?」

「ああ……バルジャーノンです」

 もう過去とも言いにくい、別世界線の話になってしまうのだが武にとってみればもっともやりこんでいたゲームのタイトルだ。懐かしさとともに、少しばかりの郷愁が過るのは仕方がない。

 

「そのバルジャーノンではなくて、だ。そっちの世界にはなかったか、アマコは? 胴体をコアとして手足を組み替えていく、MADばかりが出てくるゲームだったのだか」

「ああ、ありましたね。俺はあまりやりこんでいませんが、よく話は聞きました」

 武は何気にゲーセンが主体だったので、バルジャーノンの家庭用でさえ、練習用という感覚だった。もともとゲームに関しては雑食気味だったのもあり、手は付けたことはあるものの、あまり深くは覚えていない。

 

「QB、クィックブーストはその4作目で追加された機能だな。腰のブースターで強引にブーストダッシュや、高速旋回を可能とさせる。戦術機ならば再現できるかと思って試してみたが、挙動としては可能のようだ」

 中に人間が入っている場合は保証できんがね、とは付け加える。ターニャとしてもフィードバックを切っていたから試したが、あれを実際に再現したいとはあまり思わない。

 

「踵落としはともかく、対人戦でのサイドダッシュからの着地を挿んでの加速旋回は……アレは初見だと目でも追えませんね。おそらくは眼前で消えたように見えるんじゃないですか?」

「ああ、あの程度までなら強化装備があれば耐えられる、のか? そのあたりは衛士の声を集めるしかないか。あまり貴様基準でデータは作るなよ?」

 XM3のお蔭で、戦術機が取れる挙動は格段に拡がっている。問題はそれに中の人間が耐えられるかどうかだ。

 ただ武から見れば、いくつかの挙動は再現できそうだった。次は試してみると言いかけたが、自身の戦術機適正の高さを思い出し、一応は考慮してみる。汎用のコンボデータに、衛士が失神するようなものは入れられないのだ。

 

 

 

「しかし、この短時間でこれほどまでに仕上げたものだな、よくやったものだ白銀」

 ターニャが嫌味なく、驚きつつも褒める。

 

「その辺りは社に頑張ってもらいましたから。俺自身は言いたい放題言って、手伝えたのはデータ取りくらいですよ」

 褒められて気恥ずかしい、ということではない。武自身からしてみれば、XM3を作ったのは霞を筆頭に第四のエンジニアの皆だ。それを概念を伝えたからと言って武の功績とされるのは、少しばかり座りが悪い。

 

「ま、社がすごいのは間違いないけど、残り一割くらいはアンタの功績よ、白銀」

「は? 俺、ですか?」

「前の世界、AL世界線だったっけ? そこで使っていたというXM3の概念を、社はアンタの頭の中からそのまま読み取りながら組み上げたらしいわ。そういう意味では、珍しくアンタがしっかりと記憶できていたことが、完成を速めた要因の一つ、と誇ってもいいわよ」

「(コクコク)」

 夕呼までが珍しくまっすぐに褒めてくれる。それに霞も同意するように頷いていた。

 

「そういう訳よ? まあここは素直に開発者だって威張っておきなさい」

 今後いろいろとそういう場面が必要になるわよと、どこか企むように夕呼が褒めながらも嗤っていた。

 

 

 

 

 

 

 




タケルちゃんは あたらしく ドリフトターンを おぼえた!

と言いたいのですが実機でやったら、衛士へのGも怖いですが、主脚すっ飛びそうな気がしないでもない? "Thinker"は歌詞の引用どうしようかと考えつつも、こういう感じで。で、XM3の話をするとは言ったが開発話を書くわけではない~ということで霞さんが一週間で作ってくれました、早すぎるというのは目を瞑ってます。

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