皐月と提督とバーニングラブ×2   作:TS百合好きの名無し

34 / 41
この話を書くときにR-15とR-18の事について何度も調べました。……あれってあくまで出版する人の自主規制なんですね。初めて知りました。めっちゃ夜戦しててもR-15すらない物もあるようです。基準としてはアソコとかをあるレベルで詳しく描写したりするとR-18になると一般に考えられるそうです。夜戦をするしないは実際の所問題ではないという驚愕の事実でした……

夜戦本番……?しないよ!ごめんなさい!
念のため背後に注意してお読みください。


提督の性事情 後編「明石の薬」

 

 

 

「性欲をなんとかする薬を作ってくれ」

 

 

「突然何ですか!?」

 

 

 さっそく明石に頼んでみたのだがこの反応だ。これまでの事を全て話し、こちらが本当に困っている事を伝える。

 

 

「このままじゃうっかり誰かを襲いかねないんだ」

 

 

「襲っちゃえばいいんですよ。というか何故私にそんな事を頼みに?」

 

 

「知り合いに相談したら明石がなんとかしてくれるはずだと言われてな」

 

 

「ええー……何ですかそれ」

 

 

 面倒くさそうな顔をする明石。

 

 

「そういった薬は作れるのか?」

 

 

「やってみない事には分かりませんけど、失敗したら提督のアレがおしゃかになっちゃうかもしれませんよ?」

 

 

「えっ」

 

 

 明石の衝撃の一言に背筋が凍る。

 

 

「作った事ないですし」

 

 

「き、きちんとした物を頼む」

 

 

「甘味をまた作ってくれるならいいですよ。私用のスペシャルなやつを」

 

 

「わ、分かった!」

 

 

「よっしゃ!」

 

 

 ガッツポーズをする明石……もしかして俺は乗せられたのだろうか。

 

 

「頑張ります!」

 

 

「お、おう」

 

 

 甘味を用意しないと……

 

 

 

 

 

 

「あれ?珍しいね、明石さんが機械以外の物をいじっているなんて」

 

 

「ああ、飛龍さんですか」

 

 

 怪しげな薬品をガラス容器に入れてかき混ぜる明石を見つけた飛龍が声をかけると彼女は手を止めて飛龍に向き直った。

 

 

「何か御用ですか?」

 

 

「紫電と烈風の整備はもう終わってるかな?」

 

 

「ああ、それならもう終わっています。持って来ましょうか?」

 

 

「いや、受け取るのは明日でいいよ。……ところで、ソレ何なの?」

 

 

 そう言って飛龍が調合中の薬を指差す。

 

 

「えっと、これはですねー」

 

 

 明石の説明を聞く飛龍。

 

 

「……へえ、つまりあの人はそこまで限界を感じてるんだ」

 

 

「……あの、飛龍さん?なんか悪い顔してますよ?」

 

 

 ニヤリと笑う飛龍に明石がたじろぐ。

 

 

「薬、上手くいきそう?」

 

 

「難しいです。専門外となるとどうしても……まあ、提督特製甘味のためですから頑張りますよ」

 

 

「でもやっぱり、そういうのは嫁さんたちの仕事だよね!」

 

 

「えっ?」

 

 

「旦那さんが困ってるんだから嫁さんたちの出番だと思うのよ」

 

 

「え、でも……」

 

 

「明石さんは適当に砂糖水でも提督に渡して報酬を貰っちゃえばいいのよ。提督の事は私が嫁さんたちに伝えて解決させるから」

 

 

 飛龍の目を見て、どうやら本気で言っているらしいと明石は理解する。

 

 

「いいんでしょうか?」

 

 

「大丈夫、問題ない」

 

 

「……問題しかない気がします」

 

 

 

 

 

 

「飛龍、ワタシと榛名に大事な話って何デスか?」

 

 

「提督がらみだと聞いていますが……」

 

 

 鎮守府の夕食後、金剛の私室に飛龍たちは集まっていた。

 

 

「単刀直入に言うけど、提督は現在自分の性欲が処理出来なくて爆発寸前です」

 

 

「What!?」ボンッ

 

 

「ふぇあっ!?」ボンッ

 

 

 真面目な顔の飛龍から唐突に告げられた事実に金剛と榛名が一瞬で真っ赤になる。

 

 

「ど、どどどういう事デス!?」

 

 

「金剛さんたちのアタックによって提督の主砲が元気いっぱいになってしまい大変だそうです。やったね!」

 

 

「て、提督の主砲……」カアア

 

 

「だ、誰がそんな事を言っていたのデスか?」カアア

 

 

「提督が明石さんに相談したらしくてね、彼女から聞いたのよ」

 

 

「Oh……」

 

 

「は、榛名はいつでも……」

 

 

 俯き、もじもじとする榛名。

 

 

「提督は薬でなんとかしようとか考えているみたいだけど、薬とか絶対体に良くないと思うのよ」

 

 

「そ、そうデスネ……」

 

 

「こういうのって嫁さんたちの仕事じゃん?」

 

 

「「……」」

 

 

「……ま、方法は金剛さんたちにお任せしますんで頑張ってねー」

 

 

 それだけ言うとヒラヒラと手を振り部屋を出て行く飛龍。残された金剛姉妹はお互いに顔を見合わせる。 

 

 

「ど、どうしましょうお姉さま」

 

 

「んえっ!?何故ワタシに振るのデスか!?こういうのは榛名の方が詳しいと思いマス!!」

 

 

「く、詳しいだなんてそんな……」

 

 

「間違いなく榛名はムッツリさんデース」

 

 

 照れる榛名に金剛が呆れたように言う。

 

 

「む、ムッツリじゃないです!」

 

 

「そこまでムキにならなくても……」

 

 

「と、とにかく!提督の提督を何とかしなくてはいけません!」

 

 

「でもワタシ、無理矢理襲いたくないデス。出来るならテートクからの方が……」 

 

 

「お姉さまはあくまで待つと?」

 

 

「だってテートクも性欲を持て余したからなんていう理由でセッ…コホン、性交したらずっと悔やむと思いマス。あの人はそういう人デス」

 

 

 頬を赤く染めたままだが、金剛が心配そうに言う。

 

 

「……確かに提督は嫌がりそうですね」

 

 

「ハイ」

 

 

「うーん……」

 

 

「Hmm……」

 

 

 腕を組んで唸る2人。やがて榛名がポツリと呟く。

 

 

「……そもそも本番をする必要はないのでは?」

 

 

「え?」

 

 

 きょとんとする金剛に榛名は続けて言う。

 

 

「今回の目的はあくまで提督の主砲を鎮めて差し上げる事ですよね?」

 

 

「そ、そうデスネ」

 

 

「○くだけでいいはずです」

 

 

「……えっと?」

 

 

「この本みたいに」バサッ

 

 

 どこからか榛名が薄い本を取り出してページを開く。

 

 

「ちょっ!?それは隠しておいたはずなのに!」

 

 

「ベッドの下はベタすぎて一瞬で見つけられますよお姉さま。……榛名もこの間提督に見つかったので」

 

 

 遠い目をする榛名。金剛が本を取り返そうと手を伸ばすが榛名はそれを回避。

 

 

「か、返すネ!」

 

 

「……それにしてもこの本結構……お姉さまはこういうのが好みなのでしょうか……」パラパラ

 

 

「やめて!読まないでー!!」

 

 

 焦るあまり普段のような身のこなしが出来ない金剛はなかなか榛名を捕まえられない。

 

 

「うわ、すごいです……」

 

 

「Noooooooo!!」

 

 

 

 

 

 

「これが例の薬か?」

 

 

 就寝間際に明石が俺の私室を訪ねてきたので中に入れると彼女は透明な液体の入った2つの瓶を俺に手渡した。

 

 

「はい!片方は睡眠薬の成分が入っているので寝る前におすすめです」

 

 

「なかなか早い完成だな」

 

 

「そ、ソウデスネー。ワタシモビックリデス」

 

 

「何はともあれありがとな。甘味は後で用意しておくよ」

 

 

「では、今夜は良い夢を」

 

 

「お、おう?おやすみ」

 

 

 明石が退出した後、俺はさっそく睡眠薬入りの方の薬をコップに注いで飲んでみた。

 

 

(……なんだこれ、すごく甘いんだが。砂糖でも入っているのか?)

 

 

 飲みやすいように明石が気を使ったのだろうか?気の利くやつだ。

 

 

「念のためもう一度歯を磨くか」

 

 

 歯磨きを終えた俺はベッドに入る。

 

 

(これで少しでも抑えられれば良いのだが……)

 

 

 睡眠薬は速効性だったのか、すぐに俺は深い眠りに落ちていくのだった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

ーーー

 

 

 

 ギイィ……

 

 

 提督が深い眠りに落ちた後、彼の部屋に忍び込む影が2つ。

 

 

「ぐっすり寝…………ネ」

 

 

「…………の…眠薬は……んと効……いる……です」

 

 

 ヒソヒソと話しながら2つの影は提督のベッドに潜り込む。布団の一部を捲り、彼の下半身へと熱のこもった視線を向ける。

 

 

「……が脱が………ので」

 

 

「お願……るネ」

 

 

「……」

 

 

「……」

 

 

「おっき……」

 

 

「しー!」

 

 

「…、…み……ん」

 

 

「どっち……行……?」

 

 

「…………から……ぞ」

 

 

「わ、分………シタ」

 

 

 モゾモゾと影が動くが提督はよほどぐっすり眠っているのか起きる気配がない。影は作業?を続行する。

 

 

「ん……んぅ……」

 

 

「………///」カアア

 

 

「……ん……ぁ……」

 

 

「……」モジモジ

 

 

 夜の提督私室に小さな水音が響く。

 

 

「……!」

 

 

「……?」

 

 

「ふ、膨……!」

 

 

「あ」

 

 

「ティ、…………!」

 

 

「飲…………ま……う…姉さ…!」

 

 

「!?ー!ーー!」

 

 

「もっ…いな……すか…!」

 

 

「…………んー!?ー!ーー!んぐ、けほっ!」

 

 

「す、………量…す」

 

 

「テ、……トク………すっ……濃……デス」

 

 

「……」

 

 

「次………の番……」

 

 

「……、全力で参ります!」

 

 

「ちょっ!?」

 

 

「……はっ!?」

 

 

「しー!しー!」

 

 

「……」コクコク

 

 

「……」スッ

 

 

「……まだ固………ね」

 

 

「…れだ…出………に……いデス」

 

 

「で、では……ん……」

 

 

「……」ジー

 

 

「んちゅ……あむ……んん……」

 

 

「え、…………デス」

 

 

「……ほへえはまもほんははんひへひはほ?」

 

 

「く、……ながら……………………サイ!」

 

 

「んん……ん!」

 

 

「……?」

 

 

「……んぁ!?んー!けほっけほっ」

 

 

「…丈………か……!」

 

 

「……苦………」

 

 

「Oh……」

 

 

「…も、……に…………です」

 

 

「……」

 

 

「…………?」

 

 

「ムッツリ」

 

 

「!?…………だって………………だった………………か!」

 

 

「……程……ないネ!」

 

 

「……んん、……ZZZ」モゾッ

 

 

「「……!?」」ビクウッ

 

 

「やめ…………か」

 

 

「……はい」

 

 

「まだ…………ままデスネ」

 

 

「はい……。………で、この……の………は……………か?」

 

 

「ファ○リーズ」バッ

 

 

「さ……………………です!」

 

 

「……」フフン

 

 

「……、まだ……の……も……して………様子……し」

 

 

「…2R?」

 

 

「……はい」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「な、何だこれは……!?」

 

 

 翌朝、目を覚ますといつもの格好の金剛と榛名が俺のベッドに潜り込んで寝ていた。何故か部屋にファ○リーズの匂いが漂っている。

 

 

「よく分からないがマズい!こんな状況じゃ俺の股間が大変な事にーーー!!……ん?」

 

 

 俺はさっそく違和感に気付く。

 

 

「あれ?勃たない……?」

 

 

(……明石の薬の効果か!?多少疼くが耐えられているぞ!)

 

 

「やったぞ!これならみんなを衝動的に襲う事はない!明石には特製の甘味をご馳走してやらねばいかんな!」

 

 

 明石に何をご馳走してやろうかと考える俺の耳に金剛たちのうめき声が聞こえてきた。どうやら今の俺の叫び声で起きてしまったらしい。

 

 

「ううん……?テートク?」 

 

 

「ふああ……おはようございまひゅ」

 

 

 こしこしと目をこすりながら体を起こす2人。榛名はまだ完全に目が開いていないが金剛の方は起きているようだ。

 

 

「……説明、してくれるよな?」

 

 

 薬の効果はともかくこの2人が何故いるのか気になる。

 

 

「……っ!」ボフンッ

 

 

「……」ポー

 

 

 金剛が一瞬で茹で蛸のように真っ赤になったが、榛名の方はまだぼーっと俺を見つめるだけで特に反応はない。

 

 

「……なあ」

 

 

「ひゃい!?ご、ゴメンナサイテートク!ワタシはこれで失礼するデス!!」

 

 

「逃がすか」

 

 

 とっさに金剛の服の裾を掴む。

 

 

「は、離してくだサイ!」

 

 

「そうもいかんだろうが」

 

 

「……わ、ワタシたちはテートクと一緒に寝てみたかっただけデス!!」

 

 

「……寝ただけか?」

 

 

「も、もももちろんデース!」

 

 

 どもる金剛。 

 

 

「本当か?……うおっ!?」

 

 

「提督~」

 

 

 寝ぼけている榛名が俺の肩に寄りかかってくる。

 

 

「……は、榛名?」

 

 

「うふふ……」

 

 

 榛名は人差し指で自分の唇をなぞり、妖艶な笑みを浮かべていた。

 

 

(な、何だこの榛名は……雰囲気が……)

 

 

「ふふっ、……ごちそうさまでした」

 

 

「は?」

 

 

「Nooooo!!は、榛名はまだ寝ぼけているネ!テートク、ワタシたちはこれで失礼するデス!!」

 

 

「あ、ちょ」

 

 

 あっという間に榛名を抱えて部屋を出て行く金剛。1人残された俺は榛名の言葉を反芻する。

 

 

「『ごちそうさまでした』ってどういう……」

 

 

 

 

 この後再び問い詰めてみたのだが決して2人は口を割らず、結局最後まで真相は分からずじまい。ただそれからというもの、2人が度々俺のベッドに潜り込んでくるようになるのだが何故か俺のアソコは反応しないという謎現象がしばらく続く。

 

 

「明石の薬はすごいなあ……」

 

 

 

 

 

 




明石の薬ってすごいなあ……

影たちは何をしてたのかって?……想像にお任せします。

提督の問題が解決して何よりです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。