皐月と提督とバーニングラブ×2   作:TS百合好きの名無し

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再会 ※落書き有り

 

 

 

「という訳で〈鬼の金剛〉と皐月の演習が決定した」

 

 

 朝の執務室に呼び出された皐月は突然の発表に困惑した。

 

 

「……ちょおっと待ってくれる?ボクそんな話聞いてないんだけど」

 

 

 皐月が焦ったように飯野に言う。

 

 

「時雨に金剛宛の手紙を渡したんだが、その返事が返ってきたんだ。快く引き受けてくれるらしいぞ」

 

 

「金剛さんって自分の司令官を失って寝込んでるんじゃなかった?なんでまた急に……」

 

 

「興味はないのか?」

 

 

「えっ?」

 

 

「海軍の間で有名になった横須賀第二支部の四天王の最後の1人だぞ?どんな艦娘なのか見たくないか?」

 

 

「そりゃ、時雨たちと同レベルの人だろうし興味はあるよ」

 

 

「別に負けても何か罰があるわけでもない。むしろ良い経験だと思って挑むのがいいと思うぞ」

 

 

「うーん……」

 

 

「すでに決定事項だけどな」

 

 

「一体どうやって金剛さんのやる気を出したんだい?」

 

 

「俺は演習を申し込んだだけだ」

 

 

「はあ……ってことは時雨たちもまた来るの?」

 

 

「多分付いてくると思うな」

 

 

「〈鬼の金剛〉か······」

 

 

「色んな意味でお前の大先輩だ。きっといい経験になる」

 

 

「分かったよ。日時は?」

 

 

「明日の15:00だ」

 

 

「了解だよ。司令官」

 

 

「今日は榛名に訓練を手伝ってもらうといい」

 

 

「うん、頼んでみるよ」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー金剛との演習当日

 

 

 

「えっと……またすぐに会うことになったね」

 

 

「ボクは嬉しいけどね……そちらが金剛さん?」

 

 

 佐世保鎮守府にやって来たのは金剛と付き添いで時雨たち3人だった。つまり四天王全員である。

 皐月は視線を金剛へと向ける。榛名と同じ改造巫女服のような姿だ。榛名のミニスカートは赤色だが、彼女は黒のミニスカートである。電探カチューシャに長い茶髪の一部をお団子にしている。ぴょこんとアホ毛が出ているのも特徴だろう。彼女はここに来てからというもの落ち着きがなく、辺りをキョロキョロと見回している。

 

 

(榛名さんもそうだけど、この人すごい美人だな……)

 

 

「うん、そうだよ……金剛、さっきから何を探しているんだい?」

 

 

「あ、あの、ここのテートクはどこにいらっしゃるのデスか?」

 

 

「何か用事が合って手が離せないみたいなのです」

 

 

「そうデスか……」

 

 

「でも、伝言を預かっているのです」

 

 

「伝言?」

 

 

「『そこにいる皐月は色んな意味でお前の後輩だ。しっかりと先輩としての実力を見せてやれ』だそうです。なんだか上から目線なのが気になるのですけど……」

 

 

「!……分かったデス。演習後にはテートクに会えマスか?」

 

 

「その頃には終わっていると言ってたのです」

 

 

「了解デス!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 演習場の端と端で皐月と金剛がお互いに睨み合っている。榛名たちはそんな2人を見ながら会話をしていた。

 

 

「あの金剛お姉さまは本物の〈鬼〉なんですよね?」

 

 

「ああ、僕たち横須賀第二支部のメンバーをまとめる艦隊の旗艦だよ」

 

 

「ぽいっ!」

 

 

「すっごく綺麗な人だったのです」

 

 

「よく言うじゃない、『女の子は恋をすると綺麗になる』って」

 

 

「えっ?」

 

 

「ほら、始まるよ」

 

 

 

 

 

 

「さて、お手並み拝見デスね」

 

 

 弾薬の装填を確認する。今は提督のことを考えている場合ではない。集中しなくては……

 

 

 私はゆっくりと進み出した。

 

 

 

 

 

 

「……まだ撃ってこない?おかしいな……もうとっくに金剛さんの射程に入っているのに」

 

 

 演習開始からだいぶ時間が経過したけれど彼女は大きな動きを見せていない。

 

 

「動いていないわけじゃないけど……」

 

 

 彼女は真っ直ぐこちらに()()()()()()()

 

 

「なら、こちらから仕掛けさせてはもらうよ!」

 

 

 すでに砲雷撃戦の距離だ。ボクは砲撃を開始した。砲弾が彼女に迫る中、彼女はゆっくりと歩いて来る。彼女がふらりと小さく揺れた。

 

 

 彼女は()()()()()()()()()()()()

 

 

「……?……?……!……えっ?」

 

 

 ボクの砲撃が当たらない。彼女は歩いているだけなのにまるで砲弾が彼女を避けるように飛んでいく。彼女は時々小さく体を揺らしているが歩いているようにしか見えない。彼女の体すれすれに通過した砲弾が彼女の背後に着弾していく……

 

 

『彼女は俺がお前に教えた技術をさらに洗練させたものを持っている』

 

 

 司令官が言った言葉が頭に蘇る。

 

 

「すごい……」

 

 

 彼女が段々と近付いて来る。彼女の目はボクに固定されたまま、ゆっくりと歩いて来る。

 ボクは恐怖を感じ始めていた。

 

 

(金剛さんの手前の水面を撃って視界を奪ってみようか?……いや、そんなことで彼女は止められるのか?)

 

 

 彼女は止まることなく一定の速さで歩いて来る。視線はずっとボクから外さず、砲弾を気にする様子もなく……

 

 

「こんな状態で魚雷を撃ったって当たらない……」

 

 

 こんな相手をどう崩せばいいのか分からない。それに先程から凄まじいプレッシャーがボクに突き刺さっている。

 

 

(怖い……)

 

 

 気がつくとボクは後ずさっていた。こんなことは初めてだった。

 

 

(も、もう目の前まで来てる!)

 

 

 本能が警鐘を鳴らし、必死に彼女から距離をとった。ここで初めて彼女が砲を構える。

 

 

「逃げるんデスか?」

 

 

 彼女が砲撃。轟音とともに砲弾が迫る。とっさに身をひねって直撃を避けるが着弾の衝撃を至近距離でくらってしまい、大きく吹き飛ばされる。2、3回ほど海面に叩きつけられようやく停止する。

 

 

「……っ!」

 

 

 慌てて身を起こし、その場を離れる。追撃の砲弾が迫っていたからだ。

 

 

「逃げてるだけじゃワタシは倒せないヨ」

 

 

 強い……けれど

 

 

(……やられっぱなしでいられるか!!)

 

 

 

 

 

 

 榛名は呆然と2人の戦いを見ていた。

 

 

「あ、あれは何かの手品なのでしょうか……?砲弾がお姉さまを避けていきます……」

 

 

「歩いているようにしか見えないのです……」

 

 

「体術で皐月の狙いをずらしながら完全に皐月の砲撃を読み切って小さく動いているんだよ」

 

 

 時雨は落ち着いた様子で言う。

 

 

「こんなことされると相手の動揺はハンパじゃないわよね……」

 

 

「夕立もちょっと怖いっぽい」

 

 

「まだ金剛は皐月の戦い方を知らないから多少の揺さぶりは出来るだろうけど……」

 

 

「……皆さんはお姉さまと戦って勝てるのですか?」

 

 

 榛名の問いかけに時雨が迷いなく答える。

 

 

「本気の彼女相手じゃ()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 俺は演習場に設置されたカメラを通して2人の戦いを観戦していた。

 

 

「さすがだな……」

 

 

 圧倒的だった。久々に見た彼女の動きに無駄は一切なく、横須賀第二支部の艦隊旗艦〈鬼の金剛〉としての姿がそこにあった。

 

 

「……」

 

 

 俺は今日、彼女たちに正体を明かすつもりだ。彼女たちを長い間放っておいてしまった理由はあるのだが、どう考えても俺が悪い。いくら卒業論文に忙しかったからといっても一度も会いに行かず、卒業論文の作成とその研究に没頭していたのだ。嫌われても仕方ないし、殴られる覚悟もしておこうと思う。

 

 

「金剛……」

 

 

 

 

 

 

「逃げているだけじゃワタシは倒せないヨ」

 

 

 追撃の砲弾を避けたのはまあまあだと思います。呑まれかけていましたがなんとか立て直したメンタルも褒めてもいいでしょう。

 

 

「後輩デスか……」

 

 

 そろそろこちらも攻撃してみましょうか。

 

 

「さて、どうするカナ?」

 

 

 砲撃を開始します。彼女はすぐに回避行動に入り、砲弾を避け始めました。

 

 

「……意外と避けますネ」

 

 

 ギリギリですが彼女はこちらの砲撃を上手く捌いています。よく見れば魚雷も密かに撃たれていました。それを回避しながら私は何回か砲撃した所で違和感を感じました。

 

 

「……?誤差が大きいデスネ?」

 

 

 彼女に上手く狙いが定まらなくなってきました。さらに砲撃し、そして気付きました。

 

 

「これは……ワタシと同じ……!」

 

 

 なるほど、これは確かに私の後輩です。そしてこれを彼女に教えたこの鎮守府の提督は……

 

 

「やっぱり……あなたなんデスか……?」

 

 

 

 

 

 

「次でもう一歩詰める!」

 

 

 なんとか自身を奮い立たせたボクは彼女と同じ技を駆使して彼女に近付いていった。

 

 

(刀はまだだ!)

 

 

 出来れば刀はもう少し近付いてから使いたい。これはボクの切り札だからだ。

 

 

(右、前、右、速度変更…右、前進!)

 

 

 かなりの難易度の砲弾が迫る。

 

 

「……気合いだっ!」

 

 

 カンでなんとか回避に成功し、心の中で小さくガッツポーズ。そのまま突き進む。彼女との距離は再び縮まってきている。彼女もどんどん近付いて来ているからだ。

 

 

「フフッ、ワタシの後輩はなかなかやるようデス。……デモ、これはどうデス?」ドオンドオン

 

 

(これは避けられない!)

 

 

 切り札を切った。

 

 

 ギインッッ!!

 

 

 砲弾を斬り、彼女の懐に潜り込む。彼女は目を見開いていた。

 

 

(ここで攻めきらないと二度目はない!)

 

 

 下から斬り上げた最初の一太刀はかわされた。続いて太刀をすべらせる。彼女は体を逸らそうとするが間に合わない。

 

 

(もらっ……!?)

 

 

 刀が大きく逸れた。彼女が刀の腹を手で殴ったのだ。彼女と目が合う。

 

 

「あ……」

 

 

 ……彼女の砲門がボクの鼻先に突きつけられていた。

 

 

「ナイスファイトだったデスよ後輩。最後はちょっと本気を出しそうになったデス」

 

 

 彼女は笑顔で手を差し出してきた。

 

 

(本当に強いなあ……)

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 彼女……皐月と一緒に私は演習場入口へと戻りました。

 

 

「金剛、お疲れ様」

 

 

「お疲れー」

 

 

「皐月もお疲れ様っぽい!」

 

 

「すごかったのです!」

 

 

「さすがですお姉さま!」

 

 

 皆さんや妹から声をかけてもらいましたが、私はずっとあの人を待っていました。しばらくして1人の青年が演習場に姿を現しました。

 

 

「2人ともお疲れ様だ。金剛、今日はわざわざ佐世保鎮守府に来てくれてありがとう。俺がこの鎮守府で提督をやっている飯野勇樹少佐だ」

 

 

 そう言って彼は笑いました。

 

 

「あ……」

 

 

 体に電流が走りました。目の前にいるのは士官学校を出たばかりの新人提督である青年。でも、その笑い方や纏っている雰囲気が彼と重なりました。ずっと彼だけを傍で見ていた私には分かります。目の前にいるのは……

 

 

「テー……トク」

 

 

 彼の顔が強張りました。それを見て私は確信します。

 

 

「テートク!テートクデスヨネ!?」

 

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

 

「……俺は飯野勇樹少佐だ。お前の提督は野木勇少将ではないのか?」

 

 

「……手紙の筆跡を見マシタ。ワタシは3年もずっとあなたの秘書艦だったんデスヨ?姿が違ってもワタシには分かりマス」

 

 

「やっぱりマズかったか……」

 

 

 彼は溜め息を吐くと「降参だ」と言いました。

 

 

「野木提督の親族か何かだと思ってたけど、まさか本人だったとは……」

 

 

「えっ?ど、どういうこと?飯野提督が野木提督!?で、でもまるっきり別人じゃない!!」

 

 

「……でも姿以外はあの人とそっくりっぽい」

 

 

「「どういうこと(なのです)!?」」

 

 

「えっ……」

 

 

 騒ぐ周囲を気にしながらも彼は私たちに話し始めました。両親を深海棲艦に殺されたこと、元帥に身柄を保護されたこと、妖精の手を借りて野木提督として着任することになったこと、士官学校に行かなければならなかったこと、卒業論文作成に関する研究のために1年間それに没頭していたこと、佐世保鎮守府の立て直しのため着任することになってしまったこと、他にも彼と私たちしか知らない秘密など……すべてを話し終えた時、場は静まり返っていました。

 

 

「それがあなたの秘密デスか?」

 

 

「ああ。すまない……俺は1年もの間お前たちを放っておいた酷い提督だ。嫌ってくれて構わない。殴ってくれて構わない。俺は最低な男だった」

 

 

「……どうして今まで黙っていたんデスか?」

 

 

「……時雨たちの様子を最初に見た時、自分が何をしたのか気付いてしまったんだ。嫌われるかもしれない、怒られるかもしれない、そう思うと打ち明ける勇気が持てなかった」

 

 

「酷い提督デス……」

 

 

「本当にな……」

 

 

「……何だったんデスか?」

 

 

「何?」

 

 

「ワタシたちを放っておいてテートクは一体何の研究をしていたんデスか?」

 

 

「……お前たち艦娘の解体についてだ」

 

 

 彼は突然そう言った。

 

 

「えっ……」

 

 

「……お前たち艦娘は解体されるとどうなるか知っているな?」

 

 

「ハイ……ただの資材だけが残ります」

 

 

「資材が残り、艦娘の本体は処分される。本体は普通の人間よりも身体能力が高いことから危険だというのが理由でな。本体がどのように処分されるのかなんて考えたくもない」

 

 

「……」

 

 

「俺はお前たち艦娘を解体作業において普通の人間にする方法を研究していた」

 

 

「ど、どうしてそんな研究を……」

 

 

 彼が私たちを見回す。

 

 

「お前たちはことあるごとに自分たちのことを「兵器だから」という。俺はそう思っていない。お前たちは俺とともに戦う仲間だ。4年前、横須賀第二支部に着任した俺は金剛たちと触れ合い、間違いなく艦娘は人間と同じだと確信した。……俺はお前たちに普通の人間としての生を与えたかった。もっと広い戦場以外の世界を見せたかった。お前たちと触れ合う内にこの思いはどんどん大きくなっていった」

 

 

「「「「……」」」」

 

 

「俺は日本を守るためというよりもお前たち艦娘を守り、広い世界を見せてやるために提督になったんだ。……それで艦娘を傷つけるような事しちまっちゃ意味がないのにな。ごめんな……4人とも」

 

 

 彼は俯き、そのまま何も言わなくなりました。

 彼の告白を私たちは静かに聞いていました。私は静かに提督に歩み寄ります。

 

 

「……テートク、歯を食いしばってくだサイ」

 

 

「……ああ」

 

 

 バチンッ

 

 

 私は強烈なビンタを彼に与えました。

 

 

「……ワタシたちがどんな思いで1年も待ったか分かりマスか!?ワタシたちは家族も同然の付き合いだったのに!!何も言わずに消えて!!」

 

 

 言葉があふれて止まりません。

 

 

「でもっ!あなたの気持ちは……あなたの志は……あなたの優しさは……嬉しくて……!!」

 

 

 そこまで言ったところでもう限界でした。涙があふれて止まらなくなり、私は泣きました。彼は遠慮がちに私に近付くと、そっと抱き締めてきました。

 

 

(ああ、これです……私が求めていた温もりです……)

 

 

 気がつくと時雨たちも提督に抱き付いて泣き始めていました。

 

 

「っ!君は本当にバカだよ……」ギュッ

 

 

「……てーとくさんっ!てーとくさんっ!」ギュウ

 

 

「本当に……ぐすっ……遅いですよ」ギュウウ

 

 

「殴らないのか?」

 

 

「もう金剛が殴ってくれたよ……それよりも」

 

 

「ぽい……」

 

 

「1年分、甘えさせてください……」

 

 

「……そんなことでいいのか?」

 

 

「テートクに嫌われたくありマセン」

 

 

「俺がお前たちを嫌いになるなんてことはない」

 

 

「不安なんデス……結局、指輪をもらうこともなかったデスから……」

 

 

「指輪……?ケッコンカッコカリか……」

 

 

「金剛は君とケッコンカッコカリするために頑張っていたからね……」

 

 

「金剛さんの練度はもう99っぽい」

 

 

「……すまん、今は手元にないんだ」

 

 

「そうデスか……なら、頭をなでてくだサイ。あの頃と同じように」

 

 

「ああ」ナデナデ

 

 

「ふわぁ……」ナデラレナデラレ

 

 

 彼の優しい手の温もりに体の力が抜けていきました。

 

 

(あったかいデス……)

 

 

「もっと……お願いしマス」ギュウ

 

 

「ますます甘えん坊になってないか?」

 

 

「テートクのせいデス」

 

 

「……」ナデナデ

 

 

「えへへ」フニャ

 

 

 

「あ、あの……」

 

 

 今まで静かに見守っていた榛名が声をかけてきました。

 

 

「榛名?」

 

 

 榛名はおそるおそるという感じで聞いてきました。

 

 

「こ、金剛お姉さまと提督は一体どのような関係なのですか?」

 

 

「恋人デス」

 

 

「友達以上恋人未満というような感じだ」

 

 

「えっ」

 

 

「何だ?」

 

 

「うわあ……」

 

 

「ぽい……?」

 

 

「ちょっと……」

 

 

「……ホッ」

 

 

「……ヨカッタノデス」

 

 

「……フーン」

 

 

「ワ、ワタシたちは恋人じゃなかったんデスか!?」

 

 

「いつなったんだ……」

 

 

 不思議そうな顔をしないでください!

 

 

「そ、そうなんですか」

 

 

 一瞬、何故か榛名が嬉しそうな顔をしました

 

 

「な、何で榛名は嬉しそうなんデ……まさか」

 

 

「あっ、い、いえ!榛名は別に!」

 

 

 よく見れば榛名のこの表情は……

 

 

「テ、テートク!浮気はダメデス!!」

 

 

「いや、付き合ってないだろ」

 

 

「何でデスか!?」

 

 

「落ち着けって」ナデナデ

 

 

 ま、真面目に……答え……

 

 

「そんなこと言ったって……!」ナデラレナデラレ

 

 

「……」ナデナデ

 

 

 そ、そんなになでても……

 

 

「誤魔化さ……」ナデラレナデラレ

 

 

「……」ナデナデ

 

 

「……ふにゅう」ニヘラ

 

 

「……チョロイ」ボソッ

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「こちらの金剛お姉さまの提督だということは……飯野提督はあの〈東国の鬼神〉ということなのでしょうか?」

 

 

「……そうだ」

 

 

「そんな人に榛名の提督になっていただけたなんて……」

 

 

「司令官はかなりの規格外だと思っていたけど想像以上だったね」

 

 

「電もびっくりなのですよ……」

 

 

「実際に戦っているのは俺じゃない。すごいのは金剛たちだよ」

 

 

「鍛えたのは司令官じゃん……」

 

 

「……心配だったがこうして受け入れてくれたんだ、今日は再会を祝ってちょっとした宴会でもしようと思う」

 

 

「料理なら手伝うのです」

 

 

「私も出来ますよ」

 

 

「僕は夕立の面倒を見ているよ」

 

 

「ぽい!?」

 

 

「榛名も頑張ります!」

 

 

「…………はっ!?」

 

 

 いけない。トリップしてました。

 

 

「あ、やっと戻ってきたな」

 

 

「……テートク」

 

 

 聞いてください。

 

 

「……ん?」

 

 

「……あなたが好きデス」

 

 

「ああ、俺も家族としてお前たちを愛しているよ」ニコ

 

 

 

 私は空気の読めない提督の足を思いっきり踏んづけてやりました。

 

 

 

 

 

 





金剛ちゃんが可愛くて挿し絵を描いてしまったけど落書き以下ですねこれ……もとから画力は無いですけど。

やっと金剛が合流。この娘が来るともう佐世保鎮守府が騒がしくなっていきますね(笑)シリアスさんがログアウトしそう。

次回も金剛(と榛名)のターンです。

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