ヒーローになるまでの話(仮)   作:から納屋

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1話

 

........決意したのはいいけど、なんかしょっぱなから出ばなをくじかれているんだが.....

 

そう俺は今、警察所にいる。さっきの事件のせいで俺は帰る場所もなくなってしまい、今自分の身元を調べている警察所の人が調べてくれている。調べられた結果、

 

「琢磨君の家の親せきは、昔に疎遠になってしまい、彼を引き取ってくれるところが見つかりませんでした」

 

「そうなのか...ということは、千葉にある孤児院に行くことになるのか?」

 

「そうなりますね...かわいそうにまだこんなに幼いのに..」

 

 警察所の人たちは俺をかわいそうな目で見てくる。  そんな目で俺を見るな...無性に腹が立つ

 

一人の警官が

 

「えっと...祈念琢磨くんだったよな? もしよかったら君、俺の息子にならない?」と、提案してきた

 

「え...?」予想外の言葉に疑問で返してしまう 俺の様子を見た警官の人は、あわてて

 

「え、いやね。嫌なら別にいいんだ。俺も君と同じようなことがあったんだよ。ヴィランに自分の家族を奪われて、復讐のつもりで警官になったんだ。本当はヒーローになりたかったんだけどね...その時は、歳はまだ20後半だったけど、経歴も普通だったし、事務所はおろか免許も取れなかったよ。その最大の理由は、私が無個性だったからなんだよ。武術は結構自信あったんだが、さすがに個性持ちには全く歯が立たなかった。そこで知ったんだよ改めて、人にはその人の身の丈に合ったものしか与えられないとね。まあそれでもあきらめきれなかったから警官になったんだけどね。」と笑いながら言った。

 

警官の人の話を聞いて、俺には迷う余地はなかった。孤児院に入れられるよりかは、はるかにましだとも思ったしな

 

「うん。俺なるよあんたの息子に」

 

その答えを聞いた警官は笑って

 

「いやよかったよ断られるんじゃないかって思ったし、あっそうだ。俺の名前言ってなかったね。俺は鞍馬康(くらまやすし)これからよろしくな琢磨君」

 

「よろしくお願いします」

 

「そんな他人行儀に接さないでいいよ。それとどうする苗字?俺の名字に変える?」

 

少し考える...あんな人たちだけど俺にこんな個性をくれた人たちでもあるし、それに思い出とは程遠いけど、家族とのつながりつながりはできるだけ取っておきたい。そう思えたから

 

「すいませんが、苗字はこのままでお願いします。あなたのことを親と思いたくないとかではなくて、家族とのつながりを持っていたいから...」そう言うと、鞍馬さんは笑って

 

「いや別にいいよ。家族とのつながりを失くしたくないという気持ちは俺にも痛いほどわかる。それじゃあ、俺は向こうで話してくるから琢磨君はここで待っていてくれ」

 

「分かったよ。それと父さん 俺のことは琢磨でいいよ。”他人行儀にせっさないでくれよ”だろ?」

 

そういうと父さんは驚いた顔をしていたが、すぐに笑い

 

「これは一本取られたな...そうだな。琢磨そこで待ってろ。」

 

「うん!」

 

そういうと父さんは、笑いながら奥のほうに歩いて行った。

 

 

side:鞍馬

 琢磨と話した後、琢磨の身柄のことを話すために目的の部屋に向かっている最中に途中で立ち止まり、涙を流した

 

 本当にすごい子だ。あんなことがあったのに明るく見せようとする。まだ4歳だぞ...普通ならもっと泣いたり、壊れたりしてもおかしくないのにとても異常だ。いったいどんな境遇で育ったんだろうか。でもどんな困難にも負けずに笑って突き進める強い心を持っている。たとえ、どんなに歪な形をしていてもだ。その心に私は、少し...いやかなり救われた。私は復讐することばかり、考えていた。こんな自分には振り向いてくれないと思っていた。だが彼は、私を選んでくれた。こんな自分に頼ってくれた。私の息子になってくれた。私を父親にまたしてくれた。私に守らせてくれる権利を与えてくれた。

 

”ナチュラルボーンヒーロー”名のあるヒーローはみな学生時に逸話を残すと聞いたことがある。彼は4歳にして過去から私を救ってくれた。無自覚で私を救ってくれた彼は、今までのどのヒーローよりもはるかに強く、優しい最高のヒーローになると今、私は確信した

 

ようやく涙も止まり、歩き出す。 ふと鞍馬は考える

 

(まあ、そのためには父親である俺がしっかり導いて、やらないといけないよな。子育てなんてする前に、いなくなったから全く分からないが、どうにか父親と思われるように頑張らなくちゃな。できるだけ挑戦したいことはやらせてあげたいし、格闘ならいろんな人につてがあるし、それなら俺も自分の武術とか教えられるし、息子に何か教えるなんてあこがれだったからな~。まあ本人がやりたくないなら、やらせないけど、でもな~できれば、格闘に興味持ってほしいな~、個性もすごいし..........

 

目的の部屋についたときには鞍馬のほほは緩み切っており、いつも殺伐とした雰囲気を漂わせている鞍馬を知っている職員はすごく困惑したのは、また別の話

 

 

 

 

これがのちに世界中に名をとどろかせることとなるヒーローの父親が親バカになるオリジンだった

 

 

 

 




から納屋です。よんでいただきありがとうございます!!
無事に、琢磨君を家に住まわせることができてよかったです。ありきたりな展開でしたが…
次回から個性や特訓に移行できたらいいなと思ってます。
これからもよろしくお願いします!!

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