魔法の世界でロボットと   作:結城ゆうキ
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今回から新章!
そして先に謝っておきます、今回かなり短めです。


約束と新たな力
09, 忘れられた土地


「ノアさーん、あとどれくらい歩くんですか~?」

シュヴェートス邸を出て早6日。俺達はある場所を目指し毎日歩き続けていた。

「情報が正しけりゃそろそろ着くはずなんだが……………。ん、あれか?」


魔王城に行く前に行っておきたかった所、ファガトン。
ここは今でこそろくに人は住んでおらず殆どの建造物が今にも崩れ去りそうな程に衰退した村だが人魔戦争当時は魔導機装の開発などの殆どを担っていた謂わば魔導機装の聖地のような所だ。
にしても聞いてたより人がいねえな………。

さて、何故俺がここに来たがっていたかと言うと別に観光したい訳ではない。
ここの施設をちょっと、ちょーっと借りてサリアの修復をしたいのだ。
ヨハネスとの戦闘でかなり無茶をさせたサリアだがまず外装は前面が酷くボロボロになっており内部機関もかなりやられている。
通常世界から見れば『超速い』だったあのブースターだが俺達からすれば『速いを超えたハヤサ』ってもう速いとか早いとかそういう次元の話じゃないわけで。
まぁそんな訳で今サリアは俺の魔力を食って自己修復に専念させているがそれでも限界はあるし何より遅い。
一応魔導機装の仕組みだとかそういった機械工学は半分独学だが修めている。
内容が内容だけに人に教えてもらえないからな。サリアがいなかったら間違いなく詰んでた。
まぁサリアがいなかったらそもそもそんな知識必要無いのだが………この辺は触れずにいよう。


で、実はもう1つここに来た目的があるのだが………悪いが今それを話せる余裕は無さそうだ。

「モンスター共………」

俺とリリィが村に足を踏み入れるとほぼ同時に魔物が数匹反対の門から村に入ってきた。
狙いは………間違いなく魔導機装だよな。

ここの人間は特に見当たらない。ま、なら気楽でいいさ。
身体強化の魔法を自身にかけながら無限倉庫から適当な鉄パイプを1本取り出す。

「やるぞリリィ」

「はい!………なんで鉄パイプなんだろ?」

リリィの疑問を無視し鉄パイプに少し特殊な方法で魔力を込める。
そして右腕の強化を更に強くしただシンプルにそれを振るうと刀のように魔物の体は切り裂かれる。
残り6匹。内4匹は緋想炎月と焔星々の刃に炎を纏わせ戦っている。
じゃあ2匹、瞬殺で行きますか!

鉄パイプを倉庫に戻し右手に作った魔力弾をピザの生地みたく平ったい円にする。
それを手に持ったまま1匹に近付き顔に当てるとそれはモンスターの頭を包み込み───潰す。
見る人によっちゃトラウマ、ただし俺にとっては当たり前になった頭部破壊をすると今度は球に戻った魔力弾を『く』の字のブーメランにし2匹目にぶん投げ、首を切り落とす。
そしてUターンをして帰ってきたブーメランを避けると後ろでリリィが戦っていた1匹の魔物の首を落とす。

「ふぅ………っし、終わり~っと」

なんか最近こういう魔導師らしい戦い方すること多いな~。
まぁサリアが使えりゃもっと速く7匹全員頭蹴っ飛ばしてるんだけど。
ったく、かったるいったりゃありゃしねえ。



「お~…………お兄ちゃんスッゴオオオオイ!!!!」

「あァ?」

声のした方を向くとまだ5才ほどの幼女。…………誰だ。







▽△▽△▽△▽△▽





「ふーん………なるほど、そういう訳か」

魔物共との戦闘後、俺とリリィは1軒の家に案内された。
村長の家らしいぜ、ここ。

「ここ最近何度も魔物が攻めてきている。…………そもそも魔物にとってここに来るのって何か得があるんですか?
言っちゃなんですけどここ使えるのかも分からないようなボロボロの工場以外何もありませんし」

「その工場に価値があるんだ」

「ふぇ?」

「はぁ………どっから説明したもんだか。ここはな、戦争当時多くの魔導機装を作ってきた言っちまえば聖地みてえな所だ。
で、魔導機装は魔族も使えるんだ。
となると目的は魔導機装の強奪だろうな」

「え?でも現存する魔導機装はみんなどこかに隠されていて殆どが解体されて開発方法とかも全て抹消されたって………」

「バーカ、表面上の話に決まってるだろ。1で千を葬るスーパーマシンだ。誰がわざわざ滅ばせるものか。
終戦後数百年は秘密裏に魔導機装の開発、改良やらがされてたって話だ。
………まぁ、残念ながら今はされてないらしいが。
だから本当の意味で過去の遺物になったのはそれからだ。
で、話が逸れちまったがその秘密裏に作られた魔導機装、今はどうなってると思う?」

「えーっと………政府に回収されて解体ってのが順当じゃないですか?」

「半分正解半分不正解。実際のところ政府に回収されたのは3/4程度だ。
残りは当時の工場の地下とかそういった所に人避けの魔法を張って保管されてるんだ。誰に気付かれることもなく…………な」

ということを知ってさえいれば後のことは簡単に推察できる。

「要するにアイツらは魔導機装奪って大暴れしたい訳だ」


「それだけではありません」

「あァ?それだけじゃないってどういうことよ村長」

このハゲたご老人はここの村長。因みにこの村は村長とさっきの幼女の他は3人しかいないんだとか。
ここんところ何度も魔族が襲ってくるからみんな避難したらしい。

「奴等の中には魔導機装と契約した者が2人います」

「はぁ⁉ノアさん流石に無理ですよ!ノアさんのお節介は美点ですけど相手が悪すぎますよ!」

「それもあくまで我々が確認できてるだけでまだいるかもしれない。助けていただけてるのはありがたいですがこのことは忘れて旅を続けるのが「そうもいかんのだわ」………と、言いますと?」

出された紅茶を一口飲み左手の甲を見る。


「元々ここん魔導機装を作ってたって施設に用があるのはアイツらだけじゃない。俺だってここに用があって来たんだ」

左手の甲を村長に見せてやると見事に驚いた顔をしてやがるがまぁそうなるな。

「俺の魔導機装はサングリエイト・クレア。
こっちとしちゃここからが本題なんだが………まぁ単刀直入に言わせてもらう。
村長、ここの設備を俺に使わせてくれないか?
対価はそうだな…………ここに攻め入る魔物の殲滅、でどうだ?」















▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽










「つっても随分ボロボロになったもんだなぁ」

あの後色々話し現在は旧魔導機装開発施設にいる。

〈流石にあのレベルで無茶したのははじめてだよ~〉

目の前に鎮座するサリアの姿は最初に比べればまだマシにはなったものだがそれでも天下無敵の魔導機装様とは思えぬ損傷具合でいる。


〈全く、少しは後のことを考えるべきではないのか?〉

で、その隣に鎮座する白い鎧。コイツはヨハネスの乗ってた魔導機装、カンドーレ・インモルターレだ。

さて、コイツこそがわざわざここに来た目的であるのだが……………。

「どうしたもんだかなぁ」


どうやってアイツとの約束を果たすか────その方法を誰1人思い付かないのだ。




前書き通り短めの2700文字。キリの良さを考えるとここで終わるのが一番だったんです。
次か次の次は長くなるはずなんでお許しをm(_ _)m






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