フェアリーテイルの魔導士、ナツ、グレイ、エルザ、ジェラール。
仕事でハートフィリア家をマグノリアからアカリファまで護衛としてジュード、レイラ、ルーシィに会う。しかしルーシィは前回の記憶が...?
「ジュード殿、今日はここで休まれてはいかがでしょうか?」
何十キロか進み、夜が近づいていく中、エルザからの提案だ。
「そうだな、今日はここらで休むとしよう。」
「では私達は食事の準備のお手伝いをさせていただきます。」
「あら、助かるわ。ありがとう」
「いえ、これも仕事ですので」
「ならグレイ君、ジェラール君。少し資料の整理を手伝って欲しいのだが」
「了解しました。」
エルザはレイラの元に、グレイ、ジェラールはジュードと共に馬車の中に入る。
「なーエルザ、俺は何すりゃいい?」
「そうだな...なら牧を...」
「ああ待って。」
エルザの指示を止めレイラがナツに
「お暇でしたらルーシィを見ててくれないかしら?」
「お、おっす。」
ナツはルーシィを探しに草原の方へ行った。
ナツside
ルーシィ...ほんとに記憶ねーのかな...兄ちゃんやジェラールの他にも前の記憶があるってんならルーシィにもあってもいいじゃねぇか。
「ルーシィ」
俺は星を眺めているルーシィに声を掛ける。
「あ、ナツ!どうしたの?」
無邪気な顔で俺を見つめる。その顔は前の世界と変わらない愛しい笑顔だった。
「いやー暇だからよールーシィのとこに来た!」
「なによそれー。ねぇねぇナツってフェアリーテイルの魔導士の中でも強いの?」
「ああ!強いぞ!今はグレイとS級魔導士になるために仕事やってんだ!ラクサスはもうS級だけどいつか超えてやるんだ!」
そうルーシィに告げるとルーシィは嬉しそうに笑う。
「凄いね、ナツは」
しかしすこし寂しくそう答えるルーシィ。なにかがおかしい。
「ねぇナツ。最近ね、夢を見るんだ。」
突如ルーシィが話始める俺はその顔を見た時前のルーシィと姿が重なった。
「この国が無くなる夢、でもそれを阻止する人たち、でもねどんな人かは分からない。その変わり一つだけ分かるのはフェアリーテイルの紋章を付けている事だったの。」
「俺たちの?」
「うん、手にフェアリーテイルの紋章を入れてる人は国を滅ぼすための扉をまたべつの紋章を刻んだ人だったの。夢なのにきちんと見えるのは不思議じゃない?」
たぶんその記憶はフィオーレ王国の時の扉エクリプスの事だろう。
ただ夢でこんなに曖昧なのはほんとに夢を見たって事だろう。夢ならルーシィの記憶に俺たちはいない。ただ前の世界の事が映し出されてる訳だ。
だから俺はこのままにすることにした。記憶があるって確証は無いのだし
「ふーん。でも不思議じゃねーと思うぞ。夢ってのは自分が見たいのとは違ったりするからな。気にしなくてもいいと思うぞ。」
ルーシィには悪いけどあんまり俺が前の世界の記憶を持ってることは口外しては行けない。
ルーシィ
ごめんな
「ナツ、食事の準備が出来たぞ。」
エルザから声が掛かる。
「よし!飯だ!ルーシィ、行こうぜ!」
俺は手を差し伸べる。
「...!うん!」
星が輝く空の下、フェアリーテイルはこれからもおとぎ話は続く。