「じゃーこれより魔法を使ったナツ・グレイの勝負を始めるぞぃ。制限時間は10分。それでは初めぃ!」
ナツとグレイは互いに前に飛び出す。
「行くぞナツ!アイスメイク...ハンマー!」
突然ナツの頭上から巨大な大槌が降ってくる。
「火竜の鉄拳!」
ナツは大槌を火の魔法でぶん殴り粉々に砕いた。
「火竜の翼撃!」
腕に炎を纏いグレイに向かって翼撃をぶつける。風が砂を撒き散らし砂煙が出来る。
砂煙が晴れるとグレイとナツの間には大きな氷の結晶が張られていた。
「アイスメイクシールド...」
「そんなのありかぁ!?」
「今度はこっちだ!アイスメイクキャノン!」
グレイの周りに氷の大砲が現れる。
「発射!」
大砲からは大きなガレキがナツに目掛けて飛んできた。
「うわあああ!」
ナツにそのガレキが何回もぶつかる。
「ってーな!お返しだ!火竜の咆哮!」
口から出てくる高熱の炎がグレイと周りを焼き尽くす。
「あっちあっち!アイスゲイザー!」
グレイの魔法で周りの炎が凍りつく。
「そろそろ決めるぞ!グレイ!」
「勝つのは俺だ!ナツ!」
互いに向かいあって飛びかかる。
「炎竜王の崩拳!」
「氷魔零ノ太刀!」
大きな爆発と共に周りが吹き飛ぶ。
辺りの草原一帯が荒地へと変わっていた。
「そこまで!この勝負引き分け!」
マカロフの声がかかり、勝負は終わった。
「くっそーもう少しあれば勝てたのによー。」
「アホ抜かせ。俺が勝ってたぜ。」
「んだよ」
「んだとコラ」
ナツとグレイは互いに睨み合って喧嘩している。
「これこれそこまでにせんか!」
マカロフが腕を大きくしてナツとグレイを叩く。
「「いってー!!」」
同時に頭を抑えながら叫ぶ。
その1方...
「すげーなあのナツってやつ!あいつらの中でいちばん強いグレイと引き分けだなんてよ!」
「ああ!エルザやミラでも適わなかったのにな!」
そう大人組のマカオとワカバが話す。それをナツは聞いて驚いていた。
(グレイがエルザたちより強いだって!?確かにあいつは前より強い。それに滅悪魔法を覚えていた。どーゆー事なんだ?)
ナツは思考を張り巡らせながら考えた。するとグレイの方から声がかかる。
「なぁナツ。お前のその魔法、誰に教えてもらったんだ?」
滅竜魔法のことを知らないらしい。それを聞いたナツはすこしがっかりしながら話す。
「俺のとうちゃんだ!イグニールってドラゴンなんだぜ!滅竜魔法って言うんだ!」
そういった時周りがシーンと静まり返った。
「ド、ドラゴン!?お前そんな奴に教えてもらったのか!?」
「そんな奴ってなんだよ!お前こそ誰に教えてもらったんだよ!」
そう。これがいちばん気になったのだ。グレイは前回だと冥府の門タルタロスとの戦いで父から授かったものだ。それもEND、俺を倒すために。
「俺はウルっていうすっげーつえぇ師匠に教えてもらったんだ!まぁ、教えてもらったのは造形魔法だけだけど...この氷魔零ノ太刀は滅悪魔法。悪魔を倒すための魔法は俺の親父から教えてもらったんだ。」
グレイの父、シルバー・フルバスターから教えてもらったのは確定のようだ。
「そうなのかー。なあなあ俺、とうちゃん。イグニールを探してんだけどもしかしてお前も探してんのか?」
「あ?んなわけねーよ。俺の親父もお袋も故郷で暮らしてるぜ。この魔法も強くなるために覚えたんだからな。ウルは聖十大魔道の序列6位なんだぜ!」
ナツは色々とこの世界と前の世界は違うようだと考えた。
グレイの両親は生きてるし、師匠のウルも生きている。どうやらこの世界は前の世界よりも優しく、温かみのある世界だということにナツはまだ気づけなかったのだ。
「まーいいや。なあナツ。俺の他に何人か同い年の奴らがいんだけどよ、今は仕事にでていねーんだ。帰ってきたら紹介してやるよ!」
「おお!楽しみだな!ならそいつらとも勝負だー!!」
ナツは大声を上げながらグレイとギルドに入っていった。