合宿3日目、マカオとロメオは相変わらずで、ナツはドラゴンフォース覚醒の修行を行っていた。
しかし、うまくいかないのか自力でドラゴンフォースの力を引っ張り出そうとするが、全く反応ないのだ。ゼレフにも不明で、ナツ自身も頭の上にクエスチョンマークを浮かばせている。
「やっぱりできないな…僕にもわからないなんて…これは研究のし甲斐があるなぁ。ナツ、一度中断だ。これ以上無理やり引き上げようとすると魔力枯渇状態になる。」
ゼレフの言葉に反応して中断しゼレフのもとへ足を運ぶ。ムスッとした顔でナツはぼやき始める
「大丈夫だろ、そんなに俺弱くねえぞ」
「だめだよナツ、君は体を大事にしないといけないよ。心配ばかりかけちゃいけないことだってあるんだ。こんな時くらいは兄の言うことに従わないと。」
「何でだよ!兄ちゃんだって最近無理して初代と遊んでんじゃねーか!」
ゼレフの笑顔が引きつる。
「…ナツ。なんでそれを知ってるんだい?」
「見たから」
口をあんぐりと開けてゼレフは固まった。その後。
「ナツ、人には見られたくないものだってあるんだよ…じゃあ今日はエルザにたっぷりしごいてもらうといい。」
指を鳴らすとナツの後ろにフックのようなものが空中に出現して、ナツの首根っこをつかんだ。
「グえ!」
カエルがつぶされたような声とともにナツが空中につらされて温泉まで連れてかれた。
~女子風呂~
一方ルーシィたちは修行の疲れを癒すために温泉でくつろいでいた。
ルーシィ、エルザ、レビィ、カナ、ミラの5人が会話に花を咲かせている。
「んー!合宿もあと3日‼折り返し地点も過ぎたねぇ」
手を上に伸ばしながらルーシィは「あ”あ”~」という色気もくそもない声を出してぐったりしている。
「ああ、私たちのメンバーも初日と比べて2倍以上は魔力は上がったぞ。」
エルザのチームも順調なようだ。
「ただ、純粋な魔力量を上げても使えなければ意味ないからな、しっかりコントロールして初めて自分の力にしたといえる。」
「そういえばルーちゃん。ナツもなんかものすごい力を使う練習してるんだっけ?」
レビィの質問に顔を引きつらせながらルーシィは
「う、うん。ドラゴンフォースっていう力を自由自在に引き出せる練習をしているんだって。」
「へー。ルーシィ異様にナツのこと知ってるよねぇ、もしかしてこれだったりするわけ?」
カナは小指を立ててサインする。
「ち、違うから!ナツとはそんなんじゃないから!」
「あらそうなの?でも確かにルーシィとナツってお似合いだと思うのよね。」
ルーシィはこの時、前の世界のナツのお宝騒動を思い出した。
(あの時もミラさんのせいで急に意識いだしちゃったのよね…)
「い、いかんぞ!そういうことはしっかり相手と話し合ってだな…」
エルザは頬を赤らめて静止し始めた。
ただ、忘れてはいけない。恰好の獲物はルーシィだけではないのだ。
「そうは言いつつエルザはジェラールとどうなの?ほらほら、お姉さんに話してみなさい?」
悪乗りしだしたのかカナはじわりじわりとエルザのほうに向かっていく。
「なにも!なにもない!私とジェラールはそういうのではなく…」
「でもいっつもクエストはジェラールと一緒に行ってるけどねえ、まるでアルザック達を見てるように思うんだけどなぁ!」
にこにこしながらミラも近づいてくる。
「い、いやそんなことは…」
段々後がなくなってきたエルザに助け船を出そうとすると
「ほらほら、そろそろ温泉しまっちゃうしでよ『のわあああああああ!!!??』っ!?」
大きな水しぶきとともに大きな物体が大声を上げて落ちてきた。
「⁉誰だ!」
エルザがすかさず剣を換装して具現化させる。
「あい・・・」
落ちてきたのは先ほどゼレフに空の旅へ連れてかれたナツであった。
「ナツ⁉」
「おー?なんだナツ、堂々とした除きだなぁ?」
「そんなんじゃねーよ!」
すかさず突っ込むナツ、ルーシィはつこっむナツを見て新鮮さを感じていた。
「なんだナツか。なら大丈夫だろう。そろそろ風呂も閉まってしまうし、どれ、背中を流してやろう。ほらこっちにこい」
ハッと我に返ったルーシィは天に叫ぶように
「ダメ――――!!!」
と大声を出した。