ナツとゼレフがコンボルト親子の修行を終わらせた後はスティングによるナツのドラゴンフォース覚醒の修行になる。
「じゃあナツさん。まず俺のドラゴンフォースを見てくれ。」
スティングはドラゴーンフォースの状態になるとオーラを放出し始める。
「俺とローグのドラゴンフォースはラクリマを経由しているから発動しやすいんだ。だけどその分ナツさんやガジルさんのドラゴンフォースには天と地の差がある。まあそこは俺たちの課題だからいいけど、俺がドラゴンフォースになったのはナツさんにドラゴンフォースの感覚を覚えてもらうため。」
そのままドラゴンフォースをとくと懐から手のひらよりも小さいラクリマを取り出した。
「これなんだ?」
ナツの疑問にはゼレフが答えた。
「ドラゴンの力を宿したラクリマだよ。属性は炎だね。」
「これは巨人族の里にいる守護竜アトラスフレイムの力を込めてもらったラクリマだ。ナツさんの父親…イグニールのことを説明したら喜んで協力をしてくれたよ。」
「おっちゃんがか‼元気にしてたか?」
「ドラゴンは記憶を残してるみたいでナツさんのことも覚えていたよ。いつか会いに行ってあげてくれ。っと、話がそれたな、このラクリマを使ってナツさんにドラゴンフォースの力を貸す。そんでその時の感覚を覚えてもらう。覚えたらその感覚を引き出して魔力を高める。そうすればドラゴンフォースの覚醒ができるはずだ。」
「よーし!やってみるぞ!」
スティングが持っているラクリマに手をかざす。そしてスティングはラクリマを持ちながらドラゴンフォースを発動すると、目に見えて魔力がラクリマに流れる。そのラクリマからナツに魔力が流れていくと、ナツのドラゴンフォースが発動した。
「なんかムズムズしてきた。」
「そのまま魔力を上げてみてくれ」
ナツが徐々に魔力を上げると周りの温度が急激に上がった。
「じゃあその状態を保ってラクリマを離してくれ。」
ナツからラクリマが離れると一段と温度が増した。
「この感覚か…よし!火竜の…咆哮!!」
上に向かって炎のブレスが飛ぶ。その威力は莫大に上がり、暗い夜を昼間かと思うほどの炎が出現した。
「さすがだぜナツさん。ただこれでラクリマと俺の役目は終わりだ。あとは感覚を覚えたナツさんならできるはずだ。」
「おう!ありがとうなスティング‼…ところでローグは?」
「ローグは参加しなかったギルドのファントム・ロードに行って同じことをガジルさんにやってると思う。」
「何ぃ!?ぐぬぬ…ガジルには負けねえぞ!!!」
ナツは鼻息を荒くしてドラゴンフォースの修行をするのだった。