―クローバーの町―
「うっぷ...きもちわりぃ...」
列車から出てきたナツは酔いながら地面に突っ伏す。
滅竜魔導士特有の乗り物酔いである。
「こ、これはさすがに来るものがあるね...」
竜の力を得たゼレフも同様に列車で酔ったようだ。
「それでは合宿所に行きましょうか。」
ナツとゼレフを置いてエルザたちは合宿所へ向かう
「そういや合同って言ってたけどどのギルドが来るんだ?」
「まあ焦るでないぞグレイ。この合宿所にそれぞれのギルドが到着している用じゃからな。」
フェアリーテイルのメンバーが合宿所に着くとそこには
「お、きたな。」
「久しぶりだな!ナツさん!」
剣咬の虎(セイバートゥース)のスティング・ユークリフとローグ・チェーニがいた。
「スティング‼ローグ‼」
「この世界では初対面のスティングとローグも『前の世界の記憶』をもっているみたいだね。ということはここに来たのも」
「もちろんアクノロギアを倒すためだ。」
2人の力強いセリフと眼差しは炎竜王のように荒々しく燃えていた。
「ナツさん、俺たちが今回ここに来た理由は2つある。」
魔力を解放した、スティングとローグは滅竜魔導士が所有している最強形態、『ドラゴンフォース』へと体がうろこ状へと変化した。
「まず一つ目は俺たち自身のナツさんとの特訓。」
「2つ目はこのドラゴンフォースの力を自由自在に引き出すことだ。」
第三世代滅竜魔導士が使えるドラゴンフォースはいわば、身体強化のようなもので、実際は第一世代のドラゴンフォースよりも力が劣ってしまうのだ。
「俺たちのドラゴンフォースは体内にあるラクリマによって引き出すことができるけど、その分力を最大限に使用できないことなんだ。」
「そうなのか!だから大魔闘演舞の時俺と戦っても力が完全じゃなかったのか!」
納得したようにナツの脳が合点する。
「え?ナツさんそのことを知ってて行ったんじゃなかったのか?」
「たぶんナツはドラゴンを殺した力に対していったんじゃないのかい?ナツははっきり言ってそこまで頭はよくないからね」
驚いた顔をしているスティングに、ナツに対してきつめの言葉がゼレフの口から出る。
「ひど!」
目を白くさせてびっくりするナツ。
「ま、まあつまりそのラクリマが力を制御してたから俺たちは本来のドラゴンフォースの力をすべて引き出せなかった。」
「理由は力を制御できない体内のラクリマが破壊され、俺たちの力がなくなるからなんだけどな。しかし…」
そこまで言ったローグはゼレフのほうを見る。
「破壊せずに体内のラクリマを滅竜因子と融合させることによってリミッターを外すことができるんだ。」
「その融合をするために俺たちはいまここにいる。つっても実際ナツさんへの特訓と俺自身がナツさんに会いたかっただけなんだけどな。」
ケラケラ笑いながらスティングは空に咆哮を放った。
「まずは俺たちとの戦闘訓練‼…の前にほかのギルドにもあいさつ行こうぜ、ナツさん。」
「おお!燃えてきたぁ!」