ナニカサレタ男がFEifの世界で(ry 番外編   作:エーブリス

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皆に警告するよ、小説を書いてる途中に「魁!!男塾」にハマるんじゃねえぞ……特にセンチメンタルなシリアスを書くときなんかはな…。



久しぶりのコラボっス。
今回はギャグを出来る限り抜き取って、『M.A.R.C.I.E』見たいな雰囲気にするつもりでした。(過去形)

んで限定公開でしか書いてない設定(どころかまだ書いてすらいない設定すら)も容赦なく書きます、覚悟してくださいね!

あ、もう4回目だからコッコさんの方のキャラとか設定の細かい説明は抜きね。でもメリラは初登場だし…軽く書いておくか。


で、やっぱり向こうのキャラを書き切れてる自信がぬぇOrz




そして今回は過去のコラボ回とのストーリーの繋がりは“さほど”ありません、「よく似たパラレルワールド」だと思ってください。


【コラボ】世界ガ形状ヲ変化サセル度ニ(せかいがかたちをかえるたびに)

 

 

灰が雪の様に降り積もる場所、私が「虚無」と呼ぶ場所は嘗て――――――…。

 

 

 

 

 ~数年前~

 

マーシィは巨大な鋳鉄の半月斧を振り回し、身軽そうな装束に身を包む賊たちを薙ぎ払う。

その背後から暗器を手に忍び寄る賊の一人をラクスが両手に逆手持ちした2振りのショートソードで斬り裂いた。

 

「…遅い。

二本角(ディアブロス)は捨てたか?」

 

「旅行先には持ち込まないだけだ。

…今回は例外だったが……ッ!、生憎貴様の家に置きっぱなしだ」

 

「さっさと取り行け……ッ!

質屋にぶち込むぞ」

 

「貴様の…………ッ!

バカでかい剣のようにか?」

 

「ありゃ去年死んだ飼いヤマアラシの墓標になった。

―――……このッ!数だけは一人前かッ…!」

 

二人は冗談交じりに敵を殲滅し、余裕のある表情をいつまでも保つ。

固定された表情は恐ろしい仮面のようで、次第に賊の戦意を削いでいく。

 

 

「数だけだ、質は―――……ッ!

…冗談の様に低い」

 

「バカ共なんざその程度さ」

 

この頃には逃げ出す敵も出てきて、少ない時間で数えられるほどの的しか残っていなかった。

 

 

やがて両手で数えられるほどの数になり、そして最後の一人は腰を抜かして逃げる事も出来ず背と尻で地を這いながら2体の悪魔から逃げるも、残酷な事に毒蛇に噛まれてしまった。

 

毒で悶えゆく生き残りにトドメを刺さず、しかし助ける事もせず彼らは“任務の仕上げ”に向かう。

 

 

 

 

「ご協力、感謝する」

 

護衛した砦の兵を指揮する上官とその部下たちは、しかし戦闘が終わって尚手に持つ刃を鞘に納めない。

 

 

「…味方に武器を向けるなと、教わらなかったか…?」

 

ラクスの問いに誰も答えない。

…いや、正確には答える暇が無かった…一歩出遅れた。

 

 

マーシィが近場に居た兵士を一人、さっくりと斬り殺す。

誰もが動揺した、“事情及び真相を知る”ラクスでさえも…。

 

 

「き、貴様ぁ!何のつもりだ!?」

 

「やりやがった…ッ!

おいマーシレス!」

 

「メンド臭い、終わらす」

 

「…仕方がないか、元よりこのつもりだった」

 

 

「何…?」

 

怒鳴りつけた上官も、ラクスの一言で全てを察した。

増援などではない…彼らがココに来た真の目的を。

 

 

 

 

「…武器の横流しで止めときゃ良かったものをさ。

身の程以上に肩入れしちまったアンタらの蒔いた種さね」

 

「まさか…まさかぁ!

―――ええい!もういい!、全員この逆賊を叩き伏せろ!」

 

 

「逆賊はどっちだか」「逆にあのガリガリをとっちめてくれんかのぅ」

 

瞬く間に兵士達が二人を取り囲むも、無表情の仮面は剥がれやしない。

仮面をピクリともせず、互いに得物を強く握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――数分も経たずして、兵士は全滅してしまった。

 

「敵影なし…粗方、ってか全体的にお掃除完了って奴か」

 

「ああ…。

さてと、観念することだな…兵士長よ」

 

先の毒蛇に殺された賊の様に、最後の生き残りとなってしまった男は跪き地面を見つめ続けながらうわ言を呟いていたかと思うと、急に顔を上げて二人を…とても哀れな物の目で見上げた。

 

 

「金なら…いくらでも出す…いくらだ?」

 

そして金銭による交渉…目の割には幾らか堂々とした態度だ。

まあ、二人にかその態度を保つだけで精一杯なのがバレバレであったが。

 

 

「…はッ、此処にきてポケットマネーに自分の命預けるかね」

 

「金額なら保証する…!

財宝だ、奴等が武器の支払いに送り付けた…」

 

「財宝、ねぇ…。

―――なあラクス、俺は一つの仮説を立てた」

 

「何だ、どうせ下らぬ事だろうが」

 

 

「その財宝の内のどれかに、必ず女物の下着が引っかかってるぜ」

 

「…っぷ」「あ、笑った。クソワロタ」「下らなすぎただけだ…あり得そうだが」

 

 

 

この時男が呪うべきだったのは、自らの薄っぺらさに反したプライドの高さだ。

有りもしない淫靡の罪を目の前でささやかれ、そして嗤われ…この薄い男が怒るのに十分な材料が出そろった。

 

 

男が隠し持ったナイフを手に飛び出す、腐っても国軍…動きだけは賊とは比べ物にならない。

 

しかし相手が悪かった。

ショートソードの刃が首をすっ飛ばし、残された刹那の意識もまた半月斧に叩き割られた。

 

 

 

「どうする、証拠品が真っ二つだぞ…?」

 

「…お前右半分な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

互いに、あの日から随分と月日が経った。

どちらの世界も抱える戦に終止符を打ち、復興へと向かう姿があった。

 

しかし、だ…いや、やはりと言うべきか。

見せる形は大きく違っていた。

 

 

      ◆   ◆     ◆   ◆     ◆   ◆

 

 

 

誰の肉体がイントリンジック・フィールド除去装置によって分子レベルにまで分解されたのか、この世界はあるべきでない進化を見せた。

 

 

 

  ~現在~

 

「…随分と、変わったな」

 

「ええ。

本当に暗夜かしら?」

 

「これが…神話のッ…!?」

 

一名除き、何かと冷静な様子だが内心は驚愕と混乱に満ちあふれていた。

違う、違うのだ…町の雰囲気や見た目そのものがガラッと変わったわけでは無いが、暗いハズの街は正体不明の装置が照らし、所々にある木製の柱には黒い紐のようなモノが通り、トドメには偶に見かける用途不明の“何か”が存在した。

 

 

―――分かりやすく説明しよう。

中世の世界に電灯や電柱、そして発電機や何やらの電子機器等が置かれているのだ。

 

レトロフューチャーとパンクスチームを足して2で割ったモノの5割が、中世ファンタジーの世界観へ散りばめられた…と言えば分かりやすいだろうか。

 

 

 

 

そんな景色を目の当たりにして、混乱せずにはいられようか?

 

 

 

「うぅむ…こうなるとは思わなんだ。

せめてスミカでも居ればよいのだが…」

 

ラクスはこちらの友人の不在を嘆いた。

父親と違って聡明な彼女であれば…という所まで考え、それを止めた。

 

余りにナンセンスだ、そう悟った。

 

 

「面影で辛うじて分かるくらいね……っと、ここ右に…」

 

こちら側の自分との混乱を避けるため、髪を黒く染め普段は余り選ばないような服装を身にまとったベルカは僅かに残る嘗ての街並みとの類似点を見つけながら街の構造を把握してく。

 

 

 

「…」

 

「おい、メリラ…はぐれるなよ」

 

「…は!、はい…!」

 

ラクス夫婦に連れられた一人の女性、メリラは二人の子孫にして未来の国イーリスで国王直属の軍師を務める。子孫と先祖が会話できるまでになった訳は此処で語るべきではない。

 

 

「この先にコーヒーハウスがあるハズだわ…あるのなら、ね」

 

「全くだ。

そこで休憩しよう」

 

「はい…。

(一体何が…この国にこれほどまでの技術を…?)」

 

 

遠い未来の生まれのメリラでさえ、二人の反応から(自分の世界の)当時の暗夜王国とは全く違う事が分かった。何を間違えたのか…いや、間違えたのか?それとも大当たりお道筋を引き当てたのか?この世界は…―――。

 

とにかく考えるたびに泥沼にはまる様だった。

 

 

 

いつの間にか一行は目的のコーヒーハウスに到着する。

結果から言うとコーヒーハウスはあった、多少店舗が拡大しているが。

 

そして予定調和のように小さな想定外に出くわした。

一難去ってまた一難。

 

「すみませんお客様、現在は満席でして…」

 

「そん、な…!?(そんなはずが……―――本当じゃないか!)」

 

「嘘、よね…(決して満席になるような店じゃないのに…)」

 

彼らが知るこのコーヒーハウスは、一日に十何人かがチビチビと訪れる隠れ家のような場所だった…のだが、この有様だ。

 

確かにどこのテーブルにも人がいて、店員もまた多い。

目の前の若い女もそうだ…あまり慣れてない当たり新人だろうか。

 

 

それを見たメリラが別の店を探す事を提案しようとした、その時だった。

 

「もしよければ…相席という形でもよろしいでしょうか?」

 

「ん?…ああ、構わん」

 

「かしこまりました…少々お待ちください」

 

 

若い店員はやや駆け足で客席の方へと向かった。

…その立ち往生する間、メリラはラスクに問いかけた。

 

 

「あの…別に相席をしてまで…」

 

「捜せると言うのか?他の店が」

 

「い、いえ…それは」

 

「まあそれにな、相席でこの街の今を聞ければ…所謂一石二鳥というヤツだ」

 

「確かに…上手く行って道案内までさせてもらえれば僥倖ですね」

 

彼女は「成程」という言葉を動作にしたような頷きをした。

 

 

…視線を動かす内に、とある絵画を見つける。

 

褐色の肌に白髪の、中性的な少年の絵画だ。

その表情は穏やかかつ爽やかで、誰にでも良い印象を与えられる顔だった。

 

「(誰だろう?この時代の英雄か何かかしら?それにしてはちょっと若い)

…あの、ラクスさん」

 

「何だ、メリラ」

 

「あの絵画の人物に見覚えは…?」

 

「絵画…ああ、あれか。

いや、ないな…」

 

メリラは思った。

…となると、あの少年は一体なんなの?この店の店主の隠し子?それともこの時代、ではなくこの世界の英雄?

 

 

答えにたどり着く前に店員が戻ってきた。

 

「お待たせしました。

丁度相席でもいいというお客様がいらしたので、そちらに案内します…どうぞこちらへ」

 

「すまない…っと、一ついいか?」

 

ラスクが戻ってきた店員に問うた。

 

「はい?」

 

「あの絵画の人物は?」

 

「え?…ああ。

ご存知ないんですか?」

 

「む……い、田舎から旅行に来てな…」

 

「ああ、そういう…。

ロ…――――あの子はこの街の、ひいてはこの店の救世主…の一人です。

なんでもあちこちで飛び交う瓦礫から街を護り、戦後は街の復興に尽力したとか」

 

 

驚愕につぐ驚愕、本当になにがあった!?

一行はただ開いた口が塞がらなかった。こちらも確かカムイが透魔に立ちむかっていたハズなのだが…何がどうしたら地上にまで被害が及ぶことになるのだろう。

 

そして飛び交う瓦礫から街を護った!?あの少年が!?

いやいやいや、なんかおかしい…瓦礫は何かの揶揄か?そうでなければ少年は巨人か何かか!?

 

 

「瓦礫を…巨人かしら…?」

 

「あ、いえ!ちょっと違って…。

タ……んん、白髭の巨人に乗り込んだそうで―――「マユミちゃーん!手伝って―!」あ!ちょっと待ってくださーい!

では、こちらへ」

 

「巨人…?」「乗り込む…?」

 

「(いや…そんなはず)まさかな」

 

ラクスは“巨人に乗り込む”という言葉で少しだけ何かを感じ、そして思い出した。

具体的には…そう、何というか、『遅すぎた名機』に乗り込んだ記憶が…(前回のコラボ参照)。

 

 

 

 

 

 

やがて店の奥の、ほぼ隅っこに等しい4人席に案内された。

 

「…すまない、相席失礼する」

 

「構わんよ」

 

相席する相手は、腹の出た…しかし筋肉質の老人だった。

―――戦士、とは何か違うがこの老人も修羅場を潜り抜けた手練れだ…ラクスは瞬時にそう悟った。

 

 

席に座るや否や、メリラがすかさず老人に問いかけようとした時…

 

「ああそうだ、おたくらちょっといいか?」

 

先に問いかけたのは老人だった。

 

「!……。

はい、何でしょうか?」

 

「地図…か、ソレに近い何かを持っちゃないか?」

 

「ち、地図…と言いますと」

 

恐る恐る、とても慎重な様子のメリラ。

彼女に嫌な予感が過る――――まさかこの旅行は見知らぬ人を次から次へと尋ねるだけで終わってしまうのではないかと…。

 

 

「この街のだ。

俺ぁつい昨日へリ……あー、うーんと……馬車に乗ってきたばっかりでな」

 

「では、ご老人…貴方もか」

 

「んあ?まさかそっちも…」

 

「…旅行の者だ」

 

 

 

ラクスと老人、二人が寸分の狂いもなく全く同じタイミングで“「マジか」と言いたげに手のひらで顔を覆う”ジェスチャーをした。

その時、老人のジャケットにあった白鳥らしき鳥のワッペンをメリラは見逃さなかった。

 

ベルカもまた深いため息をつき、振り出しに戻された感覚を覚えた。

 

 

 

「あの、お爺さん…それならば私達と情報交換をしません?」

 

「情報交換…成程。

お嬢さん、いい考えだ…コッチとおたくらの情報を照らし合わせてみりゃ何か分かるかもしれんな」

 

 

「…その手があったか」

 

「流石、国の軍師ね」

 

メリラがすかさず提案した情報交換は、ラクスとベルカの表情から失望を吹き飛ばした。

 

 

…まず、老人が1枚の地図を取り出した。

それはラクスとベルカにとっても慣れ親しんだものだった。

 

「…それ、多分こうなる前の地図ね」

 

「ああ…ウチの相棒に渡されてな。

しっかしまあ、街も地下も大破壊に見舞われたお蔭でケツ拭く紙にすらならなくなっちまった」

 

「ご老人、隣がビーフシチュー食べているぞ。

…それはともかく、相棒?姿が見えぬが…手洗いか?」

 

「アンタも中々だぜ、若いの。

…いや、実ははぐれっちまってな。いい歳こいてこれじゃ恥ずかしいばっかりだ…全くあの野郎、どうして自分の子供と孫のこととなると直ぐ熱くなっちまうのかねぇ」

 

老人は先程のように顔を覆い、首を横に振った。

 

 

「大変、だったんですね…」

 

「いっつもそうさ…だがまぁ、それでいいとは思ってるよ。好きなようにやってるのが一番だからな――――っと、辛気臭い話はやめにして情報だ」

 

ま!もう出せる情報なんかないがね―――老人はそう付け加えて笑った。

 

 

「では此方からだな。

…実を言うと我々―――まあそこの彼女(メリラ)以外なのだが―――は何かと昔の地図は頭に入っていてな」

 

「そうだろうな」

 

老人はベルカを見た。

 

 

「?、どういう意味?」

 

「そうでなきゃ、この地図の正体を早々に見破ったりしないさ」

 

「―――そうね。

ここからは私が続ける、いいでしょ?」

 

「構わない」

 

「それじゃ…まず現在地はここ、そしてこの道は変なののせいで塞がれてたわね…」

 

「さほど離れてないな…取り敢えず書き足しておくか」

 

男は胸ポケットから取り出したマーカーペンで適当に障害物を書いた。

そこから互いに情報や提案を出しては老人が地図に書き込むこと20分……それらがが練りに練り込まれた計画書が1枚出来上がる。

 

 

 

 

   ◆  ◆  ◆    ◆  ◆  ◆

 

不穏な影もあった。

破壊力のあるちっぽけな存在から、直接実体に及ぼす力のない巨大な影まで…その全てがこの街で蠢こうと瘴気を放ち歩んでいた。

 

 

さて、黒たちはどう動くか……。

 

   ◆  ◆  ◆    ◆  ◆  ◆

 

 

 

 

 

既にコーヒーハウスを出て数十分…そろそろ1時間ほどになる頃だろうか。

相席した老人を加えたラクス達は計画書通りの道を行く。

 

 

―――――はずだったのだが、今この瞬間から計画の根底から静かに崩れ去っていくのだ。

 

最初に“気配”に気がつき、気配の主の顔を見たのはラクスだった、多分最も気配に近い場所に居たからだろう。

その顔に思わず(小さいながら)二度見をした彼は他がその気配に気づくよりも速く行動に出た。

 

 

「すまない、すぐ戻る…ッ!」

 

「え、ちょっと…ッ!」「お、おい!」「ラクスさん!」

 

制止の声など聞き入れず人の波に消えようとする“奴”を彼は何処までも追いかける…他の何かを見失う事すら恐れぬその瞳のまま。

 

 

 

―――――その背中を目で追いかけたメリラもまた、当初の計画から図らずも外れていく。

 

 

「あ、ああ…行ってしまいました…ね………ッ!?」

 

いつの間に消えたのか…自分の背後にいるハズのベルカと老人が何処にも見当たらない。

右、左、前、後ろ……北、南、西、東と見渡そうがその姿はない。

 

冷や汗をたらし、身体を、首を捻っても…。

 

 

やがて彼女は闇雲に走り出し、更に深みへと沈む。

母の背中を探す迷子の子供のように必死に走り、そして左右を向いて――――しかし前方への意識はせず、目の前にあるモノにすら気がつかないだろう。

 

そして案の定、前方不注意の彼女は誰かの背中に激突してしまう。

 

 

「ッ!――――――いっつつ…」

 

尻もちをつき、強打した腰をさすりながらもどうにか立ち上がろうとする彼女に一つの手が差し伸べられた…彼女がぶつかった男だ。

 

 

「大丈夫か?

急ぐのはいいが、周りはもう少し見るといい…」

 

枯れた声の男は深い黒の髭面で、見慣れない服を纏っていた。

 

 

「ご、ごめんなさい………あ!あの、黒い髪の女性と、お腹の出た大きなお爺さんを知りませんか!?」

 

「いや、落ち着けって…―――ん?腹の出た…?

もしやそのジジィ紺色のジャケット着てなかったか?」

 

「紺色…はい、着てました」

 

「じゃあ太ったコウノトリのワッペンは?つけてるハズなんだが…」

 

「コウノ、トリ…?

――――あ、アレ白鳥じゃなかったのね…」

 

「良し最後だ、ハゲか?」

 

「ハゲです、大体」

 

「ようし分かった、ファットマンだ……んにゃろ」

 

ファットマン…それがあの老人の名前だった。

何故かこれまで彼の名を聞く機会があったハズなのだが…思えば名も知らぬのにこれ程のコミュニケーションがとれたものだ。

 

 

髭面の男は頭を書き、苛立ちを隠そうともしなかった。

「どうしたもんかな…」と何度も呟き、その場をあっちこっちに動いている彼の滑稽な姿をメリラはただじつと見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ◆ ◆ ◆

 

そしてその頃、どうにか残ったベルカと老人―――ファットマンは街の西側を歩いていた。

最早計画は早期に崩れ去り、もうどうにでもなってしまえと言うのが二人の本音だった。

 

―――それはともかくとして、ファットマンはベルカに見覚えがあった。

…と、この話はかなりややこしく、拗れるのは確定なので少し解説を入れよう。

 

 

 

先ず、今のファットマンの相棒…『黒い鳥』とも呼ばれる凄腕のAC乗りはマーシィの父親だ、そしてマーシィは“この世界のベルカ”と夫婦関係にある…そう言った関係でファットマンはベルカの顔を直接見る機会が幾度となくあった。

 

髪色は黒く、あまり自分を飾らない彼女らしくない髪型と服装ではあるが…流石にそこまでボケちゃいないとファットマンは自負していた。

 

 

「…なあ、お嬢さん」

 

「何…?」

 

「少し変な話をするが…俺達、何処かで出会わなかったか?」

 

「ホントに変な話ね…今日出会ったばかりよ」

 

「そうか…?}

 

 

…顔を直接見た、とはいえさほど多くはない。

記憶の自身にも多少陰りがあった………だが、運命とは何故いつも悪戯を好むのだろうか。

 

 

「あ…貴方は…」

 

「ん…お!」

 

デビットボウイが歌ったシチュエーションの一部がファットマンの目の前で起こった。

しかし今は知る由はない。

 

 

「久しぶりね…ファットマン、だったかしら…」

 

「ああ、久しぶりだな。“ベルカ”」

 

 

 

 

 

この瞬間、そっぽを向いていた“向こうの世界の”ベルカが心臓が止まりそうな思いをした。

 

…いきなりあの老人に自らの名前を呼ばれたのだ。

彼女はともかく、ラクスもメリラも自らの名を一度たりとも発していなかったハズだ。

 

先の会話からして…やはりあの男は自分と何か因縁のある相手だったのではないのか!?と、最も最悪な事態を想定した。

 

 

彼女はナイフの柄に手を掛けつつ、ファットマンの方を振り向くと――――またしても驚くことになった。

 

 

「ッ!!??

貴方…!」

 

「え……―――――!」

 

 

 

「お、おい…どうしたんだってッ―――――――!」

 

 

同じ場所に、同じ人間が居る…。

 

  ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

そして再びメリラの方へ視点を戻そう。

髭面の男―――それは偶然にもファットマンの相棒であり、『黒い鳥』と呼ばれる傭兵…そしてラクスの(ある意味)因縁の相手の父親でもあった。

 

しかし前者はともかく後者を知らぬ彼女には関係のない話だ。

 

 

今は二人とも、何かと意気投合したようで楽し気に話していた。

 

「…それで、貴方の息子さんが今この世界に…」

 

「まあね。

…しっかしまぁ不思議なもんだ、それぞれの世界から来た旅行者がこうして出会う事になるたぁ…」

 

「ですねぇ…。

所で今日は息子さんとはもう会えたのですか?」

 

「んや、どうやら最近何処にも姿を見せてないらしくてな。

…ちょっと心配になってきたよ、アイツは罪悪感を持つと何処までも沼にハマってくような奴だから…必要以上に思い悩んでるんじゃねえかって」

 

「…」

 

「…こんな事を言う資格なんかないが。

何もしてやれなかったよ、アイツには…アイツは俺の二十数年間をたった数日で終わらせる事ができた…アホらしくも、悔しかったか…それとも俺が親父みたいな事をしたくなかったか……いい子だった、ハズだったんだ…」

 

少しづつ、彼の顔に陰りが出来てゆくのが見て取れた。

ただ暗く、そして昏く…。

 

 

 

 

だがいつまでも感傷に浸る事は許されなかった。

―――――それは突然の出来事だった。

 

爆音が轟き、瓦礫が飛ぶ。

 

 

その先には幾つかのツギハギだらけの、サイズもまばらな人型ロボット達が居た。

 

「う、嘘…何あれ…」

 

メリラは困惑し、絶望した。

彼女達の世界ではあんなものに攻め込まれたら国一つとしても陥落する他ない。

 

 

人型ロボット達の悪魔的な攻撃力が街を襲い、市民は皆逃げ惑う。

 

 

「クソッ!チンピラ共が…新しいおもちゃに浮かれやがって!」

 

「ちょッ…!そっちは!」

 

 

その逃げ惑う人々の中をかき分け、彼は急いだ。

理由は一つ、迫りくる敵を倒すため。

 

 

メリラは彼を追い、しかし人の激流に揉まれて前も後ろも分からずにいた。

…そしてやっと激流を抜けたかと思うと直ぐ目の前にあの人型ロボットが居た。

 

「!?(しまったッ!)」

 

今すぐに引き返そうとした彼女だが、既に3m~4mほどの機体が彼女の存在に気付いていた。足の裏のローラーで急接近し、手に持った長柄斧を振りかざす。

 

 

とっさに宝剣ディアブロスを構えるも、これが通じる相手とは思えない。

しかし、やるしかないのだ。

 

「ッ!らぁああああああああああッ!!!!」

 

 

斧の刃が振り下ろされる直前、彼女は一気に飛びロボットの腹にディアブロスを突き立てた!

するとどうか…まるで心臓を貫かれたようにそのタコのような貌のロボットは動かなくなった。

 

彼女が剣を引き抜くと同時にロボの上半身が開き、コックピットに居た毛皮を被った蛮族の死体が露わになった。

 

 

 

しかし安心するにはまだ早い、その後ろにはまだ同じタイプのロボが何機も居る。

それも1機や2機ではない…かなりの数だ。

 

彼女は勇敢に、怖れを知らぬ戦士の様に駆け出した…!

 

 

 

 

 

そんな彼女のすぐそばを、一縷の光が掠める。

光の柱は盗賊たちのロボットを一瞬にして斬り裂き、次の瞬間にはロボット達が大爆発を起こす。

 

体勢を崩し、うつ伏せに転んだ彼女は直ぐに起き上がり、空を見上げると…黒檀の色をした1機の“帝王”がいた。

 

 

 

 

 

 

   【BGM/Ash Like Snow】

 

 

とんでもない速度で宙を舞う、歪な右手の帝王は、瞬く間に街を襲撃したロボットの集中砲火に見舞われた。しかし帝王は一瞬にして“消え去り”、いつの間にか18m級のロボットの背後からコックピットをバックユニット諸共貫いた。

 

 

その右手はエッジの光る大型ブレードに変形して、飛来したバズーカの弾丸を断つ。

残る左腕に光を溜め、ソレを大地にかざすと敵のロボット達の背後に大きな黒い穴が出現する。

 

穴から現れたのは、軽トラック程の多脚の魔獣だ。

それはロボットの装甲に喰らい突き、いとも簡単に鋼鉄を噛み千切った。

 

 

 

大量の小型の存在に身体を喰い尽くされるという、生身であれば吐き気を催すような光景は例えロボットという無機物であっても悲惨さに変わりがない。

 

逃げきれなかった半数以上のロボットが次々と食い尽くされる中、最後に残った30m級のロボットが右手を振り上げ、帝王をすり潰そうと試みる。

 

 

しかし、エッジの光より放たれたビームが右手を消滅させ最後っ屁を不発に終わらせた。

全身を魔獣が駆け巡り、既にフレームが見え隠れしていた。

 

 

 

メリラは裏路地に逃げていた。

幸いにも無傷でいられたが、あの激しさでは身動きなど取れやしない。

 

 

「…おーい!メリラ―ッ!」

 

聞きなれた声がした、間違いなくラクスの声だ。

彼女は自身を呼ぶ彼の元に走った。

 

 

「ラクスさん…!

今まで何処に!」

 

「話は後だ!早く乗り込め!」

 

「乗れって…何に!」

 

「さっきの老人の“馬車”だ!」

 

ラクスはメリラの手を引き、その“馬車”の元へと導いた。

…最も、その馬車は馬は無くそして空を飛ぶし、馬の代わりに先の襲撃者のようなロボットを吊り下げていたのだが。

 

 

「これの、これの何処が馬車ですか!?」

 

「細かい事はいい!乗れ!」

 

何かゴリ押しのようにも思えるが、ともかく垂れ下がる梯子を上って馬車…もとい大型ヘリに乗り込んだメリラは、後から登ってきたラクスを引き上げ、そして彼と共に梯子も引き上げた。

 

 

ヘリは飛び立ち、ラクスとメリラは機内後部の座席に座った。

そこにはベルカも居た…二人、だが。

 

無論メリラが驚かぬはずもなく…。

 

「嘘!?二人…!?」

 

「しまった、言い忘れた…この世界のベルカだ」

 

すかさず入ったラクスの説明に、メリラは納得したようなしてないような顔をする。

 

 

「大丈夫よ、心配しなくっても。

ほとんど別人みたいなものだから」

 

そうフォローしたのはこの世界のベルカだ。

 

「は、はぁ…」

 

やはり理解できていないような顔で、呆然と彼女の話を聞いていたメリラだった。

 

 

 

「おたくら大丈夫か?怪我ないか?」

 

「!、ご老人…」「お爺さん…!」

 

ファットマンが後部座席を覗いて声をかけた。

 

 

「私もメリラも無事だ…問題ない」

 

「そうかい、そりゃよかった。

――――…しかしまぁお前の倅もよくやるな、ジン」

 

『全くだ、ちょいと哀しい気もするが…』

 

「なんてこたぁねえ、あいつが独身で子供すらいなかったらお前の後釜に任命してやりてぇくらいだ。そんぐらい強いしタフな倅だぜ」

 

『…そうか、我が子があんたに見込まれたのなら嬉しい限りだ』

 

「他人行儀みてぇに言うなよバカ」

 

ファットマンは無線越しに相棒の傭兵と喋っていた。

 

 

「あれ?さっきの人…」

 

『あ?この声、さっきの女か?ファットマン』

 

「知らん」

 

 

「あ、私です!さっきぶつかってしまった…」

 

『おお!やっぱりそうか、無事だったか』

 

「はい。

そう言えばあの黒いの、今確か貴方の息子さんが…」

 

「そうだぜ、お嬢さん。

ついでに言うとこっちの…青髪のベルカの旦那だ」

 

 

 

「何だと!?」

 

ファットマンの説明に、最も驚いたのはラクスだった。

 

「つ、つまり…アレには、マーシレスが!?」

 

『ああ、さっきの岩斬った兄ちゃんか。

ホントに助かったぜ、久しぶりに牙狼シリーズ全話見返したくなっちまった』

 

「ああ、どうも…それはともかく貴方とマーシレスは…」

 

『アイツぁ俺の子だよ。

トウヤの友達か?あんた』

 

「トウ、ヤ…?」

 

『あのバカ息子の本当の名前だ。

全く、母親から貰った名前も忘れやがってからに』

 

「そんな名前だったのか、胡散臭い名前だと思ったら…」

 

『全くだ、誰譲りのネーミングセンスだバカヤロウ』

 

「あの黒いのの【エボニーカイザー】なんて名前はアンタが命名したと記憶してるがな、ジン」

 

 

 

『?、いいだろ、なんかマジンガーみたいで』

 

「失礼承知で言うがマーシレスのセンスはアンタ譲りだ」

 

『即答!?』

 

漫才の様な会話を繰り広げる後ろで、青髪のベルカの顔が少し暗かった。

それを察した黒髪のベルカがそっと彼女に近付き訳を聞いた。

 

 

「大丈夫?顔が暗いけれど…」

 

「問題ないわ…ちょっと、思う事があって」

 

『どうかしたのか?ベルカちゃん…ああ、こっちの方ね。

もし何かあったら、言った方が楽になるかも…』

 

「そうね、お父さんもいる事だし。

…あの黒いのには、マーシィは乗ってないわ」

 

 

 

 

彼女から放たれた一言に、全員が目を見開いた。

まさかそんな…、そして、あり得ない…と、それぞれが口にする。

 

『お、おい…なワケないだろ、カイザーはアイツしか動かせないようになってるんだぜ?』

 

「でも…そもそもマーシィは今、この世界にいないの」

 

 

「何!?」

 

「本当よ、今ちょっと…彼は…」

 

『アイツに何があったんだ!?

言ってくれ!ベルカちゃん!』

 

「…ごめんなさい、後でちゃんと説明するわ。

今じゃ無理…」

 

『…わかった』

 

「事情は粗方察したが…もしマーシレスではないとして誰が乗っているのだ?

あの男しか乗れないのだろ?」

 

 

「一つ…思い当たるのは…」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――

 ◇  ◇  ◇

――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――

 

 

…さてと、他人の語りをそろそろ止める頃合だ。

私は敵の殲滅を一通り終えた事を確認して、コックピットから下りた。

 

まったく、ネクストだから使えるかとうまい具合に使えると思ったのだが、あれをネクストと呼ぶには余りに凶暴だ…ネクスト以上の暴力など、そりゃOWとかいったバカ兵器を含めたってありはしないハズなのに。

 

 

昔の身体の肉を喰って行かなければ、あの機体に振り回されていただろう。

 

 

下りた先には、大型ヘリとV型ACが1機存在していた。

その元には、幾人かの人間がいる。

 

「…久方ぶりだな」

 

内、見覚えのある二人に対して挨拶をした。

…私の顔は“あの男”とよく似ているが、それでも間違うハズはないだろう。

 

 

 

「貴様…何者だッ…!」

 

「忘れたか?まあいい、こういう形では初めましてだからなラクス。

…私は『首輪付き』だ…あの男のモノマネ芸人とでも覚えておけ」

 

「マーシレスの…。

何が目的だ!」

 

「何だ?街を襲う悪者を倒しただけだが、それの何処に怪しまれる要素があるのか?」

 

「ッ…!」

 

「まあいい、私はお前と違ってやる事があるのでな。

ここいらで消えさせてもらおう」

 

 

カイザーをその場に放置し、歩きで何処かへと歩くことにした。

どうせ変える場所もない。

 

 

それでは、他人の語りをもう少し続ける事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、相も変わらず愛想のないリンクスだ」

 

「ええ…――――」

 

「それにしても、だ…マーシレスは一体何処に行っている?

あの男が家族の元を離れるとは思えないが…」

 

「…彼は、頑張り過ぎたの…他の誰よりも、時間を使って…。

疲れているの、きっと…」

 

 

「…」

 

 

 

 

 

 

「…まぁいいだろう、この話題は」

 

「だな。

おたくら旅行の途中じゃなかったか?」

 

「あ…でも、街があの様子じゃ…」

 

「大した被害もねえし、すぐ直すよ皆。

――――そうだ、白夜の方の街も見ていけよ。きっとスゲエ事になってるさ」

 

「それは楽しみね。

…ソッチの私はどうする?」

 

「私は止めておくわ、家で待ってなきゃ…」

 

 

「送るぜ、ベルカ」「ありがとう、ファットマン…」

 

 

 

「さて、と…じゃあ他一行は俺のACの腕にのれ、快速で送ってや「遠慮する!」へ?」

 

「本当に、腕に乗るのだけは…うっぷ」

 

「?…。

ともかく、そんなら歩きだぜ?3日は掛かるが…」

 

「大丈夫よ、お義父さん。

最近は暗夜と白夜との間に“デンシャ”ってのが通ってるから」

 

「蒸気機関車通り越していきなり電車かよ、産業革命どころじゃねえなオイ」

 

「ともかく決まりだな、デンシャ…というのがどれくらい速いか知らんが、歩きよりずっとマシだろ」

 

 

 

「…だな。

何年ぶりだ、電車旅なんて…町田に行った時以来か…いや、新幹線で博多まで…アレ出張か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんでもって、糞親父とバカクラインと向こうのアイツと…その子孫は白夜に電車旅しに行きましたとさ。どうでもいいけどラクス・クラインのあの服装、誰のセンスだろうな。あの肩がとんがってる奴。

 

それはいいや、コッチは海の見える職場でゆっくり戦争の疲れを癒す…なんて名義で逃げてきたが、結局どこ行っても同じだったさ。

 

ずっと迷ってばかり、未来への答えなんて見つからない…結局闇の中を手探りさ。

 

 

ラクス、お前は一区切りできたかもしれねぇが…俺はまだ続いているみてぇなのさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

…じゃあな、二度と会う事は無いだろう。

俺の腐れ縁よ。これでお別れだな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――――

 

<―――…移行の完了及びコアのソウルドを確認、コード【M.A.R.C.I.E】起動。

パイロットのソウルを検知、共振開始…完了、システム【黒檀の帝王】との接続を開始します>

 

 ―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~数百年前~

 

「…なあ、ラクス」

 

「何だ?」

 

 

「…もし、終わりのない円環に閉じ込められたとして…守るモノと共に出ようとする意思を何処までも保てるか?お前は…」

 

「なんだ急に。

まあ……果たしてその円環がどのようなものか、見るまでは分からぬが―――何か、向かうべき意思を保たなければ守れぬのなら、私は永久の中でも意思を保つだろう」

 

 

「…それは、終わりが何処かにあると信じてるからか?」

 

「そうだな…そういうのもありそうだ」

 

 

 

 

 

「…そうか。分かった。

やはり俺はもう少し、続けてみる事にするよ」

 

「訳は分からぬが…頑張ってみるといい」

 

 

 

 

「ああ、頑張るさ…。

―――――――――――――――――誰を殺そうとも」

 

 

「え…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     “アイツを…たのむ…”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わり




一つだけ、分かったことがある。
――――うちのFE世界、ひっでえな。透魔王国の下に吹き溜まりがあるんだぜ?

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