ナニカサレタ男がFEifの世界で(ry 番外編   作:エーブリス

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とうとうやってまいりましたコラボ回!
時系列はコッコさんの方の話の少し後という設定でっせ!



そんじゃ、はっじまーるよー!


ノ・リ=デ・ヤッチャッタ・コラボカイ

【宝剣と聖剣は互いの身を裂き、穿つ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何処とも知らぬ荒野、そこに二人の男在り

 

 

 

 

 

 

「…遅かったな、言葉は不要か」

 

「いや、何も聞かされずに呼ばれたから説明をしてもらわないと困るのだが…」

 

黒い大剣を背負う男の名はマーシレス。鴉頭と呼ばれる都市伝説の傭兵である。

 

「悪い悪い、冗談だ。今から要件を言うから…」

 

「ハァ…手短に頼むぞ?こちらも暇ではない」

 

そしてもう一人…全身に黒い甲冑を纏う男の名はラクス。ここではない別の世界で、暗夜王の懐刀として名をはせた騎士である。

 

 

「で、本題だが…俺ら、あの時今度会ったときは飲み明かそうって言ったよな?」

 

「ああ、だが私は…」

 

「そうそう、酒弱い奴に無理矢理飲ませるってのもアレだしよ、色々考えたんだ…」

 

「…」

 

「で、そう考えてく内にこう思ったんだ…

 

俺達はわかり合えないって」

 

「…何故だ?」

 

「多分、お前にとっては下らないことかもしれないけど聞いてくれ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直、別世界とはいえッ!、俺以外にベルカの夫がいるとかあり得ないッ!!」

 

 

 

「…は?」

 

 

 

 

  ※しばらくマーシレスの妄言をお楽しみください。

 

 

 

 

 

「いやね、一度は並行世界の別の可能性…つまりifとして受け入れはした、けれどさ…見てると何だかNTR感が湧いてきて…自分、趣味趣向に寝取られなんてないわけだし正直俺、リョナラーだしそれはいいとして、ベルカが他の男と仲良くしてる所を見ると殺気がムンムン湧いてくるからと言うかジョジョ5部のサーレーってさアレ絶対死んでるよね普通。一応寸での所で止まったとはいえ脳天に弾丸が直撃してるんだぜ?死ぬだろ普通ってのは置いといてどこまで話したっけ?ああ殺気が云々の所までか。それでね、何度も言うけれど寝取られとかマジ論外なんだよ。

 

と、以上の理由を持って俺は今から『謎のイレギュラーM』と名乗り、テメーを含めた並行世界の俺意外のベルカの夫、そして並行世界の俺を業務的に消しに行きます」

 

「長い、一行で」

 

「Я хочу тебя убить」

 

「分かる言語で」

 

「貴様も!俺意外のベルカの夫は皆、死ねばいい!!!」

 

 

瞬間ッ!マーシレスが鉄塊の如き剣をラクスに向かって振るったッ!!

 

「…ッ!!」

 

その巨体からは想像もできぬ神速の剣戟を、ラスクは難なく防ぐ。

 

「鴉頭…何のつもりだ…!」

 

「消えろイレギュラー!!」

 

今のマーシレスに話し合いという言葉は無い。

感情に任せ、大剣を振るうその姿はまさしく狂戦士(ベルセルク)

 

既に制御不能だ。

 

 

 

 【BGM・fall】

 

 

 

亜光速の剣戟が寂しげな荒野に音色を響かせる。

ベートーベンやモーツァルトの曲の様な優雅な音色ではない、ただの混沌、混乱。

 

だが、一対一の対決でありながら国と国の総力戦のような音だった。

 

 

「さっさとくたばれぇぇぇぇェェェェ!!!!!!」

 

「落ち着け!早口で何か喋り始めたと思ったらいきなり襲いかかってきて…訳がわからんぞ!?」

 

「うるせえええええええええええ!!!!」

 

既に人の言葉も解さなくなったマーシレスは無慈悲に鉄塊を打ち込む。

 

それは嵐と表現してもいいだろう…

 

 

 

 

しかし、ラクスはその中であることに気が付いた。攻略のしようがまったくもって無いわけでは無い、むしろその攻撃は思いのほか単調だ。

 

(奴の戦い方が読めてきた…剣の質量と自身の腕力に任せて押し切るつもりなのか…)

 

彼ほどの騎士ならば、それさえわかれば対処など容易い。

すぐさま行動に移した…!

 

 

…一撃目、右上から左下にかけての袈裟斬り。

コレは無理に受け止めず、冷静に避ける。

 

…二撃目、一撃目をなぞるように逆袈裟斬り

剣の腹を巧みに使い、受け流す。

 

…三撃目、二撃目の後少し後ろに下がり数秒の溜めの後突き。

 

 

 ――此処がチャンスだ――

 

(悪く思うな…)

 

 

弾丸が如き突きが放たれた瞬間、ラクスは大きく、そして低く踏み込んだ!!

 

そして亜音速の縮地!

既にマーシレスは暗夜王より授かりし宝剣、ディアブロスの刃が届く位置にいる。

 

 

 ――…一閃ッ! マーシレスの腹から胸にかけて紅い花が咲き乱れたッ!…――

 

 

(あの傷では死にはしない…が、しばらく起き上がれないだろう)

 

マーシレスが大きくのけ反った事を確認するや否やラスクは、ディアブロスを納刀した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処でマーシレスが伝説とまで言われる所以を確認しよう。

 

腕力…確かに巨大な鉄塊を片手で振り回す常識外の腕力は確かに脅威であろう。だが、ただ力が強いだけの存在など一人で戦場に出ればいつでも淘汰される。

 

剣のリーチと質量…それも腕力と同じく脅威だ。だが実際、狭い空間などでは十分に扱えず、返って邪魔になるだけ。結局淘汰される。

 

反射神経など含む速さ…ここまで揃えば伝説と謳われても可笑しくなどない…が、このカンスト空間で「その程度」の要素で伝説など、片腹痛いどころの話ではない。

 

 

ならば、何を持って伝説か?

経験?狡猾さ?魔法?

 

 

 

否、この男の伝説――または不死身と呼ばれる所以はそこではない。

『強化人間』であること。

 

 

 

【BGM・THE FINAL DECISION WE ALL MUST TAKE】

 

 

 

 

「――…ッな!?」

 

ラスクが嫌な気配を感じ取って振り返ってみれば、そこには何もなかった。

 

何もない…それが返って不気味だ。

本来ならば倒れているマーシレスの姿があるはず…しかし、ラクスの目には、寂しげな荒野と、直径1mほどの血だまりしか映らなかった。

 

(あの傷で動いたというのか…!あり得ない…いや、ヤツならやりかねない…なぜかそう言う自信が…ッ!)

 

 

殺気を感じ、咄嗟に上を向く…

 

 

 

目の前には、月をバックに不気味な笑みを浮かべるマーシレスと、その得物である巨大な鉄塊。

 

「――…くたばれ(イピカイエ)、クソッタレ!」

 

 

 

 

此処で強化人間の解説を挟もう

 

強化人間…それは|此処ではない、文明、常識、何もかもが違う世界で開発された、人間としての尊厳を極限まで踏みにじる技術。

 

筋肉を弄り、骨を弄り、臓器を弄り、血液を弄り、果てには脳みそですら弄りつくして、人間を最強の兵器へと変貌させる冒涜的技術。

 

 

 ――そう、伝説の称号は、自らの人間性や平穏、尊厳との引き換えだったのだ…

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ…!」

 

「まさかの時のスペイン宗教裁判だ」

 

再び亜音速の剣戟が始まった。

 

 

■ ◆ ■

 

 ・はるか遠くの場所

 

 

「え…ちょっとスミカ?あなたの父さん、生き返ってましたよ!?かなり不自然な挙動で!」

 

「そうよ、あたしの父さん読んで字の如く不死身なの」

 

「え、えぇ…」

 

「でもね…心は硝子以下なの、アレでも」

 

「えぇ…」

 

「そう考えるとこの前の溺愛親父呼ばわりの時はよく耐えたわね」

 

「もうついてけない…」

 

◆ ■ ◆

 

 

 

 

剣戟は何時しか、ステゴロ対決に代わっていた。

 

互いの顔、胸、腹、腕、脚に打撃を与え、与えられ、次第に体力が削れていく。

 

「ぐふッ!…い、いいセンス、だッ!」

 

「そちらこそ…な”ぁ”ッ!」

 

両者とも上半身裸で殴り合い、どこぞの極道ゲームを彷彿させる光景になっていた。

 

 

そしてついに、決着がつく。

互いに拳を構える…

 

「さっさと…」

 

「これで…」

 

 

 

「「くたば…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ポン ポン

 

 

「「ねぇ…何、やってるの?」」

 

決着は意外な形で着いた。

二人の背後には、ベルカ×2が笑顔でたたずんでいた。

 

笑顔…というのは少し違うかもしれない。

だって目が…目が、笑ってないです((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

 

 

 

「「じゃ、邪魔が入った!また会おう!」」

 

「逃がさない!」

 

「うごっ!」

 

「お仕置き…!」

 

「どーとれすはいもびりてぃかすたむわいずわらびーッッッ!!!」

 

マーシレスの断末魔のMS、最長記録更新。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、そこには野郎二人が仲良く土下座し、それぞれの妻(尚、同一人物)に説教されている、なんとも味わい深い光景が広がっていた。

 

「私は…被害者だ…」

 

「そこ!文句言わない!」

 

「ハッハー!連帯責任だこんチクショウ!」ナカユビスタンダップ

 

「元凶!黙れ!」

 

「ゴファッ!!!」

 

愛する妻(もしくはその並行世界の同一人物)に黙れと言われたのが堪えたのか、マーシレスは吐血した。

 

 

 

 

 

因みに、後にマーシレスの喉から絞り出した真相は…

 

 

なんかアイツ(ラクス)とは一度サシで殴り合わなけりゃならないという使命感。

思い立ったが吉日、すぐに行動に移す。

でもなんかただ「決闘を申し込む」的なこと言っても面白くない。

と、いうワケで適当な理由をこじつけて戦闘に入る算段。

それが「謎のイレギュラーM計画」。

今に至る

 

 

との事。

 

それに対しラクスの娘、レーラは

 

「わかりました、この人バカですね」

 

と言い、マーシレスの娘、スミカは

 

「ダメだこの親父。もうどうにもならない」

 

と言った。

 

 

 

 

 

この後、かろうじて命を繋いだマーシレスは

 

「正に言葉の串刺し公だ…コフッ!」

 

と、語っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…今日は厄日だな…おい鴉頭、そろそろ起きたらどうだ?」

 

「」(背中から大量の杭)

 

「ハァ…というかその杭、どこから生えて来たんだ?」

 

「」

 

「もういい…にしてもこの珈琲、旨いな…」

 

「だろ?わざわざ家の財産二分の一使ってまで栽培したんだ!」

 

「(あ、生き返った)ほう?お前が植物の栽培か。意外だな」

 

「人間見た目によらないモンなのよ。因みに旨さの秘訣はネコだ」

 

「ネコ?」

 

「ああそうだ、ネコだ。それもただのネコじゃねぇ、ヤマネコだよ。そしてここから先は企業秘密だ」

 

「き、ぎょう…?まあいい」

 

「あまりそこは気にすんなよ?所で、お前のその剣だが…」

 

「ああ、ディアブロスか?」

 

「でぃ、ディア…ブロス?」

 

「ああ」

 

「…」

 

「?…どうかしたか?」

 

「…四本の角」

 

「本当にどうした?」

 

「…塵魔」

 

「お、おい」

 

「…大地を穿つ剛角…あ、ああああ、ああああああ」

 

「大丈夫か!?」

 

 

※しばらくお待ちください。

 

 

「すまない…トラウマがこみあげてきた…すまない…」

 

「ディアブロスに何のトラウマがあるんだ…?」

 

「なに…防御力500代ハンターの悲しい現実さ」

 

「…?」

 

「とにかく飲み明かそうぜ!さっきのやり取りは無しだ!さあ飲め飲め!珈琲だけどネ!」

 

「ああ、そうしよう…」

 

こうして二人の異分子は、何だかんだで仲良く飲んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ・翌日 船上

 

 

「か、カフェインが…おrrrrrrr」

 

「バカだ、バカがいるわ…」

 

今日のマーシレス

 心に直接!カズィクル・ベイされた。

 

「の、飲み過ぎた…」

 

「ハァ…父さん、水ですよ…」

 

「ああ、ありがとう。レーラ…」

 

 

「スミカ、俺に水は?」

 

「父さん…ありゃ人徳の差よ人徳の」

 

 

        終わり…




なんか口調とかに違和感がある可能性がありますがそこはどうかスルーしてくだせぇ!


そしてコッコさん、コラボ企画を持ち掛けて下さりありがとうございます!

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