シルヴァリオグランドオーダー   作:マリスビリ-・アニムスフィア

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序章 特異点A 極点英雄聖戦 アドラー 5

「――そこまでだ」

 

 声が響いた――。

 莫大な熱量が吹き付けたかに錯覚する。底冷えしていた冥府の冷気は、どこかへと霧散した。まるで太陽でも顕現したかのよう。

 たった一言で、戦場の空気を一変させるほどの存在感。存在全てが光でできているかのような鮮烈さ。されど、その在り方は何よりも清浄でもあった。

 誰もが視界に収めた瞬間首を垂れるか、己を恥じる。このような存在に対して向けることができるのは、憧憬か尊敬か、理不尽な妬みだけだ。

 まさしく覇者の冠を担う者。戦場を変える主演が今、ここに現れた。

 

 新しき英雄譚、その存在を見定めるために。

 旧き英雄譚の担い手が、ここに来た。

 

 その名は、クリストファー・ヴァルゼライド。

 アドラー帝国第三十七代総統。生ける伝説。彼を現すは一言、“英雄”。新暦のアドラー帝国史において燦然と輝く太陽の如き存在。

 それが、界を引き裂いて、この空間に現出した。

 

 いったいどんな手品だ。

 まったくわからないが、混乱する場にさらに劇薬が投じられる。

 

「いやはや、まったく。置いて行くなんてひどいじゃないか。私は閣下の為ならば、どこへだって供すると言っているというのに」

 

 さらに現れるは、眼鏡の偉丈夫。

 遥か彼方を見据える眼孔を称えた、楽園の番人。

 黄道十二星座部隊(ゾディアック)東部制圧部隊血染処女(バルゴ)隊長――ギルベルト・ハーヴェス。

 

 ともに光を奉じる、光の使徒。

 ここに帝国が有する英雄(ばけもの)が、姿を現した。

 

「おい、貴様ら」

「通してもらうぞ旧暦の王よ。我らは、これより世界を救うために戦わねばならない」

「そういうわけだ。疾く我が英雄に道を譲ると良い。安心し給え、我が英雄は、必ず勝つとも」

「ならん。この先へ進めるものは生者のみだ。我ら英星は、天にあるのみ。それを手繰るとするならば、それは生者以外に他ならない」

「無論。我らが行うことは的外れなのだろう。死者が生者の栄誉を汚している。そんなこと承知の上だ。だが――」

 

 だからと言って看過などできやしない。

 引き起こされた事態は、遥か特異点の彼方にまで響いている。世界が終わった。歴史はバラバラになり、世界の基盤として存在していた森羅万象たる人理は砕け散った。

 あらゆる人類は焼却されて滅んだのだ。

 

「まだ、世界を救うことができる。ならば、黙ってみているなどできるはずもないだろう」

「それが、()の狙いだとしてもか」

「是非もない。たとえ誰かの掌の上の出来事であろうとも、それに何の問題があるというのだ」

 

 誰かの掌の上であろうとも、最終的に世界を救って食い破ればいいだけのこと。

 雄々しく、まさしく英雄とはかくあるべしと返答するヴァルゼライドに淀みはなにもありはしない。世界を滅ぼすなどという大偉業を成した相手に対して、その程度解決できると信じて疑わない。

 意志力としてならばまさしく破格。

 新暦の英雄とて、旧暦神代の英霊と遜色などありはしない。

 

「世界を救うために努力すると誓おう。何があろうとも救って見せる」

 

 宣誓はここに。それは大天上からの神託も同じだった。

 その言葉は、血判と同じだ。彼が努力をするといったのならば、それは必ず成し遂げるということに他ならないのだから。

 しかし――。

 

「ダメだ。貴様らの英雄譚は終わった。これ以上、この先に進ませるつもりはない」

「ならば押し通るまでだ。民の涙が流れるならば、俺は、その悪逆を認めるつもりは毛頭ない」

「然り。我が愛しの親友の為ならば、私はどこまでも供をしよう。果てなくついて行くとも」

 

 ゆえに、開幕する

 静かに、両雄は剣を手に取った。

 もとよりそのつもりである。言葉を弄する段階にすでにない。

 

 英雄譚(グランドオーダー)は彼方へと消し飛んだ。

 これより先は、英雄譚(ティタノマキア)

 英雄どもが凌ぎを削る、悪滅の闘争が幕を開くのであった。

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 激突する光。

 閃光がはじけ、剣光は煌びやかを通り越してただただおぞましい。あまりにも美しすぎるものを見ると人は恐怖を感じることがある。

 あまりにも隔絶しすぎたものは、既存を超過したものは、畏怖の対象でしかない。

 

 されど、相性がある。光はどうあっても闇とは相性が悪い。

 滅奏の波濤が、光の波濤を押し流す。

 出力は同等。ならば、相性差で、アーサー王に分があるのは当然だった。

 

 だが――。

 

「勝つのは俺だ!」

 

 光の魔人が、ただその程度で止まるはずもない。

 寧ろ、追い込まれれば追い込まれるほど覚醒していく。

 振るわれる二刀は、光を纏い、信じられないほどの鋭さで繰り出される剣戟は、戦いが開幕して既に三桁を越えて四桁に差し掛かっている。

 

 剣圧、剣風、斬撃に伴う真空による衝撃波すらもが絶対致死の一撃として機能している。常人が踏み込めばその瞬間に細切れにされるほどの莫大な剣嵐。

 それが今現在も拡大して止まらない。狭いこの空間の壁や床に斬撃痕を刻んでいく。このままでは、この空間事両断されるのではないかと錯覚するほどの鋭さの斬撃は、怖ろしいことに未だに研ぎ澄まされていく。

 

 相手が強者だから。

 理由はそれだけで十分だった。

 覚醒に次ぐ覚醒。

 相手が覚醒すれば、こちらも覚醒する覚醒が合戦。

 

 天井知らずに上昇していく出力は、マシュの防御の星辰光をもってしても防げる量をとっくの昔に超越してしまっていた。

 

「なんなんだよ、これ……」

 

 先ほどまでの戦いがお遊びにしか思えなくなる。事実、遊戯であったのかもしれない。悪逆竜は本気ではなかった。

 だが、英雄の登場に邪竜は牙を剥いた。この先に通すわけにはいかないと、英雄譚を止めるべき己の星を高めていく。

 

「ふむ、ここだな」

 

 アーサー王が踏み込んだ瞬間、その床が爆ぜた。

 絶妙のタイミング。体重を乗せようと重心を動かした瞬間を狙い打ったギルベルトの星の援護。跳ね上がるように足が、ずらされる。

 そこに振るわれる絶死の光刃。かつて地球を死滅させるとまで言われた悪魔の兵器と同じ、放射線を纏った雷霆の輝きがその首を狩らんと大気を引き裂く。

 

「まだだッ!!」

 

 絶体絶命。

 そうなればやはり発生する英雄の基本仕様。

 意志力による限界の突破。意志力による不条理の打開。

 

 本来ならば斬首されてしかる一撃を、アーサー王はその身で受け止めた。闇の粒子がほとばしる鎧を犠牲に、光刃を受け止める。

 その瞬間を、逃すほど審判者(ラダマンテュス)の慧眼は、甘くない。遍く極楽浄土(エリュシオン)を見通すその両眼は、遥か未来を視ている。

 

 受けた瞬間、ヴァルゼライドの刃とは反対側の空間に斬撃が走った。それは、アーサー王を押し込む軌跡。ヴァルゼライドのみでは首を狩れないのであれば、二人で。

 

「これこそ我ら二人の共同作業(コンビネーション)

 

 極大の誤差と差異を持ってはいるが、ヴァルゼライドとギルベルトの二人は同類である。特に光の信奉者たるギルベルトは、ヴァルゼライドのことならば何でもわかる。

 ゆえに、連携は完璧にして完全。戦場は詰将棋の如く、ギルベルトの掌の上で進み始める。その未来視にも匹敵する予測から逃れることはできない。

 

「く――」

 

 それでも何とか持っているのは、ひとえに滅奏の恩恵が大きい。星を無効化する星の付与。

 星辰体炉心である聖杯を封じるために、冥王から借り受けた滅奏であったが、ここに来て生存の要となっている。

 このまま覚醒が続く様であれば、英雄は滅奏すらも斬り飛ばすだろう。本来アーサー王と滅奏の相性は良くない。仮初の滅奏。

 本来の力と比べれば、極小の領域でしか扱えていない。アーサー王は元来、光側の英雄なのだから。逆襲劇を使えおうとすれば、それなりに犠牲にしている部分もある。

 

 鈍ったカリスマであったり。反応速度などがその例になるだろう。

 だが、それでも、本来の仕様で戦うことにならなくてよかったというべきだろう。そんな光と光の激突を演じて見ろ。

 この特異点は砕け、人理は修復すら不可能になる。

 

「そこだ」

「――!」

「やらせねえよ!!」

 

 発動せよと指を鳴らしたが白夜の楽園の星は輝かない。

 

「これは、檻か。なるほど興味深い。星辰体を含むあらゆる外的要因を排除した結界とは」

「キャスターか」

「おう、状況はわからねえが、加勢させてもらうぜ」

「では、そちらは任せよう」

「って、おまえ喋れたのかよ!」

 

 キャスターの参戦。これにて二対二となる。

 戦闘はさらに混迷を極めていく。

 ヴァルゼライドとアーサー王。

 ギルベルトとキャスター。

 

 戦いは激化の一途をたどっていく。

 本来の英雄譚(グランドオーダー)は、いまだ。

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

「星をなくしてのステゴロとは」

 

 炎の檻の中、戦いを演じるギルベルトとキャスター。

 審判者と魔術師の戦いは、拳打による応酬へと移ろっていた。

 始めこそお、剣と杖による閃撃が演じられていたが、互いに絶技ゆえに互角。間合いの分キャスターが有利といった程度。

 ゆえに、覚醒は起こらず互いの技でもって勝敗を決さんとしていた。

 その最中互いの得物がその手を離れた瞬間に、打って出たのはギルベルトだった。

 

「これが、ヴァルゼライド閣下から学んだ拳打だ!」

 

 かつて、この場所で、同じ拳を浴びたことがある。それとまったく同じ。完璧に模倣して放って見せている。いいや、ある意味で、かつてのヴァルゼライドよりもその拳打は鋭い。

 かつてよりも時間が経っているということもあるが、何よりギルベルトの才能だった。才能とその努力に裏打ちされた拳は、たとえアダマンタイトであろうとも砕くくらいの気概がある。

 

「ぐぉお――だったら、これはスカサハより学んだ拳だ!」

 

 だが、それはキャスターも負けてはいない。

 放たれる拳打をいなし、見切り、受け止めて、反撃の蹴りと拳を見舞う。

 

「ぐ――」

 

 その最中でもギルベルトは笑っていた。

 

「ああ、この程度か。ヴァルゼライド閣下の拳はもっとすごかったぞ!」

 

 頭蓋を砕き、脳を揺らす。あるいは、骨を砕き、内臓を攪拌する。

 あの拳、あの蹴り。

 才能などありはしないのだろう。

 だが、努力に裏打ちされたあの拳は、まさしく何よりも光り輝いていた。

 

 ならばこそ、自分にもできるはずだ。

 彼ができたのならば、自分も頑張ればできる。

 そう信じている。

 

 拳が赤く染まり、血反吐を吐いても、ギルベルトとキャスターは止まらない。

 戦いは混迷を極める。

 だが、決着は近い。

 既に、聖杯戦争は決している。

 縁なき英星はこの地に留まることはできない。

 何より――。

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 激化する剣閃の檻。互いに引かずに繰り出される冗談のような剣戟の応酬に、空間自体が軋みを上げているかのようでもあった。

 その中で、両雄の覚醒は止まらない。冗談のような、かつての聖戦の如き異常事態がここに繰り広げられている。

 

 一秒以下の速度で繰り広げられる剣技。剛剣のようでありながら、柔も内包する理想の剣技。二刀が振るわれること全てに意味があり、無駄というものはどこにもありはしない。

 放たれる全てが一撃必殺。触れれば最後、両者の一撃は必ずや相手を殺す。

 手加減なし。一切の加減を捨て置いた、闘争が繰り広げられる。

 

 悲鳴を上げるアダマンタイトの剣。されど、それを極限の技量が押さえつけ、敵の攻撃を受け流す。少しでも受け流しをしくじればその瞬間に剣は砕ける。

 聖剣とアダマンタイトでは、それだけの差が存在している。本来ならば一合でも打ち合ってしまえば、その瞬間に砕けてしまう。

 

 しかし、それをヴァルゼライドは鍛え上げた技量で長引かせる。

 刀身が砕ければ即座に次の二刀を抜刀する。途切れない攻撃。互いに引くことのない星辰光の応酬。

 

「どうしても、俺を進ませる気はないようだな」

「くどい。光の英雄、貴様を通す気は毛頭ない」

「よくわかった。ならばこそ、ここで貴様を倒し世界を救おう――勝つのは俺だ!」

「ああ、ここで貴様を倒し、新たな英雄譚に期待を込める」

 

 是より先は、掛け値なしの本気だ。全力でもって互いを排除する。

 ゆえにこそ――新暦に燦然と輝く、星の輝きを見るが良い。

 

「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌く流れ星」

 

 天に輝く雷霆がここに顕現する。

 世界が終わる? ならば、英雄が戦わなくてはどうするというのだ。我らは死者。だからどうした。聖杯探索とはもとより死者による運命の闘争に他ならない。

 ならばこそ、我らが行かないでどうするというのだ。今も、民は泣いている。その涙を止めるため、輝ける明日をもたらすために。

 

 英雄は、此処に在る。

 

「巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧政を我らは認めず是正しよう

 勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる」

 

 二刀に纏った光が遍く不条理を粉砕する。

 例え天地の法則であろうともねじ伏せるという意志力を形にしたかのような光が、牙を剥く。

 天頂神の雷霆を拝し、いざ首を垂れるがいい。その先に、人類の救済があるというのならば、是非もなし果てなく征くだけだ。

 

「百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る独眼(ひとつめ)よ、我が手に炎を宿すがいい

 大地を、宇宙を、混沌を――偉大な雷火で焼き尽くさん」

 

 誰かの涙を明日の希望へと変えるために。

 英雄は止まらない。

 一度死んだ程度で、止まるならば英雄になどなっていない。先へと進む為に存在が許されたのであれば、どこまでも征く。

 世界が滅びているのならば、救って見せるとも。

 

「聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この足跡(そくせき)へと続くのだ。約束された繁栄を、新世界にて齎そう」

 

 弱き民の為に、闇を切り裂くと誓った。

 世界の滅亡などまさしく明日を覆う闇に他ならない。それを切り裂かずしてクリストファー・ヴァルゼライドはありえない。

 ゆえにこそ、

 

超新星(Metalnova)――天霆の轟く地平に、闇はなく(Gamma・ray Keraunos)

 

 銀河に燦然と輝く超新星が、爆発する。

 

 死の光彩を帯びた、剣が、闇を切り裂く。

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

「なんだ……これ……」

 

 何が起きた。

 何が起きている。

 もはや次元が違いすぎる。

 目の前で起きている戦いは本当に、同じ星辰奏者が起こしているものなのか?

 

 これが英星の本気。これが、気合いと根性を装備した全力の光の本気。

 

 新人が、敵うようなものではない。

 既に、俺とマシュは端役へと堕ちていた。

 

 だが、思うことは、

 

「すごい……」

 

 憧憬だった。

 尊敬だった。

 

 あの二人を前にして、平静でいれられる者などありはしない。英雄を志すならば見ているといい。あれこそが英雄。

 勝利者。

 必ずや、世界を救済する光にほかならない。

 

 だからこそ――。

 

「止まれ」

 

 自分がしていることがわからない。

 俺は、なぜ、クリストファー・ヴァルゼライドとギルベルト・ハーヴェスの前に立ちふさがっているのだろうか。

 

 ――彼らを行かせるわけにはいかない。

 ――なぜならば――。

 

「退けよ、先達。これは、俺の英雄譚(グランドオーダー)だ」

 

 発動体を抜き放ち、その身に光帯を身に纏う。

 

「いいえ、先輩。わたしたちの英雄譚(グランドオーダー)です」

 

 ゆえにこいつらをここで倒す。

 

 ――そうだ。この特異点を修正するには、全ての敵を倒す必要がある。

 ――すべて、敵側、人理を破壊した側に召喚された英星を倒し、聖杯を手に入れろ。

 

 その果てに、人理救済の光は在るのだから。

 

 空間特異点における最後の聖戦が始まろうとしていた――。

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 それを、そんな特異点の光景を一人の男が観測していた。

 マリスビリー・アニムスフィア。人理継続保障機関カルデアの所長にして、天体科の君主である男。

 

「ふふ」

 

 彼は、今現在の状況を予測して笑っていた。観測情報はすべて文字と数字の配列だ。映像はない。かつて旧暦にカルデアが存在していれば、映像として得ることができたかもしれないが、今ではこのありさまだ。

 世界の在りようが変化したために、不便にもなってはいるが――マリスビリーには関係なかった。

 

 リアルタイムで吐き出される情報を己の眼で精査し、状況を把握する。

 カルデアは現在、非常事態に陥っている。そのため、彼をとがめる者はいない。表向き、莫大な対策と現状把握の資料を見るために執務室にこもっているという建前で彼は、特異点の様子を見ていた。

 誰に見ることができないそれを。

 

「滅奏を持ち出され、こちらの手綱を引きちぎった時は驚いた。反転という通常状態とは異なる状態で呼んだことを利用して無理矢理通路(チャンネル)をこじ開けるとは。おそらくは聖杯と光の英雄対策だったのだろうが、滅奏を彼らに経験させることができた点は良い誤算だった。

 私は審判者(ラダマンテュス)と違って、そこまで綿密に計算などできないからね。しかし、これもまた予定通り。

 光と光の接触による更なる光への成長。さあ、見せてくれ、我が愛しい英雄(リツカ)。君は、きっと正しく英雄になれるとも」

 

 男は闇の中で次なる一手を放つ。

 特異点は、七つ。

 全ては、かつて見た極点の流星雨の中で輝いた偉大な星を掲げるため。

 

 君主は一人、玉座に座す。

 英雄がたどり着く、その時を待ちながら。

 




ちょっと誤解があったっぽいんで、言っておくと天墜せよは、オルタ・アヴェンジャー系列の詠唱ってだけで別段能力まで全部が冥王がらみの滅奏になるわけではありません。
今回はアーサー王による例外があったために滅奏が付与されているだけという特例状態です。
滅奏を早々安売りはしませんので、ご安心を。

そして、英雄どもを書いていると思うのだが、主人公が消える。
主人公ってこいつらだっけ? って思ってしまうほどに濃ゆい。
ギルベルトきもい。

今回、使えなかったギルベルトの台詞一覧
「ああ、素晴らしい。私と閣下が、ひとつに、極晃星となっている!」

「ふふ、我が愛しの英雄ヴァルゼライド閣下と、君の愛しい英雄、どちらが強いのか。もちろん、ヴァルゼライド閣下に決まっているがね」

「さあ、共に愛しの英雄を応援しようじゃないか」

「君は彼のことを信じていないのかね? 私は信じている。
 ヴァルゼライド閣下ほど優れた方はいないと心底信じているよ。
 なぜならば、彼こそ私の光なのだから」

ホモホモしいわ、いい加減にしろこの光の奴隷がァああ。書いてると頭の中で閣下への愛を囁きだすのやめろおおおおお。
なお、どれかは次回使うかもしれない……はぁ……

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