色々規格外な提督と元ブラック鎮守府   作:薪音

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紅音の生物スキル

 サーモン海域へ向かう途中の海上にて。

 

紅音(1人で行く予定だったんだがな…)

天龍「あと何時間で目的地なんだ?」

紅音「このまま行けば2時間しない位だな」

 

 それは昨日、紅音が「流石に提督になった以上黙って行くわけには行かないだろう」と言うことで食堂で明日ショートランドへ向かう事を伝えると、数名の艦娘が同行すると行ったため最初は断っていた紅音だったが最終的に折れて現在、不知火、天龍、木曽、長門となぜか青葉の5人が同行していた。

 

青葉(誰も提督が海上を走ってる事につっこまないんでしょうか?)

木曽「お前どうやって海上を走ってるんだ?」

青葉(ナイスです木曽さん!)

紅音「俺に言ってるのか?」

木曽「走ってるのはお前以外にいないだろ」

紅音「確かにそうだな」

木曽「それでどうやって走ってるんだ?」

紅音「簡単な話だ、秒速約30m近くで走れば理論上それで走れる」

青葉「簡単に言ってますけど人間技じゃないですよそれ…」

紅音「紅音人間辞めるってよ」

天龍「人間やめたら信用してやるよ」

紅音「え?マジで言ってる?」

木曽「そうだな、不知火と青葉はある程度信用したらしいが、俺含めた3人はまだ信用したわけじゃない」

紅音「じゃあなんで来たんだ…」

木曽「お前の戦い方を見たかったんでな」

紅音「そうか」

木曽「まあ、人間辞めない限り信用はせんよ」

紅音(これは遠まわしにお前の事は信用しないと言っているのか)

紅音「ふむ、しかしそんな事だったら早く言ってもらいたかったな…」

木曽「なに?」

紅音「人間辞めればいいんだろ?」

木曽「本気で言ってるのか?」

紅音「天龍と木曽2人共さっきの言葉忘れるなよ?」

紅音(少し痛いからあまりやりたくないのだが、これで信用されるなら安いものだ)

紅音(『獣柔な姿勢』+『轆轤首』+『喉が殻々』+『無垢な牙』+『同異角』+『目から鱗が出落ち』+『一心胴体』+『一将功成りて万骨萌える』+『蛸は身を食う』+『朽ち橋を叩いて渡れ』+『腹幌鰭腫』+『舌火になる』)

 

「ゴキゴキメキゴキゴキゴキメキメキ」

 

 紅音はそんな音を出しながら徐々に形が人間のそれとは変わっていく。巨大になっていくにつて体を青い鱗が覆い、牙がはえ、角がはえ、体が蛇の様になり数分後そこには

 

紅音?「人間ヲ辞メタト思ウガ?」

艦娘達「なっ…」

 

まるでウガリット神話に出てくるリヴァイアサンの様な姿に変わっていた。しかし艦娘達は目の前でおこった事についての頭の整理追いつかずにいた。

 

紅音?「ドウシタ?」

木曽「だ、誰だ?」

紅音?「失礼ダナ、俺ダ紅音ダ」

天龍「そんなわけあるか!」

紅音「ハァ」ヒョイ

天龍「なっ!?」

 

 紅音は口先で天龍の襟を器用に咥えると頭を上に振り、そのまま投げて頭に乗せる。

 

紅音「疑ウナラショートランドニ連レテ行ケバイイダロウ?オ前ラモ乗れ」

 

 そう言いながら紅音は顔を半分海水に入れる。しかしそれでも艦娘の身長より大きい。

 

長門「乗れと言われても手を伸ばしても届かないぞ…」

紅音「仕方ナイ」

 

 紅音はヒゲの様な物を長門と木曽に巻きつけ頭の上に乗せる。そして最後に不知火と青葉を乗せる。

 

紅音(『防衛爪』)

『防衛爪』結界を張るスキル

紅音「行クゾ」

 

 紅音はそう言うと水中に潜る。長門達の乗っている所には結界を張ったため水が入ることはない。

 

長門「この姿のままで行って大丈夫なのか?」

紅音「ショートランド泊地ノ艦娘ハコノ姿ヲ見タコトアルカラ問題ナイ」

長門「ならいいんだ」

 

 その時少し先にカ級とヨ級の部隊がある事に気づく。

 

木曽「どうするんだ?」

紅音「耳フサイデロ」

 

 長門達が耳をふさぐと

 

紅音「ゴアァァァァァ!!!!!」

 

紅音は耳をつんざく雄叫びを上げ、口を開けたまま潜水艦の部隊に一直線で向かい、そして

 

カ級&ヨ級「!?」

紅音「…」バクン

 

口を閉じてカ級とヨ級を一口で食べる。

 

艦娘達「…」

紅音「木曽、天龍コレデ信用スルノダロウ?」

天龍「まああれだ…人間じゃないと分かったからなうんそうだな」

木曽「そ、そうだな」

紅音「フム、モウソロソロデショートランド泊地ダ」

青葉「早くないですか?」

紅音「さっきより速いからな」

 

 そして紅音は浮上する。

 

「ザバァァァァン」

紅音「コレハコッ酷クヤラレテルナ」

 

 まだ1km近くあるが泊地がボロボロなのは分かる。

 

紅音「…」キョロキョロ

不知火「どうかしたんですか?」

紅音「敵ガイナイカノ確認ダ…ドウヤライナイヨウダナ」

長門「む?泊地の生存艦娘がこっちに気づいたようだぞ」

紅音「ソレデハ泊地ニ行クカ」

 

 紅音が少し動いただけで泊地に到着した。

 

紅音(『人間』)

 

 紅音は元の形に戻る。

 

紅音「ふぅ、到着っと」

木曽「お前の本当の姿はどっちなんだ…?」

紅音「この世には知らない方がいい事があるんですよ?」

木曽「分かった…」

?「久しぶりだね紅音」

紅音「久しぶり、ヴェールヌイ」(以下響)

響「紅音が艦娘を連れてくるなんて珍しいね」

紅音「半分勝手について来た様なものだ」

響「?」

紅音「残ってる艦娘は響だけか?」

響「そうだね。まともに動けるのは私だけだよ」

紅音「本営の命令で増援に来たのは俺たちだけじゃないだろ?」

響「紅音以外は来る途中で例のレ級に阻まれてこれてないんだ」

紅音「そうか…」

響「ついて来て。司令官が待ってるよ」

紅音「生きてたのか」

響「無傷ではないけどね」

 

 響についていき、建物内に入ると

 

紅音(鉄の臭いが充満してるな)

響「5人はここに残った方いいと思うよ」

長門「血ぐらい見慣れているぞ」

響「ついてくるかは君たちの自由だけどね」

 

 そして角を曲がると

 

紅音「バケツはどうした?」

響「残り1つだけさ、最初に高速修復材が保管されている倉庫が攻撃されてね」

紅音「その1つを薄めて点滴として使っているのか」

響「そうだよ。だから実質0だね」

 

 そこには医務室だけではたりず、廊下にまで出ている怪我をしている艦娘達の姿だった。ほとんどが目に包帯をしており片手または片足がない状態だった。所々からはうめき声に似た声を発しているものや介錯を求めるものさえいた。

 

紅音「レ級の大体の場所は割れてるのか?」

響「一応候補は3箇所までしぼられてるね」

 

 そんな中を2人は顔色1つ変えず通っていく。しかし5人は青ざめており口を手で覆っている。

 

響「そろそろ執務室だよ」

紅音「そうか」

 

 そして執務室の前につく。響が3回ノックすると中から「どうぞ」という声が聞こえ、響が扉を開ける。

 

?「おひさ」

紅音「久しぶりアーニャ」

アーニャ「何時までそのあだ名なんですか」

紅音「にちも言ってるじゃないか」

アーニャ「そのあだ名だと勘違いされるんですよ。私純日本人なんですよ?」

紅音「昔お主が少し厨二病だったときに言ってた名前じゃん」

アーニャ「昔の黒歴史を掘り起こさないでほしいんですけど!?」

紅音「なんだっけ?アーニャ・ブr「ストップ!」

アーニャ「本題に入ろう」

紅音「ういっす」

アーニャ「話聞いてると思うけど一応3箇所までしぼりました」

響「地図だよ」

 

 そう言って響は地図を持ってくる。

 

アーニャ「この泊地からガダルカナル島までの間にいくつか島があるでしょ?」

紅音「そうだな」

アーニャ「まずこの1番大きい島は除いて、ちょうどその隣にいくつかの島が集まってる所があってそこのこの大きい島と中位の島に挟まれる形で1つの島が候補の1つ」

紅音「他の2箇所は?」

アーニャ「そっちは他の2つの基地の管轄の付近だからいけないんだよね」

紅音「こんな時まで管轄気にしてんのか…」

アーニャ「まぁ、仕方ないよ」

紅音「俺について来た5人はここの護衛につかせる。俺が戦う時に邪魔だからな」

アーニャ「それは助かるよ。動けるのが響1人だけだったからね」

紅音「よく響だけでもったな」

アーニャ「2日前までは動ける艦娘はまだ半分近く居たからね」

紅音「夜襲にでもあったか」

アーニャ「よくわかったね」

紅音「それぐらいしか考えられないだろう」

アーニャ「あれは冗談抜きで死を覚悟したよ」

紅音「…そうか」

アーニャ「あとなにか聞きたい事ある?」

紅音「艦装が2つ生えてると聞いたがほんとか?」

アーニャ「ホントだよ、性能は2倍どころじゃないけどね」

紅音「それは楽しみだ」

アーニャ「あいかわらずだねぇ」

紅音「じゃあもう行くわ」

アーニャ「遊び過ぎないようにね」

 

 それを聞くと紅音は執務室を出る。そして来た道を戻る。

 

紅音「お前らなんでグロ耐性ないのに来たんだ?予想はしてただろう?」

 

 紅音は建物の外にいた5人にそういう

 

長門「予想はしてたがまさかあんなにだとは思わなかったんだ…」

紅音「お前らは泊地の防衛をしていてくれ」

木曽「ことw「は?」」ビクッ

紅音「はっきり言うがお前らに来られたら足手まといなんだよ。それにあの位で気分が悪くなる様な奴なんて論外だ。どうしても来たいなら構わないが命の保証はしないし俺はお前らを守らない」

5人「…」

紅音「ここの提督に聞けば場所は聞けるんじゃないか?自殺願望があるならこればいい。俺はもう行く」

 

 紅音は5人の間を通るときに1度止まり

 

紅音「あっ執務室行くのにはあそこ通るしかないから」

 

そう言い終わると海域に出撃する。




新城 瑠夏(あらぎ るか)23歳 少将 女 ショートランド泊地の提督 あだ名はアーニャ
ノーメイクでも美人と評判 フレームが赤色の眼鏡をしている 体格:細身 身長:168cm 髪&目:ちょい茶色 黒色
にちや紅音と違いこれと言って突出した才能は無いが超努力家。艦娘からの信頼もかなり厚い。レ級の夜襲により左目がほぼ失明する。

 5人にきつく言ったのは紅音なりの優しさなのかもしれない…。




 最近大判焼きが食べたい作者です。

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