色々規格外な提督と元ブラック鎮守府   作:薪音

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波乱の予感

 1日経った鎮守府の執務室にて。

 

紅音「ごきげんよう2人とも」

 

 現在執務室には紅音、蒼音と今入ってきた時雨、夕立の4人と色々と忙しい明石が居る。

 

明石「時雨さん、夕立さんの2人が来たので今回の決闘のルール説明を始めます」

時雨「その前に1ついいかな?」

明石「なんでしょうか?」

時雨「明石さんは提督側なのか艦娘側。どっちかについてるの?」

明石「えーとですね。私は公平を期すための審判的立ち位置です。そのためどちらも平等に扱います。それ以外に何か質問はありますか? ......無い様なのでルール説明を開始します」バインダーに視線移し

明石「まず今回の決闘は2対2で行います。武器の使用は鈍器、銃器他ありとあらゆる武器の使用を認めます。時雨さん夕立さんチームは、相手2人の息の根を止めれば勝ちとします。紅音チームは相手を降参させれば勝ちです。しかしこの時に息の根を止める事も認めますが、明らかに故意で息の根を止める行為はダメです」

時雨「質問」

明石「どうぞ」

時雨「最後のルールはこっちにも適用されるのかな?」

明石「いえ。時雨さんチームは全力で息の根を止めにかかってください」

時雨「もう1つ」

明石「なんですか?」

時雨「武器はありとあらゆる武器の使用を許可すると言ったけど、極端な話。核とか生物兵器。毒ガスとかでもいいの?」

明石「いいですよ。その人が武器と思っているのならば豆腐やはんぺん、六法全書。なんでもいいですよ」

時雨「分かったよ。ありがとう」

明石「時間は無制限とします。そして途中で私から〈サプライズ〉があります」

紅音「サプライズとな?」

明石「サプライズです」

紅音「ふむ」

明石「ルールは以上ですね」

夕立「思ったより少ないっぽい」

明石「シンプル・イズ・ベスト」

明石「決闘は明後日ですので各自練習やら何やらしてください。それでは私はコロシアム制作がありますのでこれで」

紅音「色々すまないな」

明石「本当です......」ドアノブに手をかけ

「ガチャ......バタン......」

時雨「それじゃ僕達もこれで」

紅音「おう」

 

 3人が執務室を出、残るは紅音と蒼音のみとなった。

 

紅音「どれ久しぶりに稽古するか! 昨日は事故みたいなもんだったしな」椅子立ち上がり

蒼音「うん......」壁から離れ

紅音「明石あたり地下借りるか。地上だと思う存分力出せないしな」

蒼音「......!」

 

 

 

 

 場所は移動して工廠の地下にある、採掘場を模様した空間

 

紅音「悪いな。まだ武器来てないからこれだけなんだ」ケース持ち

蒼音「大......丈夫......」

紅音「瞬着!」拳突き立て

蒼音「......」

 

 紅音の肉体に暴風が身にまとわれ、蒼音の右腕には刀、そして左腕には機関砲★Rock Cannonが現れる。

 

紅音「覚悟完了! 行くぞ!」

蒼音「!」

 

 足裏と背中にある噴出孔を使い驚異的な加速力で蒼音との間合いを詰めようとするが、機関砲から次々に青白い砲弾が放たれる。

 

紅音「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

 

 しかし次々と放たれる砲弾を、拳のラッシュで粉砕しながら突き進む。

 

紅音「チェストォォォォォ!」

「ドゴォォォン!

 

 片足を天高く上げ強烈なかかと落としを入れる。しかし蒼音は刀を盾にしてそれを防ぐも、かかと落としの威力は蒼音を通し、地面にクレーターを作り上げる。

 

「ギリギリ」

 

 暴風と刀が削り合う音が鳴る。

 

蒼音「ッ!」

 

 先に後ろに飛び抜き動き、かかと落としを空振りした紅音へ迫り喉元に神速の突きを放つ。

 

紅音「カァッ!?」

 

 直撃した紅音は後方へ吹き飛ぶ。それに追い打ちを掛けるため低い姿勢で間合いを詰める。

 

紅音「ゴホッゴホッ」

蒼音「......」ザッ

 

 いつの間にか大剣に変わった剣が、喉を抑えながら倒れている紅音へ振り落とされる。

 

紅音「クソッ!」

 

 咄嗟に前に飛び一命を取り留める。しかし

 

蒼音「......」

 

追撃の手を緩めない蒼音は紅音の上空から次々と砲弾を放つ。

 

紅音(まずい!)

 

 それを何とか横にローリングしながら紙一重で回避していく。

 

紅音「強いなぁもう!」

 

 紅音はあえて砲弾に直撃する事で吹き飛び、回転して体勢を立て直して着地する。

 

紅音(素の実力はほぼ同等。武器が充実してるぶん蒼が少し有利か)

「ドゴォン!」

紅音「グッ!」

 

 紅音に腹部に砲弾を直撃し、地面を数度バウンドし、転がる。

 

紅音「まいったねぇこれは」

 

 眼前に迫る無数の砲弾。

 

「ドォン! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン!」

 

 その無数の砲弾が紅音へ次々と命中していく。

 

紅音「グ......ゥ......」

 

 膝から崩れるが、何とか倒れず膝立ちの状態になり息が徐々に荒くなって行く。

 

紅音「ハァハァハァハァ............フゥ。いやー強くなったな蒼」

蒼音「所詮......稽古......」地面に着地

紅音「いやいや強くなったぞ」

蒼音「でも......お兄......全然......実力......出して......ない」

紅音「出したくても武器今は暴風しか無いしなぁ」

蒼音「刀......わ......?」

紅音「刀か? 神通にあげた」

蒼音「え?」

紅音「え?」

蒼音「......そう」

紅音「? 取り敢えず地上に戻ろう。俺はこの後やりたい事あるからさ」

蒼音「うん......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わって大本営の工廠。

 

金剛「失礼するデース!」

?「金剛さんですか。どうしたんですか?」

金剛「提督からメッセージデース」

?「?」

金剛「『佐世保の明石が会いたがってるらしいから佐世保に行って来ていいよ』だそうデース」

?「そうですね......会いに行きましょうかね」

金剛「それじゃあ私は戻りマース」

?「あっありがとうございました」

 

 工廠から金剛が出て行くとその人物だけとなる。

 

?「さてっと。行くと決まった以上準備しますか」

 

 後ろで束ねた緑色の髪を揺らし、工廠の奥へと消えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 

 場所は戻って佐世保鎮守府。その遥か上空。

 

漣「うおー! 凄いですねご主人様!」

紅音「ソウカ?」

 

 黒色の神々しい巨大なドラゴンの姿になっている、紅音の頭に座っている2人の艦娘。

 

望月「想像以上にたけー」

紅音「マァ成層圏ダカラナ。落チタラ死ヌゾ」

漣「原型とどめてなさそうですね」

紅音「オッシ。ンジャ行クゾ」

 

 紅音はその巨体を宙返りさせると、下へと一直線で降下していく。

 

漣「キタコレェェェェェェェェ!!!」

望月「」チーン

 

 漣は手を上げて楽しんでいるが望月は半分気絶している。紅音がやっているのはジェットコースターもどきである。

 

漣「いやー楽しかったですご主人様!」

望月「」チーン

紅音「望月ハソウデハナカッタヨウダガ......」

 

 地上に迫った所で紅音は急停止し、その場でヘリのホバリングの様にとどまる。

 その後、望月の意識が戻ると今度は空の散歩をしたと言う。




 紅音は負けたわけでは無いです。そして最後、漣と望月はなんともないのはスキルのおかげです。
 次は決闘回です。結構荒れる予定です。

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