大本営艦娘達と紅音及び艦娘が暴れている中、佐世保の艦娘達も長門を中心に奮闘していた。
長門「ッ砲弾が無くなったか」
しかし艦装を使い攻撃している佐世保艦娘達の砲弾はつきかけていた。本来は砲弾がつきれば見てるぐらいしか出来ないはずだが
不知火「問題ありません。砲弾が無くなるのは分かっていた事です。その時の用意はしてきてますから」
神通「私も昨日頂いた刀があるので、それで戦いを続行します」
不知火は胸のシースからファイティングナイフを取り出す。このナイフは明石制作でFGEIと言われる持ち方以外なら全てに対応している。神通は昨日、紅音からさずかった刀で居合の型になる。
長門「私もどれほど筋肉が付いたのか気になるのでな。今からは殴りに行こう」
木曽「フッ面白い。俺たちも刀で行くか」
天龍「たくっ......仕方ねえなぁ」
長門、木曽、天龍も接近戦の用意を完了させる。
不知火「......」
不知火は手始めにホ級との間合いを詰め、まず左の前腕でホ級の首を圧迫し、ナイフを心臓に突き刺し腹部に前蹴りを放ち、ナイフを抜き一瞬手を離して、そして左手でナイフを逆手持ちで回収しそのまま回転してホ級の喉を斬る。
不知火「中々の切れ味ですね」
不知火(しかし司令や川内さん達は凄いですね。司令は普段ゲームばかりしてますが、たまに老兵の様な歴戦の軍人の様な風格を出しますし、何よりあらゆる重火器の扱いは一流、そして体術や拳法といった物も全て達人のそれです。いくら特殊作戦群に所属していたとしてもあれ程になるのでしょうか? 川内さん達もそうです。深海棲艦は既に現れて10年以上経っていますが、私たち艦娘は現れてまだ10年も経っていません。たった数年であれほどになるのでしょうか? まるで司令たちは何10年......何100年も戦場で戦っている気がして仕方ありません......これは気のせいなんでしょうか?)
不知火がそんな事を考えている時だった
不知火「!?」
急に吹いた強風により、前にバランスを崩す。なんとか体勢を立て直して後ろを振り向く。
神通「!!?」
神通はル級を居合で斬ろうとしたらしい。確かにル級を一刀両断されているが問題はその周りだ
長門「ど、どういう事だ......?」
斬られたのはル級だけでは無く、そのル級の横に居た深海棲艦とその後ろの深海棲艦が『全て』斬られているのだ。
佐世保艦娘達がなにが起こったか理解出来ていな中、その刀の元保有者が何処からともなく姿を現す。
紅音「すまない神通」肩つかみ
神通「は、はい?!」ビクッ
紅音「その刀はだな......そのだな」頬掻き
神通「?」
紅音「全力で振るとだな、地球程度なら容易く斬れるんだ」
神通「はい?」
紅音「その刀には幾つかスキルを付与しててだな。そのスキルは渡すときに外したんだが、その中の効果で『斬れば斬る程切れ味が上がる』と『血をあびる程切れ味が上がる』的な効果のスキルがあってだな......」
神通「?」
紅音「その効果で上がった切れ味はスキル解除しても上がったままの事忘れてました」
神通「どういう事でしょう?」
紅音「全力で振っちゃダメって事です」
神通「」
紅音「すまない。俺の説明不足だ」
神通「い、いえ大丈夫です」
紅音「そう言って貰えると助かる」
紅音はそう言うと噴出孔を使い移動する。
不知火「......?」ピッ
不知火の目の下に何かが当たり、親指でそれを拭き取ると。
不知火(血......?)
不知火は上を向く、しかし上には紅音が通っていった事以外変わったものはない。その紅音も残りの深海棲艦を倒すため、既に遠くに行ってしまったが。
紅音視点。場所は海面に出ている岩の影。
紅音「しくったな......」
右手で左肩を抑える様にすると、先ほどまであった左腕が風に吹かれた砂の様に消滅する。紅音は左腕を犠牲にして刀の威力を殺したのだ。しかしそこからは絶えず血が出続けている。既に出血多量で死んでいてもおかしくない量の血が出ている。
紅音「ッゥ!」
紅音の顔に青筋が現れる。その時
「グシャァ」
不気味な音を立てて左腕が再生する。
紅音「......」
スキルの中には幾つか紅音の意思に反し『自動』で発動するものと『常』に発動しているものがある。
驚異的な回復力のスキル『全治死』リカバリミンチ
これが今、『自動』で発動したスキル。『自動』で発動するスキルと『常』に発動しているスキルはもはや1種の呪いと言ってもいいだろう。
紅音「鎧解除」
先の一撃でボロボロになった暴風をケースに戻す。そしてこのケースは一応ケースとしても使えるため紅音はケースを開けて1つのボトルを手にてる。透明なボトルのラベルにはこう書かれている。
〈リタリン 錠剤)
リタリンとは合法覚せい剤とも言われている物だ。紅音はそれの蓋を開けると水を飲むかの様に一気に口に含む。
「ボリボリ」
リタリンを大量に摂取すると副作用で幻覚が見える。紅音は岩に寄りかかり、そのまま海面に座るかの様にする。
紅音「......」ボー
しばらく空を見上げていた紅音だがすぐに周りの景色が変わる。
紅音の周りの風景は海面から執務室の様な場所に変わる。しかしそこは大本営の自室でもなければ佐世保鎮守府の執務室でもない。
響(ヴェールヌイ)「どうしたんだい? ボーっとなんかして」
紅音「......響か」
響「? 今日の司令官は少しおかしいね」
紅音「少し......な。......響」
響「なんだい?」
紅音「ここは大本営ではないな......?」
響「本当にどうしたんだい? 熱でもあるんじゃないかい?」
紅音「答えてくれ」
響「? ここは
『ショートランド泊地』だよ」
幻覚について調べると『過去の思いで』や『過去の嫌な事』を見る場合もあると書いてあるサイトがあったので。紅音の過去が明かされますが章をわける程長くないので明かされるのは極極一部です。