予言
有給が終わり三日後。場所は鎮守府のグラウンド。天気は雲一つない晴天。
紅音はいつも通りゲームをしてる...訳ではなく。
紅音「......」
鎮守府の敷地内に生えている木の下で昼寝をしていた。
紅音「......1人での昼寝は寂しいものだ」
紅音「大本営に居た頃は球磨と加古の3人で良く昼寝をしていたんだがな」
あくびをしながら立ち上がり、工廠の方へ向かう。
紅音「それよりも...ちとマズイなぁ」スマホ取り出し
紅音「......にちか」
成城『どうした先生?』
紅音「緊急事態だ。明日...時間は10時頃に深海棲艦の大規模侵攻が始まる」
成城『規模は?』
紅音「日本全土を全て囲む位だ」
成城『佐世保から何人出せる?』
紅音「俺を含んでも9人...10人が限界だな。精神的に。後は明石の兵士も出動させる」
成城『分かった。すぐに元帥に連絡する。そっちにはこっちから数人増援で送る』
紅音「了解。それじゃ」ピッ
紅音のスキルの1つ真実八百。それは予言のスキル。紅音の場合は夢で数時間後〜3日後までに起こる、災害規模の事を夢の中で紙芝居の様に見る事が出来る。
紅音「明石! 明石は居るか!!」
明石「どうしたんですか? そんなに声を荒らげて」
紅音「緊急事態だ。『鎧』は使えるか?」
明石「え、ええ。いつでも使えますけど。どうしたんですか?」
紅音「明日の10時頃に深海棲艦の大規模侵攻が始まる。明石の兵も出せるだけ出してくれ」
明石「わ、分かりました!」(とうとう密かに開発していたあれが使える!)
紅音「川内!」
川内「どうしたの? そんな大声出して」シュタッ
紅音「訳は後で話す。長門、木曽、天龍、不知火、神通。後は海風と利根、比叡を執務室に集めてくれ」
川内「OK」サッ
明石「『鎧』持ってきましたよ」
筋肉の鎧をまとったアッカーが、重そうに黒革で出来た手持ちタイプのトランクケースを持ってくる。
「ドォォォォン...!」
地面に置かれたケースはコンクリートの地面に少し亀裂入れる。
紅音「すまないな」
紅音はそれを軽々と持ち上げ、工廠を後にする。
大本営はかなり慌ただしくなっていた。
そんな中、1つの部屋は他の部屋等と違い全く緊張感がない部屋がある。その部屋は作戦会議室と書かれてある。
成城「全員来たか?」
?「第一艦隊は全員来たクマ」
?「第二艦隊も全員来たかも!」
?「ふわぁ〜〜。んぁ? あぁ、第三艦隊も全員来てるよぉ〜」
?「第四艦隊がいっちば〜んに来たんだから!」
日向「第01特殊作戦群。隊長と紅音以外は全員は集合済みだ」
龍田「隊長から言伝があるわ〜。『話は聞いていますので進めていいですよ』だそうよ〜」
成城「そうか。では話を進める前にまずは紹介する方達が居る。入ってきてください」
成城がそう言うと出入り口から緑のアーマーに身を包んだ兵士が20名程入ってくる。10人10人で2列に並んだ兵士達の中から隊長と思われる人物が出てくる。
隊長「第02特殊作戦群及び第03特殊作戦群。一時的に海軍の指揮下に入ります」
龍田「あら〜、懐かしい人たちね〜」
隊長「お、お久しぶりです」
第02〜第03特殊作戦群は第01程ではないが人外の巣窟と言われている部隊だ。しかし01は1人1人が一騎当千と言われる部隊だが、02〜03の一般兵士の戦闘力はイ級1体を倒せる位しかない。隊長クラスでもホ級をギリギリ倒せる程しかない。
?「戦力になるクマ?」
成城「居ないよりはマシだと考えてくれ」
?「分かったクマ」
?「古鷹から聞くからさ。それじゃダメ?」
成城「ダメ」
?「りょ〜かい」
隊長(これが最強とうたわれる大本営の艦娘達なのか?)
成城「それでは本題に入る」
場所は変わり佐世保鎮守府。
紅音「と言う事なんすね」
川内「久しぶりに夜戦が出来る〜!」
利根「腕が鳴るのぉ」
紅音「俺は明日の朝、すぐに出る」
海風「分かりました」
比叡「作戦は〜?」
紅音「見敵必殺」
比叡「作戦じゃない...」
紅音「じゃあ解散! 明日死ぬかもしれんぞ! 悔いのない様に過ごせよ」
木曽「お前は死なないだろうがな」
紅音「そうとも限らんぞ?」
不知火「それはどういう...」
紅音「解散だ! 解散!」
そう言うと執務室から続々と艦娘達が出て行く。
紅音「あぁ、神通」
神通「なんでしょうか?」
紅音「これやるよ」ポイッ
神通「え、あの。これは?」
紅音「俺の愛刀だ。刀は使えるだろう?」
神通「使えますが...」
紅音「ならやるよ。俺にはもう使えん」
神通「もう?」
紅音「解散だ解散」
神通「し、失礼しました」ペコッ
神通は頭を下げて執務室から出て行く。
紅音「......なにも俺は無敗と言う訳じゃないんだがな」
紅音「さてと増援は誰が来るかな」
紅音はケースを取ると執務室を後にする。
工廠の地下にて。
明石「妖精さん。テストの方どうですか?」
妖精A「この調子だと明日には使えるよ」
工廠の地下に広がる広大な空間。そこでは明石と20人以上の妖精達が忙しなく働いている。
「ズゥン...ズゥン...ズゥン...」
そしてその広大な空間に居る1体の巨大な人型の何かを、明石は見上げて確認する。
まず平和なひと時の続きを待っていた方、申し訳ごさいませんでした。それでは理由を説明します。
「ブラック鎮守府の艦娘達とほのぼの(戦闘あり)生活を目指す」とあらすじにあるのに、ブラック鎮守府の艦娘が1人も出てこない紅音の休日を本編の1部としていいものかと思ったためです。そしてこの日あたりから平和なひと時2話の執筆速度が格段に遅くなり、「このままでは投稿は今年の終わりになってしまう」と思い始め、平和なひと時を「番外編」とする事にしました。しかし平和なひと時の続きを投稿しない訳ではありません。番外編として投稿していきます。
最後にもう一度。平和なひと時の続きを楽しみにしていた方、大変申し訳ございませんでした。