フランディの町が壊滅した2日後ルータムはサーゼクスの屋敷に寝かされていた
「ここは?グッ!!」
ルータムは起き上がり辺りを見ようとしたが体中から痛みがして起き上がれなかった
「目が覚めましたか」
「あ、グレイフィアさん。そうだ!!ヴァーリは?インとヨウは?それに他の一族の皆はどうなりましたか!!?」
「落ち着きたまえルータム君」
「サーゼクス兄さん・・・」
ルータムが興奮したままグレイフィアに問い詰めているとサーゼクスが入って来た
「私が説明しよう。まずフランディの町が襲われたのは2日前だ」
「俺は2日も眠っていたのか・・・それでヴァーリ達は?」
「ヴァーリ君達3人はアザゼルが保護したよ。2日前に連絡が来て今はグリゴリにいるよ」
「良かったヴァーリ達は無事か・・・」
サーゼクスからヴァーリ達の安否を聞きルータムはホッとした
「そして一族の皆だが・・・君達4人以外全員の死亡が確認された」
「え?サーゼクス兄さん冗談きついよ?嘘だよね?皆死んだって・・・」
「嘘ではない受け入れるんだルータム君。君達の一族は君達4人以外全員死んだんだ」
「あ、あああ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
サーゼクスの言葉を聞きルータムは耐え切れず涙を流した
「グレイフィア、暫くルータム君を1人にしてあげよう。心の整理が必要だからね」
「・・・はい」
サーゼクスとグレイフィアは静かにルータムのいる部屋から出た
数十分して落ち着いたルータムは痛む体に鞭打ち屋敷を出て近くの森を歩いていた
(俺は守れなかった・・・父さんも母さんもハウ婆も一族の皆。何が次期当主だ、俺は誰も守れない無力な奴だ、いっそのこと楽になれば父さん達の所にいけるかな・・・)
ルータムはどんどんとマイナス思考になっていき、右手で空間を作りだしそこから銃を出した
(もう疲れた・・・)
ルータムが銃を頭に当て引き金を引こうとした所に制止の声が聞こえた
「ちょっと貴方何しているの!?馬鹿な真似はよしなさい!!」
ルータムが銃を頭に当てたまま振り返ると、サーゼクスと同じ紅髪の少女がいた
「・・・お前には関係ないだろ?ほっといてくれ」
「嫌よ目の前で死のうとするヒトをほっておけないわ」
「俺はもう生きる意味がないんだ。結局何も守れなかった。俺には何も残ってない」
ルータムは再び引き金を引こうとしたが、紅髪の少女に腕を引かれ銃を落としてしまった
「貴方に起きた事はお兄様から聞いたわ。貴方何も残ってないですって?ちゃんとお兄様の言葉を思い出しなさい!!貴方に残されたものを!!!」
「俺に残されたもの・・・」
紅髪の少女の言葉でサーゼクスの言葉を思い出した。『ヴァーリ君達3人はアザゼルが保護したよ』と言う言葉を
「そうだまだヴァーリ、イン、ヨウは生きている。俺が死んだらあいつ等が悲しむ。ありがとうな。おかげで目が覚めた」
「そうならいいわ」
「そう言えばお前の名は?」
「あら、ヒトに名前を尋ねる時は自分からするものじゃなくって?」
「そうだな。俺はルータム。フランディ家次期当主いや、フランディ家当主のルータム・フランディだ」
「私はグレモリー家次期当主のリアス・グレモリーよ。命の恩人の名前をしっかり憶えておきなさい」そう言い笑顔のリアスの顔をルータムは見惚れていた。
後に二人は婚約者となり冥界随一の夫婦となる事はこの時は知らなかった