「リアスは返してもらうぞ」
そう力強く言った時にほんの少し覇王色の覇気が漏れ、数人が気絶した。
「気合い入ってるなルータムの奴。そのせいで覇王色の覇気が少し漏れたが」
「仕方ないわよリクオ。ルータムの婚約者が別の相手と結婚させられそうになってるのだから」
リクオ(夜バージョン)が言うと、チェルシーが答えた。
「ええい!お前達やれ!!」
衛兵がやられライザーは眷属達にルータム達を排除するように命じた。
「ストップだライザー君」
ライザーを止めたのはリアスの兄で魔王のサーゼクスだった。
「ライザー君。一つ余興をしようと思うのだが、そこのルータム君と戦って欲しい」
「何故私がこのような者と・・・」
「彼もリアスの婚約者だからだよ。君が勝てば式を続けよう」
「分かりました。このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」
「君もいいかなルータム君?」
「はい。感謝しますサーゼクス様」
ルータムとライザーは急遽作られた空間で対峙した。
「ふん。貴様の様な雑魚に無駄な時間は取らん。直ぐ終わらせる」
そう言ってライザーは大きな火球をルータムに幾つも投げた。対するルータムは右手を前に出して空間を歪ませ、その中に火球を吸収した。
「貴様何をした!?」
「俺は右手に空間を、左手に時間を司る力を持っている。貴様の炎なら返すぞ」
そう言って右手を上に上げるとライザーの頭上に空間の歪みが出来、先程ライザーが投げた火球が落ちて来てライザーを焼き尽くした。しかしライザーは炎の中から再生した。
「あの小僧、マルコと同じ能力か」
「マルコって確かオヤジの息子だったよな?」
「ああ。悪魔の実、動物系幻獣種、不死鳥の能力者だ」
「幻獣種って事はルータムと同じ?」
「そうだな。あの小僧の再生も無限って訳ではないようだ。見てみろ、再生して息が上がっている」
「貴様!!もう許さん消し炭にしてやる」
「やれるならやってみろ。俺も本気を出そう」
そう言いルータムに変化が現れた。
その姿は誰もが畏怖するもの・・・
ドラゴンそのものだった。
「やっぱカッケーよなアレ」
「ええ、猛々しいわ」
ルータムの眷属達は見惚れていた。他の者達はルータムの変化に驚き固まっていた。
「き、貴様ドラゴンだったのか!?」
「いいや、これは俺が旅で得た力だ。食らえ!!」
そう言いルータムは水のブレスを放出した。ライザーは火球を投げるがかき消され、空間に押し付けられて圧迫死したが再生した。
「なら次だ」
次にルータムは氷のブレスを放出し、ライザーを凍りつかせた。因みにルータムは魔力によって様々な属性を放出出来る。
「グッ!貴様よくも!!」
「何度も殺すのは面倒だな。見せてやろう三龍の力を」
そう言いルータムは人型と龍型の中間の様な姿になった。
「━禁手」
『『Welsh(ウェルシュ)/Vanishing(バニシング) Dragon(ドラゴン) Balance(バランス) Breaker(ブレイカー)!!!!!!!』』
刹那右側が白、左側が赤の鎧に包まれた。
「赤龍帝と白龍皇の鎧(ブーステッド・ディバイン・スケイルメイル)ニ天龍と俺のドラゴンの力を見せてやろう」
ルータムがニ天龍の力を発現させると、ルータム眷属以外は騒ぎ出した。
「ど、どうなっている!?赤龍帝と白龍皇を宿す者はここにいるぞ!?」
「それにニ天龍を共に宿すなど不可能だ!?」
騒ぐ貴族をしり目にヴァーリとイッセーは自分の相棒に聞いた。
「あ、アルビオン・・・」
「えーと、ドライグ・・・」
『『どうなってるんだ!!?』』
ドライグとアルビオンも驚き混乱している。
『DividDividDividDividDividDividDividDividDividDivid!!』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
10回の半減をし同じ10回の倍増をしたルータムは構えた。
「この一撃で決める」
「ま、待てお前はこの婚姻を潰す気か!?俺とリアスは悪魔の未来の為に・・・」
「この婚姻は悪魔の未来の為じゃない。お前がリアスの体目的の為の婚姻だ。お前にリアスを幸せに出来る訳ない。リアスは俺が幸せにする。あの時絶望した俺を救ってくれた恩を返すためリアスは俺が護り幸せにする。その為の2年間の旅だ。食らえトリプルドラゴンインパクト!!」
ルータムの正拳突きはライザーの中心に辺りそのままライザーを吹き飛ばした。そしてライザーは立ち上がらなかった。
ルータムは元の姿に戻りリアスの前に立った。
「迎えに来たぞリアス。帰ろう」
「・・・ルータム」
ルータムはリアスの手を取り右手で空間を作りそこからグリフォンを召喚した。そこにヴァーリ達が集まって来た。
「・・・義兄さん」
「ヴァーリ、俺が不在の間よくリアスを守ってくれた。流石俺の弟だ」
「!ッ義兄さん!!」
ルータムに頭を撫ぜられヴァーリは涙を流した。
「エスデス、朱乃、後は頼んだ。俺はリアスと一足先に行っているな」
「ああ。任せろ」
「うふふ、はい分かりましたわ」
エスデスと朱乃に後の事を任せルータムはリアスに一言言ってからお姫様抱っこをしてグリフォンに乗り冥界の空へ飛び出した。
それを見たグレモリー卿とフェニックス卿は今回の件はなしとなったが両家の付き合いは続けようと話していた。
サーゼクスは無事に帰って来たルータムに安心してリアスを任せられると思った。
「ありがとうルータム」
暫く飛んでいるとリアスがルータムにお礼を言った。
「ううん。俺の方こそ帰るのが遅くなって悪かった」
「そんな事ないわ。貴方は帰って来てくれた。そして私を救ってくれた。私は嬉しいわ、私の夫は貴方だけよルータム」
「リアス」
そう言いルータムはリアスにキスをした。
「ただいま」
「ええ。おかえりなさい」
2人は笑顔でしばし冥界の空旅をした。
ルータムが食べた悪魔の実はドラゴンです!!ドラゴンだったらヘビヘビの実でよろしいのでしょうか?
もしヘビヘビでは無かったら教えて下さい!!