スネイプの逆行転生紀   作:セブルス・ツンデーレ・スネイプ

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第1話

私が唯一愛した女性の子ハリーを見送った後、人生を振り返っていた。

そして、何ともつまらない人生であったと思った。

愛した女性は別の男を愛した。

そして、彼女は死んだ。

彼女の子も、なかなかに生意気であの忌々しい奴らを思い出してしまうほどだ。

時には闇の帝王に仕え、またある時はダンブルドアに忠誠を誓った。

我ながらよくもまぁ上手く立ち回れていたものだと思う。

だが、結局私は死ぬ。

ダンブルドアは生前、死に対して前向きに捉えていた気があった。

当時の私はそんなものだろうと、半ば適当に同調していたが、いざ死に直面するとわかる。

"死にたくない"

やっておけばよかったと思うことが無数に溢れてくる。

また、後悔の念も同様だ。

ダンブルドアは全てに折り合いをつけ、逝ったが、あれはダンブルドアだから出来たことだろう。

闇の帝王でさえ、唯一死を恐れていた。それ故分霊箱の呪文を習得したのだから。

もう、時間のようだ。

願わくばハリー・ポッターに幸あらんことを…

 

 

 

 

私は目を閉じる。

 

 

目を閉じる前はあんなに怖かったのに、いざ目を閉じると不思議と安心感を抱いた。

何処と無く懐かしくて、気持ちいい温もり。

もう少しこの温もりに浸っていたい。

 

 

 

 

 

 

 

「セブ!いい加減起きなさい!」

突如とした金切り声で思わず目を開ける。

私はイラついた。折角人が気持ちよく死のうと…??

 

傷がない。当然痛みもない。

体が軽い。

身長が縮んでいる…?

そして、ここはベッド。

目の前には若き日の母親。

 

「ようやく起きたのね?早く朝ごはん食べなさい。今日はホグワーツの入学式の日なのよ?」

 

とりあえず母親の言う通りに動く。

生前?の無機質な食事ではなく、温かみのある家庭的な食事。

未だ、私に起こった状況が飲み込めないが、今までのことを考えるとセブルス・スネイプの魂は若き日のセブルス・スネイプの身に憑依したということであろうか。

 

!!!

 

私は一抹の可能性を考えた。

リリー。リリー・エバンズが生きているという事。

 

だが、同時に忌々しい奴らまで生きているという事もあり得る。

それでも私はリリーに会いたい。たとえ、ジェームズを愛していたとしてもリリーが生きていればそれでいい。

 

 

 

 

朝食を食べ、身なりを整えた私は、キングスクロス駅9と4分の3番線に向かう。

活気ある駅のホームに居た。

大量の人の中で、不思議とすぐに見つかった。

リリーが居たのだ。

 

「おはよう。セブ。これから7年間よろしくね。」

彼女は笑みを浮かべた。

何年も前に、二度と見ることが出来ないと悟ったリリーの笑顔だ。

「おはよう。リリー。こちらこそよろしく。」

リリーと握手をした。

暖かかな柔らかい手だ。

やはり、そこに生きている。それが途方もなく嬉しい。

 

「さ、電車に乗りましょ」

「ああ」

電車に乗ると、不思議と目の前に空いているコンパートメントがあった。普通、扉の近くから埋まっていき、最悪立ちっぱとなってしまう電車なのに、珍しい。

「ラッキーね。座りましょう。

あ、車内販売の人だ!すいませーん!かぼちゃパイとかぼちゃのジュースをくださーい!」

「はいはい、これとこれね。お嬢ちゃん可愛いからかぼちゃパイ1個サービスして上げるわ。」

「ありがとうございます!」

リリーはお金を支払い、かぼちゃパイをサービスの分も合わせて3個も買った。

「あー、ちょっと多いかも…セブ、かぼちゃパイ1個食べる?」

「いいのか?」

「もちろん。」

彼女は笑顔で言った。

何度見ても、これは良いものだ。

二人はかぼちゃパイを食べ終わった後、気ままに談笑して居たが、ここに新たな人間が現れた。

 

「ごめん、コンパートメントがいっぱいなんだ。相席お願いしてもいい?」

ジェームズ(とシリウス)だ。

「もちろんいいわよ。」

長年、思春期の生徒を見ていたから不思議とわかる。

ジェームズはこの時からリリーを意識し始めたのだろう。

そう思うと、腹の底に不思議な感情が起こる。

"彼女を取られたくない"と。

理性ではいけないと分かっているのに、本能的にリリーを取られたくないと意識をしてしま

 

「僕の名前はジェームズ・ポッター。こっちがシリウス・ブラックだ。君たちの名前は?」

 

危ない、堂々巡りの自問自答を繰り返す所だった。今日ばかりは此奴に感謝しよう。

 

「私はリリー。こっちがセブ…セブルスよ。」

 

「なるほど。よろしく。所で話は変わるけど、君たちは何処の寮に入るつもり?僕らは断然グリフィンドールだけど。」

「んー、私は何処でもいいかなーって感じね。そう言えば、セブは?」

「…スリザリンかレイブンクロー。」

 

「「何だって!? レイブンクローは兎も角、スリザリン!?」」

 

「ごめんなさい。私は、その…マグルだからよく分からないけど、スリザリンで何でそんなに反応してるの??」

 

「聞けよリリー。スリザリンっていうのは邪悪な魔法使いばかりを輩出する諸悪の根源だ。純血主義者しか居ないクソみたいな所だ。」

「そう、それでこいつはよりにもよってスリザリンだ。リリー、君はマグル生まれと言ったな?ならこいつと付き合うのは止した方がいい。自分からスリザリンに入ろうとする奴らは純血主義者に決まっているからな。」

全く、短慮なものだ。

スリザリン=純血主義者=悪

浅はかとしか言いようがない。

「スリザリンとレイブンクローは他の二つの寮と比べて優秀な人が集まる傾向があると聞く。それから、閉鎖的な魔法界において、強い権力を持つ家系の人間が集まるスリザリンは、今後、将来に向けてのことを考えた時に必ず役に立つ。」

 

これは、私の人生の経験上から出した結論だ。

現にスリザリンとレイブンクローは優秀な生徒が多く集まった。

例外として、ハーマイオニーやセドリックなどが居たが、あれは特別というもので、誤差の範囲の一つだろう。

 

「「なるほど。ようは腰巾着ってわけだ。」」

「なあ、ジェームズ?今こいつに対してセンスあるあだ名を考えたぜ。」

「何かね?シリウス。」

「スニベルス!泣きみそ!ってのはどうだい!?いかにも尻尾を振りそうな弱いこいつにぴったりだ!ほれ、ワンワンと鳴いてみろよ。あ、泣いてもいいぜ!スニベルス!どうだいジェームズ?」

「なるほど!それはいい!所でシリウスよ?」

「何かね?ジェームズ。」

「こんな泣きみその所に居ると、それが移っちまう。こんなコンパートメントに居るくらいなら立ちっぱでホグワーツに行く方がマシじゃないか?」

「おお、友よ。その通りさ。というわけでここからは出て行くね。」

「リリーも、こんな奴と付き合うくらいならもっと別の友人を持った方がいいよ。なんなら僕が誰と付き合えばいいか教えてあげようか?」

 

「最っ低!私が誰と付き合うかは私が決めます!はやく出て行って!!」

 

そして、二人は出て行った。

正直、闇の帝王とかの方がよっぽど怖かったのでなんとも思わないが…

あの二人、あんなに屑だったけ?

いかんせん、記憶が美化されているようだ。

 

「ねぇ、セブ。私、あの二人を見て分かった事が1つあるわ。

グリフィンドールには入りたくない…」

 

え?

 

 

 




一応、セブルス・スネイプは生前行えていた事は大概何でも出来ます。(出来ないのは体格を利用した物くらい。)
原作の中でも割と上位の実力者なので、正直1年生はもちろん、既に学校中のどの生徒よりも強いです。
勝てないのはすごく実力のある教師位。(ダンブルドアとかダンブルドアとか)

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