ラブライブ!サンシャイン!!~光と闇の心~   作:アトにゃん

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何とか間に合ってよかったです・・・(ホッ)



今回はあのシャイニー娘との再会です!





~再会~1

何とか夕方までに掃除を終わらせることが出来た俺は、静まりかけた太陽のなか、小原家に向かっていた。後片付けもいろいろまだ残っていたが、

 

「後片付けは私の方でやっておくから、兄さんは早く用事を済ましてきてよ」

 

と、華菜にやや強引(というか無理矢理)に言われたので片づけは彼女に任せることにした。俺が歩いている道もただでさえ、車が通るのが少ないのに夕方に近い時間帯である今、静かな風の音だけしか聞こえてこなかった。

.......それにしてもーーー

 

 

「変わってないな...この町も、風景も...」

 

 

内浦は4年前とほとんど変わっていなかった。建物や景色などもそのままの面影を残していた。俺はそれが凄く安心感があると同時に、何とも拭えない奇妙な感覚を感じた気がした。......そりゃそうだ、今の俺は()()()ではないわけだからここにいること自体とても不思議に思うだろうな。

それにーーー

 

 

「いや、会えばわかることだし、気にしても仕方ないか.....」

 

 

そうつぶやてる間に、小原家の経営してるホテル行きのフェリーに到着した俺は、それに乗り、ホテルに向かった。

 

 

 

 

ーーーー失った時間を、取り戻すためにも・・・な

 

 

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小原家のホテルに着いた俺は、黒ずくめのスーツを着た男が見えた。おそらく警備の人だろう、と思っていると入口の方から浦の星女学院の制服を着た金髪の碧色の目を持った若い女性と交代していったかのように、警備の人はホテルの中に入っていった。だが、俺は入れ違えるように出てきた金髪の女性に驚いていた。なにせ彼女がーーー

 

 

(やはり鞠莉か....)

 

 

ーーーー俺の幼馴染の一人、小原鞠莉(おはらまり)だからだ。

彼女は俺が小さいころからよく遊んでいたし、世話にもなったやつだ。だが、俺が事件に巻き込まれた後のことはどうなったのかまでは知らないけどな。

()()()にとっては、初対面だしな・・・

 

 

「ハァーイ!貴方が祐希ね!」

 

 

「....あぁ、そうだ。アンタは?」

 

 

「私は小原鞠莉!このホテルを経営しているパパの娘よ。私のことは気軽にマリーって呼んでね!」

 

 

鞠莉の笑顔を見て、俺は少し動揺した。外見や性格は変わっていないのはいいのだが、元々美しかったスタイルがまたさらに美しくなっていたのがわかった....4年も経てばこんなに綺麗に成長するものなのか、って何考えてるんだ俺は・・・。そんな雑念を捨て、俺は手短く済ませようと話を切り替えた。

 

 

「では、鞠莉。俺をここに呼んだ理由は何なんだ?大まかな事情はここに来る前に聞いてきたが」

 

 

「なら、話が早いわね」

 

 

そう言うと鞠莉はさっきの笑顔から一変し、途端に真剣な顔付きになった。やはり、浦の星は廃校寸前にまで追い込まれていることは確かだということが分かった。それほど重要な自体なのだろうな・・・。

 

 

「浦の星女学院は年々生徒が減少していって廃校になる話はもう知っているわね?私が新理事長として共学化の案を出して、そのモデル生を捜していたの。そしたら、うちのパパがあなたのご両親と古くからの付き合いだという話をパパから聞いてね。そこで、あなたに浦の星女学院の共学生の件を前のあなたの学校の理事長に通して頼んでみたのよ。」

 

 

なるほどな、確かに俺の両親は昔小原家と仲が良かったからな。鞠莉と知り合ったのもそれがきっかけみたいなものだしな・・・ちなみに、俺の両親は海外に出張暮らししているということにしている。その方がいろいろ都合がいいからな。

.....ん?新理事長?

 

 

「......ちょっと待て。鞠莉って高校生だよな?それで新理事長ってどういうことだ?」

 

 

「そう!浦の星の生徒兼理事長!カレー牛丼のみたいなものね!」

 

 

「その例えはどうかと思うのだが....まぁいい。話を戻すけど、俺はいつから浦の星に通い始めるんだ?」

 

 

「明後日よ」

 

 

.....おかしいな、幻聴でも聞こえてるようになったのかな、俺の耳は。それに対して鞠莉は笑顔のままだ。

 

 

「ジョークではないからね♪明日には特注した制服と教科書類が届くから確認しといてね♪」

 

 

どうやら俺の耳は正常らしい。というか、さり気なく人の心を読むなよ・・・。そう考えていたら、急に鞠莉が急に俺の顔を覗くように近づいてきた。

 

 

「な、何してんだよ鞠莉・・・急に顔近づいてきてーーー」

 

 

彼女の顔を見た瞬間に俺は言葉を止めてしまった。ジョークのつもりならやめろ、と言うつもりが鞠莉の顔は真剣なものだったのだ。まるでさっきの浦の星廃校の話をしたときのような真面目な顔をしていた。俺は思わず目を逸らしたのだが、鞠莉は逃がしはしないようにこう言った。

 

 

「ねぇ...あなたはーーー()()なんでしょう?」

 

 

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「あっ、兄さん!おかえり~どうだったの?話は」

 

 

「.........」

 

 

「兄さん?どうしたの?なんか難しそうな顔してるけど」

 

 

「...あっ、いや何でもないぞ。話を聞いたけどどうやったら廃校阻止できるんだろうな、って考えてたんだ」

 

 

「そうなんだ、やっぱり話は本当だったんだね。あっ、そうだ。兄さんの帰りが遅いから今日は私が夕食作っておいたから食べてね?」

 

 

「...悪いな、助かるよ」

 

 

俺は華菜にそう言って自分に部屋にやや早い歩きで戻っていった。華菜に浦の星廃校の件を考えていたのは、ある意味半分正解で半分不正解のような感じだった。実際どうやって廃校を阻止するのかは気になってはいたが、それよりも俺にとってはもっと重要なことを考えていた。

 

 

(ねぇ...あなたはーーー()()なんでしょう?)

 

 

俺はあの時そう聞かれた瞬間は息が止まったような感覚を感じた。雷が自分に落ちて直撃したような錯覚にも見えたといってもよかった。でも、今の俺は神崎祐希だ。昔の俺(拓人)ではないのだと思い、すぐに元の状態に戻ったが、やはり何故そう言えるのか理由がわからなかった・・・

 

 

(...誰かと勘違いしてるようだけど、俺は神崎祐希だ。拓人という名前ではーーー)

 

 

(知ってるよ。拓人の過去ーーー4年前の事件のこと)

 

 

(!?)

 

 

(まぁ、今話してとは言わないよ?拓人から話してくれるまでは私は無理矢理話をさせるつもりはまったくないから・・・。でも、今の拓人は・・・

 

 

 

ーーーまるで今の果南と同じだよ?)

 

 

 

今の果南...そういえば、鞠莉が果南の名前を言ったときどこか寂しく、悲しそうな顔をしてたようなーーーそんな気がした。鞠莉や果南も俺がいない間に何があったのかが凄く気になるところだが、一つ分かることは俺の正体は鞠莉にはバレているということだ。でも、やはり何故鞠莉があの事件のことを知ってるのかが未だに分からなかった。

 

 

「はぁ....どうせ明後日には聞けるんだし、後々考えていくか」

 

 

俺はそう思い、今考えていることは振り切るように夕食に食べるために下に向かったのだった。

 

 




このぐらいの文量ぐらいがちょうどいい感じなのかな?って自分の中では思っています。


その辺のアドバイスとかもぜひ感想欄や質問欄で教えていただきたいです!


さて、次回はあのポニーテール髪のあの人との再会話を書きたいと思います

・・・では、また次回!

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