Fate/Blue Order   作:カレーネコ

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今回から本格的にFGO展開に入ると言ったな?
あれは嘘だ。


いや、実際まともにカルデアに行かせる為にはもう少し魔術知識とか必要かなと。
と言うわけであの二人との出会いです。
言葉は英語を使ってる設定。
GVの世界でも英語が基本言語。
場所はロンドン。この二人はUBW編から。


魔術師との出会い

 

 

目が覚めたらそこには知らない天井があった。

白く無機質な感じからして病院のようだ。

 

「……ここは?」

 

『あっ!GV!良かった!やっと起きてくれた‼︎』

 

疑問に思っていると、先に目覚めていたらしい

シアンが飛びついてきた。

残念ながら触れることは出来ないのだが…

彼女がとても心配してくれたことは伝わった。

 

「ごめん、心配かけたね。」

 

『ホントだよ…。GV、私が起きた後からだけでも

半日は目を覚まさなかったんだよ?』

 

サラリと凄い事を言われた。

それはつまり、ボクは最低12時間以上眠っていたということだ。

いや、あのレベルのケガでその程度で済んだのは

寧ろ僥倖…

いや待て。ボクはあの時、歪みに呑み込まれて

死にかけた筈だ。

なんで無傷で、しかも病院のベッドに寝ている?

 

「一体どうなったんだ?

シアン、君にはわかるかい?」

 

『あ、そのことなんだけどね GV。実は……

あっ!』

 

突然、姿を消したシアンにどうしたのか

聞こうとした時。

病室のドアが開き、2人の男女が入ってきた。

 

「ああ、良かった。目を覚ましたんだな。」

 

未だ状況を把握しきれていないボクに。

赤銅色の髪をした男性は。

 

「突然だけど君は、警察の厄介になるのと、

見知らぬ男女と共に来るのと。

どっちがいいかな?」

 

そんな如何にも胡散臭い言葉を放つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その後 男性は、隣にいた黒髪で気が強そうな

女性からの見事なチョップを受けた後、部屋の外に引き摺り出された。

女性のすごく怒った声から、説教か罵倒でも受けているようだ。

えーと……

 

「シアン、今なら出てきても大丈夫だと思う。

何かわかるなら教えてほしいんだけど………。」

 

『うん、そうだね…。

ごめんね?急に隠れちゃって。

私が見える人がいないとは限らないから……。」

 

電子の謡精となったシアンだが、

強力な第七波動《セブンス》の持ち主や、

電子機器越しだと知覚される事がある。

以前、モルフォに幽霊みたいだと言って

凄く機嫌を損ねたことがあった…。

あの2人が第七波動《セブンス》能力者なら、

シアンが見られた時に面倒になること請け合いだ。

だから、シアンは姿を消したのだろう。

 

『それで今の状況なんだけど……、うーん。

多分、GVが自分で確認するのがいいと思う。

向こうのお説教、しばらく続きそうだし。』

 

扉の向こうから聞こえる怒声は未だに衰えない。

ベッド脇のテーブルに2人の荷物らしき物が

いくつかあり、

そのうちのノートパソコンを使わせてもらう。

ボクの第七波動《セブンス》である

蒼き雷霆《アームドブルー》は

雷撃を扱う能力だと思われがちだ。

が、実際に操るのは電子であり、

雷撃以外にも様々な事が出来る。

そのうちの一つが、電子機器へのハッキングだ。

フェザーにいた頃はスメラギのシステムを

クラッキングしていたが、

今回のように、機器を利用してネット上の情報を

得るのも可能。

そうやって情報を集めているうちに、

ボクは違和感を感じた。

第七波動《セブンス》やスメラギの情報が一つも

見当たらない。

数日前に紫電との戦いで大破した筈の

アメノウキハシについてもだ。

そんなことがあり得るのだろうか?

更に調べるうちに自分の常識との差異が

次々と見つかる。

仮に違う国だとしてもおかし過ぎる。

 

「一体どういうことだ…?何が起きてる?」

 

『えっとね、GV。

これは私の憶測に過ぎないんだけど…。』

 

軽い混乱状態に陥っていたボクに、シアンが

遠慮気味に声をかける。

シアンに向き直り続きを促す。

するとシアンは到底信じられないような……、

だがこの状況の全てに説明がつくことを言った。

 

『もしかして私たち…………

異世界に来ちゃったんじゃないかな?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「えっと、ごめんなさいね?

何だか待たせちゃって。」

 

 

 

今の状況が

〈空間の歪みに呑み込まれた結果、

異世界漂流してしまった。〉

という認識に落ち着いた。

未だに信じられないが、ネットから得た情報と

ボクらの常識との幾つものちがいからか

不思議と納得出来てしまう。

取り敢えずは異世界漂流したことと、

第七波動《セブンス》のこと、

シアンのことは黙っておこうということになった。

そこまで決めた時、2人が部屋に戻って来た。

というか、ボクらは30分くらいは相談していたのだけど……まさかずっと怒っていたのだろうか。

いくらなんでも長過ぎやしないか。

先ほど不審者まっしぐらな発言をした男性は、

後ろで借りてきたネコのようになっている。

「うん、とりあえず自己紹介からね。私は遠坂凛。

こっちのバカが衛宮士郎。」

 

「………衛宮士郎です…。」

 

大分弱っているようだった。

 

「それで貴方の名前は?」

 

「あ、失礼しました。

ボクはガンヴォルトと言います。

結構なケガをしていたと思うんですが…

貴方達が助けてくれたんでしょうか?

だとしたらありがとうございます。」

 

自己紹介がてらに確認と謝礼もしておく。

すると遠坂凛というらしい女性は

頭痛が痛いとでもいうように頭を抑えながら

 

「正確には言えば助けたのは、

そこの衛宮君なんだけどね…。

その事でちょっと問題が起きちゃったのよ。」

 

「?」

 

問題が起きた?

治療費が多額にかかったとかだろうか。

いや、あれだけの負傷を治したのだ。

相応の額が必要になったのだろう。

……?何だろう。今、何か違和感が…?

 

「うん、まずはこれから言うべきかしら。

実は私たち……魔術師なのよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「突拍子もないこと言ってる自覚はあるわ。

でも本当のことよ。

そうでもないなら重体だった貴方が1日そこらで

目覚めた事に説明がつかないでしょう?」

 

言われて気づく。

この世界には第七波動《セブンス》がない。

科学力もボクらの世界から見たら遅れている。

それなのに傷は治っている。

さっきまで感じていた違和感はそれだった。

 

「そうだぞ?

腹部が半分抉り取られたみたいになっていて、

右腕は半分千切れかけ。左脚なんか実際に千切れて近くに転がってたんだ。」

 

「うぇ⁉︎」

 

驚いて変な声が漏れた。

予想以上に重体だった。というか死にかけていた。

助けられなければ普通に死んでいただろう。

いや、世界を越える程の歪みに呑まれて

その程度なら運が良いのか?

駄目元で使ったカゲロウも役立ったのだろう。

とにかく九死に一生を得たのは事実らしい。

 

「衛宮君は癒しの魔術なんて使えなくてね?

私を呼んでたら間に合わないからって貴方の身体にある物を一時的に埋め込んだのよ。

あぁ、安心して。もう取り出してあるから。」

 

何かを埋め込んだなんて言われて慌てて

身体を調べるボクに苦笑しながら

付け足す遠坂凛さん。

よくわからないけれども、それでボクの傷が治ったのだろうか。

 

「それは、【遥か遠き理想郷《アヴァロン》】っていう聖遺物でね?

かのアーサー王が所持していたという

聖剣エクスカリバーの鞘。

その効果は[持ち主をあらゆる死から守る]、

というモノなんだけど…。」

 

………?歯切れが悪い。

それが原因で問題が起きたというのだろうか。

聞いたところ何も悪いことはなさそうだが……

 

「そんな持ってるだけでも効果を発揮する超弩級の聖遺物を一時的にでも取り込んだせいかしらね。

貴方の身体に魔術回路が創り出されていたのよ。」

 

聞けば魔術回路とは魔術師だけが持つ魔術行使に

必要な魔力を生み出す擬似神経回路だという。

本来なら魔術師の家が代を重ね増やしていく。が、

[アヴァロン]が原因か、それがボクにも生成されているらしい。

 

「何のために聞いとくわ。

貴方、ご両親は?身寄りはあるの?」

 

そんなものはない。

元の世界で喪ったばかりか、ここは異世界。

ボクを知っている人間など、

今この場にいる人達ぐらいだろう。

 

「……そう。まぁ詳しくは聞かないわ。

気を悪くするかも知れないけど、

その方が好都合だったしね。」

 

その言葉に口止めに殺そうとでもするのか、

と思ったがそれならとっくにそうしている筈だ。

ボクはさっきまで眠っていたのだから

幾らでもチャンスはあっただろう。

なら好都合とは何だろう。

 

「魔術回路が出来た以上、

最低でもその制御を学ぶ必要がある。

ここで最初の衛宮くんの質問よ。

全くアンタは段階をすっ飛ばし過ぎなのよ!」

 

「わ、悪かったって遠坂。謝る。謝るからさ。」

 

再びお説教が始まりそうな雰囲気である。

そして最初の質問といえば………

 

「で、ガンヴォルトくん。

私たちの下で魔術を学ぶか、

ここでの記憶と回路を消して警察の世話になるか。

どっちがいい?

ああ、後者はお勧めしないわよ?記憶はともかく、

魔術回路を消すのには神経を引きちぎられるぐらいの痛みがあるから。」

 

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

 

実質一択じゃないか…

 

『GV…この人ちょっと楽しんでる……。』

 

えぇ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

こうしてボクは異世界にて魔術を学ぶことになり。

望んでいた居場所を手に入れたのだった。

 

……何だか少し違う気もするが。




FGOでextraイベが終わりましたね。
自分はクリア出来ませんでしたが……。
最終日の16:30頃にキアラを倒したのですが、
そこで無情なる電源切れ。
家に着くも時すでに遅し。
おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれ、
おのれぇぃっ!


次回こそFGO展開に入ります。
本当です。嘘じゃナイデスヨ?

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