プチファンタジー・ストーリー   作:クリステリアン

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第5話 覚醒

 南の森にきた。2人は不安を感じながらも奥へと進んでいった。

「森といっても広いわ。どうやって棲家を見つければいいのかしら?」

「こりゃ今回の依頼は無理かもなー」

 2人は森のあちこちの穴倉やしげみを探してみたが、悪魔は見つからなかった。途中、森に住む魔物に何度か遭遇した。魔物は2人のことをものめずらしそうに眺めている。

 「かわいい」2人は魔物に近づき、さわったり抱き上げたりした。魔物たちは最初警戒していたが、そのうちにすっかり2人になついた。

 「でもどこにいるのかしら?あの悪魔」「そうだ、もしかしたらこいつらが知ってたりして」とサンク。「なぁ、お前たち悪魔の居場所を知らないか?この森にいるらしいって話なんだけど、ホラ、こーゆうの」とサンクは紙を見せた。

 魔物たちはそれを見て顔を見合わせ「キィキィ」と深刻そうな顔でなにか話していた。そして2人のほうに向き直り、「キィキィ」とまたなにかいった。「知ってるのか?」「キィ……」と魔物は困った様子だ。「案内してくれ!」「わたしたちその悪魔を倒しにいかないといけないの!」

 魔物たちは迷っていたようだが、「キィ!」といい、歩き出した。

 「ついてこいっていってるのかな?」魔物は走り出し、2人も「よぅし!」と走り出した。

 

 

 

 魔物たちはしばらく走ると止まり、「キキィ……」とその場所を指し示した。あたりはただの森で、見たところなにも変わったところはないようだ。

 

 しかし、しばらくすると、魔物たちはおびえてからだをくっつけはじめた。2人があたりをみまわすと、とつぜん黒くて大きいオオカミのような魔物が現れた、「あれは!!」2人はそれが紙にかかれた探している悪魔だとわかった!

 悪魔は「シャアア!」と2人に飛びかかってきた。「キャアッ!」「わあっ!」あわててよける2人!「グルルル……」悪魔は再び2人を襲おうと構えた。「サンク!戦闘の用意をして!」「わかった!」2人は武器を身構えた。

 再び向かってきた悪魔!「ブライトボール!」フィリナは叫び、フィリナの手から白い光が発射され「ギャッ!」と悪魔は吹っ飛んだ。そのすきにサンクが「はあっ!」と悪魔に斬りにいった。バシッと悪魔に剣は当たり、悪魔は一瞬のけぞると、「グワッ!」と反撃してきた。

 サンクは驚き、「わぁーっ!」とあわてて逃げた。見ていた魔物たちはおびえている。だが、サンクは転んでしまった。サンクに飛びかかろうとする悪魔を見、ポロは悪魔に飛びつき、噛みついた!悪魔は「ギャッ!」と飛びのいた。ポロはなおも悪魔に噛みつき放さない。

 「あっ!ポロ!助けてくれたのか!」とサンク、しかし、悪魔は暴れ、ポロは投げ飛ばされた。「ああっ!ポロ!」とサンク。フィリナは鞭で悪魔を打ち、悪魔は叫びをあげた。サンクも剣を持ち、悪魔に斬りかかった。ポロも再びやってきて2人に加勢しようとする。「ポロ!手伝ってくれるのか!?ようし!その悪魔に体当たりしてぶっ飛ばしてやれ!」ポロは走り出し、勢いよく悪魔に体当たりした。悪魔は飛ばされ、近くの木にぶつかった。

 その後も悪魔を倒そうと攻撃を繰り出したり敵の攻撃をよけたりしてサンクたちは戦っていた。

 「……」

 それを見ていた魔物たちもやってきて、悪魔に引っかいたり、身体を丸めて体当たりして攻撃しだした!サンクはそれに気づき、「……お前たち、よぅし!みんなでその悪魔を倒すんだ!だいぶ弱ってきてるぞ!」

 ポロや魔物たちは悪魔に攻撃を続けた!フィリナはそれをポカンと見ていた。サンクも剣で攻撃し、やがて魔物の1匹が体当たりをしたことで、

 「グウッ……」

 悪魔はバタンと倒れた。そしてシュウッと消え、魔石を落とした。

 ファンファーレがなった。

 「やった!!」みんなはよろこび、魔石を拾うサンク。「今回のクエストも無事クリアしたぜ!」サンクは魔物たちを見、「みんなのおかげだな!ありがとう!」といった。

 

 フィリナがサンクの腕のキズを見て、「あら、そのキズ、どうしたの?」

 「えっ?ああ、さっき転んだときにすりむいたみたいだ」

 「ちょっとこっちにきて」

 サンクは不思議に思ってフィリナのそばにいく。フィリナはサンクの手をとり、「ヒール」といった。白い光がサンクの腕を包み、とたんにキズが治った。サンクは驚き、「……すごい……!キズが治った……!」フィリナは「回復術なの。ケガや体力の消耗を治せるわ」「回復もできるのか!」と驚くサンク。

 

 森を出る前にフィリナは魔物たちにきいてみた。「わたしたちある悪魔を探してるんだけど知らない?人を石にする力を持ってて……」だが魔物たちの反応は知らないといっているようだった。

 

 サンクたちは森の魔物たちに別れを告げ、町へ戻った。その途中サンクはポロに、「それにしてもポロって結構強いんだな、きょうはポロのおかげで助かったよ!いままで戦わせたことなかったからわからなかったなー」ポロはよろこび、「ワウッ!」とないた。「わたしも驚いたわ」とフィリナもいい、歩いた。

 

 

 

 町に戻り、ギルドにいった2人は魔石を渡し、また報酬を受け取ることができた。

 その後はサンクが自分の家によりたいといいだしたので、サンクの家までいくこととなった。


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