4人はもう悪魔もいなくなったことだし、この空洞を出ることにした。
空洞を出ると、4人はようやくホッとしてからだを伸ばした。からだはくたくたになり、MPはほとんど使い果たしてしまい、4人はまだ動く気にはなれず、しばらくそこでからだを休めてから帰ることにした。
「とりあえず、本当に悪魔の術が解けたのか確かめよう」
4人は元きた道をもどり、またグランツライヒ領主の館まで歩いていった。
そして翌日、領主の館が見えてきて、4人は庭の外から屋敷の様子を伺ったのだがそのとき、「あっ、あなたたちは!!」とここの秘書に出くわして声をかけられた。
「悪魔が倒されたおかげでしょうか、旦那様と奥様は石化が解け、元にもどったんですよ」
「本当ですか!?」4人は驚く。
「えぇ、もしかしたらあなたがたが倒されたのですか?旦那様たちにも知らせたいのでどうか屋敷のなかへ」
4人は顔を見合わせ喜んだ。
その後、屋敷の領主夫妻に紹介された4人は、悪魔討伐のことについて詳しく聞かれ、そして倒して術を解いてくれたことへのお礼をいわれた。領主夫妻はからだはなにも異常なさそうで、この分ならサンクの両親もだいじょうぶだろうか、だいじょうぶであってほしいと4人は思ったのだった。
今夜、夫妻がまた無事に元にもどれたことを祝うパーティーが開かれるそうなのだが、それにきみたちもどうだね、と4人も誘われた。金持ちというのはパーティーが好きなようだ。4人はせっかくなので参加することにした。
そして夜になり──。屋敷の大きなホールではたくさんの来賓客がパーティーのため集まっていた。
領主は挨拶をし、今回の悪魔討伐の功労者として4人を紹介した。
音楽が演奏され、ホールの真ん中では来賓客たちがダンスをしている。後ろには料理がたくさんならび、その料理を食べていたユードーと、一緒にいたラファエロは数人のドレスを着た貴婦人たちに囲まれ、悪魔討伐のことを褒められたり、冒険者としての話を聞かれちやほやされていた。2人は照れて顔を赤らめながらも得意げにそれに答えていた。
グラスを手にそんな会場を眺めていたフィリナも、横にサンクがいるにもかかわらず、某フランス革命漫画に出てくるような襟の高いコートを着た何人もの男性たちに取り囲まれ、話を聞かれていた。4人とも、服装はいつも通りなのでこの会場では少し浮いていた。
その日はまたこの屋敷に泊めてもらい、そして次の日4人は出発することにした。サンクは早く自分の両親のことを確かめたかったのだ。
「一応サンクの家から近い町でいけそうな町があるから、そこにテレポートしましょう」
「よかったー、また船代を稼いで渡らなきゃいけないのかと思ったぜ」ユードーはほっとしていった。
4人は手をつなぎ、そのフィリナがいう町へとテレポートした。そしてテレポートは成功し、町に着く。サンクとフィリナがこの町の宿屋に泊まってからもう結構たっていたが、ここがフィリナには強く印象に残っていて、テレポートすることができたのだった。
その町から、4人はしばらく旅をし、サンクの家を目指す。
そして数日後──。ついに、サンクの町が見えてきて、4人は待ちきれず、そこまで走った。
「父さん!母さん!」バンッとドアをあけ、なかを見るとそこには両親がテーブルについて食事の用意をしていた。
「サンクじゃない。どこへいってたの?いままで」サンクは喜び、両親に飛びついた。