ウルトラ姉弟(笑)の黒一点~胃痛と戦え!ウルトラセブン!~ 作:三途リバー
今のタロウの話です。
チラッとあのヒトの話が出てきますが、あまりお気になさらず…
あとこれR15タグ付けた方がいい感じ?
ケンさん、マリーさん。俺はあなた方に言っておきたい事があります。
「あ、せっ、セブン兄!?起きてたの!?」
アンタら娘にどんな教育してんじゃゴラァァァァァァ!?
「…今起きた。んでもってお前は何やらかしてくれちゃってんの?」
「ナニってそりゃあ…起き抜けで苦しいセブン兄を鎮めてぎゃぁぁぁっっ!?!?」
取り敢えず念力で吹っ飛ばしといた。状況を説明しよう。
俺→徹夜で疲れたのでゾフィーの呼び出しサボって自宅で昼寝
タロウ→俺の家(マンション)に不法侵入して俺にのしかかる
犯罪だよね!?
え、これは俺が正しいよな!?そりゃ、従姉妹だけど!合鍵渡した覚えはねぇし!つーかただのしかかるだけじゃなくて後ろ向きってのはホントにマズイ気がするんですがそれは!?
「ヒドイよセブン兄、せっかく可愛い従姉妹が起こしに来てあげたのに。」
「あれを起こしに来たってんならお前の辞書そろそろ改訂しろ。」
タロウ…可愛い従姉妹だよ?昔から俺に懐いてくれてんのは嬉しいさ。エースと一緒に育ったとは思えないほど素直だしな。
だけど流石にスキンシップが激しくないかい?
2人きりになるとすぐ抱きついてくるしさ!
『撫でて?』
って言いながら巨n…失礼、大変立派な象徴を押し付けてくんの辞めてくれません!?おかげでゾフィーから殺気が半端ねぇし、エースもエースで
『バーチカル…ホリゾンタル…いやギロチンショット?』
とか呟いてるし!
「セブン兄ってば!」
「あー、ハイハイ。なんだよ?」
「なんだよじゃない!ほら、行くよ!」
いや行くって何処によ?出かける約束してたっけ?
「ボク今日非番だからデートしよ?」
……ど真ん中ストレートで来ますねぇ。タロウの事だから男の人と出かける=デートって意味なんだろうが…
「おっしゃ、付き合ってやる。どこ行くんだ?あ、着替えるからちょっと部屋ん中から出てろ。」
「?」
「いや出て行く意味が分からないみたいな顔やめろ。」
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はぁ…いつになったら気づいてくれるんだろうなぁ、セブン兄。ボクはこんなに一生懸命気持ちを伝えてるって言うのに。どうせ今日だっておませな妹分がデートってはしゃいでる程度にしか思ってないんでしょ。あの顔見れば分かるもん。
「はいよ、お待たせ。」
あ、来た。地球にいる時以外はいっつもメガネ掛けてるけど…たまには外したセブン兄も見たいなぁ。どっちもカッコイイけど。
「で、どこ行くんだよ?今からアニマル星とか遠出はやだぞ。」
「今日は普通にゆっくりしよ?商店歩いて、映画でも見て、ご飯食べて…ね?」
いつもだったら体を動かせる所が良いけど…今日は、思い切りセブン兄に甘えたい。また、セブン兄は地球に行っちゃうから…。いやいつも甘えてなんてないよ!?
「分かった、取り敢えず映画館までブラブラするか。何見るかは行ってから決めりゃいいや。夕飯も外でいいよな。」
ボクとしては、その…夕飯の後に2人っきりでホテルに行くのもやぶさかじゃないって言うか、むしろ行きたいっていうか…///
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「せ、セブン兄…?ボクまだシャワー浴びてないし…」
「どうせ今から汗かくんだ、シャワーなんざ後で良いだろ…」
「ひゃっ!?そんなとこぉっ、舐めちゃっ…ふぁぁっ///」
「いつの間にかこんなに育っちまって…ほら、下は自分で脱いだ方が良いだろ?」
「…せて…」
「え?」
「セブン兄が、脱がせて…?」
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なぁんて!なぁんて!きゃああぁぁぁっ////
「おーい。タロウさんやーい。戻ってこーい。」
…コホン。
「う、うん!じゃあもう行こう!出発!」
「あ、ちょい!引っ張んな!」
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「…………」
「あっ!セブンさん!この間はご指導ありがとうございました!とてもためになりました!あの、よろしければまたお願い出来ますか?」
「おぉ、役に立てたんなら良かった。悪ぃけど俺暫く長期任務でさ。帰ってきたらまた、な?」
「は、はい!その時はよろしくお願いしますっ!」
「んあ、転職眼鏡じゃねぇか!久しぶりだなこの野郎!」
「あいっ変わらず女とは思えねぇ言葉遣いだなお前…もうちょい女らしくしたらどうだ?」
「う、うるせぇっ!!…お前の前で女らしくできたら、どんだけ楽か…」
「ん?」
「 んでもねぇよっ!///」
「……………………………」
「あ、タロウさんこんにち…ひいっ!?」
なんで!?なんでボクが手繋いでるのに皆セブン兄に声掛けて来るの!?しかも女の人ばっかり!警備隊の新人さんとか、恒点観測員時代の同僚さんとか!
確かにセブン兄はカッコよくて声掛けたくなるのも分かるけど!
セブン兄も「今デート中だから」くらい言ってくれてもイイじゃん!!
「おーい、タローウ?後輩がなんかビビってるからその体から出てる炎を鎮めろー?てか俺もうそろあついってーか限界っつーか…熱ぁぁぁぁぁぁ!?!?」
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あっち……あーもー、マジでひでぇ目にあった。スーツなしでウルトラダイナマイトするかと思ったわ…
あれから映画館まで歩き、今俺達は最近有名な恋愛映画を見てる。なんも思わないわけじゃねぇけどさ、幾ら何でもこの主人公鈍すぎね?女ばかりの職場で世話焼いてる内に好意を持たれ、言い寄られるもラノベ主人公スキルを駆使して…って感じだ。なんか見覚えあるような内容な気が…気のせいか。
隣りのタロウはポップコーンをつまみながら食い入るように映画を見てる。短髪ボクっ娘キャラが贔屓らしく、たまにグッと拳を握って応援。感受性豊かで良いことよの。
そして、映画が終わる。
「面白かったね、セブン兄!」
「まぁそうだな。俺としちゃ少し主人公が鈍すぎと思ったけど…創作だしなぁ。」
ん?どうしたんだよタロウ。そんな「コイツマジで言ってんの?」みたいな顔しちゃって。だから辞めろ、睨むな!
「そう言えばさ、セブン兄。」
「なんだ?」
「地球に行ったら友里アンヌさんの所を訪ねるわけ?」
「ぶふぅッ!?!?」
き、急に何を言いやがる…飲んでたジュース吹き出したわ。ってか、なんでお前アンヌの事知ってんだよ!俺はアンヌの事はゾフィーに報告…した、だ…け…
「あンの野郎…!!」
「で、どうなわけ?なんせセブン兄が唯一自分から正体をバラした女の人だもんね?そりゃあまた会いたいよね?」
「別にアンヌとはそういうんじゃねぇよ…地球防衛軍ウルトラ警備隊の同僚ってだけでな…」
「じゃあ会いたくないの?」
「そりゃ、会いてぇけど…」
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友里アンヌさん。セブン兄が最後の最後で自分の正体を明かした人。ボクやエース姉はゾフィー姉から又聞きしただけだけど…聞いただけで、分かっちゃった。
あぁ、この2人はお互いを思い合ってたんだなぁ、って。
セブン兄が言うように恋愛云々じゃなかったのかもしれない。でも…
「俺はウルトラマン、あいつは地球人だぜ?いつまでも傍にはいられねぇよ。」
そう言うセブン兄の顔はとても寂しそうだった。もしセブン兄が地球人だったら…もしアンヌさんが光の国の住民だったら…
「どうした、タロウ?」
「何でもない…」
ボクの心に、一点の黒いシミが広がるのが分かった。考えてもしょうがない。セブン兄はボクのものでもなんでもないのに…
「…タロウ。」
あ…セブン兄の手が、ボクの頭をゆっくりと撫でてくれてる…暖かくて、優しくて、大好きな触り方…
「俺はウルトラセブン。宇宙警備隊の一員にしてお前らの兄だ。大丈夫だよ、居なくなったりはしない。」
「いなくなって欲しくないなんて、言ってないもん…」
「お前は考えがすぐ顔に出るんだよ。聞かなくても分かる。ほら、安心しろ。」
まったく…鈍いんだか鈍くないんだか…でもやっぱり、セブンはセブン兄だね。その優しさがボクは大好きになったんだ。
「話をはぐらかされた気がするなぁ…」
「はぐらかしてなんかねぇ!ほら、行くぞ!」
地球から帰ってきたら、また色々話を聞かせてもらうから。今日の所は勘弁してあげる。そう思って、ボクはセブン兄に着いていく。
セブン兄と話をするのが、これが最後だとも思わずに。
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「…………遅い!セブンは何をやっている!!」
「ゾフィー隊長、取り敢えず落ち着いて…」
「落ち着いていられるか!あの馬鹿め、隊長命令を何だと思っている!?」
「あぁ、隊長の怒りのボルテージがどんどん上がっていく…」
「セブンさぁぁん…早く来てくれぇぇ…」
次回、次々回辺りからレオ編突入!並行して過去編も進めて行きますので、よろしくお願いします。
どうでも良いですけど筆者の好きな怪獣は
1 キングジョーブラック
2 ギエロン星獣
3 ガッツ星人
です。擬人化計画のガッツ星人を見た時は驚き過ぎて暫くポケーッとしてました。
リメイクしたとして、どの時期のセブンが見たい?
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5姉弟時代
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6姉弟〜レオ指導時代
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メビウス時代
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ゼロ誕生以降、ベテラン時代