ウルトラ姉弟(笑)の黒一点~胃痛と戦え!ウルトラセブン!~   作:三途リバー

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シル&セブン、とうとう幼馴染みの一線を越えて…!?

今更感がスゴイですが、R15タグを追加しました。

そして今回…いよいよ最後の宇宙警備隊男子メンバー登場ッ!


Bad Comunicacion

「は、ちょっ、はぁっ!?な、なな何言ってんの

よ///!!男と女が、そんな…///」

 

「俺だって()()()()()こんな事言わねぇよ。俺とシルだからだ。」

 

「っ///!?その言い方は…狡いわよ…」

 

こういう時の顔だけはホンっト…その…あぁもう、とにかくそんな真面目な顔はやめなさいよぉっ!

「じゃあ夕飯は俺が作る。その間に風呂入ってこい。」

 

「お、お風呂?今…?」

 

「ん?風呂は寝る前に入るか?それならなんか雑誌でも読んで待っててくれ。即席で何か作ってやるから。」

 

そりゃ、だって、密着する前にちゃんと体を綺麗にしたいし…汗とかかいて嫌がられたくないし…そもそも、()()()シャワーでも浴びないと頭がパンクしちゃう…。夢にまで見た、セブンとの…しょ…初めてなんて…

 

「おっしゃ、んじゃあと1時間後に飯!夕飯の材料そこのスーパーで買ってくるから。辛かったら横になってろよ。」

 

「うん…ありがと。………………あのっ!」

 

「なんだよ?」

 

「傍に居くれるって言ってくれて…その…う、嬉しかったから!待ってるわよ!」

 

「あぁ、楽しみにしてろよ。」

 

「っ////!?!?」

 

 

楽しみって…///わ、私はそんなっ!?

 

「じゃあ行ってくるー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「どうしよ…」

 

現在セブンは買出しで不在。部屋には私1人。()()をするなら、今しかない。

私1人が楽しみにしてる訳じゃなく、アイツもその気があるからあんな事言ったんだと思う…そう思いたい。だ、だから私もアイツの為に、出来ることはしておこう…///

 

「これはちょっと野暮ったい…これは派手すぎる…うーん…セブンはどんなのが好みだろ…」

 

露骨過ぎるの選んで引かれても嫌だし、子供っぽいのも嫌だ。む、難しい…!

 

「黒は…攻めすぎ、かな…」

 

むむむむむむ…えぇい、ままよ!

 

 

 

ピンポーン♪

 

 

丁度帰ってきた。良いわよね…もう後には引けないわ!

悩んでばっかなんて私に合わない!これと決めたらもう進むのみ!

 

「今開けるー!」

 

 

 

 

 

 

 

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『あいあい、こちら勇士司令部。いきなりどーした転職眼鏡…ふぁぁ。』

 

携帯越しに、旧知の(馬鹿)の声が聞こえてくる。声からして居眠りでもこいてたんだろ。欠伸聞こえるし。こんな奴が副官で大丈夫か勇士司令部。

 

「その渾名やめろや。明日そっちに顔出す予定だったのは知ってたよな?野暮用で少し遅れるから承知しといてくれ。」

 

『あぁ?分かったけど何でまた?新人共がお前に会うの楽しみにしてたぞ。ネオスっつー見所のある奴が入ってな、そいつがお前の話聞きたがってた。そんな立派な奴じゃねぇとは言っといたが。』

 

「確かにそうかもだけどお前に言われるとすっげぇ腹立つ。…理由言わなきゃアカン?」

 

『おう、吐け。今すぐ吐け。さもないとゾフィー隊長にあることないことチクる。』

 

「えー…例えば?」

 

『この間セブンがゾフィー隊長の手料理食いたがってましたとか。』

 

「殺す気か!!あんなん生命体が口にして良いもんじゃねぇだろ!ワイアールXの肥料とかそういう類だよアレ!」

 

いつ話してもムカつくなコイツ…!言いたくねぇ…

 

「シルの家に泊まって『結婚式いつ!?』シメるぞ変態!」

 

だから言いたくなかったんだよ!コイツ全力でからかってくるのが目に見えてたから!

 

 

 

 

 

今更ながら、俺の電話の相手は勇士司令部所属の友人…いや悪友?腐れ縁?まぁとにかく知り合いのレジアという男だ。アイツは現在、宇宙警備隊の中でも戦闘専門な集団の副官を務めている。

 

脳筋かと思えば冷静。

阿呆かと思えばシルを凌ぎ得る戦略家。

馬鹿かと思えば頭脳派。

と思いきややっぱりタダの馬鹿。すこぶる馬鹿。

 

そんな掴み所のない馬鹿だ。念のためもう1度言っておく。どうしようもない馬鹿だ。

 

『今俺の悪口考えてんだろ。』

 

心読むなキショいわ変身野郎。

 

レジアの特技…と言うか特殊能力は変身だ。俺が呼吸するように念力を使うのと同様に、顔貌から体型、挙句の果てには性別まで変えられるという変態っぷり。

キショい、とてもキショい。

まぁとにかく、コイツは優秀な副官として勇士司令部を実質率いる男だ。長官―まぁ俺の親父だが―は前線に出ることは少ないので、勇士司令部随一の戦士であると言えよう。

シルやジャック、ゾフィー達ほどでもないがそれなりに付き合いが長く、俺が警備隊異動前に唯一殴り合いの喧嘩をした事がある相手でもある。

 

…だってなんかスーツ滅茶苦茶似てるし!アイツもアイスラッガーぽいモン頭につけてるし!

ことある事に喧嘩になり、『パクるな』とか言ってくるのだ。

好きでテメェと似たスーツな訳じゃねぇっつの!アイツが俺よりほんの少しだけ年上っていうのもまたムカつく。

 

「うるせぇな、とにかく明日遅くなる。それだけだから切るぞ。」

 

『待てぇーい!逃がすと思うか色男!何、シルと出来たのお前!?マジで!?どっちから!?つかいつ!?どこまで行った!?今夜初め《ブツッ》…』

 

死に晒せ。

あんな奴に律儀に話した俺が馬鹿だった。そもそもなんだ『出来た』って。

俺は()()()()()調()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

時間があればハヤシライス作るんだが…うん、手っ取り早くオムライスでも作るか。

 

 

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「ただいまー。」

 

「っ…お、おかえり…」

 

もし私とセブンが結婚したら、これが普通の挨拶になるのよね…///

ん?でも共働きかな?子供はどうしよう…ゾフィーには死んでも預けられないし、保育園もここから少し遠いし…いや、新居買えばいっか。私は貯金してあるし、セブンの趣味もお金がかかるもんじゃないから一戸建てはいけるわよね。アイツ寒がりだからプラズマスパークタワー側にリビングがあって日当たりがいい所を…って!

な、何考えてんの私っ///!?

いくら何でも先走り過ぎ!ま、まずは父さんと母さんに挨拶に行って、お義父さんの所にも…ってだから!

 

「違うでしょうがぁっ///!!」

 

「どしたん突然?」

 

「何でもないっ!少し先の事考えてただけ!」

 

「先の事って…取り敢えず今は体力戻す事考えてろ。この際だから言っておくがな、お前の体も命も、お前だけの物じゃねぇんだよ。」

 

今日のコイツおかしいっ!絶対おかしい!こんな甘い言葉を私に…!嬉しいけど!スっっっごく嬉しいけど!

 

「…アンタの物でも、あるってこと…?」

 

「っ…まぁ、それは…お前のボロボロの格好なんざ見たかねぇよ…」

 

「〜〜〜〜〜っ///」

 

 

 

 

 

 

 

 

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夕食終了。即席オムライスは好評だった。エースに比べれば俺の料理なんて児戯にも等しいだろうが、シルは

 

『…言うほど不味くなんてないし…私は、好き。』

 

だそうだ。有難い。

現在俺は風呂を借りている。客の俺が先に入って良いのか聞いたが、男が普通待ってるもんだとかなんとか…よう分からん。

そう言えばなんであんな顔赤かったんだ、あいつ…。

まぁ顔イイし、あんまり見ない女っぽい顔で…

 

一言で言うとご馳走様です。

 

仕方ねぇだろ!?俺だって男なの!男と女がひとつ屋根の下、しかも風呂まで借りてるってそれ以降の事妄想しないわけじゃねぇよ!!

でもどう考えてもアイツは俺の事信頼出来る幼馴染みだと思ってるだろうから…。だから泊まり込み看病OKしてくれたんだろうし。そもそも転職の俺なんかじゃ警備隊隊長次席と釣り合わねぇよなぁ…。

泣きたくなってきた。

俺結婚とか出来るんだろうか…

 

まぁ考えてもどうしようもないもんなぁ。

シルが待ってるし上がるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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セブンが上がり、シルが入れ替わりで風呂場に向かってから小1時間。やけに時間がかかるなと考え、セブンが船を漕ぎ始めていた、その時。

 

「お待たせ…」

 

何気なく声の方向に目をやり、セブンは硬まった。眼前の女性…幼馴染みであるシルに、目を奪われた。

 

風呂上がりのためか、上気した頬。

ネグリジェを纏い、惜しげも無く晒されている鎖骨。

芸術品もかくやと言わんばかりのしなやかな肢体。

 

上から2番目は個人的な嗜好ではあるものの、どれを取っても全てが優れていた。

普段から近しい存在を、このようにマジマジと見るのはいつぶりであろうか。失礼だとは思いながらも視線を動かせない。

いつの間にか、眠気も飛んでいる。

 

「あ、や、大丈夫、だから…あぁ、うん…」

 

自分でも意味不明な言葉を並べる程度には、セブンはテンパっていた。

簡単に泊めてくれなどと頼んだのが間違いだったと、この期に及んで彼はようやく理解する。

こんな美人と1晩一緒って俺の理性持つのかコレ…と。

 

「じゃ、じゃあ…」

 

「!?な、なんだ?」

 

「ね…寝よっか…?」

 

(寝る…寝るっ!?)

 

想像してみて欲しい。

いくら普段ガサツな幼馴染みとは言え、女らしい表情をみせ、心身ともに成長した彼女と同じ布団で寝る場面を。

導き出される答えは一つだけ。

 

ウルトラセブン、無事死亡(アウト)

 

「いやっ、お、俺は床で寝るから…!なんかあった時にすぐ対応できるよう同じ部屋に置かせて貰えばそれで「は?」は?」

 

想像してみて欲しい。恋焦がれ続けた相手と漸く結ばれると思いきや、それが勘違いだったと判明した時のウルトラマンの心情を。

導き出される答えは、どう考えても一つだけ。

 

ウルトラセブン、無事死亡(バッター三振、スリーアウトチェンジ)

 

 

 

 

 

 

 

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「…………………………………………」

 

「おい、シル?」

 

知 っ て た 。

分かってたわよ…コイツがそんな度胸の持ち主でも、そもそも私をそう言う対象と見てない鈍感なイカレポンチの大バカ野郎な事も、もし少しは見てくれてたとしてもそんな積極的じゃないってことも…

 

「知ってたわよぉぉぉぉぉ!!」

 

「いきなりなんだよ!?」

 

でも、でもでもでも!少しは期待しても罪じゃないわよね!?男の目になったアイツが

 

『今までは幼馴染みっていう関係を壊したくなかった。でも、もうこれ以上は我慢できない。』

 

とか言って押し倒してきたりとか!期待しても!!

罪じゃないでしょ!?!?

 

「この鈍感ッ!阿呆!!ウスラバカ!!!」

 

「なんで!?大体俺はそんなに鈍くない!お前が俺を大切に思ってくれてる事とか、わざわざ行かせて申し訳なく思ってる事とかお見舞いが来て嬉しい事とかちゃんと分かってるっつーの!」

 

「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!そんな小っ恥ずかしい事素面で言うな///!!」

 

「お前が俺を鈍いとか言うからだろうが!俺はちゃんとお前の事分かってるんだぞ!」

 

「も、もう黙れ///!!」

 

「横暴だ!?」

 

なんでそこだけちゃんと分かってて気持ちに気付いてくれないのよ…!不思議よ、愛を理解できない回路でも頭に埋め込まれてんの!?

 

「こっの…!」

 

「胃が…もうホントに胃が…。」

 

「私は心が痛いわよ!あったま来た、もうアンタ私の布団で寝ろぉっ!」

 

「ハァ!?!?何、おま、馬鹿言って…おいバカほんとやめろ首掴むな俺はレッドキングじゃな…ァァァァァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、同時出勤した私とセブンが死ぬ程レジアにからかわれたのは言うまでもない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

北岡ブルーさんが描いて下さったシルさんです!!ボーイッシュながら女の子らしい丸みも感じられる、頼れるお姉さんさんというイメージ!

ブルーさん、本当にありがとうございました!!

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

オマケのオマケ

 

現在、ありがたいことに複数人の方から支援絵を頂いております。出来るだけ頂いた順番通りに…と思っていたのですが、誠に勝手ながら今後はエピソードに関連するキャラクターや場面を順次載せさせて頂きたいと思います。ヘッタクソな描写からイメージを描き起こし、イラストを送って下さる皆さんには感謝の言葉もありません。今後ともお願いできましたら、それに勝る喜びはございませんので何卒よろしくお願い致します。




アレですよ、男ってモンはですね、思わせぶりな女の子を見ると予防線的に「あいつが俺の事好きな訳ねーし〜」と思っちゃうんですよ。決してセブンが唐変木の朴念仁って訳じゃないんです!本当なんです、信じて下さい!

シルさん残念、また来週ッ!
そしていよいよ登場した『悪友』『あの馬鹿』ことウルトラマンレジア!アイスラッガーみたいなモンを頭につけて…一体何者なんだ(すっとぼけ)

注:保安庁所属じゃないのは仕様です。

タグを追加したのはウルトラマンに有るまじき戦闘描写だなぁと思ったからと、少し下世話な部分があるかなと思ったからです。
次は本編を続けていくので、これからもよろしくお願いします〜

リメイクしたとして、どの時期のセブンが見たい?

  • 5姉弟時代
  • 6姉弟〜レオ指導時代
  • メビウス時代
  • ゼロ誕生以降、ベテラン時代

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