ウルトラ姉弟(笑)の黒一点~胃痛と戦え!ウルトラセブン!~   作:三途リバー

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今回の話は、アンギラスの息子さんが書いてくださっている三次創作の1編…『光と鋼鉄』の続編らしきものです。

時系列はタロウ編後、レオ編前。
息子さんがシルとジャンボーグAの出会いを書いて下さり、その裏側?でセブンは何やってたのかなぁと思って書きました。本格的な戦闘は次回です。

息子さん、素敵なストーリーと逆輸入の許可、ありがとうございました!


⚠アンギラスの息子さんの『ULTRAMAN~The Other Universerl Story~』の番外編第3話、光と鋼鉄を先にお読み下さるとサクッと内容に入れると思います。是非お願いします。


光と鋼鉄…ついでにシスコン

「つつ…戻ったわよー。」

 

シルがエメラルド星人からの要請任務を遂行し、惑星アズゴアから戻った時、セブンは丁度本部に詰めていた。どうせなら出迎えてやろうと思い立ち、光の国のウルトラUポートでシルを待っていたのだが…

 

「おう、お疲れ…!?おい、その傷どうした!」

 

彼女の顔や腕―そして恐らくは見えない体にまで―の傷が目に飛び込む。

ゾフィーの話では、要請とは超獣と思われる謎の怪獣が確認され、地球人の青年と共闘してこれを撃滅して欲しいとの事だった。怪獣とは段違いの力を誇るとは言え、歴戦のシルが不覚を取ることはないと踏んでいたが想定外の事態が発生したらしい。

 

「あー…これ?超獣いじくったヤツにちょっと苦戦してね。敵はグロ「そんな事後で良い!早く手当てするぞ、来い!」あ、ちょっ///!?」

 

半ば強引に彼女の手を引き、急いで銀十字軍に通信を入れるセブン。急に手を掴まれ、瞬時に顔を赤くするシルだが彼はそれに気づきもしない。

 

「警備隊本部セブンです。シルがアズコアから戻りました。傷を負っているので治療頼みます。…はい、そっちには自分が連れていくので…はい、念のため精密検査の用意も。」

 

「そ、そんな深手じゃないわよ!?消毒液でも吹き付けとけば…」

 

「いーや、連れてく。ほら、掴まってろ。」

 

「ててっ、手を握るなぁっ///!!」

 

 

 

 

 

 

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うぅ…いくら小さい頃からの仲とは言え、そんなに強く握られたら恥ずかしいわよっ!

 

「よし、捕まってろよ…」

 

「へっ?」

 

掴まってろって…

も…ももっ、もしかして…

 

お姫様抱っことかされちゃうの!?いやっ、流石にそれは…!こんなシチュエーション恥ずかしすぎて無理よぉっ!

け、結婚式の時にドレスを着た私をお姫様抱っこして欲しいとかそれが昔からの夢とかそんな事はないんだから!憧れのシチュエーションとかじゃないんだから!

 

「もう少し寄ってくれ。」

 

「〜〜〜っっ///」

 

今度は肩に手を置かれて…セブンの逞しい腕が、私を抱き上げ…「テレポーテーション。」…はい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…それでわざわざ運んでくれた兄さんに逆ギレして一本背負いですか。暴力系女子ここに極まれりですね、シル姉さん。」

 

「うっさい!あ、アイツが期待させるような事言うから…」

 

「期待してたんですか…タロウとのキャラかぶりはあまり褒められたものではないかと。」

 

「誰が淫乱よ!」

 

全く…困った姉さんですね。流石に兄さんが不憫です。

まぁ、多少過保護のきらいはありますが。

 

「ですが兄さんによくお礼を言わなければ。体内で麻痺毒が検出されたんでしょう?グロース星人、でしたか。本気でシル姉さんを捕らえるつもりだったようですね。」

 

今回は兄さんの過保護ぶりが吉と出ました。

バキシム改の鎖に毒が塗られていたらしく、それが傷口に触れて体内に侵食した…と言うのが母さんの見立て。今はピンピンしていますが、暫くしたら毒が体に回って大騒ぎになっていたでしょう。精密検査のおかげで早めにわかり、解毒剤を投与したからいいものの…

 

「う…ま、まぁそれはちゃんと、ありがとうって伝えたけど…。今アイツは?」

 

「あー…それは、ですね…その…」

 

「何よエース、珍しく歯切れが悪いわね。なんかあったの?」

 

「…()()()()になって出かけました…。」

 

「!?!?」

 

突然だが、姉弟の中で最も恐ろしいのは誰か…という質問に、何故か大抵の人は私と答える。

…パンチで腹に穴開けて長ドスで首を刎ねて光線で爆殺する行為を恐れられる理由がイマイチ分かりませんが…とにかく言われます。ですが、当の姉妹の答えは全く違います。

 

 

 

ガチギレしたセブン(兄さん)はウルトラマンじゃない。

 

 

 

合言葉と言うほどではありませんが、ナックル星やゴルゴダ星、ヒッポリトの事件で『アレ』だの『鬼畜モード』だの呼ばれる状態を見せたセブン兄さんを指し、私達はこう評します。

どういう状態かと言いますと…

 

ピロリン♪ピロリン♪

 

ん、ゾフィー姉さんから電話ですか…

 

「はい、エースです。」

 

『すまん、エース。止められなかった。これから惑星アズコア周辺へ()()()()()を向かわせる予定だ。お前が指揮を取ってくれるか。』

 

「駄目でしたか…分かりました、1度そちらに行きます。」

 

『よろしく頼む。』

 

やはりゾフィー姉さんでも止められませんでしたか。まぁ想定内と言えばそうですがね。

 

「ということでシル姉さん。私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が散らかした後片付けをしてくるので、安静に。」

 

「えと…なんかごめん…。」

 

「明日のお昼は奢りですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「グロース星人、ねぇ…」

 

「お、おい、セブン…?」

 

宇宙航海図(地図)出せ。今エメラルド星人が拠点にしていて、なおかつ戦闘が激しい所は何処だ。」

 

「待て、大隊長に出動願いもまだ「 出 せ 」わ、分かった…。」

 

う…『この状態』のセブンはやはり苦手だ…。

視線があったら首を刈り取られそうな、そんな感覚が私を襲う。私とて名誉ある宇宙警備隊の隊長だ。敵を前に恐れるなど滅多にないが…。

 

「…アズコアで大規模な戦闘が始まったらしいな。丁度いい。」

 

本気で怒ったセブンの前では、どうも…。恐怖より先に私の中の生存本能が悲鳴を上げてしまうのだ。私に向けられた怒りではないと分かってはいるがな…。

 

セブンがほんきで怒るのは身近な存在を…大切な存在を傷つけられた時。ゴルゴダ星で見せた激情には本当に驚かされた。ま、まぁ…私達(姉妹)の為に怒りを感じてくれるのは…う、嬉しいが。それに、少しかっこいいところも…無いわけでは、ない…。

んん!まぁそれよりだ。このままいったらアズコア周辺が宇宙の地獄になる。エメラルド星人に泣きつかれる前にこいつを止めなければ。

 

「一応聞こう。何をしに行くつもりだ、セブン。」

 

「何をだと?決まりきってる、そんなもの。」

 

肩越しに振り返ったセブンの瞳は暗く、沼のような深さが狂気じみていた。底冷えした声は、どうしようもなく背筋に悪寒を走らせる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シルが世話になった…お礼参りだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





セブンにとってシルを失ったことは完全にトラウマです。
彼女が少しでも傷ついたら怒り狂うんじゃないかと思い、プチッといって貰いました。
続編では珍しく
セブン→姉妹
の構図が見られる…かも。

リメイクしたとして、どの時期のセブンが見たい?

  • 5姉弟時代
  • 6姉弟〜レオ指導時代
  • メビウス時代
  • ゼロ誕生以降、ベテラン時代

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