ウルトラ姉弟(笑)の黒一点~胃痛と戦え!ウルトラセブン!~ 作:三途リバー
少しいつもと毛並みが違います。
伏線…という程ではないかも知れませんが、一応それらしきものは。
…グロリアさんは出る。嘘は言っていない。
えぇ…はい。あれは僕達の星がまだ積極的侵略政策をとっていた頃の話です。
…え?あぁ、そりゃあもう終わりましたよ。だからこんな風に僕は牢獄の中で貴方がたに記録を残しているんじゃないですか。
…はは、嫌だなぁ。もうそんな馬鹿な事は考えてませんよ。えぇ、身にしみました。あぁ、悪い事は出来ないもんだなぁって。命があるだけで儲けもんですよ、本当に。よくあの乱刃から逃れられたと今でもおもいますもん。
えーと、それであの事ですよね?
僕達の星は太陽系第三惑星、地球へ目をつけました。1人の同胞が化け物みたいな怪獣連れて侵略しに行ったんですよ。あー…正確にはウルトラマンを倒しに…ですね。えぇ、あの時地球を守っていたのは…そう、ブレスレットの、銀髪が綺麗な…。え?あの人ジャックって言うんですか?へぇ、初めて知りました。なにせもう何年も牢獄の中ですし、当時は『ウルトラマン』とだけ聞いていましたから。
また話が逸れちゃったな。
ウルトラマンを倒して希望を摘み取れば人類など簡単に屈服させられると踏んでのことでした。あの怪獣はアホみたいにつよかったですしね、自信満々でしたよ。
僕達数人の仲間は無理だ無理だと半泣きでしたけど。怖かったですもん、宇宙警備隊を向こうに回すなんて。まぁ結果的にはウルトラマンを倒し、捕らえる事まで出来ちゃいまして。凄かったですよ、あの時の星の熱狂は。散々怖がってた連中も勢いづいちゃって、主犯格と一緒に捕らえたウルトラマンを拷問とかしてましたね。えぇ、ひどかったです。僕は当時本部に寝泊まりしてたんですけど、その…。夜な夜な、悲鳴とか叫び声とか聞こえて。もう、ホントに嫌でした。苦しそうなあの声…今でも耳にこびりついてます。
ウルトラマンを倒して自信もついて、さぁ地球へって時です。ことの始まりは、誰かが見せしめにウルトラマンを殺そうって言い出した事です。
まぁ、調子こいてたんでしょうね、皆。それを決定したらすぐさま全宇宙に公表しちゃったんですよ。今思えば馬鹿な事したなぁと思います。だってあんなおっかないのを呼び寄せちゃったんですもん。
あ、命の恩人にこんな事いったらマズイな。
いや、それでですね。ご存知の通り2人のウルトラマンが助けに来たわけですよ。ただまぁ、その片方の切れっぷりと言ったら…。
当然迎撃しましたよ。船もだして、ありったけの怪獣もだして
でも、無意味でした。ナイフ1本。ナイフ1本ですよ?もう暴風雨所の話じゃないです。とにかく生き残る事だけ考えました。
でも、本当に怖かったのはそこじゃないんです。
惑星攻撃用兵器のビームを、まともに喰らったんです。勝ったと思いました。やった、死なずに済むって。でも…
その光を振り払って、何事も無かったように立っていたんです。いや、違う…体はボロボロなのに、
結果は、まぁ歴史の通りです。ウルトラマンは救出され、僕達の星はたった2人に完敗。過激派は皆その場で討死、僕達穏健派…というより臆病者達は命を助けられてこの牢獄へ。
助けてくれたのは、その彼でした。僕の目を見て、
『改心するか』
って、一言だけ。
え?当たり前でしょ。改心する、ほかの者達もさせるから穏健派は助けてくれって。必死に命乞いです。…いやぁ、そんな偉いもんじゃないです。僕だけ助かるなんて後味が悪かっただけですよ。
…本当に、感謝しています。たまに顔だしてくれますし。隣の独房に入ってるの、親友なんですけど…伝言とか伝えてくれたり。感謝してもしきれません。
…え?そうなんですか!?
……いや。有り得ません。あの人は倒れません。絶対に倒れません。それが彼じゃないですか。それが、
『不倒の輝刃』ウルトラセブンでしょう。
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あぁ…もう、たまんないわぁ…。
何、あの素敵な男…。こんな絶望的状況で、あんな…眩しく、気高く、美しい…。
200匹以上のギラスをぶち込んだのに、ほぼ全滅しちゃった。ナイフ1本によ?普通なら腹立たしくて仕方ないのに…。
この胸の高揚感。L77星をぶっ壊した時よりも、ずっと激しいわ。あぁ、見たい、どうしても見たい。アナタの素顔が苦痛で歪むところが…
ブラックギラス、レッドギラス、お膳立ては頼むわよ?動けなくなったら私自ら会いに行くわ。
「待ちきれないわぁ…『不倒の輝刃』…!」
ね?嘘は言ってないでしょ?
このある宇宙人が誰だか皆分かるかなー?
って誰でも分からぁな。
前回のオニーサンの正体は次回明らかに!
リメイクしたとして、どの時期のセブンが見たい?
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5姉弟時代
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6姉弟〜レオ指導時代
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メビウス時代
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ゼロ誕生以降、ベテラン時代