ウルトラ姉弟(笑)の黒一点~胃痛と戦え!ウルトラセブン!~ 作:三途リバー
そして皆さんお待ちかねのキャラクターが遂に登場ッ!
独自解釈あります
諸星弾を名乗り、俺は正式なウルトラ警備隊の隊員となった。クール星人の侵略作戦も打ち破り、一息付けたのは良かったんだが…
「なんでお前らがいんの…?」
夕食を摂る俺の目の前には、3人の少女…いや、正確には3匹の怪獣。
「なんでって…そりゃ、僕達はご主人の下僕だし。あ、沢庵ラストもーらい。」
鮮やかなオレンジの髪を二つに結び、ダウナーな口調で応答するのはアニマル星のアギラ。
「アギラ狡いぞー!それミクラスが取っておいた奴なのにー!」
本日3杯目のおかわりであるご飯をぺろりと平らげてらっしゃるバッファロー星のミクラス。
「食べ過ぎですよ、ミクラス。厚かましい女性はご主人様のお気に召さないと思いますが?ジャックさんや私のようにお淑やかな女性が好みとのデータが既に出ています。」
メガネをクイッとあげ、頭良さそうに頭悪い事をのたまうメタル星のウィンダム。
「いやだからなんで俺の家で普通にくつろいでんの!?ここ地球!?」
再度疑問の声を上げるが、マイペースなこいつらには全く意味をなさない。
「???ミクラス、ご主人様の近くにいるって決めた!だからいる!」
「右に同じー。つかミクラスご飯おかわりしすぎ。私の分がなくなるってー。」
呑気に飯の取り合いをする二
……じゃなくて!!
「ウィンダム!説明プリーズ!!」
3人のまとめ役ウィンダムは味噌汁の湯気で曇った眼鏡を吹いている。なんかコイツも微妙にポンコツなんだよなぁ…抜けてると言うかなんと言うか…。
「えぇとですね、私達3匹はご主人様の御目付け役となるよう姉君様から申し渡されています。ご主人様が知ったら置いていくだろうとの事だったので、カプセルに入って紛れ込ませて頂きました。」
「姉さんかァ…!」
『非戦闘員が無茶しちゃダメだぞ☆愛しのお姉ちゃんより♡』
とか言ってる
「マジで驚いたわ…変身して宇宙船に突入しようとしたらいきなりバックからお前が出てくんだもん…。」
「す、すみません…少しでもご主人様のお役に立てられたらと思いまして…」
「お役ぅ…?『ご主人様の手を煩わす間でもありません!』とかドヤって出てった割には瞬殺されてなかった?さすがの僕でももうちょい粘るわー。」
「あ、あれは…時差!そう、時差ボケです!いきなり環境が変わったので、体の調子が…」
「ハイハイ言い訳乙。あ、ご主人、ご飯がない。ついでに漬物も。」
「ミクラスまだお腹いっぱいじゃないー!ご主人様ご飯ー!」
どうしてこうなった…。
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僕達は怪獣だ。
いや、何を当たり前の事をとか思わないで欲しい。
アニマル星、バッファロー星、メタル星の住人は皆人型を取っているけれど、体を解剖してみると怪獣の遺伝子の割合の方が大きいそうだ。事実、私達は普段生活する上では人間態を取っているけど、いざと言う時には怪獣態を取り、多少なら戦闘も可能だ。
故に、『怪獣』と呼ばれる。
他の星にもそんな人達はいるらしいけど、M87星雲では僕達の種族だけ。
星ぐるみで迫害を受けるのは、必然と言っていいだろう。
知的な化け物、はたまた化け物の遺伝子を持つヒトモドキ。自分の星にいてそんな言葉は掛けられないけど、少し他の星と交信しようとすればスグに聞ける。
こっちだって好きでこんな遺伝子を持ってるわけじゃない。怪獣扱いされたって困る。
まぁでも当然、そんな言葉が通じる筈もなく。
長い間、三つの星は酷い差別に見舞われていた。成り行き、この三つの星同士は深い交流を持つ事になり、惑星間の行き来とかも結構頻繁に会った。僕もミクラスもウィンダムも、わりと小さい頃からお互い見知った顔だったし、親が星代表幹部だっていう共通点があった。
そんなこんなで、私達は誰かの星でつるんでる事が多かった。ウチで三星会議が行われる事もあったし、バッファロー星にも行ったし、メタル星にも行った。まぁ、親に付いてっただけなんだけど…。
なんやかんやで2人は大切な友達だ。自分で言うのもなんだけど、めんどくさがり屋と、脳筋と、才気走ったポンコツがよくまぁ気が合うなとは思う。それでも、辛さを共有することが出来たという点で僕達はお互いにかけがえの無い存在。
「おーい、アギラ聞いてるかー?明日朝イチで買い出し行くから手伝ってくれ。食う飯がねぇ。最後の秘密兵器生卵もゆで卵になってミクラスの腹ん中だ。」
「僕は頭脳労働専門なんで〜。」
「何処の世界に書きかけの報告書をシュレッダーにかける頭脳労働者がいるってんだ…?」
「ご主人様、まだお腹いっぱいじゃない…」
「いやミクラスはもう散々…あぁやめろ涙目で服の袖を掴むな!」
情けない声を上げるこの人…僕達のご主人様。普段は特段男らしい訳じゃないし、ミクラスに縋られて逆に泣きそうな顔はとてもウルトラマンとは思えない。でも…
「何年くらいかな…僕達がご主人様と会って。」
「?そりゃあお前…かれこれ500年くらいだろ。まさかお前らをカプセルに入れて持ち運ぶ事になるとは思ってなかったぞ。」
500年…500年かぁ…。本当に、あの時の事は昨日の出来事に思える。僕達が
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燃える故郷。惨たらしく四肢を切断され、捨てられたように転がっている三星の代表達。
「え…ちょ、は?なに…?これ、何…?」
理解できないとか、その程度の次元の話ではなかった。アギラは目の前の惨状に思考を放棄していた。
『今日は大事な三星会議だ。光の国のお役人の立会いの元で我々の主張を星雲中に向けて発信できるんだ。尽力してくれた方がいてな、ようやくここまで漕ぎ着けた。歴史に残る1日だぞ!』
嬉しくて堪らないと言った顔で話していた父は、体を二分されてその優しい目を点に向けて歪めている。
「あ、あ、あ…」
「アギラ!」
叫びだしそうになったアギラは、誰かに抱きつかれて1歩踏みとどまった。後ろを振り返れば、親友のウィンダムがいる。
「おち、ついて…なんて、言えないけど…!でも、気を、しっかり…!」
自分がガタガタ震えている癖に、必死にアギラを抱きしめるウィンダム。アギラの心は、それで幾分和らいだ。
「アギラ…」
「…あり、がと…うっ…ぅぅ…ぅぅぅっ…」
いつの間にか、ミクラスも2人の肩を抱いている。安心させるような暖かさを感じ、アギラは静かに、しかし激しく咽び泣いた。
「あれぇ?生き残りぃ?」
「「「ッ!?」」」
そして、炎の中をゆっくり、ゆっくりとこちらに向かってくる影…
「あ、あんた、が…!?」
「もう全部殺したと思ったんだけどぉ…やっぱり
元からそうなのか、返り血を浴びたからなのかは最早判別出来ない。近づいてくる
「人型を取っていても、結局は怪獣だもんねぇ。三つの星が侵略を計画しても不思議じゃないよねぇ…?だからぁ…そうなる前に、根絶やしにしないと、ねぇ?」
その言葉を聞いて、怒りは湧かなかった。それ以上に、狂気を感じ取ってしまったから。
(殺されるっ…!!)
アギラ達3人の取った行動は、それぞれ別々だった。
アギラは野生の本能ですぐさま逃げる態勢を整え。
ウィンダムは恐怖のあまり足腰の機能を停止し。
ミクラスのみが、怪獣態を取って抗戦の意思を明確にした。
「ちょっ、ミクラス!」
「友達に、手は出させない…!!お前、ミクラスが倒す!」
2人を庇うように前へ出たミクラスは拳を構えるが、アギラはその腕にすがり付いて静止を試みる。
「無理、無理だよ!大の大人があれだけいて一方的に殺されてるのに…!」
「へぇ〜。怪獣にも大人子供の意識ってあるんだぁ。ま、良いよぉ。元からこっちは殺る気だしぃ。向かってきてくれた方が楽しめるからねぇ。」
瞬間、アギラは理解する。コイツは、怪獣殺しの大義を振りかざして殺しを楽しむ『正義の味方』なのだと。
「逃げて、2人とも早く逃げて!」
「み、ミクラス!」
立ち上がることも出来ないウィンダムも声を張り上げるが、その間にも赤い悪魔はミクラスとの距離を詰めていく。
「良い、良いよぉ…!アナタはどんな叫びを上げてくれるの?どんな足掻きを見せてくれるの?どんな死に顔を見せてくれるのぉ!?さぁ、
腕を大きく天に突き上げ、周りの炎が一瞬で消えていく。戦闘の素人であるアギラ達にも理解出来る程の濃密な殺気が辺りを満たし…
「レッドファイト!!」
構えと共に、死刑宣告がなされた。
オマケ
セブン!セブン!セブン!例によってフリーザ軍兵士No.2626さんから頂きました。いつもありがとうございます!
一応ウチのセブンの人間体の容姿と性格でイメージキャラクターはいるんですが、皆さんそれぞれ想像で楽しんで下さればと思います。↓のセブンはULTRAMANの諸星さんモデルのスマートマンです!
ね?皆さん大好き赤い悪魔の登場ですよ。
…やめて!次回からちゃんとセブンとカプセル怪獣の馴れ初め書くから石は投げないで!
次回はコレの後編を投稿予定です。
このレッドマンは女性ですが、ヴァンパイアさんが執筆されている『ベリアル物語』に登場するサイコキラーな悪レッドマンを元に設定させて頂いたキャラクターです。レッドマンのサイコなキャラクターを使わせて頂く事を快諾して下さったヴァンパイアさんに感謝の言葉もありません。本当にありがとうございす。
リメイクしたとして、どの時期のセブンが見たい?
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5姉弟時代
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6姉弟〜レオ指導時代
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メビウス時代
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ゼロ誕生以降、ベテラン時代