俺は古参プレイヤー   作:サンデイクローズ

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今回は主人公の説明回。

説明ばかりですまない…
次からは多分本編に入れるとは思います。


碑文研究会

 ──『key of the twilight』という言葉を耳にしたプレイヤーは居るだろうか?

 現在の「The World」において存在するかもしれない幻のアイテムで、それを手に入れれば好きな願い事がひとつ叶うとか言われている、まぁ誰が言い出したか分からないそんな噂話のひとつだ。

 

 思えば前のR:1時代からその手の話はあったし、未帰還者についてもその内の一つで、直に経験した俺としては「有り得ない」とはとても言えないから、そう言った類の噂を収集するギルドを作ってみた。

 

 その名も、『碑文研究会』だ。……わかり易くていいだろ?いや、俺のネーミングセンスについては言及しない方向でどうぞ宜しく。

 

 そこ、ダサいなんて言わない!チャンピオンになるまでの恥ずかしいレベリング時代のこと掲示板で書くぞ?良いのか?

 

 

 

 

 我が碑文研究会のギルド中央には眠気を堪えている赤髪のグランティが一匹鎮座している。

 

「おっかしいなぁ、俺に似て勤勉になる筈なんだけど、なんで寝てるんだコイツは」

「アンタが勤勉ならこのゲーム内の全員が勤勉になるわよ?もう少し自分の行いを見つめ直したら?」

「えぇっと、お前のレベル上げ手助けしただろ、欅もこのギルドに半ば強制的に入れただろ?……あっ、あと昔の仲間にも会って色々して貰えただろ、それから」

 

 今までやってきたことを整理していると隣からわざとらしく吐いたため息が聞こえてきた。

 

「そーゆー事じゃなくってねぇ……!」

「えぇ……じゃあお手上げだ。降参!参りました!」

「そういう所を治せって言ってんのよ!」

 

 現紅魔宮チャンピオンの揺光さまにお叱りを受け、ションボリしながらギルドの拡張を出来る所までやってみた。……ギルマスだけバイク乗れるシステムって、良いよね!

 

「嬢ちゃん、乗りな!」

「アンタほんとに年上よね?たまに分からなくなるんだけど」

「それは俺がキャピキャピしてるっていう褒め言葉かい?」

「あぁもううっさい!ほら、とっとと走らす!20代フリーター!」

「貯金残高はざっと億に届いてるぜ?どうだ、俺と人生を過ごしてみないか?」

 

「……はっ!ダメよこんな何にも考えてないチャランポラン惹かれるなんて合っちゃダメ」

 

 バイクの風圧ってすげぇな揺光が何言ってるか全く聞こえなかったわ。……それにしてもこんな所リアルに作らんでも良いんじゃないでしょうかCC社さん?

 

 

 悠久の古都『マク・アヌ』

 

「さって、取り敢えずゲートに着いた訳だけど、どっか行きたいとこあるか?」

「さっきバイクで人が避けるの楽しんでたことは無かったことにするのね……」

「いやいや、あれは楽しまないわけには行かないでしょ。みんな間抜けに避けるんだぜ?多分プログラムされてるんだろうけど、あれは楽しいでしょ」

 

「……掲示板にωライスさんが『【警告】バイクに注意!特に“ライ”の乗ったバイクに注意されたし!』ってスレ立てしてるんだけど?」

「くっ、尻ライスの野郎……俺の楽しみを奪うつもりか!?」

 

 あっ、揺光の目がゴミを見るような目になりかけてるこれはヤバイ、具体的にはフィールドに出た瞬間PKされかねないぐらいヤバイ。

 

「じょっ、冗談ッスよ〜やだなー揺光さん、そんなマジにならないで下さいよ〜」

「ホント一回地獄にでも落ちれば?」

 

 あっ、揺光さんからメンバー解除された。……あっ、エリア移動っすか?どこ行くんすか?

 

 

 

 

 

 揺光に捨てられ、やることも無くなってしまったので、お気に入りのロストグラウンド『グリーマ・レイヴ大聖堂』へとやってきた。

 

 転送された直後から、寒気を感じ、暫くゲートの前で立ち竦んでいた。この感覚は未帰還者になった時に感じたものとよく似ていた。

 しばらくすると、感じていた寒気がなくなったため、聖堂へと入る。……一番最初に目に付くのはいつ付けられたか分からない、三爪痕(トライエッジ)だ。

 そう言えば最近、「トライエッジを知っているか」ってPKに聞いて回るPKKが居るらしい。ソイツはどうやら『死の恐怖ハセヲ』って呼ばれていて恐れられているとか何とか。……『志乃恐怖』の方のハセヲなら知り合いだけど、死の恐怖さんは知らない人だ。

 

「こんにちは」

 

 考え込んでいたせいか、目の前に少年が立っていたことに気が付かなかった。ま、The Worldだしな。

 

「こんにちは、俺はライってもんだよろしく」

「……へぇ、お兄さん僕のこと警戒しないんだ?」

 

 クスクス笑う少年。取り敢えず名乗ってくれないと話しづらいんだけど。

 

「The Worldだからな、こんなこと今に始まったことじゃない。それに、ただラグが酷いってだけの可能性もあるしな」

 

 そう、The Worldだから。このセリフは結構万能だ、いい意味でも悪い意味でも。

 

「そっか、お兄さん面白いね。……僕はクビア、取り敢えず面白そうなお兄さんと一緒に行動してみようかな?」

「は?」

 

 クビアと名乗る少年から強制的にメンバーアドレスの交換をされ、気がつけばクビアは目の前から消えていた。

 狐に化かされたような気分になったが、メンバーリストの中にはしっかりと『クビア』の名が刻まれていた。




碑文研究会とかいう捻りも何も無いギルド名恥ずかしくないの?
作者のセンスがないからね、ちかたないね。


揺光の口調が絶対おかしい気がする。G.U.の設定資料届いたら書き直すかと思うので許してください!何でもしますから!

クビアは.hack//XXXXの姿です。多分オリキャラみたいになると思う。

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