俺は古参プレイヤー   作:サンデイクローズ

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.hack//SIGNが面白くて遅れました。話は進みません。

評価バーに色がついてる…


リアル

 榊が消えた後、欅が月の樹本部で会いたい人が居るとかで先に解散ということになった。

 

「欅に興味持たれるとかソイツも可哀想だ。いつの間にかPCデータ改造されたりするんじゃねぇか?」

「ライさんの中のボクのイメージってどうなってるんです?……まぁ面白くなりそうならやっちゃいますけど」

「……面白そうならやるって言うのやめた方が良いわよ?」

「えー、揺光さんまでそんなこと言うんですか?ボクそんなに常識知らずじゃないはずなんだけど」

「まぁ欅くんの判断基準が面白いかどうかな時点で結果は見えてるよねー」

「欅はAIDAに取り憑かれても大丈夫。ボクが保証するよ……」

 

 ついにエンデュランスにまで弄られ始めてしまう欅。月の樹ギルドマスターとしての威厳などという幻想はここには存在しなかった。

 流石にエンデュランスに弄られたのは効いたのか捨て台詞を吐いて月の樹へ向かって行った。

 

「良いですよ!じゃあもうハセヲさんのことチートキャラにして皆さんのことギャフンと言わせて見せますよ!」

 

 

 

「僕、ちょっと言いすぎたかな?流石に目つきの悪い彼が可哀想に思えてきた」

「奇遇だな、俺も今度会ったら謝んないとって考えてたわ」

「うん……流石に弄りすぎちゃったかしらね?欅が本気出したらどうなるのよ」

 

「さぁな。本気の度合いが違うかもだけどアイツ非公式サーバー1個持ってるらしいぞ?」

 

 そう言った後の三人はポカンとしていた。こんな表情のクビアとエンデュランスを見るのは初めてで新鮮だった。

 

「なんなのよそれ……アイツのリアル何者なのよ。ライなら何か聞いてるんじゃないの?結構昔から知り合いっぽいし」

「さぁな。それは誰も知らないしアイツも教える気はないと思うし俺も聞く気は無いし。でもまぁ何回も聞けば気まぐれで教えてくれるかもな?」

「もう諦めるわ。とりあえずアイツはやばい奴、って覚えとけばいいわけね」

 

 欅がヤバさの再確認談義を終えた俺達はいつまでもフィールドにいてもしょうがないと思いタウンに戻ることにした。

 

 

 

 

「これから何かすることあるかな?」

 

「私は特に無いけど……アンタは?」

「ボクも特には無いよ……ライ、も無いみたいだね」

「ん?そうだな。クエストもこの前クリアしたから新規クエスト来るまでやるのもないしな」

 

「そっか、じゃあ僕ちょっと遊んでくるねー」

 

 そう言いクビアが離脱する。残ったのは俺と元紅魔宮チャンピオンコンビだった。

 

「よく考えると俺のギルド月の樹のギルマスと元紅魔宮チャンピオン二人が所属してるんだよな。……なんだこのギルド」

 

「何よ、そんなこと今更でしょ?それよりも、その『元』って言い方気に入らないわね。……またタイトル取りに行こうかな」

「その時はボクも手伝わせて貰うよ。……この三人で出るのも楽しそうだね」

「確かに。揺光が良ければこの三人でチャレンジしようぜ!」

 

「チャレンジしようぜ!って多分過剰戦力よね、これ……」

 

 揺光がいつもの呆れた表情をしてため息を吐いていた。よし、いつものギルドだな!

 

「そういや揺光、明日学校じゃないのか?」

「残念、明日は振休だから余裕あるのよ。……そういや、アンタはリアルで学生なの?社会人?」

「ボクは……」

 

 それからエンデュランスが話してくれたリアルはThe Worldと深く関わっていて少し気の毒になった。つーか引きこもりかぁそっかぁ。

 

「何よ、そんなのリアルに関わりたくないのをThe Worldのせいにしてるだけじゃない!」

「いやいや、揺光ちゃん落ち着いて、な?」

「でもっ!」

 

「うん、揺光の言う通りだよ。ボクは自分以外のセカイと関わることが怖いんだ。ずっと怖くて、それでも学校にも行ってたけどThe Worldでミアと出会って、ボクの居場所は“ここ”なんだってそう感じて。だからリアルの居場所は無くっても大丈夫だって考えて、そんなボクを周りも避けるようになって……」

 

「だからってリアルの全員がアンタのこと嫌ってるワケじゃないでしょ!?なんでそうやって諦めるの!決めつけるの!」

「……揺光」

「……ちょっと言いすぎた、ゴメン。でも、周りの何もかもが信じられなくても私達は信じて?仲間なのに信じて貰えないのは辛いから」

 

「うん。ありがとう揺光、ライ。……ボクも最近これじゃダメだって思ってるから、いつか全員とリアルで会う事が当分の目的、かな?フフッ素敵な目標が出来たね」

 

 そう笑うエンデュランスの表情はとても晴れやかで、もう少しすれば自分から扉を開けられると確信するのに充分だった。

 

「まぁ全員が集まるための旅費は馬鹿にならないんだけどな?」

「……ライ、台無しよ」

「えっ、そうなの?それじゃバイトもしないとかな……」

「アンタもノらないの!……もう、このギルド自由人が多すぎよ」

 

 そう嘆く揺光が微笑んでいたのはよくある風景だ。ここにクビアなり欅なりが居ればこの揺光を弄って揺光の顔が赤くなるんだけどな。

 

「さて、じゃあどうするよほんとにアリーナ出てみるか?」

「えっ本気でやるの?私は良いけど……」

「ボクも異存はないよ?」

「じゃあ、えっとよろしくね?ライ……エンデュランス」

 

 ちょっとなんでエン様の名前呼ぶ時若干顔赤らめてんの?はぁ?マジわけわかんないんだけど?

 

「……本当にライは揺光の事が好きなんだね?」

「ファッ!?」

 

 エン様が表情から感情を読み取る術を手に入れてしまったらしい。くっそ顔が熱いぞ。

 

「ななな、エンデュランスを名前で呼んだのは特別な意味じゃなくて仲間としてだから!だからえっと……」

 

 

 

「あれー?今日は珍しくライも顔が赤いねー?……エンデュランスくん、凄いね!」

 

 なっ、クビアが帰ってきただと……!欅と並んでこの状況を見られたくない相手が。

 クビアが@HOMEに戻ってきた時は欅と一緒の確率が高いけど今日は違ったようだな。良かった。

 

「もー、クビアくん置いてかないで下さいよー。あれ?何だか面白いことになってますねぇ」

 

 あーやっぱり来ちゃった。やっぱりこの二人仲が良すぎると思うんだけどそれは俺だけか?

 その後はワザと弄ってくる二人と無自覚で弄ってくる天然一人に辱めを受けた。こんなに恥ずかしかったのは忍冬を揺光に渡した時以来だった。

 

 




 .hack//G.U.絶賛プレイ中により榊さんの出番が亡くなった。マジで途中のお使いクエスト辛い。

3日ぶりに書いたせいで所々おかしい所がありそう。
あと驚いた言葉「ファッ!?」以外に良いのあったら教えてください。直します。
ま、2016(2017)年だし語録が飛び交うのも多少はね?


あと評価、感想してくださってる方ありがとうございます。

次回はサルバドル愛原(大嘘)

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