アフターひだしん越後屋大戦(凍結)   作:越後屋大輔

1 / 19
「裁判長!私は無罪です、ただ『越後屋』の続きを書こうとしただけなんです!」
「判決、被告人越後屋大輔(作者)は…」


第1話高坂の逆襲

 警察を免職となった高坂諒平は自らの境遇に納得できず世界を元から変えてやろうと目論んだ、いわゆるテロである。

 

 県警所属の警察官天々座理世は帰宅途中、突然刃物を持った仮面の男に切りつけられた。とはいえ軍将校の父親に鍛えられた彼女は簡単にはやられない、父親直伝のCQCで腕をとる。しかし何か勝手が違う。

 

 「何だ、こいつ?腕が金属だと、イヤ、特殊な鎧か?!それにしては動きがしなやかすぎる」ガツン!頭を殴られて気を失った。

 

 目を覚ますとそこは廃屋となったビルの中だった。

 「ここは何処だ?クッ貴様は!」理世を殴り捕らえた先程の男がいた。鎧だと思っていた体はこいつ自身の肉体らしい。

 「貴様は何者だ、私をどうするつもりだ?」

 「かつての同僚にご挨拶だな」そういうと男は仮面を外し顔を見せた。

 「き、貴様は高坂…!何だその姿は?それより何をしている?!」そいつは事件関係者への過剰な聴取や捜査の越権行為で辞めさせられたハズの高坂諒平だった、しかし髪は真っ白で肌は浅黒くなっており目の周りには無数のピアスが埋められている。

 「浄化さ、汚れきった現代社会のな。世の中はどこも犯罪だらけだ、俺は犯罪が憎い、だから犯罪のない世界をつくる。その為に地球を浄化してやるのさ、数年前に盗み出したメガノイドの技術を使ってな」

 「それが私となんの関係があるというんだ?第一お前がやったのも窃盗だし今は拉致監禁、立派な犯罪だぞ!」

 「人間ならな、だが人権のないメガノイドから盗むのは犯罪じゃない、それに今の俺はサイボーグだ、義務も戸籍もない。だから犯罪者ではない、お前もサイボーグになって俺と新しい世界を作ろうぜ。NO.2にしてやるよ」

 「断る!貴様の戯れ言など聞く耳持たん!私はどんなに汚れきっていても人間として生きる!!」

 「ケッ、つまらん!だったら死ねよ」機械化された腕がライフルに変化して理世に向かって発射されそうになったその時だった。

 「久し振りの宮子パーっンチ!」サイボーグになった事で200キロはあるだろう重さの高坂が吹っ飛ばされ壁にめり込む、そのあとから自動車(くるま)が追い付いてきた。

 

 「貴様、メガノイドの残党か?!」自動車から降りてきたのは破嵐万丈だ、彼が高坂に怒りの形相で壁ドンして問う。

 「勘違いするな、メガノイドみたいに人類を征服する気はない。地球を浄化…、ごぶぁ!」万丈がライトセイバーで高坂の腹部を刺す。

 「ふざけるな!お前だって奴らと何も違わない!」ライトセイバーを内側から高坂の脇腹へ流すように引き抜く、吐血するかのように高坂の口から緑色の液体が吐き出された。

 「お、俺は諦めんぞ、人間を必要としない世界を…グハッ」這いつくばって尚逃げようとする高坂を宮子が拘束した。

 「答えろ!ゆのっちと私の子供達はどこだ?」

 「お前が拐っていったのは調べがついているんだ!」

 「ここにいるよ」懐かしい声に振り向くとゆのが龍斗、美花と一緒に姿を見せる。既に誰かの手で助け出されていた。

 「万丈さん!」

 「「お母さん!」」家族に無事再会した2人だが

 「さっきブラ殿の声がしたような」

 「僕も聞いた、行方不明のチェブラーシカがナゼ…」

 

 チェブラーシカはある日突然彼らの元から姿を消した、覚えたての文字で『サヨウナラ』の一言を書いた便箋を残して。万丈は破嵐財閥の力をもって捜索したが結局見つかる事はなかった、あの時はしんのすけやひだまりズも声をあげて泣き通し悲しみに暮れる日々を過ごした。

 

 そのチェブラーシカは今、天界にいる。お馴染みオカマ神様、幼女神様に続く第3の世界の神になるべく日々修行しているのだ。今回は昔の友人で恩ある万丈達の危機を知って地球に一時帰還した。

 「ホントはアタシの仕事なんだけどね」オカマ神様は苦笑する。

 「せめてもう一目会いたかったな」悲しげな表情で呟くチェブラーシカ、しかし神の世界の法で2度と彼らに会う事は許されない。

 「(ちゅら)いでちょうけどこれも運命(ちゃだめ)でちゅ」幼女神様が頭を撫でて優しく諭す、チェブラーシカはこれからは神様としてかつての友達を見守っていく決意を改めて固めた。

 

 パトカーと高坂を連行する特別仕様の護送用車両が到着した、この先一般市民の宮子は手伝えないので男性警察官が5人がかりで半壊した高坂を車両に乗せる。

 「高坂、お前には失望したぜ」理世と同じく高坂の元同僚である伍代は高坂を一瞥してため息を吐くと後輩の女性警察官を手招きする。

 「伍代先輩、何のご用ですか?」

 「天々座を病院まで連れてけ」

 「私は平気だ!」理世は強がるが、

 「こういう事件に巻き込まれたら検査を受けるのは当然、警察官なら尚更だ」

 「やあ、伍代刑事」万丈が話しかける。

 「破嵐さん、ご迷惑でしょうが聴取を取らせていただきます。奥さんは病院まで」

 「ああ、理解している」

 「刑事さん、私は旦那が来るまで待ってくれない?チビ2人ほっとけないし」

 「わかりました」 

 

 その後、高坂諒平は裁判にかけられたがこれが難航を極めた。メガノイドが崩壊した現在ではやたらと死刑にもできない、対して世論は死刑を求める声で溢れた。そして最高裁までもつれ込む事になった。全世界がこの裁判に注目している。

 被告人席にたつ高坂に最終判決が言い渡された。

 「被告人を極刑とする!」世界中が歓喜の声で沸き上がった。その瞬間高坂の体が膨張し始めた。裁判所の屋根を突き破りメガボーグに変化したのだ。

 

 




果たして作者の運命は?
(とりあえず完結はさせます)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。