意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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横浜騒乱編11

昨日やってみたエアケイを使わなくても普通のフォアハンドに丹田の上下の運用を応用させられる。しかし、身体を大きく捻る動きを入れると丹田の□の運用を用いた方が自然な動きになる。

 

昨日は、丹田の上下、特に↑の運用を実感してもらいたかったのでエアケイで説明したのだ。

 

これらは、所謂明勁ではあるが勁の感覚さえ掴めれば暗勁もすぐに習得できる。なので、カウンタースイング等を使った「初動無負荷理論」による勁の修得は部員全員ができるまでやり続けるつもりだ。

 

これが、できれば筋力で脳と背骨を支えるのではなく勁で支えるようになれるので、背骨や脳が自立的に動き出し「道を得られる」のだ。もちろん、他に方法があると思うが先ずはこれでやろうと思う。

 

エアケイに、話を戻すとジャンプしたら身体は重力を感じて↓下向きに否応なく引っ張られる。それに抗うように↑上向きに丹田を運用するのと同時にテニスボールを打ち返す。ここら辺ができると発勁も実は簡単にできる様になる。

 

太極拳なら□の丹田運用で角に相当する箇所、∟等の頂点を意識すれば良いだけだ。ちなみに妙技は異なるベクトル、例えば↓と→を同時に行えば実現できる。

 

「というても「万振り」は、せんでエエよ!」

数稽古は、それなりに効果があるが理論がしっかりわかって練習し、出来ているのかいないのかすぐにフィールドバック可能ならばやる意味はない。弟子に数稽古を強要するのは、師自身があまりわかってないと白状している様なものだ。

 

別に特定の誰かさんを非難しているわけではない。

 

「ところで、師匠。西城くんと千葉さんが休んでいるけど何か聞いている?」

僕は一生懸命喋っていたのだが、涼野さんはリラックスして訊いていた様だ。これなら、万振りなんて間違ってもしないだろう。

 

しかも、特定の誰かさんに涼野さんはピンときたらしい。

 

「何も聞いてへんけど、昨日二人で(キャビネットの)箱乗りしとったで」

 

あ!しまった。言ってから、後悔した。

 

「「「え—————————ッ!」」」

 

女子高生に、美味し過ぎる話題を提供してしまった。

 

今日は、用事があると部員に伝えて僕は学食を出ようとした。そう言えば、学食内の雰囲気が以前と変わった気がする。

 

一科生と二科生が同じテーブルを囲んでいるのがあちこちで見られるからだ。九高戦での司波くん達の活躍や僕らの暗躍は一高の雰囲気を変えたようだ。

 

司波くん達も、何やらやむごとなき妄想を膨らませて盛り上がっている。僕らと同じ話題に女の子達が食いついたのだろう。

 

◇◇◇

 

「主任は、デジタル指示調節計を交換したいのですか?」

 

「うん」

 

そりゃ無茶やで!と言いたいところだ。何しろアズビルのこのシリーズはもはや骨董品と言ってよく、新品も取扱説明書もなかなか手に入らないからだ。主任は、一体どこで手に入れたのか不思議なくらいだ。

 

「中のデータを出力して新品にそれを入力して交換すれば良いのだけど」

 

いやいやいや、これ古過ぎて入出力ポートに接続する端子が手に入らないですよ。たとえ、手に入れても、今度はデータを入出力する際に必要なソフトとそれを走らせるハード{もしかしてMicrosoftのWindowsを積んだラップトップ(見たこともないけど)か何か?}が手に入らない。

 

「ダメぇ?」

 

社会人、しかも上官がそんな甘えたなおねだりしてはダメですよ!でも、意外に可愛い人だ。同じ才女の藤林さんは主任や小野さんを見習うべきだろう。

 

話題がそれてしまった。有事が近付きみんな心穏やかに平常心を保つのは到底無理なのだ。

 

「主任。これヒコーキのウンテンに差し障り有ります?」

 

「ないけど、治ったら嬉しい^ - ^」

 

わかりました。何とかしてみせましょう!

 

「AC電源と延長コード有ります?」

 

僕は、主任から手渡された延長コードのコンセント部分をドライバーでバラした。結線も外した。次にデジタル指示調節計の端子に結線し直した。調節計が点滅し始める。

 

「おお!」

 

いかにもリケジョな反応ありがとうございます。新品の電気機器に電源を入れたら立ち上がるのは普通なんですけどね。

 

「あとは、パラメータを表示しては地道にこっちに逐一入力して行くだけです」

 

「?」

彼女は、僕の言わんとする事がわからなかったらしい。

 

「主任。表示させる方が良いですか?入力する方が良いですか?」

 

「ええー!」

彼女は、僕の言わんとする事がわかったらしい。

 

そのあと二人でエロエロではなかった、ヘロヘロになりながら手入力した。

 

◇◇◇

 

ヒコーキのウンテン訓練を無事終了させた夜、座禅をしようとすると訪問者が現れた。司波くんだ。ただし、肉体をともなってない。

 

彼のスキルに『千里眼』は含まれていないと思う。しかし、それと似たことはできる。魔法が物理的距離によって直接的には左右されないのと同様に、情報体次元を認識する知覚力にも物理的距離は直接の障碍とならない。情報の世界で対象を特定できれば、どれだけ物理的に離れていても『視る』ことができる。

 

特に、一回彼が「再生」した人物への物理的距離はほとんど障害にならない。今回は、意図的に「視」ているのではなく偶然「視」えているのだろう。

 

と思ったが、そうではなく誰かに今日の出来事を言ってみたかったらしい。情動は削除されていても感情は多少残っているし心はある。誰かとおしゃべりしたいのも当然だ。

 

彼の孤独をふと感じた。

 

道を得れば、解決するよ————!などと伝えた。

 

彼は安心して帰ったようだ。

 

◇◇◇

 

僕は、今は1日座禅を二回している。帰宅後と登校前だ。帰宅後はその日の疲れを取る為に、登校前はその日の活動を元気よく円滑に行う為だ。

 

物語の主人公が、年寄り臭くボヤいているのは、昔の軽妙小説にはしばしばみられた。

 

当時、軽妙小説はライトノベルと呼ばれていた。その頃我国は、デフレ、つまり、売国財務省による日本弱体化金融政策によって日本社会が「失われた20年」の最中であった。したがって、生き残るのが精一杯とか小さな幸せを求めるとかひたすら振り回されるだけの主人公が登場する物語が好まれたのも仕方ない。

 

欠伸をしながら、学校までの長い坂を愚痴りながら主人公が登校しているとアドレナリン過多と思われる女子が登場して主人公に衝突したり飛び蹴りをかましたり空から降って来たりするのだ。どんなSF?

 

有り得へん。

 

売国財務省の頭を抑えられてから日本経済は復活し始める。しかし、1980代のようなバカ元気に急に戻りはしなかった。軽妙小説もいきなり元気なストーリーに戻りはしなかった。

 

などと雑念が出ていた。その雑念が消えて行くと突然

 

三面の壁にボ ール状のターゲットが出現する。のが見えた。

 

その全てが同時に砂と化す。達也は正面に右手を突き出した射撃姿勢だ。引き金を引いたのは ─ ─ CADのスイッチを押したのは一度だけ。それで十二の標的が分解魔法に撃ち抜かれた 。一息つく間も無く 、今度は壁と天井を使ってターゲットが示される。その数は二十四 。

 

達也は正面の一つに照準を合わせることすらせず、CADを固定したまま引き金を引いた。落ちてくる合成樹脂の粉末を避けて身を翻す。ターンしながら右手を真上に突き上げ、引き金を絞る。崩れ去る球体の隙間を埋めるように、次々と小球面が顔を見せる。引き金が引かれる頻度が、二連続、三連続へと増えていく。

 

しかし標的のストックが尽きるまで 、遂にペナルティの模擬弾が発射されることは無かった 。

 

お見事!

 

その後の光景も僕には、司波くんの目を通して見えていたが出来るだけ見ないようにした。少し気になったのは九重八雲なる人物ぐらいだ。そんな事よりも、

 

安心して攻撃すると攻撃力が上がると昨晩伝えたら、今朝いきなり実践した司波くんはさすがだった。

 

 

 




なんの参考にもならないかも知れませんが、デジタル指示調整計の紹介HPです。画像や動画を検索すると一目瞭然だと思います。

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デジタル指示調節計
SDCシリーズ
CEULSKC
韓国Sマーク(SDC15のみ)

特長
ラインナップ
納入事例
デジタル指示調節計 SDCシリーズは、フルマルチレンジ入力で新アルゴリズム“Ra-PID(RationaLOOP PID)”および“Just-FiTTER”を採用したPID制御方式の調節計です。
制御出力は、SDC15/25/26/35/36=最大2点、SDC45=最大5点、SDC46=最大7点(形番による)が可能で、それぞれリレー接点、電圧パルス、連続電圧、電流から選択可能です。
また、スマートローダパッケージ対応で設定操作やモニタリングが容易です。
組み合わせて使用する入力、出力機器も多様な種類を用意しています。

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