意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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あとがき

少し唐突な終わり方をしたのは、黒澤明監督の「天国と地獄」*を真似てみたのと明日から忙しくなる為だ。黒澤明監督が、誘拐犯役の山崎努の芝居があまりに良かったので映画のラストをそのシーンに変更したとされるエピソードがあるのだ。

 

司波兄妹の美しいダンスを見ていると自然に僕の意識が変わってしまい彼等の未来が眼前に広がった。なので、無粋な真似はやめた。人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて…豆腐の角に頭を打って…あれ?どっちだったっけ。まぁ、どっちでもいいか。

 

実際はこの後に催された一高の祝賀パーティーが、盛り上がり過ぎて大変な事態になった。それを書いた方が良かったかも知れない。パーティーが終わった後も司波くんの修羅場は続いたようだ。僕もキッチリ千葉さんに仇を取られた。

 

少佐達は、参加してなかった。その理由もわかった。今回の仕事で支払われた報酬の額でだ。Hondaの二輪車が買える。彼女達は一高優勝にいったい幾ら賭けていたのだろうか?一高連覇の妨害行為を必死で排除するのも納得だ。ん?未成年が賭事をするのは違法だっけ?

 

 この物語はフィクションです。

 

この物語の舞台はこの世界とよく似た別の世界であり、実在もしくは歴史上の人物、団体、国家、領域その他固有名称で特定されるすべてのものとは、名称が同一であっても何の関係もありません。

 

これで良し!

 

週明けから、夏休み特別編の開始です。乞うご期待。

 

 

皇紀2755年8月12日   

河原真知     

 

*『天国と地獄』(てんごくとじごく)は、1963年(昭和38年)に公開された日本映画である。監督は黒澤明。毎日映画コンクール・日本映画賞などを受賞した。

 

あらすじ

ある日、製靴会社『ナショナル・シューズ』社の常務・権藤金吾の元に、「子供を攫った」という男からの電話が入る。そこに息子の純が現れ、いたずらと思っていると住み込み運転手である青木の息子・進一がいない。誘拐犯は子供を間違えたのだが、そのまま身代金3000万円を権藤に要求する。

 

デパートの配送員に扮した刑事たちが到着する。妻や青木は身代金の支払いを権藤に懇願するが、権藤にはそれができない事情があった。権藤は密かに自社株を買占め、近く開かれる株主総会で経営の実権を手に入れようと計画を進めていた。翌日までに大阪へ5000万円送金しなければ必要としている株が揃わず、地位も財産も、すべて失うことになる。権藤は誘拐犯の要求を無視しようとするが、その逡巡を見透かした秘書に裏切られたため、一転、身代金を払うことを決意する。

 

権藤は3000万円を入れた鞄を持って、犯人が指定した特急こだまに乗り込む。が、同乗した刑事が見たところ車内に子供はいない。すると電話がかかり、犯人から「酒匂川の鉄橋が過ぎたところで、身代金が入ったカバンを窓から投げ落とせ」と指示される。特急の窓は開かないと刑事が驚くも、洗面所の窓が、犯人の指定した鞄の厚み7センチだけ開くのだった。権藤は指示に従い、その後進一は無事に解放されたものの、身代金は奪われ犯人も逃走してしまう。

 

戸倉警部率いる捜査陣は、進一の証言や目撃情報、電話の録音などを頼りに捜査を進め、進一が捕らわれていた犯人のアジトを見つけ出すが、そこにいた共犯と思しき男女はすでにヘロイン中毒で死亡していた。これを主犯による口封じと推理した戸倉は、新聞記者に協力を頼み共犯者の死を伏せ、身代金として番号を控えていた札が市場で見つかったという嘘の情報を流す。新聞記事を見た主犯は身代金受渡し用のかばんを焼却処分するが、カバンは燃やすと牡丹色の煙が発する仕掛けが施されており、捜査陣はそこから主犯が権藤邸の近所の下宿に住むインターンの竹内銀次郎という男であることを突き止める。

 

竹内の犯罪に憤る戸倉は、確実に死刑にするためにあえて竹内を泳がせる。竹内は横浜の麻薬中毒者の巣窟で、純度の高い麻薬使用によるショック死の効果を実験したのち、生きていると思った共犯者を殺しに来たところを逮捕される。

 

後日、竹内の死刑が確定。権藤は竹内の希望により面会する。最初こそ不敵な笑みを浮かべながら語る竹内だったが、権藤邸が天国、自分が地獄にいたという嫉妬を語ったのち、突然金網に掴みかかり、絶叫する。竹内は刑務官に取り押さえられ、2人の間にシャッターが下ろされる。

 

ラストシーン

物語のラストは「拘置所の地下から地上への通路で戸倉警部と権藤が会話を交わして別れる」というのが当初の予定だったが、誘拐犯の竹内が金網をつかんで泣き叫ぶシーンを黒澤が大いに気に入り、そちらに変更されたとされる。山崎は黒澤から「君の芝居が良かったから、そこでエンドマークにした」と聞かされ感激したという。ちなみに、照明に照らされ続けた金網は熱く、山崎は手を火傷している。また、このシーンで黒澤は、山崎の髪に刀の砥の粉をかけて髪をぱさつかせたという。竹内の反抗的な態度を髪にまで求めたのである。


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