意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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サブタイトル変更しました。


九校戦編36

『ウルトラマン』は、日本の特撮テレビ番組(カラー)、および、その劇中に登場する巨大変身ヒーローの名前である。制作は円谷プロダクション。1966年(昭和41年)7月17日から1967年(昭和42年)4月9日の間にTBS系で毎週日曜日19:00-19:30に全39話が放送さた怪獣や宇宙人によって起こされる災害や超常現象の解決に当たる科学特捜隊と、それに協力するM78星雲光の国の宇宙警備隊員であるウルトラマンの活躍劇である。

 

アラシ(アラシ・ダイスケ/嵐大助)隊員

年齢26歳。科特隊きっての射撃の名手にして怪力の持ち主。スパイダーショットを筆頭に、イデの開発した銃器はほとんどアラシが使用する。熱血漢であり、斬り込み隊長的な役回りが多く、そのためにバルタン星人に体を乗っ取られる、ネロンガの電撃で気絶させられるなど、しばしば危険な目に遭う。一見すると明るい性格だが、場合によっては一人で責任を背負い込むなどナイーブな面もある。

 

ネットで、ウルトラマンや嵐隊員と検索をすればすぐにでも動画付きデータが発見できると思う。動画を見れば十文字さんとそっくりだ思われるだろう。余談だが、同じ役者が次のウルトラセブンにも出ている。さらに余談だが、『笑点』(お笑い番組)にも出ている。

 

そんなこんなで閉会式も終わり、皆様お待ちかねの後夜祭合同パーティーだ。少佐は、先に会場に来ていた。司波兄妹には、人だかりが出来ていた。込み入った話はできそうにない。

 

アレっ?一条くんはいるが、吉祥寺くんがいない。ダンスもまもなく始まるというのに。念のため、会場をもう一度見渡したがやはりいない。仕方なく、大した面識もない一条くんに話掛けた。

 

「えっと、ジョージはちょっと…」

一条くんが言葉尻を濁す。答えづらい話にギリギリの対応をしてくれた一条くんに感謝して、僕は彼を司波さんのところに連れて行った。

 

「司波さん!一条くんとは知り合いだったの?」

となんやかんや喋って一条くんが司波さんに話掛けられる様にした。一条くんは、視線を僕に送って小さく「サンキュ」と言った。

 

僕はすぐに吉祥寺くんに回線をつないだ。かなり待たされたが彼は応答した。彼は、落ち込んでいる。負けたのが応えたようだ。僕はとりあえず少し喋り彼が元気を取り戻すまで彼に喋らせた。彼が落ち着いたのを見計らってモノリスコードの話題を持ち出し今回の敗北は魔法力や技術力で劣っていたわけではなく三高の油断であると力説した。嘘だけど。

 

『それが勝者のメンタリティかな?選手でない君まで奢り高ぶらないんだね』

吉祥寺くんは、やっと気分が持ち直したようだ。僕は、その後少しCADの起動式を小さくするフィードフォワード制御について語った。彼は、すぐに会場に行くと言って回線を切った。ヤル気が回復したのだろう。続きは、少佐と存分に語り合ってくれたまえ!ジョージ。

 

僕は、すぐに会場に戻って司波くんと司波さんに話掛けようとした。出来るだけ二人になっている時が良い。『まるでトーラス・シルバー!まさかトーラス・シルバー‼︎きっとトーラス・シルバー!!!』の発表は、さすがは(司波さんの)お兄様ですと持ち上げまくって司波さんに承諾させ司波くんをも承諾させるしかない。

 

「お客様?今後は、スキャンダルでも追いかけておられるのですか〜?」

メイドのような格好をした千葉さんに因縁をつけられた。

 

「よくわかったね〜じつはパパラッチしているんだ!」

僕はカメラを構える格好をして千葉の下半身を激写するフリをしかけた。

 

「あんた!何してんの?」

 

「二高次期、エース候補の河村美波さんではありませんか?What’s up?」

 

「何英語で誤魔化してんの!次期、エース候補って何気に失礼なこと言ってるし。そんなことより、バイトの子になんでナンパしてんのよ!」

しっかり、拾ってくれた河村さん。さすが次期、エース候補。次回はエース候補ぐらいにはなれるよ。きっと。エースはビミョー。

 

千葉さんが、ニヤニヤしている。人の揉め事が好物な性悪女め。

 

「アルバイト?ここにおわすお方をどなたと心得る?新人戦モノリスコード優勝メンバー西城レオンハルトくんの恋人。千葉エリカ様である!」

と、明後日の方向に返してやった。しかも、千葉さんには思わぬ方向からの攻撃だ。

 

あ!千葉さん、逃げた。顔を真っ赤にして。

 

「寸劇は、もう、よろしいかしら?」

甲子園ギャル子さんが、悪ノリして「ハハー」と頭を下げようとしている河村さんに声を掛けた。お笑いなら、即エースだね。河村さん。

 

「ちょっとアンタ!この美人さんは誰?」

今後の河村さんは、本気で余裕を失っている。バッチリメイクのゴージャスギャル子さんには敵わないと感じたのだろう。と言うことは千葉さんなら張り合えるとでも思ったのだろうか?自己評価が高すぎて二高に入学したが凡庸だったのに?

 

ニャル子じゃなかったギャル子さんは、僕に会いたがっている人が奥の部屋にいると言った。彼女の心に映ったその人物は、僕が散々こき下ろした人物だ。でも、何食わぬ顔で会いに行くよ!

 

ドアの前で、「では、私はこれで」とギャル子さんが言い出しそうだったので腕を掴んで二人で部屋に入った。ソファーに九島さんが座っていた。二人で入室したので老人は、段取りが狂ったようだ。

 

「これは、これは九島閣下。お初にお目にかかります」(初ではないけどね。)

僕はうやうやしく言いながら、しかし、ど迫力で彼に近付いた。陽気を全身からこれ見よがしに発散させたのだ。霊感の全くない人でも後光が差しているように見えるはずだ。

 

彼は、ソファーから飛び上がった。僕は、直立不動になった九島さんに丁寧に両手で握手を求めた。彼は反射的に手を出した。握手をした。彼は、思わず、半歩下がった。(下がらせたんだけどね。)

 

『黄泉に行くのに、老いも若きもない』

僕は、彼にだけ聞こえるように囁いてすぐに退出した。ギャル子さんにお礼を言って会場に戻った。

 

司波くんと十文字さんが喋っている。声をかける機会をうかがっていると二人は外に出て行った。すぐに二人の後を追う。

 

気配を消して尾行するだけでは、二人にあるいは他の人にばれてしまう。僕は、念のため二人とは逆方向に向かい夜空を眺めていた。これで、二人を観ても大丈夫だ。

 

「司波、お前は十師族だな」

 

否定する司波くん。

 

そのあと、十文字さんが司波くんに七草さんを結婚相手に勧めた。なんじゃ、そりゃ?お遊びでも、十師族が負けるのはプライドが許さないらしい。

 

二人の話が終わるのを見計らって司波さんが、会場から出てきた。二人から離れて観たのは正解だった。

 

僕も、移動開始だ。おそらく、この後司波くんと司波さんが二人きりになる!

 

「お兄様?」

 

司波くんは、珍しくボーっと突っ立っていた。司波さんが少し心配する。合同ダンスパーティはそろそろ終わり、次は一高の祝賀会がある。司波くんは気乗りしないようだ。彼はぼやいているが妹と話している彼はリラックスしている。

 

「……ラストの曲が始まりましたね」

 

会場から流れてくる曲が変わった。

 

「お兄様、ラストのダンスは、わたしと踊っていただけませんか?」

 

彼女は透き通った笑みを浮かべて、優雅に一礼した。彼は彼女と一緒に急いで会場に戻ろうとする。

 

「演奏でしたら、ここでも聞こえます」

 

二人は息の掛かる距離まで身を寄せた。

 

彼は彼女の背中に手を回した。

 

二人の身体が触れ合った。彼は彼女の手を優しく包み込み、背中を深く抱き寄せ、ステップを踏み出す。

 

星空の下で、二人の身体がクルクル回る。

 

全てが回る世界の中で、彼と彼女は、二人だけ向き合っていた………

 

 

 二人が回る世界の未来が眼前に広がった。

 

「そういうことか!なら仕方ない」

僕は、ひとり呟いて『まるでトーラス・シルバー!まさかトーラス・シルバー‼きっとトーラス・シルバー!』を削除した。

 

 

             九校戦前夜・九校戦編 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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