意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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サブタイトル変更しました。


誤字訂正いたしました。


九校戦編34

最愛の妹を奈落の底に付き落とそうとした輩を、皆殺しにするとした最強お兄様のお手並み拝見と決め込んでいたのだが、七草生徒会長のプレ祝賀会的なお茶会へのお誘いがありそうはいかなくなった。残すは、明日のモノリスコードだけとなり、それに関係している選手やスタッフ達は忙しい。しかし、それ以外の人はヒマだ。ヒマな人達の緩んだ空気を拡散させないように一箇所にまとめて管理するとは七草会長と市原会計はなかなかの策略家だ。

 

というわけで無碍に断れなくなった。それと司波くんは、何と言って辞退するつもりなのか気にもなったのでお茶会に参加した。

 

お茶会には、選手やスタッフ以外の千葉さんと柴田さんも招かれていた。急遽選手になって優勝した吉田くんと西城くんと彼女達をひとまとまりにしているあたりは七草会長の計らいだろう。ただ、少佐達は来てなかった。しまった。テキトーな理由でサボっても問題なかったみたいだ。やる気の出ない僕は、ミーティングルームで静かにしていた。

 

「河原くん。来てくれてありがとう!」

七草会長が声をかけて来た。

 

「こちらこそ、お招き頂いてありがとうございます」

 

「どうしたの?元気ないね」

 

「そうですかね〜」

 

鋭いですね。会長は。

 

七草会長が去って行くと柴田さんが近づいて来た。吉田くんも一緒だ。

 

「師匠さん、大丈夫ですか?言いにくいですけど、なんて言ったらいいか、オーラが薄いように視えます」

 

「よく気づきましたね。今、自分の存在が薄くなってます」

 

「君は、もしかして」

吉田くんは、言いかけて途中でやめた。

 

「良くわかったね〜。只今、分身中だよ」

 

「!」

 

「?」

 

「ハ位の人みたいな8人分身ができるほど得意でないから、やっぱりバレてしまったね〜」

 

二人は、黙ってしまった。

 

「そう言えば、吉田くん。易経は読んだことあるかい?神祇魔法に役に立つと思うよ」

 

僕は、易経の冒頭部を見せた。

 

乾 乾為天

 

乾は元いに亨りて貞しきに利ろし。

 

初九 潜竜なり、用うるなかれ。

九二 見竜田にあり、大人を見るに利ろし。

九三 君子終日乾乾し、夕べにテキ若たり。あやうけれども咎なし。

九四 或いは踊りて淵にあり、咎なし。

九五 飛竜天にあり、大人を見るに利ろし。

上九 亢竜悔いあり。

用九 群竜首なきを見る、吉なり。

 

「とう言う訳で、龍を降ろすには身体の全て陽気で充実する必要があるんだ。陰気が入っても充実感があるので良く誤解されるのだけど。陽気が大切なんだ」

 

「!!」

 

「??」

 

「話は、変わるけど体位によっては骨格が変わるから勘のいい人にはわかるよ」

 

「「!!!」」

二人は、同時に真っ赤になる。心当たりがあるのだろう。

 

「『単位』がなんだって?」

千葉さんが、聞きつけた。単位ではなく体…まぁ、いいか。

 

「千葉さん、西城くんに付いていなくていいの?」

 

「ちょっと!どうしてレオの話題が出てくるの?」

 

僕は、女子に囲まれて爽やかな対応をしている西城くんを見ながら

「新人戦モノリスコード優勝者、しかもクリムゾンプリンスこと一条将輝とカーディナルジョージこと吉祥寺真紅郎を倒した一高選手の中でまだ可能性がありそうなのは西城くんだけかなぁ〜。司波くんと吉田くんは売約済と女子達に思われているし」

 

千葉さんは、回れ右して爽やか対応中の西城くんの方に向かって行った。

 

◇◇◇

 

プレ祝賀会は、予想以上の成果を得た。吉田くんと柴田さんに『蘇る神童』をスポーツノンフィクションとして発表して良いと許可を頂けたし、今後の取材も承諾してもらったし、体当たり的内助の功も触れる程度なら明かしても良いとなった。柴田さんは、やり手だった。

 

『Gone in 50ms』も光井さんよりも北山さんが妙に乗り気になって発表に賛成してくれた。女子の友情もテーマにしていると伝えたのが効いたようだ。

 

『まるでトーラスシルバー!まさかトーラスシルバー‼︎きっとトーラスシルバー!!!』は、タイトルを変更してでも司波兄妹の承諾得たかった。兄妹愛を軸にするのをダシにして司波さんを口説く作戦まで立てていたが、肝心の司波くんに会えなかったので保留となった。

 

他に自ら売り込み来た学生もいた。もし、次回も同じ企画があればその子達のも書く…かも知れないと約束しておいた。次回の九校戦も出張費が出たらの話だ。

 

このように参加しただけの成果はあった。さて、次は司波くんを観ていた方の自分の記憶を思い出す番だ。無理に今、思い出さなくても必要な時に必要な記憶を思い出せば事足りるのだが、司波くんの現代魔法の技術を観て学びには一旦今思い出した方がいい。

 

司波くんは、小野教諭からノーヘッドドラゴンのアジトの情報を買った。その情報に基づいて司波くんと藤林さんはそのアジトに車で向った。車中で日中関係と横浜中華街の話題が出た。司波くんの方が藤林さんよりもより内情に通じているようだった。大亜連合の工作員がいるとわかっていながら横浜中華街を存続させているのは、こちらも大亜の情報を得る為だ。用済みになれば解散させられる。

 

今年中には、片が付くだろう。

 

おっと、集中力が落ちて考えてしまった。

 

二人は「横浜ベイヒルズタワー」に入った。屋上に移動する。「横浜グランドホテル」の最上階にターゲットがいるらしい。藤林さんは、ハッキングを手早く完了させた。なるほど、そんな感じでやるのか。司波くんは、拳銃型CADを1キロ先のジェネレーターに照準を合わせて躊躇いなく引き金を弾いた。ゴルゴ13みたいに。

 

弾丸発射ではなく「分解」術式発動だ。なるほど、そうやるのか!

 

次に司波くんは、標的の「領域干渉フィールド」「エイドス・スキン」「肉体」の情報を変数として魔法式に入力した。再び「分解」術式!標的は「消失」した。「トライデント」所謂三連分解魔法だ。これも、だいたいわかった。

 

「Hello,No Head Dragon 東日本総支部の諸君」

司波くんは、ユーモアのセンスがあった。

 

 その後、司波くんは無頭竜の幹部とその部下達を次々に分解して行き無頭竜の本名と偽名を聞き出した。それは、僕には興味のないことだが一応通報しておこう。そんなことより「トライデント」所謂三連分解魔法が、『Demon Right』だと判明したのとそのやり方と破法もわかってしまったのは収穫だった。目の前で何回も発動してくれたら誰でもわかる。

 

まぁ、こんなものでいいかな。また、必要に応じて思い出せばいいだろう。

 

藤林さんは、現役の中尉だったんだ。悪いことしたかな?

 

さて、少し気になることがあるからチョッと観てみるか。

 

       ◇◇◇

 

 九校戦は最終日を迎えた。今日行われる競技はモノリスコードの一種類。九時から決勝トーナメント第一試合、十時から第二試合。午後一時より三位決定戦。そして二時から決勝戦が行われる。その後は三時半から表彰式と閉会式で、五時には競技場における九校戦が全て終了する。七時からパーティーなのだが、何とか司波兄妹に『まるでトーラス・シルバー!まさかトーラス・シルバー‼きっとトーラス・シルバー!!!』掲載の承諾を得ておきたい。

 

おっと、いかん!忘れていた。すぐに携帯端末を手に取る。

 

「少佐殿!タママ二等兵*であります!」

 

「師匠?何の冗談」

 

「冗談では、ありません!小官は、重大な情報を少佐殿にお伝えするのを失念しておりました!」

 

「?」

 

僕は、吉祥寺くんに少佐を紹介すると約束をしていたのだ。にも関わらず、それを少佐にちゃんと伝えていなかった!

 

さいわい、少佐はパーティーに初めから参加するつもりだったそうだ。

 

 

*タママ二等兵

 

ケロン軍での階級は二等兵(OR-1)。ケロロ小隊の突撃兵である。地球侵略軍の先発隊新人隊員で、小隊では最年少。そのため、小隊のメンバーでは唯一「ちびケロ」と題されるケロロたちの幼少時代の話に登場しない。名前の由来は「オタマジャクシ」の「タマ」から。自称小隊のマスコット担当。パートナーは西澤桃華。

 

 

『ケロロ軍曹』(ケロロぐんそう、英語表記:Sergeant Frog)は、吉崎観音による漫画『ケロロ軍曹』を原作とするテレビアニメ。2004年4月3日から2011年4月2日まで、テレビ東京ほかで放送された。ジャンルはギャグアニメ、略称は「アニケロ」。

 

あらすじ

 

ガマ星雲第58番惑星「ケロン星」から地球(地球外の全宇宙人の呼称は「ペコポン」)の侵略のため、先遣隊が派遣された。その隊長・ケロロ軍曹、突撃兵・タママ二等兵、機動歩兵・ギロロ伍長、作戦通信参謀・クルル曹長、暗殺兵・ゼロロ兵長(後にドロロと改名)の5名の兵士からなる、宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊・ケロロ小隊が地球に降り立った。

 

しかし地球に降り立つ際に、隊員5名は散り散りになり、小隊長のケロロは一軒の民家に潜伏するが、そこに住むペコポン(地球)人の日向夏美と弟の日向冬樹にあっさりと発見・捕獲される。本隊はこの状況を危険と判断し、彼ら先発隊5名を残して緊急撤退。地球に取り残されたケロロは、日向家の居候になり、家の掃除をさせられたり、趣味のガンプラを作ったりして毎日を送っている。

 

やがてバラバラにはぐれてしまった隊員たちが段々とケロロの元へ集結し遂に5人全員が揃う。その途中、アンゴル族のヒト型宇宙人の少女・アンゴル=モアまでが日向家に居候を始め、日向家はますます大混乱。変わりに変わった日向家でのさらにへっぽこな日々が続くことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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