意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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サブタイトル変更しました。


九校戦編30

思った通り、一高は吉田くんと西城くんが何やら怪しげな黒頭巾被って登場した。千葉さんが大爆笑している。そこ笑うところ?

 

千葉さんの笑いのツボがどこにあるのかはさて置いて、三高の2人警戒心はマックスになっているのは違いない。司波くんの計算通りにことが運んでいる。

 

これで一高が3人のチームワークとはまだ見せてない新しい術式をいきなり使えば、真赤な王子(クリムゾンプリンス。共産主義にかぶれた王子ではありません。)と火事なる常時(カーディナルジョージ。うまく当てはまる漢字が思い浮かばなかった。)と言えども慌ててミスの一つや二つはするだろう。

 

「天使…」

少佐はモノリスコードよりも天使の方が気になるようだ。地の女神も天使も天の父も結局は自分なんだけど。カトリック教の三位一体説は、そういう意味では良い線いってる。

 

不意に本部席付近が騒ついた。

 

九島さんがふらっと現れた。大会役員達が直立不動になっている。大会役員は彼が近くに来るまで気付けなかった?それでは、テロの予兆にも気付けないだろうなぁ。

 

試合開始の合図とともに両陣営の砲撃が交わされた。観客は大喜び。でも、一緒に喜んでいる場合ではない。何の為の陽動?司波くんは移動を開始している。魔法を使っていない。これで三高は、司波くんの正確な位置を把握するのが遅れる筈だ。でも、それだけ?

 

一方、一条くんも前進開始。こちらは悠然と歩いている。決勝までの戦い方と同じだ。違うのはCADくらいだ。汎用型から特化型に変えている。三高も多少の策を講じて来た。一条くんと司波くんに一対一で戦ってもらって一条くんに勝ってもらう作戦だろう。

 

本当に勝ちたければ、一条くんに司波くんとの戦いを避けてもらって1秒でも早く一高のモノリスコードを読み込んだ方が確実だ。一対一の戦いに応じた時点で司波くんの策にはめられたと考えた方が良い。

 

戦略の誤ちは、戦術では取り返せない。(一度、言ってみたかった。)

 

どさくさ紛れにディフェンスの西城くんがモノリスを離れてスルスルと前線に上がっている。アディショナルタイムに見られるゴールキーパーまで攻撃参加するパワープレイだ。こうしていとも簡単に数的優位を一高は作った。

 

最初の砲撃はこれを隠す為のものだった!司波くんの移動をわかりにくくする為だけではなかった。思い起こせば、決勝まで攻撃は司波くん、遊撃は吉田くん、守備は西城くんと固定して戦い勝ち抜いて来た。

 

ところが、決勝ではいきなりそれを放棄した。一条くんが司波くんとの一対一の戦いに応じると読んで一条くんの移動時間を遅らせる為に司波くんは走らずに三高陣地に向かい、遊撃の吉祥寺くんを吉田くんと西城くんの一対二の戦いに持ち込む。おそらく、いや、三高は全くこれに気づいてない筈だ。しかもポジションチェンジをして吉田くんが西城くんの背後に位置しているのは、完全にノーマークになっている筈だ。

 

とはいえ、司波くんが一条くんと接戦をしなければこの作戦は成り立たない。瞬殺されれば数的優位は崩れてしまう。

 

司波くんは、二丁拳銃スタイルで右手のCADで防御の術式解体、左手のCADで攻撃、多分振動系魔法。一方、一条くんは防御を捨てて攻撃に専念している。それでも、司波くんの攻撃は一条くんの脅威になってない。よくて牽制?ただ、司波くんも一条くんの攻撃を完璧に術式解体している。

 

三高の吉祥寺くんが移動を開始した。ディフェンダーをモノリスに残して。やはり、かかった。これで、二対一に持ち込める。

 

司波くんは、吉祥寺くんの攻撃参加を確認して急に走り出した。一条くんの攻撃を完璧に防ぐ事だけに専念するより、狙いをつけにくくする、つまり出来るだけ早く移動する事もした方がいいに初めからわかっている。なのに、司波くんは今頃そうした。

 

司波くんは、慎重に前進して一条くんをわざと自分に食い付かせた。もし、最初から疾走すると一条くんが自陣から離れずに待ち構えてしまうかも知れない。そうなると、三対一の戦いになる恐れがあったのだ。

 

それにしても、一条くんの破壊力抜群の圧縮空気弾をパーフェクトに分解して行く司波くんは凄い!凄い?!凄い?アレッ?

 

事象改変の予兆を視て事象改変が始まる前に動くのは、光井選手の秘密兵器だった。司波くんは、あっさりそれを出来るようになったのか?そういえば、彼は吉田くんの精霊魔法を起動していた。もしかして何回か見ただけで盗める?

 

ちょっと待て。自分を敵に食いつかせるのは、体育の時間にやったレッグボールで僕と白石くんがした戦法だ。もしかして、一回見ただけで司波くんはコツを掴んだ?

 

だとしたら、自分に向けられている目線が違う選手に向いた瞬間にポジションを移動して敵をひと泡ふかせるのも出来る。これも、レッグボールの競技中に僕と白石くんが司波くんに見せているからだ。

 

まあ、一回見ればだいたいわかる人はそこそこ存在するが。

 

さすがの司波くんも一条くんの圧縮空気弾を防御し切れなくなる。はずだったのに司波くんの反応速度が上がった!

 

エレメンタルサイトだ。一回観たから、わかる。とはいえ、残り数十メートルから前進速度が極端に遅くなる。

 

一方、吉祥寺くんは、迂回して一高モノリスまで百メートル程までようやく進んだ。そこで、西城くんに遭遇。明らかに面食らっている。吉祥寺くんは、頭が下手に良いから予想が良くあたり、外れるのに慣れていないのだろう。

 

しかも!吉祥寺くんの何かの攻撃魔法が例の黒マントで防御された。吉祥寺くんの攻撃魔法は、ターゲットを視認しなければならないらしい。なんかショボイぞ、カーディナル・ジョージ。何て言ってる間に司波くんが再び一条くんに向かって走り出した。魔法を使っていないので、一条くんは気付いてない。明らかに、様子がおかしい吉祥寺くんに気を取られている。

 

吉祥寺くんは、西城くんの横殴りの伸びる太刀(?)を上方に移動して回避。しかし、彼をすぐに突風が襲う!吉田くんの攻撃だ。再びなんとかしのいだ。吉祥寺くんそのまま吉田くんを攻撃?

 

魔法が発動しない。彼の得意魔法は一高チームに完璧に防御されていた。すぐさま、西城くんの伸びる太刀!今度は上から。吉祥寺くんアウト!と思ったら一条くんの援護射撃。西城くんがぶっ飛んだ。これは効いた。

 

しかし、その援護射撃の隙を突いて司波くんが猛然と突っ込んでいる!

 

あっ。やばい!一条くんが咄嗟に出した攻撃魔法が司波くんを強襲したのだ。司波くん、死んだ‼︎と僕は思った。だって、吹っ飛んだ司波くんの様子がヤバイ。閲覧注意。と思ったら宙を舞っている間に元に戻っていた。

 

まさか?まさかまさかまさかまさかの摩醯首羅(まけいしゅら)?!

 

いやぁ〜司波くんは頑丈だなぁ。排打功でも練功したのかなあ〜。

 

少佐が、訝しげに僕を見る。別に何も怪しい事はしていませんよ。

 

それにしても一条くんは動揺し過ぎだ。レギュレーション違反のオーバーアタックで一発退場を心配していると思うが、審判のフラッグは上がってないし、足元に横たわっている司波くんは死んでないし、吉祥寺くんも吉田くんを重力系魔法で追い込んでいる。司波くんはスッと立ち上がって、棒立ちしている一条くんの側頭部に右手を近付けた?

 

バイオニック・ジェミーーー!*

 

轟音が響きわたった。司波くんが指パッチン*をした後すぐに。パチンと鳴った破裂音を振動系魔法で拡大したのだろうが、さっきの排打功と今の振動拡大は妙に事象改変が早い。まるで、フラッシュキャスト!いや、多分バイオニックパワー。

 

少佐がまた、訝しげに僕を見ている。やめて!水晶眼でこっちを視るのは。僕にも大人の事情があるんです。察して下さいよ〜。少佐には後から司波くんの排打功と早い振動系魔法の話をするから。

 

そうこうしている間に、吉祥寺くんに倒されたはずの吉田くんが起き上がって来た。これは魔法ではなく根性!立て!立つんだ!幹比古!

 

というか、一条くんが倒されて吉祥寺くんは呆然と突っ立っている。その間に吉田くんが立ち上がったのだ。吉祥寺くん、試合中だよ?一条くんも吉祥寺くんも注意散漫過ぎ。吉田くんは、よろめきながらも黒マントに隠れて何やらCADを操作している。

 

そして、手で地面を叩く。

 

「キャー!」

柴田さんが、悲鳴を上げる。彼女は、吉田くんがピンチになったり攻勢になるたびに声を上げている。本人に自覚はないのだろうが、敏感な人にはバレてしまうよ。千葉さんとか。

 

柴田さんは、声が大きいタイプらしい。

 

またまた、少佐に訝しげに睨まれた。すいません。はしゃぎ過ぎですね。

 

 

☟興味のない方は、飛ばして頂いて構いません。

 

*地上最強の美女バイオニック・ジェミー

『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』(ちじょうさいきょうのびじょバイオニック・ジェミー、原題:The Bionic Woman) は、ユニバーサル作成のSFテレビドラマ。1976年から1978年にかけて第3シーズンまで制作され、第1・第2シーズンはABC、第3シーズンはNBCで放送された。

 

元はテレビドラマ『600万ドルの男』の1エピソードだったが、人気のために番組として製作されたスピンオフ作品。日本では日本テレビ系で、第1・第2シーズンが1977年1月から10月、『地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル』を間に挟み、第3シーズンが1978年3月から8月にかけて放送された。

 

主演のリンゼイ・ワグナーは、本作で1977年、エミー賞主演女優賞を受賞。

 

ストーリー

 

元プロテニスプレイヤーのジェミー・ソマーズは、スカイダイビング中の事故により瀕死の重傷を負う。婚約者であるスティーブ・オースティン大佐(600万ドルの男)は、科学情報局(OSI)に頼み込み、彼女に自分と同じバイオニック移植手術を施させた。

 

両足、右腕、右耳をサイボーグ化された彼女は生命の危機からは脱したものの、移植の拒絶反応から、スティーブのことを含めて全ての記憶を失ってしまう。しかし彼女は、自分を救ったOSIのためにバイオニック・パワーを使った諜報活動を志願するのだった。

 

バイオニック・パワー

 

右耳:高感度ガンマイクでもある。隣室から電話の通話を聞いたり、1km先の微弱な音声もキャッチできる。

右腕:出力1558W(≒2.12PS)の原子力電池搭載。片手で1トンの重量物を持ち上げる。

 

轟音指パッチンも、作中で得意技として登場している。どうでもいい事だが、彼女の愛車はフェアレディZ。

 

両足:出力4928W(≒6.7PS)の原子力電池搭載。最大走行速度95km/h(≒100m走3秒79)。10階建て程度のビルから飛び降りたり、数メートルの壁を飛び越せる。

本人の心臓は、右腕、両足に血液を供給する必要がないため、95km/hで走っても心拍数は平常時と変わらない。義手・義足の動力源は原子力電池である。

 

シリーズの概要

 

『バイオニック・ジェミー』は、OSIのエージェントとなったジェミーがバイオニックの能力を駆使しながら活躍する姿を描く。だが、女性エージェントということで、『600万ドルの男』のハードな雰囲気とは異なるシリーズとなった。例えば、美人コンテストにミス・カリフォルニアとして出場したり、アメリカ先住民族風の女子プロレスラーになったり、修道院のシスター姿になったりするなど、コスプレ的潜入捜査が多いのもその表れである。

 

☝︎キューティー・ハニーの影響を受けた?

 

また、表向きの職業はベンチュラ空軍基地内の小学校教師であるため、児童たちとの交歓シーンもあったが、途中でこの設定は放棄された。コミカルなエピソードも少なくなかったが、一方では核兵器開発競争に警鐘を鳴らす、『ジェミー 地球壊滅を救え!』のように重厚なものもある。

 

シリーズを通して最大の仇敵として知られるのは、フェムボットという人間そっくりのロボットであり、その製造者は、バイオニックとロボット工学のどちらが優れるかをドクター・ルディと争った元OSIのフランクリン博士であった。ジェミーは、スティーブ・オースティンと共に、ロボット対バイオニックの死闘を演じることとなる。

 

また、ジェミーと同じ顔に整形したリサ・ギャロウェイという女性(リンゼイ・ワグナーの一人二役)も登場し、リサは一度はジェミーになりすますことに成功したものの、バイオニックの能力がなかったため正体を見破られる。再登場したときには、新開発の薬物でバイオニックに匹敵するパワーを得てジェミーを翻弄した。

 

第3シーズンで放送系列がABCからNBCに移ると、内容がより低年齢の視聴者を意識したものに変更された。その第一が、バイオニック・ドッグであるマックスの登場である。マックスは火事で両脚と顎に重傷を負い、まだ実験段階だったバイオニック移植手術を施された犬だった。マックスはジェミーに飼われることになり、任務遂行でもパートナーを組んだ。

 

☝︎人造人間キャシャーンのフレンダーの影響を受けた?

 

この他には、宇宙人の再三にわたる登場などが挙げられる。しかしこの路線変更は視聴率の低下を招き、シリーズはこのシーズンをもって打ち切られた。最終回は、OSIを辞めようとしたジェミーがそれを阻止しようとする政府機関から追跡される、という展開だった。

 

*フィンガースナップ (finger snapping) は、指を鳴らす動作のこと。日本では指パッチンの名で知られている。

 

方法

 

親指との間に張力をかけた中指や薬指を、手のひら(親指の付け根の部分)に勢い良く打ち当てることで「パチン」という破裂音を立てる。なお、この音は手を叩いて音を出す原理とほぼ同じようなもので、空気を弾くことで鳴る音である。

 

☝︎中指と親指の摩擦音ではないのに注意!指パッチンができない人は摩擦音だと誤解している。

 

 

 

 

 

 

 

 


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